10月例会
第307回 令和4年10月29日13時 Zoom句会
兼題:初霜 どぶろく 



  利孟  
 蕾二つ残し真白き貴船菊  
 糠漬けの青き香りの大根葉  
 髭当たる鏡の曇り今朝の冬  
 ジェットストリーム蒼き昴の影揺らし  
 枡配りどぶろく祭のおふるまひ  

  比呂  
☆はせを忌や「時雨」と銘の古三味線  
○枯れ葉算へて陶の狸の通ひ帳  
・井戸掘りのお浄めといふ濁り酒  
・新婚の手作り表札新松子  
・初霜の溶けて泣き顔枯野仏  

  信子  
☆ドクターヘリ初霜弾き飛ばし発つ  
○落ち人の伝説里に濁り酒  
・初霜や菓子舗に湯気の立ち昇る  
・ぽんぽん菊首をかしげて座る犬  
 どぶろくを呷る漢の喉仏  

  英郷  
○日は詰まり手作り醪甘辛く  
○どぶろくのほのかに香るコルク栓  
・初霜やしをれて苔の湿る朝  
・久闊の朋の提げ来て濁り酒  
 生垣の影の明るき霜の朝  

  美恵子  
○徳川の秘宝守る宿にごり酒  
・初霜や漬物樽を洗ふ音  
・牡蠣小屋の客を呼ぶ声煙り立つ  
・どぶろくや宿の写真に父ありて  
・初霜や泥靴重き登校班  

  ミヨ  
○黒塚の婆の苫屋の星月夜  
・根菜を寝かす横穴霜の声  
・大豆干す音の跳ねだす藁筵  
・初霜一輛が行くローカル線  
・まづ唄ひ藁鉄砲の十日夜  
 蔵隅にどぶろく仕込む母の黙

次回予告
第308回 令和4年11月26日16時から
兼題 達磨忌 白菜 ふくろう