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ホンのブックガイド 内容一覧

(1998/11/01)




江戸川亂歩『海外探偵小説 作家と作品』著名作家91人の評伝・写真 その全作品目録 早川書房 1957

早川のポケミスの解説文をもとに、その他雑誌に載せた文や、新しく書き足したものをまとめて、一冊の本にしたもの。附録として、「シャーロック・ホームズ全篇雑誌初出誌名年月表」「海外探偵小説総目録」「五種の路標的名作集」あり。

ちなみに、「五種の路標的名作集」は以下のとおり。

(1)ヘイクラフト、クイーンの名作集(Herbert Brean編, THE MYSTERY WRITER'S HANDBOOK, 1956 の第27章)

(2)サンドウの名作集(James Sandoe編, THE DETECTIVE STORY AND ACADEME, 1946増補)

(3)スチヴンスンの名作集(W.B.Stevenson編, A READER'S GUIDE : DETECTIVE FICTION, 1949)

(4)スミスの名作集(F. Seymour Smith編,WHAT SHALL I READ NEXT ? , 1953)

(5)クイーンの短篇名著集(Ellery Queen, QUEEN'S QUORUM, 1951)



植草甚一『雨降りだからミステリーでも勉強しよう』晶文社 1972

「ぼくは本格派の推理小説は、あまり夢中になれないほうで、変格派の推理小説のほうが面白かった」(p.436)

と本人が書いているように、彼のすすめるもの、読んでいるものには、クセのあるものが多い。索引を眺めてみても、いまでは入手不可能なものが多そうだ。ただ、ほかのブックガイドには載ってないであろう人が、ここには載っていたりするので、重宝といえば重宝。



H.ヘイクラフト編 鈴木幸夫訳編『推理小説の美学』研究社 1974


章だては以下のとおり。

1.推理小説円熟す−高等批評

G・K・チェスタトン/探偵小説の弁護
E・M・ロング/犯罪と探偵
ドロシー・L・セイアズ/犯罪オムニバス
H・ダグラス・トムスン/推理小説作家論
ヴィンセント・スターレット/シャーロック・ホウムズの私生活
ハウアド・ヘイクラフト/楽しみのための殺人
ジョーゼフ・ウッド・クルーチ/たかが探偵小説

2.推理小説の育成

アール・スタンリー・ガードナー/発端の真相
レイモンド・チャンドラー/単純な殺人芸術
ジェイムズ・サンドー/心の短剣
ジョン・ディクスン・カー/密室講義

3.批評家のコーナー

アントニー・バウチャー/推理小説における倫理
エドマンド・ウィルスン/誰がロジャー・アクロイドを殺そうとかまうものか
ニコラス・ブレイク/なぜまた探偵小説が?

4.犯罪を書棚に

ジョン・カーター/探偵小説収集
エラリー・クイーン/短編探偵小説−その百年史

5.夜回り、夜がなんだ!

ハリスン・R・スティーブズ/探偵小説について、真面目な一言
フィリップ・ヴァン・ドーレン・スターン/袋小路の死体事件
ハウアド・ヘイクラフト/第二次世界大戦中および大戦後の推理小説

索引がついている。人名、書名はもちろん、作品登場人物、事件名等からもひける。ほかに付録として、「推理小説研究・評論文献抄」、「作家・作品・探偵名リスト」がある。



各務三郎『ミステリ散歩』中公文庫 1985(1973)


「ミステリは読んで楽しむもの。自分が参加しては命が危ない。ミステリ王国である英米の作家と作品を中心に、ミステリ評論の第一人者が情熱をこめて綴る、ほどよい緊張と心のゆとりのための格好のエッセイ。」(裏表紙より)

五部に分かれており、各部は以下のとおり。

第一部 パズル・ストーリイ

第二部 ハードボイルド、冒険小説

第三部 サンスペンス、クライム、警察小説

第四部 幻想と怪奇

第五部 ミステリへの招待



都筑道夫『死体を無事に消すまで 都筑道夫ミステリー論集』晶文社 1973


雑誌などに載せた紹介記事や解説を、一冊にまとめたもの(ハヤカワ・ミステリや、「EQMM」など)。



渡辺剣次『ミステリイ・カクテル 推理小説トリックのすべて』講談社 1975


ミステリのトリックを以下の章だてで解説。ネタバレに気をつけなくちゃならない けど、トリックに興味のある人には楽しめると思う。トリック以外に、12、13のよ うに、未完に終わった作品について述べられている章もある。

1 密室崩し
2 殺人の復権
3 脱獄のテクニック
4 新ジーキル博士とハイド氏
5 変身願望
6 「犯罪の主体」を隠す
7 森の中に隠す
8 あなたのアリバイは?
9 時刻表解読
10 凶器名鑑
11 毒杯をどうぞ
12 死者からのメッセージ
13 墓場へもちこまれた謎
14 未完の悲劇
15 殺人への花束
16 類別トリック集成  



