第276回 令和2年1月12日
兼題: 闇汁 どんど焼き

 利孟
 飾り吊る打ち残された錆釘に
 重箱の傷に覚へや節料理
 龍の棲む池の祠の注連飾り
 初御空江戸そこ此処に富士見坂
 闇汁や蓋開け閉めの音数へ

 比呂
△入れる度忍び笑ひや闇汁会
△小春日や戸を開け放つ農具小屋
・そそけたる太き藁棒土竜打ち
 夜祭の祭粢御神楽菰被り
 白鳥の黄に黒鳥の赤き嘴

 美恵子
△黒千代香で呑むいも焼酎年行けり
・繭玉や共に飾りし子の遠く
・初出勤ゴスペル流るカーラジオ
・闇汁と紅白蒲鉾祝膳
・凍道を日の出に向かふ夜明け前

 ミヨ
△竹爆ぜる音の間遠やどんど焼
・粗彫の木偶に手足やすきま風
・鴇いろに空を明るめ初日さす
 闇汁や焦げのはんざき匂ひけり
 いぶかり聞く明智平の大初日

 昭雄
△炎の奥の奥に火のありどんど焼
・地のも限定ご当地闇夜汁
・漢等の旧きえにしや闇汁会
 闇汁や味の決め手の唐辛子
 消防の刺し子袢纏どんど焼き

 聖子
・どんど焼終りて灰の温さかな
・焼く餅の焦げに福ありどんど焼
・行きずりのどんどに背なをあたたむる
・猪鍋のまたぎ互ひの犬自慢
 どんど焼に会ひ十年来の友

 英郷
・茹で卵掬ふに燥ぎ闇汁会
・境内の穴に山積みどんど焼き
・どんど焼き渦巻く炎に顔そむけ
・闇汁会闇を探りて運ぶ足
 長箸や闇汁探る夢を見む

 良人
・星空を焔が焦がしどんど焼き
・山と積みあげて田面に飾り焚く
・那須おろしどんどの炎高くして
 飾り焚く焔に煙かき消えて
 闇汁の大鍋の主旧き友

 木瓜
・結ひあげて縄に歪み注連飾
・竹爆ぜる音の壮快破裂音
・腐れ縁までも掬ひて闇夜汁
 寄鍋や男二人の味の濃さ
 煮凝りや定めし心また揺れて

  信子
・闇汁の闇誰の肩の触れしかな
・二の足を踏むをこらへて闇夜汁
 飾焚く「飾りのほかはお断り」
 あたふたと啜りて熱きなづな粥
 楯構へ走る隊列寒四郎