(C)Talk Line/小学校/社会・総合(防災)/防災学習・阪神大震災教材名/4,5,6学年/危機管理・写真



阪神大震災とライフライン・ボランティアの授業


TOSS兵庫播磨/松本俊樹

*鳥取西部地震時の対応


阪神大震災から5年。震災の教訓を風化させないためにも授業化していくのはTOSS兵庫の教師の責務である。




1 内部情報の蓄積をはかる。


  兵庫県播磨地方の版画家岩田健三郎氏が震災後被災地を回って描いた絵本「いのちが震えた」(発行 小さな出合いの家)を導入に使う。

  p2,p4の絵をコピーして配布する。(作品は白黒)

  指示1 白黒です。色を塗りなさい。

  色鉛筆で色を塗らせる。色を塗るから見えてくることがある。

  「阪神大震災の絵かな」

  「線路の上に家がつぶれているとある」

  「1995というのは年だ」

  「JUNは何を表しているのですか」

  「神戸、須磨とある」

  次のような事実は知らせる。

  「1995年1月17日午前5時47分。淡路島の野島断層を震源にマグニチュード7,2の地震。

   神戸の町は震度7という非常に強い揺れのために絵にあるようになってしまった。」

  指示2 絵を見て気づいたこと、分かること、考えられること、ほんのちょっとでもいいから思いついたことをノートに箇条書きにしなさい。

  一人学年×5を目標とさせてどんどん書かせる。

  「3つ書けたらもってきなさい」 

  「一つ黒板に書きなさい。」

  「前の意見も参考にしてどんどん書いていくのです」

  指示3 発表しなさい。

   次のような「はてな」も出てくるだろう。

  ・いつ、どこで、どのくらいの人が亡くなったか、どのくらいの家がつぶれてしまったか、人々はどう過ごしたか

  指示4 阪神大震災について調べていきます。
       自分のはてなに印をつけなさい。

   何を調べていくのかを決めさせる。

  指示5 どのように調べるのですか。
       調べ方をノートに書きなさい。 

   次のような調べ方が出てくる。

   ・本で(図書室の本・図書館の本)

   ・家の人に聞く

   ・新聞記事(図書館で)

   ・インターネットで

   ・神戸市にきく

  

 2 阪神大震災とライフラインを授業する

   あるところから何かを求めている写真を示す。

  発問・指示1 何をしているのでしょう。ノートに書きなさい。

  ・水をとっている。

  発問2 どこからとっているのでしょう。

  下の部分は白黒で示す。四角い形であることは分かる。

  「何色か見たら分かります。」

  カラーの写真を示す。

  「消火栓から水をとっているのです。」

  「大震災で水道管がこわれて水が止まってしまいました。」

  「消火栓から漏れてきた水を人々は求めたのです。」

  発問3 他にどんなところから水を得ることができたのでしょうか。

  ノートに書かせる。

  ・井戸水・川の水・学校のプールの水・給水車

  給水車に並んでいる写真、川の水を利用している写真を提示する。

  次のように問いかけてもよい。

  「みなさんの家の近くの川の水は洗濯や食事に使えるようなきれいな水ですか?」

  地域の環境に目を向ける糸口になるだろう。

  さらに次のような写真を示す。

  子どもがポリタンクを運んでいる写真である。

  発問4 どこへ運んでいるのでしょう。

  予想がつかなければあっさり答えを示してよい。

  給水車が来ても並べない人がいました。

  病気の人やお年より。

  そんな人にこの子どもたちは手分けして水を配ったということもありました。

  (1,8リットル入りのポリタンクを持たせる体験をさせる)

  (1日あたり1,5リットルくらいの水で過ごさなければならなかったことを知らせる。・・・ペットボトルで))

  発問5 地震で水道が止まってしまいました。
       他にもいろいろなものが止まってしまいました。
       何が止まってしまったのでしょうか。

  考え、調べれば調べるほどたくさんとまったものがでてくる。

  ・電気、ガス、電話、・・・ライフライン

  ・行政、市政、消防・・・・市民サービス

   (火事の写真を示す)

  ・鉄道、新幹線、高速道路・・・・交通機関

   (高速道路の倒壊写真を示す)

  ・工場、店

  ・学校

  ・家族の歴史、人生・・・・

  発問6 日常の生活に欠かせない電気、ガス、水道は特に復旧に力を入れました。
       3つのうちどれが一番最初に復旧させることができたでしょうか。

   予想させる。理由も発表させる。

  発問7 1番は電気でした。
       さて、どのくらい後に復旧できたのでしょうか。     

  ・1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後、半年後、1年後、3年後と選択肢を示す。

  電気は約1週間後に復旧。(1月23日)

  発問8 次に復旧したのはガスでしょうか水道でしょうか。

  予想させ理由も発表させる。

  ・ガス(4月11日)

  ・水道(4月17日・神戸市2月25日)

  ・自衛隊の風呂の撤去(4月26日)

  同様に高速道路や新幹線(鉄道)の復旧についても予想させてもよい。

  復旧に携わる人の活動の写真や映像を用意したい。


 3 阪神大震災とボランティアを授業する 

  たくさんの人が復旧に力をかして下さいました。

  ライフライン復旧の写真を示す。

  発問1 この人達はボランティアでしているのですか。仕事でしているのですか。

  避難所での配給の写真を示す。

  発問2 この子どもたちは他から助けに来たのですかそれとも震災にあった子どもたちですか。 

  震災にあった子どもたちの姿である。

  避難所の子どもたちは自分たちのできることから活動をはじめた。

  その動きが避難所の人たちに希望を与えることとなった。

  1枚の写真を示して問う。一部分かくしておく。

  発問3 いろいろな人たちが全国から駆けつけて助けて下さいました。
       この人の背中にはどのような言葉が書かれているでしょう。

  「このように小さな事でも自分のできることから困っている人のために何かしなければという人たちが日本、世界からありました。」

  発問4 他にどんな手助け・ボランティアがあったのでしょう。 

   

 4 阪神大震災と危機管理

  発問1 阪神大震災のニュースは世界中に流れました。
        ところで外国の人々が自分の国では考えられないことだと強く印象に残ったことは何でしょう。

  次の3点である。

  ・商店への略奪行為がなかった。

  (コンビニに何時間も並んで購入したという記録)

  ・配給等にきちんと列を作って並ぶ市民の姿

  (運動場に続く配給の列の写真)

  ・国家のトップ(首相)の現地到着が3日後であったこと

  (村山首相の写真・日録)

  発問2 次のような写真があります。隠れているしたに秘密があります。何でしょう。 

  被災地を訪問された美智子妃殿下の写真である。

  「がんばれ」という手話のメッセージを送られている。


*鳥取西部地震時の対応