小林信彦『地獄の読書録』集英社 1980


第一部「本邦初訳ミステリイ総まくり」は、「毎月出版される翻訳ミステリイを、片っぱしから紹介した」もの。雑誌「宝石」に連載していた「みすてりい・がいど」(1959-1963)の完全収録。

第二部「スパイ小説とSFの洪水」は、「平凡パンチ・デラックス」の1965-1969まで連載していたもの。

著者索引、書名索引もついており、壮観。まさに「地獄」の読書録。



間 羊太郎『ミステリ百科事典』教養文庫 1981


「かつて江戸川乱歩はカーの『三つの棺』の中で探偵役が密室談義をする件に触発され、全トリックについて「こういうものが書けたら面白いだろうという野望のようなものを持」ったという。その野望は一般向けの読みものとしては一部しか実現されなかったが、実際にはこの『ミステリ百科事典』のほうなものを考えていたのかもしれない。SF・怪奇小説から純文学にまで及び、身近な素材からトリックの千変万化を説き起こしてゆく本書は、さながらミステリーの博物誌という趣があり、ミステリ・マニアはもとより一般の読者にも、興味をそそる一大パノラマを望見させること間違いない。」(表紙折り返しより)

おおまかな目次は以下のとおり。

第一巻−人体
眼/手/血/首I/首II

第二巻−生物
猫/犬/虫/花

第三巻−風物
雪/氷/クリスマス

第四巻−事物
電話/時計/人形/蝋燭/手紙/郵便/遺書

別巻−あらかると
宝石/たばこ/ギャンブル

著者索引があり、著者ごとに作品をまとめて載せている。



福永武彦・中村真一郎・丸谷才一『深夜の散歩 −ミステリの愉しみ−』講談社文庫 1981


「EQMM」に連載したのを集めたもの。福永武彦「深夜の散歩」(1958-1960)、中村真一郎「バック・シート」(1960-1961)、丸谷才一「マイ・スィン」(1961-1963)。

「密室。指紋。足跡・凶器。さまざまに仕掛けられたトリックの謎を、デュパンが探る、ブラウン神父が追う、ポワロが解く、マーロウが暴く---語りつくせぬ外国ミステリの不滅の魅力・醍醐味を、自他ともにマニヤをもって認ずる知的作家が、三人三様、縦横に論じきって、ファン必携のバイブルとまで目される名著。」(裏表紙より)



『ブック・ガイド・ブック・1982』河出書房新社 1982


「いま、日本で買える 面白い本の特集 2000冊」(表紙より)

1982年発行なので、古い部分はあるけれど、ジャンルはとにかくなんでもござれのブックガイド。

冒険・ミステリー・推理・ハードボイルド・SF・青春・ポルノ・恋愛・恐怖・ニュージャーナリズム・詩集・戯曲・ノンフィクション・幻想・歴史・悪・時代・山岳・企業・絵本・児童・動物・日本世界文学・生活・語学・各賞一覧・地球・水・原発・生態学・世界の国々・経済・防衛・戦後・管理社会・教育・家庭・学生・老人・医療・天皇・沖縄・脳・性・からだ・精神・人類・動物・女・未知の世界・遺伝・コンピューター・文明・科学・情報・日本・都市・風俗・遊び(表紙より)



別冊本の雑誌4『恋愛小説読本 ブックガイド&エッセイ』本の雑誌社 1983


「古今東西の恋愛小説を新たな角度からとり上げ、テーマ別に編集した画期的な恋愛小説ガイドブック&エッセイ。恋愛不毛時代に贈る男と女の怪しい世界総集編。(紹介文より)

「本の雑誌」が選んだ「恋愛小説ベスト200」などがある。掲載図書索引、作家索引あり。



藤原宰太郎『世界の名探偵50人』KKベストセラーズ ワニ文庫 1984


50人の名探偵を、デビューした年代順に並べ、紹介をしている。それぞれの探偵からの挑戦という形で、推理パズルの出題も。50人は以下のとおり。(表記してあるとおり)

オーギュスト・デュパン/シャーロック・ホームズ/ソーンダイク博士/ジョゼフ・ルールタビーユ/アルセーヌ・ルパン/隅の老人/バン・ドゥーセン教授/ブラウン神父/アブナァ伯父/マックス・カラドス/三河町の半七/人形佐七/銭形平次/エルキュール・ポワロ/フレンチ警部/チャーリー・張/明智小五郎/フィロ・ヴァンス/サイモン・テンプラー/エラリー・クイーン/コンチネンタル・オプ/ミス・マープル/メグレ/ドルーリ・レーン/ペリー・メイスン/ヘンリー・メルヴェル卿/ネロ・ウルフ/クール&ラム/フリップ・マーロウ/マイケル・シェーン/A・マリーニ/ジョン・J・マローン/金田一耕助/マイク・ハマー/神津恭介/リュウ・アーチャー/シェル・スコット/秘密情報部員007号/カート・キャノン/鬼貫警部/87分署の刑事たち/棺桶エドと墓堀りジョーンズ/メイヴィス・セドリッツ/ハニー・ウェスト/ベン・ゴードン/ラビ・スモール/トラヴィス・マッギー/ドーバー警部/バージル・ティップス/幽霊探偵



