1996,11 岡山エクセレント講座(松本論文) 

           向山型「社会科」を追う  <法則化兵庫播磨 松本 俊樹>
 
 「授業の原理原則トークライン」(No,19 p6)に向山氏は次のように書いた。

 誰か、私の「社会科」を追いかけてくれないかと思う。
 


 
 この呼びかけに私(松本)も応える。

 私(松本)は向山型「社会科」を追う。
 


 
 次のように追う。

1 向山氏の社会科に関する実践を集める。
2 追試・検討・分析する。
3 向山氏の「社会科授業の原理・原則」を見い出す。
5 向山氏の「社会科授業の原理・原則」で他の単元・授業づくりを行う。
6 その授業を記録し検討・分析する。
7 松本俊樹HP「授業の腕をみがく」に示す。
 
 1〜6の活動を文章・HPに示す。たとえば次の向山実践を対象にする。

@ 向山氏の社会科授業記録
A 教え方のプロ・向山洋一全集
B 向山実物資料集
C 向山氏の著作
D 「社会科教育」誌(明治図書)
E 向山実践の追試論文
D その他手に入る資料から
 








 
 また、向山氏は授業の流れの1パターンをかつて示した。

1 まずはじめに、ある限定された場面の写真・表・絵・実物などを示し、
  できる限り多くの考えを発表させる。
 @ まずノートに書かせよ。
 A 五分間は待て。
 B 選択せずに次々に発表させよ。
 C 数十から時には百を越える意見が出るはずである。
 D 一般に絵・写真を見ての意見は多く、表からの意見は少ない。
 E 一枚の資料では子どもは資料を吟味せずに読んでしまう。吟味させる
   には二枚必要である。
2 出された子どもの意見を分類する。
 ・ ある視点を与え、分類させる。学習課題と呼んでもいい。
3 分類したいくつかの課題に対して、それを確かめる授業をする。
 ・学習していく方法、追究していく方法を教える。
 ・子どもの力では困難なことをとりあげ、子ども自身で調べられることは
  残しておく。
4 それ以外の課題を子どもに調査させる。
 ・資料を集めさせ、検討を加えていく。
 ・ふつうはグループを作って行う。
5 調べたことを発表させ、討論させる。
6 「分かったこと」「分からなかったこと」を確認する。
 
(「社会科教育」85,12 明治図書)
 このパターンを検討して単元・授業づくりを試みる。また、他のパターンはあるのか。あればどのようなパターンでどのような授業なのか見い出す。
 特に印象に残っている授業は次の5つである。

ア 「青森はなぜりんご日本一か」(「斎藤喜博を追って」他)
イ 「有田・向山立ち会い授業」(84年筑波 97年岐阜 98年京都)
ウ 91年雪谷小での公開授業「一枚の写真の読みとり方・サイクル図の授業」
エ 4年「水道」の授業(導入期の授業)
オ 4年「雪国はそんをしているか」(討論の授業)
 
 ア、エでは導入期の社会科授業の「原理・原則」を見いだすことが出きるだろう。
 たとえば「調べ方の指導」「調べるための意欲づけ」「学習技能の身につけさせ方」等。
 イをもとに「有田社会科」との比較検討が出きる。たとえば「授業には『モノ』を用意せよ」「発問を吟味せよ」「子どもが動く発問の原則」等。


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