今年の8月、9月は例年になく雨の日が多く、また、台風24号が風台風で、塩害が日本のあちこちに発生し、木々の葉が穴が空いたり、縮れたりしている。そこで、内陸部で紅葉が美しい山を探した
ところ、浅草岳が候補に挙がった。ガイドブックを読んだところ、ブナ林が山を覆い、ブナの葉の黄葉が楽しめる、とのことで、早速山麓の国民宿舎「浅草山莊」に予約を入れ、好天の週末を待った。
浅草岳は越後平野に聳える守門岳と向かい合った山で、6月のヒメサユリのシーズンには多数の登山客が訪れるそうだ。
[行程] 2018年10月21日(土)
自宅7:32→練馬IC→関越道→小出IC→14:20浅草山麓エコミュージアム15:00→15:20国民宿舎「浅草山莊」泊
22日(日)
浅草山莊6:00→6:15ネズモチ平駐車場6:45→登山口6:50→前岳分岐8:30→8:55山頂9:45→前岳分岐10:05→サクラ曽根登山口12:05→12:25駐車場12:30→小出IC→練馬IC→19:30自宅
[山行日誌]
初日は現地の浅草山莊に入ればよいので、ゆっくりと自宅を出発、関越道をのんびりと走り、4時間弱で小出IC
に到着した。道の駅「ゆのたに」で、14年前の中越大地震の記念のロウソクを購入した際、担当者と地震当日の
話をした。我々は「日本百名山」の一つ、平ヶ岳に登るために「清四郎小屋」に宿泊していた。夜6時ちょっと前、私
が友人と露天風呂に入浴中、「ガシャガシャ」と大きな音がして、猛烈な揺れが続いた。中越大地震で山古志村は
大打撃を受け、関越はストップしたが、我々は翌日、妻の教え子達と中ノ俣林道から平ヶ岳に登り、鷹ノ巣へ下山
した。帰りは関越が使えず、尾瀬を通って東北道の西那須野塩原ICから自宅へ真夜中に帰宅した。平ヶ岳山頂部
の高層湿原に草モミジが映え、言葉に表せないほど感動したことを憶えている。
思ったより関越道が順調で、時間があったので、ネズモチ平駐車場の下見に行き、その帰りに「エコミュージアム」を見学
した。無料で、館内には広葉樹やその実の説明板が置かれ、森に住む鳥や動物の生態が見られるようになっている。ま
た、木の枝や実を使った工作が出来るように道具が揃っている。指導者もいて至れり尽くせりである。
国民宿舎「浅草山莊」は設備、眺望、温泉ともに満点で、部屋も広く、食事もまずまずで、とても満足した。惜しむらくは宿
泊者が我々2名を含めて計4名、これだけの施設を遊ばせておくのは勿体ないと感た。ヒメサユリの季節は一杯になるだ
ろうか。
翌朝は6時に出発。前日は夜遅くまでかなり強い雨が降っていて心配したが、雨は止んで、これから良くなりそうだ。駐車
場には10台ぐらいの車が駐まっていた。準備を整え、登山届を所定のボックスに入れて出発。ガスが山全体を覆い、山頂は
見えない。駐車場から登山口までは5分ほど。ここで道は二つに分かれ、我々は前岳に突き上げるコースを選び、何年もの
間蓄積した枯れ葉を踏みしめ高度を上げて行く。雨上がりで水たまりがあちこちに出来ていて、また、急勾配の箇所が多く、
気が抜けない。途中、岩でスリップ、小さな流れに落ちてズボンの一部が濡れた。更に急登を登っていくとようやく尾根道に出
て木道となる。これもまた滑りやすく、注意をしていたにもかかわらず再び転倒、木道横の草原に倒れ込む。年のせいか反応
が鈍くなっている。三百名山は今までのようには行かないようだ。
2時間弱で前岳分岐に到着。山頂まで15分と書かれていたので休まずそのまま山頂を目指す。9時前に山頂に着いた。10名ほどの登山者が休憩中。朝食兼昼食を食べ山座同定を始める。守門岳が大き
な山容を見せている。
田子倉湖はガスに覆われていたが、やがて半分ほど見えてくる。越後三山(魚沼駒ヶ岳、中ノ岳、八海山)も見えている
はずだが、よく形が分からない。しばらく山座同定を楽しんだ後、次々にやって来る登山者のため下山を開始。いつの
間にか紅葉を楽しむには絶好の日和となっている。帰りはサクラ曽根コースを選び木道を下り始める。次から次と家族
連れや4〜5人のグループが登ってくる。ぴょこんと飛び出ている岩場混じりの高台にやってくる。嘉平与ポッチと言われ
ていて三角点が有る。
小休止後,すっかり乾いた道を快調なペースで下り、「浅草の鐘」の有るサクラ曽根登山口に到着。守門岳が特徴のある山
頂部を見せている。確か大岳、青雲岳、袴岳という三つの峰が有った。ここからは舗装された道をゆっくり下り、20分ほどで
ネズモチ平登山口の駐車場に戻ってきた。車は50台ぐらいに増えていた。
先日の五箇山遠征で大渋滞に巻き込まれたので、今回は日帰り温泉には立ち寄らず、「物好き村」で珍しい野菜、「玉川酒造
で「玉風味」、小出インター近くの道の駅で色々な野菜を購入し、関越道に入ったが、やはり、事故渋滞でたっぷり運転を強いら
れ、19時半に帰宅した。今回は錦繍を愛でることが第1目標であったが、目標通りブナの黄葉やカエデの紅葉に浸り、また、浅
草岳のたおやかな山容と豊かな自然を楽しむことが出来た。