別冊本の雑誌6『活字中毒者読本』本の雑誌社 1984


表紙、裏表紙に記載してあるこの本の内容は、以下のとおり。

金曜夕方、山手線の車中で何が読まれているか
スポーツ紙の求人広告を読む
読書ノート症候群
ミステリーにおける図版の効用
出版社の社史を読む
現代書店事情
翻訳出版の実態
古書価のメカニズム
編集長の机、拝見
出版社の原稿用紙を採点する
巡回図書館同乗記
出版用語の豆知識
立ち読みに向く本、向かない本
座談会・書店員の生活と意見
活字を愉しむための本60冊ブック・カタログ
活中座談会・歩きながら本を読むと人間は謙虚になるか
われら、活中派宣言
現代紙々人列伝
紙の一生
書棚の整理学
翻訳書のタイトルについて
女優に持たせたい本
新潮社の資料室訪問
ルビは活字に対する偏愛である
書斎ブームをぶっ叩く
紙魚は害虫か
ストリップ広告のメイコピー
マッチ・ブック・コレクション
横浜の貸本屋、一二三堂の場合
書店カバーに関するバカ話



ぼくらはカルチャー探偵団編『読書の快楽 ブックガイド・ベスト1000』角川文庫 1985


ジャンル別におすすめ本を紹介。執筆者と担当は以下のとおり。

浅田彰/ノン・ジャンル
畑中佳樹/SF
高橋克彦/ミステリー
池澤夏樹/冒険小説
川本三郎/ラヴ・ロマン(外国篇)
関井光男/ラヴ・ロマン(日本篇)
澁澤龍彦/ポルノグラフィー
中沢新一/思想書
鈴木明/ホン・フィクション
高橋源一郎/少女マンガ
天澤退二郎/メルヘン・ファンタジー・絵本
蓮實重彦/映画の本
伊藤俊治/写真集
黒田恭一/音楽書
高橋康也/演劇書
荻昌弘/食の本
吉本隆明/ノン・ジャンル
安原顕/あとがき


小泉喜美子『ミステリ歳時記』晶文社 1985

訳者が彼女なら、と本を買ったこともあるくらい信用してる。ミステリブックガイ ドに加えて、ミステリに対する彼女の考え方もわかるようになっている。それがまた、いちいちうなづけることなので、嬉しかった。 この文章を読めただけでも、目の前の霧が晴れた感じ。そうそう、そういうこと!

「読者とは、作品の中にはいっさい踏み込んで行けぬ存在である。だからこそ、真実を伝えてもらえる」(p.163)



梅田卓夫・清水良典・服部左右一・松川由博編『高校生のための 文章読本』筑摩書房 1986


「どこかですすめられ、ちょっと気になっていた作家・思想家・エッセイストの文章70例を、短文読み切り形式でまとめた新鮮感覚のアンソロジー。」(帯より)

収録筆者は以下のとおり。中を開けると教科書みたいなつくりだけど、いろいろな文章を集めたなあと感心する。バラエティ豊かなものをちょこちょこ読めて楽しい。全編通して読みたくなる魅力に満ちてる。

モーパッサン/開高健/原民喜/島尾敏雄・ミホ/武満徹/吉行淳之介/I・ディネーセン/野間宏/森茉莉/筒井康隆/高橋源一郎/モーツァルト/別役実/三善晃/金子光晴/魯迅/吉原幸子/大岡昇平/石垣りん/小林秀雄/H・ファーブル/土門挙/K・ローレンツ/R・バルト/M・プルースト/坂口安吾/清水邦夫/埴谷雄高/J・L・ボルヘス/加藤周一/V・ウルフ/林達夫/丸山真男/石原吉郎/C・G・ユング/K・チャペック/渡辺一夫/P・グリパリ/井上ひさし/中村浩/田辺聖子/R・ラディゲ/田村隆一/宇野千代/谷川俊太郎/吉田とし/Aシリトー/村上春樹/加藤保男/畑山博/永瀬清子/つげ義春/武田百合子/沢村貞子/朝永振一郎/大山定一/岡部伊都子/A・ソルジェニーツィン/小川国夫/夏目漱石/斎藤隆介/野坂昭如/ドストエフスキー/李恢成/N・メイラー/森有正/淀川長治/吉田秀和/志村ふくみ/塩野七生



