第316回 令和5年7月29日 Zoom句会
兼題 夏休み とうもろこし 盆 滴り

  利孟  
 霍乱や白衣に帽の救急隊  
 夏休みまづは思案の日課表  
 誦して立ち僧の輪となり盂蘭盆会  
 熊笹で受け滴りの水汲み場  
 影踏みの短き影の逃げ灼ける  
 時計台の鐘や唐黍屋台出て  
 皆にジョッキわたり乾杯凌夏会  

  比呂  
☆凌霄や緩きうねりの夏目坂  
○盂蘭盆や百目鬼通りの細き路地  
○マカロンの五色を供へ星祭  
○指深く組みて凝念糸繰草  
○忍び泣くやう滴りの間遠なる  
・子供にも描ける日の丸終戦日  
・湧水の砂の小躍りしてすさぶ  
・ほととぎす夜をしどろに鳴き通す  
・醤油の香漂ふ広場たうもろこし  

  ミヨ  
☆大西日観音開きの蔵の窓  
○大皿の鰺の叩きに貝割れ菜  
○木を移り森の闇へと油蝉  
○穂先まで色付ききらず実ほおずき  
・藁で焼き焦げ芳しき鰹かな  
・髷結へぬ力士奮戦九月場所  

  信子  
☆月へ上げ日光和楽踊り笠  
○手招きに入りまた招き踊りの輪  
○滴りの小さなこだま廃銅坑  
○海の青大空の青夏休み  
・たうもろこし一途にハモニカ吹くごとく  
・明日穫る胡瓜三本そのままに  
・庭穫りの糠漬胡瓜食み至福      

  美恵子  
○服薬は朝の日課に半夏生  
○盆休みまづ献杯のクラス会  
・白板に行事の日付夏休み  
・登校日に赤丸付けて夏休み  
・滴りの岩肌濡らし薄れけり  
・玉蜀黍ハモニカのごと齧り付き  
・玉蜀黍残り一本もぎ倒す  

  英郷  
・丑三つの雨を知らせて雨蛙  
・盆踊リ刻の移るを楽しみて  
・二畝の玉蜀黍の花盛り  
・夏休み日帰り旅行を二度三度  
・ゴムプールにはしやぎ疲れて深眠る  
 登り径滴り滲む草の陰  
 夏体み知見の進むAYA世代