梅田卓夫・清水良典・服部左右一・松川由博編『高校生のための 批評入門』筑摩書房 1987


「どこかですすめられて、ちょっと気になっていた作家・思想家・エッセイストの文章を、短文読み切り形式でまとめました。」(紹介文より)

収録筆者は以下のとおり。

子安美知子/B・バルトーク/中村真一郎/宮城まり子/良知力/G・ギッシング/岸恵子/藤原新也/I・イリッチ/花田清輝/E・ケストナー/森毅/C・チャップリン/安部公房/S・ソンタグ/辻まこと/中井正一/竹内好/J・グルニエ/中上健次/水木しげる/S・ボーヴォワール/杉浦明平/山下洋輔/手塚治虫/ジュディ・オング/山元吉左右/黒澤明/秋岡芳夫/A・ジャコメッティ/藤原覚一/饗庭孝男/蓮實シャンタル/吉田ルイ子/林光/三木成夫/澁澤龍彦/高良留美子/田中克彦/若桑みどり/中岡哲郎/阿部謹也/岩井克人/アラン/藤本和子/F・カフカ/田中泰淳/M・セール/サン=テグジュペリ/森崎和江/W・ベンヤミン/安岡章太郎



梅田卓夫・清水良典・服部左右一・松川由博編『高校生のための 小説案内』筑摩書房 1988


「どこかですすめられて、ちょっと気になっていた作家・思想家・エッセイストの文章を、短文読み切り形式でまとめました。」(紹介文より)

収録筆者は以下のとおり。

中島敦/M・エンデ/稲垣足穂/スタンダール/C・W・ニコル/野上弥生子/S・ヴェイユ/金石範/G・オーウェル/宮沢賢治/庄野潤三/三島由紀夫/小林恭二/二葉亭四迷/中沢けい/E・ヘミングウェイ/氷室冴子/井伏鱒二/E・シートン/きだみのる/佐藤春夫/S・レム/J・ハシェク/井上光晴/B・マラマッド/大原富枝/T・マン/石川淳/P・マンディアルグ/谷崎潤一郎/吉田知子/日野啓三/瀬戸内晴美/島崎藤村/干刈あがた/小島信夫/宮本常一/W・ゴールディング/折口信夫/大江健三郎



文藝春秋編『東西ミステリーベスト100』文春文庫 1986


「週刊文春の史上最大のアンケートによってベスト100に選ばれた古今東西の名作ミステリー200篇について、各作品のあらすじと解説・評価を新たに書き加えた画期的なミステリー入門書。」(裏表紙より)

「海外篇」と「国内篇」に分け、それぞれベスト100まで発表。「海外篇」は、ベスト100以下の作品も、リストだけあげている。10年以上まえのリストだけど、日本の「少し前」のミステリガイドが案外ないので、重宝するのでは。



三谷栄一・峯村文人『社会人のための国語の常識』大修館書店 1987


これ一冊あれば、古典から近代、漢文まで、とにかくなんでもわかるだろうという資料。もうこれは辞典・事典だね。カラー図録もある。古典を読んでいてなにかわからないことがあった時に、こまめにこれで調べて読めば、もっと面白いかもと思う。マメじゃないので、してないけど。一冊持っていて損はしないと思う。



山口雅也編 別冊宝島63『ミステリーの友 ミステリー・グルメになるためのメニュー105』JICC出版局 1987


「『ミステリーの友』は、ミステリー小説とその友−つまりミステリーに隣接するさまざまなジャンル、冒険小説、ホラー、SF−についてのガイド・ブックです」(山口雅也の「後記」より)

見開きでだいだい1テーマを扱ってる。それが105。約10年前のはやりものを今眺めてみるのも悪くない。



別冊本の雑誌8『「本屋さん」読本』 本の雑誌社」 1987


表紙、裏表紙に記載してあるこの本の内容は、以下のとおり。

書店員採用試験問題をつくる
本屋さんが捨てるものを拾う
大書店で「筒井康隆」を探す
出版流通の諸問題を考える
書店の客に文句をつける
直販雑誌から書店を見る
雑誌と書籍はどちらがエライか
デパート書籍売場はどうなっておるのか
書店のBGMを考える
東京・神田ものがたり
わが町の本屋さん
洋書店で遊ぶ
こんな本屋さんがほしい
書店Q&A
松和書店の研究
パチンコ店の本交換場をレポートする
書店員教育の現状と未来
本屋さんの歴史
しょたれ本はどこへ行く?
報奨金
書店員の給料
制服のある本屋さん
出版流通早わかり
あなたも書店主になれるわけではない
まんが専門店は東京に残された最後のの「悪場所」である
大書店仕入れ担当者に聞く
版元営業の書店まわり日記



ぼくらはカルチャー探偵団編『活字中毒養成ギプス ジャンル別文庫本ベスト500』角川文庫 1988


ジャンル別におすすめ文庫本を紹介。執筆者と担当は以下のとおり。

浅田彰・高橋源一郎(対談)/新教養主義のススメ
風間賢二/SF・ファンタジー
宮脇孝雄/ミステリー
池澤夏樹/ラヴ・ロマンス(外国篇)
関井光男(日本篇)
矢代梓/思想書
鈴木明/ノン・フィクション
飯沢耕太郎/ビジュアル本
玉村豊男/グルメの本
高田宏/紀行文
田口賢司/ノン・ジャンル
武藤康史/ノン・ジャンル
安原顕/あとがき



ぼくらはカルチャー探偵団編『ミステリーは眠りを殺す』角川文庫 1988


目次は以下のとおり。今も活躍中の人が多いですね。

池澤夏樹/波瀾万丈のあなたの人生に
馬場啓一/ミステリーはヒーローできまる
山口雅也/ミステリーのヒロインたち
数藤康雄/パズル(謎解き)小説
郷原宏/ハードボイルド小説
瀬戸川猛資/スパイ小説
鎌田三平/サスペンス&冒険小説
関口苑生/警察&法廷小説
各務三郎/短篇小説&アンソロジー
山本やよい/探偵物語1 タフで美貌の女探偵
青木久恵/探偵物語2 人情味あふれる英国紳士
久保田有子/探偵物語3 哀しみのアル中探偵
藤田宣永/探偵物語4 スペード・女・犯罪者
風間賢二/恐怖、この永遠なるもの
木村二郎/原書でミステリーを楽しもう
畑中佳樹/ミステリー映画おすすめベスト20(アメrカ篇)
池澤夏樹/ミステリー映画おすすめベスト20(ヨーロッパ篇)
馬場啓一/ミステリーAからZまで



『ブック・ガイド '89』河出書房新社 1988


読んでいても楽しく難しく濃い。かつて、いつもてもとにあったような。文学だけのガイドではなく、思想書、専門書のガイドの性格が強いような気がする。第三部には、「マイナー文学のために」とあり、世界各国の本紹介があって新鮮だった。このあと毎年発行されるのかと誤解していた。たしかにこれは毎年作れるシロモノじゃあない。書名索引、人名索引あり。



ぼくらはカルチャー探偵団編『新・読書の快楽 ジャンル別ブックガイド・ベスト500』角川文庫 1989


ジャンル別におすすめ本を紹介。執筆者と担当は以下のとおり。

吉本隆明・中沢新一(対談)/「現在」を読み解くための読書論
中条省平/ラヴ・ロマンス(外国篇)
武藤康史/ラヴ・ロマンス(日本篇)
瀬戸川猛資/ミステリー
風間賢二/ファンタジー&ホラー
巽孝之/SF
小林康夫/思想書
伊藤俊治/ヴィジュアル本
目黒考二/ノン・フィクション
荒俣宏/ノン・ジャンル
今福龍太/ノン・ジャンル世界周遊
安原顕/あとがき



別冊宝島88『現代文学で遊ぶ本』JICC出版局 1989


大きく分けて2つ。内容は、結構カタめ。

現代文学で遊ぶ・日本編/この作家たちの処方箋
作家51人についての、作品紹介というよりは、評論。

現代文学で遊ぶ・外国編/文学事情で世界が読める
42ヶ国・地域の文学事情。



藤原宰太郎『真夜中のミステリー読本 古今東西、名&珍作ガイド』ワニ文庫 1990


章だては以下のとおり。

1.ミステリーを10倍楽しく読む方法(推理小説に関する雑学知識)
2.事実は小説よりもミステリー(古今無双の推理作家列伝)
3.こんな名&珍ミステリーがあった(知られざる推理小説ガイド)
4.奇想天外トリックを見破れるか(難事件の謎に挑戦せよ)
5.世界のユニーク探偵カタゴル(格好よさだけが条件じゃない)
6.名探偵の推理は間違いだらけ(ホームズ、十津川警部、神津恭介・・・・・・)



ぼくらはカルチャー探偵団編『恋愛小説の快楽 ブックガイド・ベスト600』角川文庫 1990


恋愛小説をいくつかのジャンルに分け、おすすめ本を紹介。執筆者と担当は以下のとおり。前から思ってたけど、なんで素直に「恋愛小説」といわず、”ラヴ・ロマンス”と言い換えたりルビ振ったりするんだろ。なんか逆にダサ〜って思ってしまうんだけど。このシリーズ全てじゃないけど、人によっては、原書を紹介してたりして、ちょっとイヤミなブックガイド(笑)

吉本隆明・荒俣宏(対談)/「恋愛小説(ラヴ・ロマンス)」の新しい効用
柴田元幸/現代アメリカ
中条省平/現代フランス
山口哲理/現代日本
北上次郎/ミステリー
風間賢二/ファンタジー&ホラー
巽孝之/SF
池内紀/ノン・フィクション
武藤康史/ノン・ジャンル(外国篇)
高橋源一郎/ノン・ジャンル(日本篇)
朝吹亮二/現代詩
小林康夫/思想書
伊藤俊治/写真集
鈴木布美子/恋愛映画
青木啓/ラヴ・ソング
安原顕/あとがき



新保博久+野間美由紀『推理(ミステリー)の達人 あの名探偵と知恵比べ』ワニ文庫 1991


「読者に挑戦するパズル形式のコント」。「一篇ずつ古今東西のミステリーに登場する有名探偵のパロティ仕立て」にしてある。(「はじめに」より)

名探偵に関するちょこっとしたメモあり。



早川書房編集部編『ミステリ・ハンドブック』ハヤカワ文庫HM 1991


内容は以下のとおり。作家論が充実しているし、全体的に読みごたえがある。題名索引、人名索引あり。

読者が選ぶ海外ミステリ・ベスト100

ジャンル別ベスト10
創世期から黄金時代/ディテクティブ・ノヴェルI・II・III/ハードボイルドI・II/サスペンス/スリラー/短篇集/好きな探偵(男)/好きな探偵(女)

「ベスト100にない作品も挙げてみる」(池上冬樹・瀬戸川猛資・長谷部史親)

マイ・フェイヴァリット・ミステリ(権田萬治・和田誠・田村隆一・宮部みゆき・中野翠)

MWA賞、CWA賞受賞作リスト

シンポ教授のシンポ的ミステリ講座

ミステリ通になれる作家論特集

ハヤカワ・ミステリ文庫/既刊リスト



丸谷才一編『探偵たちよ スパイたちよ』文春文庫 1991


内容は以下のとおり。III章が好き。小林秀雄と江戸川乱歩の対談なんて、なかなか面白いし、ポケミスのこぼれ話もいい。

I 序曲としてのユーモア小説
P・G・ウッドハウス(井上一夫訳)/スープの中のストリキニーネ

II アルバム
大岡昇平/ミステリーと私
リチャード・R・リンジマン(清水俊二訳)/スペイドとマーロウとアーチャー
和田誠/映画スクラップ・ブック
岡本経一/半七老人と綺堂老人と
小池滋/コナン・ドイルと鉄道
植草甚一/神保町の島崎書店によく出たプルーフ・コピー
キングズリー・エイミス(新庄哲夫訳)/わが愛する探偵たち
吉田健一/コオナン・ドイルの思い出
トマス・ラスク(深町眞理子訳)/エルキュール・ポワロ氏死去

III 歓談数刻
小林秀雄・江戸川乱歩/ヴァン・ダイン論その他
瀬戸川猛資・向井敏・丸谷才一/ハヤカワ・ポケット・ミステリは遊びの文化

IV 大統領の書いた探偵小説
アブラハム・リンカーン(野崎孝訳)/トレーラー殺人事件の謎

V 名作のリスト
サンデー・タイムズ・ベスト100(中野香織訳)
江戸川乱歩の三つのリスト

VI 探偵小説論
ブリジッド・ブロウフィー(出淵博訳)/探偵小説−−現代の暴力神話か?
中村真一郎/スープのなかの蝿
丸谷才一/茨の冠

VII 終曲としてのライト・ヴァース
田村隆一/死体にだって見おぼえがあるぞ



井狩春男編著『文庫中毒』ブロンズ新社 1992


内容は以下のとおり。1992年に出たものなので、最新情報ではないけれど、「当時手に入るもの」がわかるのは、なかなかに楽しい。

[話題作を文庫で読み直す] 文庫 芥川賞・直木賞全集

[名著は再び甦る] 岩波文庫 重版再開・復刊全リスト

[選りすぐったセレクトが嬉しい] 角川リバイバルコレンクション全リスト

[創造力と数十年] 新潮文庫 創刊からのリスト

[単行本未収録作品もあるゾ] ちくま文庫 個人全集・全作品リスト

[編集者が選ぶ] 究極のハヤカワ文庫

[買うなら今だ!] 中公文庫 僅少本リスト

[どこかでもう一度出会いたい] 文春文庫 品切れ本全リスト

[美しき知の系譜をたどる] 現代教養文庫 品切れ本全リスト

[エッセイ] 文庫ワールドを歩く

[こんな文庫もあった!] 神田で見つけた絶版文庫

[今はなき文庫たちへ愛をこめて] 絶版文庫目録(改造文庫・世界古典文庫・創元文庫・アテネ文庫・日本文学選・三笠文庫・市民文庫・近代文庫・旺文社文庫・サンリオSF文庫)

[現在入手できる] 著者別文庫リスト



工作舎編『ブックマップ』工作舎 1992


・工作舎本100冊+関連図書800冊のブックガイド

・ライアル・ワトソン、フリッチョフ・カプラ、J・E・ラブロックら10人の海外著書によるブックアンケート「私の本棚」

・小松和彦、田中優子、夢枕獏ら18人の著者によるブック・エッセイ「標本箱」(以上帯より)

「キー・コンセプト」が10あり、それぞれの中に10の細かいテーマがある。1テーマで工作舎の本が1冊紹介され(つまり100冊)、同時に関連図書8冊(つまり800冊)も紹介されているという仕組み。

なお、「キー・コンセプト」は以下のとおり。

1.地球感覚のデザイン

2.ガイアの科学

3.博物学の回廊

4.生命と形態

5.思考の冒険

6.サイ研究への道

7.科学史・精神史

8.文学のカレイドスコープ

9.プラネタリー・クラシクス

10.アジア精神圏の系譜



佐藤圭『100冊の徹夜本 海外ミステリーの掘り出し物』カタログハウス 1992


「文春やJICCのベストテンには出てこない 海外ミステリーの傑作、怪作、珍作を堀り返す!」(帯より)

このリストをもとに読みたいと思っても、入手の難しい本がますます増えてしまっているかも。私はあまり著者の好みとの相性は良くないようだ。



文藝春秋編『大アンケートによる 少年少女小説ベスト100』文春文庫ビジュアル版 1992


各界著名人143人に「心に残る少年少女小説を三冊挙げて下さい」という趣旨のアンケートを送った結果。

なんともいえず懐かしい題名が並び、各人のコメントもとても楽しい。今、どんなにわくわくする本に出会っても、昔のトキメキにはどうしてもかなわない気がする。



早川書房編集部編『ハヤカワ・ミステリ総解説目録1953年−1993年』早川書房 1993


”ポケミス” 1600番突破記念として発売されたもの。「ポケット・ミステリと私」というポケミスファンによるエッセイ、長谷部史親による「ハヤカワ・ミステリの歩み」のほか、101番から1601番までの「解説目録」「作品索引」「著者索引」をおさめる。「解説目録」は、読んでいるだけで楽しいし(面白そうなのに限って入手できなかったりもする)、「作品索引」では、短編名からもひけるようになっている。

1998年に改訂新版として、1953年-1998年が新たに発売された。



仁賀克雄『海外ミステリ・ジャンルベスト100』現代教養文庫 1993


『現代海外ミステリ・ベスト100』という1971-91年までの100冊紹介本の続編にあたるとのこと。

以下のジャンル別にミステリを紹介している。巻末に作品名索引付き。

クラシック長編/クラシック短編集/アガサ・クリスティ長編/ディクスン・カー(カーター・ディクスン)長編/エラリイ・クイーン長編/トリック・ミステリスパイ小説/冒険小説/警察ミステリ/ハードボイルド/私立探偵小説/サスペンス・スリラー/サイコ・スリラー/ユーモア・ミステリ/悪党ミステリ/悪女ミステリ/オカルト・スリラー/ショート・ミステリイ/ミステリ・アンソロジー/ミステリ評論



「海燕」1993年 10月号 福武書店 1993


特集が「ミステリーを解く」。今見てみても、なかなか豪華な顔ぶれ。座談会なんて、面白かった。

・特別インタビュー 高村薫/人間という謎

・座談会 奥泉光・山口雅也・笠井潔/本格ミステリーと現代小説

・自作を解く
内田康夫/小説料理作法
北村薫/三通の手紙
綾辻行人/霧越邸問答

・評論
法月綸太郎/誰が浜村龍造を殺そうとかまうものか
川村湊/家族の問題 赤川次郎その他
新保博久/女たちはミステリーを変えるか?

・短篇ミステリー競作
若竹七海/かさねことのは
樋口有介/団子坂
都筑道夫/五十間川
藤田宣永/ライラの決断
黒川博行/はぐれたシノギ
日下圭介/オンリーイエスタディ
由良三郎/雪の夜語り



安原顕編集 リテレール別冊2『読書の魅惑 ジャンル別ベスト1200』メタローグ 1993


安原顕氏による「ベストもの」。執筆者と担当は以下のとおり。

吉本隆明/思想書(日本)ベスト50
湯浅博雄/思想書(外国)ベスト50
鹿島茂/歴史書ベスト50
岡谷公二/評伝・伝記ベスト50
渡辺一民/ノン・フィクションベスト50
鈴木布美子/映画の本ベスト50
飯沢耕太郎/写真集ベスト50
丹生谷貴志/美術書ベスト50
恩地元子/音楽書ベスト50
喜志哲雄/演劇書ベスト50
天澤退二郎/幻想小説(外国)ベスト50
風間賢二/ポルノグラフィー(外国)ベスト50
中条省平/ミステリー(外国)ベスト50
粟津則雄/詩集(外国)ベスト50
越川芳明/アメリカ文学ベスト50
野崎歓/フランス文学ベスト50
池田栄一/イギリス文学ベスト50
三宅晶子/ドイツ文学ベスト50
米川良夫/イタリア文学ベスト50
水野忠夫/ロシア・東欧文学ベスト50
杉山晃/ラテンアメリカ文学ベスト50
小森陽一/日本文学ベスト50
小林康夫/ノン・ジャンルベスト50
紀田順一郎/復刊が望まれる単行本ベスト50



秋元康監修『恋愛に関する101冊の本』三笠書房(知的生きかた文庫) 1994


章立ては以下のとおり。オーソドックスなように見えて、マイナーものも紹介されてるという、なかなか好みの内容。

一章 自分の本当の気持ちを知る15冊
二章 愛のよろこびを語る10冊
三章 心の葛藤に負けなかった12の主人公
四章 ”嫉妬する心”についての9冊
五章 さまざまな出会い、そして別れを描く10冊
六章 ”愛の痛み”を知る15冊
七章 愛する心理、愛される心理がわかる15冊
八章 ”生きる”ことの意味を問う15冊



瀬戸川猛資編『ミステリベスト201』新書館 1994


7人の「専門家」によって書かれたもの。1980年以降に日本で翻訳刊行されたミステリの中から選んだ201冊を、「超A」「A」「B」の3つのランクに分け、年代順に並べてある。また、総合評価のほか、「面白さ」「味わい」「格調」「人物」「その他」の5つについて、5段階評価もしている。

「ミステリ」のくくりは、かなり広くとっている印象。



新保博久『名探偵登場-日本篇』ちくま新書 1995


「日本のミステリは1889年に始まった。明智小五郎の名前の由来は? 三毛猫ホームズは一作限りの設定だった・・・・・・ 岡本綺堂、野村胡堂から江戸川乱歩、松本清張と続き、赤川次郎、高村薫に及ぶ探偵小説にまつわる意外な事実を、主人公別に説き明かした名探偵クロニクル。すぐに役立つ読書案内と、詳細な著者紹介を付す。(表紙折り返しより)

「軍平クン」まで載ってる!



オットー・ペンズラー解説 ミッキー・フリードマン編纂 上牧やよい訳『アメリカ探偵作家クラブが選んだ ミステリBEST100 ジャンル別BEST10』ジャパンミックス 1996


日本での評価との違いを知るのには面白いかな・・・。案外保守的なんだな、とかね。それ以外にはあまり魅力のない内容。



吉野孝雄編『高校生からの日本文学ガイド[近代文学編]』河出書房新社 1996


作品の抄録を掲載し、作家・作品の案内を付している。気軽な文学史といったところ。興味がある文章があったら読めばいいし。

掲載作家は以下のとおり。ほかに「近代作家作品案内」「日本近現代文学年表」「作品名索引1000」「人名索引100」「出版社一覧」あり。

夏目漱石/森鴎外/島崎藤村/樋口一葉/泉鏡花/柳田国男/有島武郎/寺田寅彦/永井荷風/志賀直哉/石川啄木/菊池寛/谷崎潤一郎/岡本かの子/芥川龍之介/横光利一/井伏鱒二/石川淳/川端康成/梶井基次郎/小林秀雄/山本周五郎/堀辰雄/坂口安吾/太宰治/中島敦/大岡昇平/武田泰淳/安岡章太郎/遠藤周作/安部公房/三島由紀夫



[EQ]チェックリスト班編『'97 ミステリーBESTのベスト』光文社 1997


「'97翻訳ミステリー全書評」が圧巻。それに基づく「ベスト5」を巻頭で発表している。'97を振り返っての座談会も。「'97日本ミステリー総点検」もあり。



郷原宏『名探偵事典 海外編』東京書籍 1997


I.本格推理/II.ハードボイルド/III.警察小説/IV.法廷ミステリー/V.サスペンス の5つに分け、名探偵を紹介。

「経歴」「事件簿」「特徴」「性格」「脇役」「代表的な事件」「作者」「映画」「現行本」について記載。読んでいるだけで楽しい。探偵に興味を持ったので本を読んでみる、というのが出てくる。



探偵小説研究会編・著『本格ミステリ・ベスト100 1975-1994』東京創元社 1997


「本格」に限定したベスト100。年代も最近20年に区切っているので、「定番中の定番」が出てくるわけでもなく、使えるガイドと思う。個人的に、『葦と百合』『崖の館』が載っているので、ひいき度高し(笑)



野崎六助『世紀末ミステリ完全攻略』ビレッジセンター 1997


雑誌や文庫解説などの集大成とのこと。なんでか買ってしまったのだけど、ところどころしか読んでない・・・。章立ては以下のとおり。

入門篇 ハードボイルドの過去と現在
基礎篇1 日本ミステリの現在と未来
基礎篇2 日付のあるメモリアル
応用篇1 海外ミステリ片っぱしから現在過去未来
応用篇2 片っぱしから国内ミステリ
応用攻略篇 いよいよ未来に秒読み



山口雅也監修 千街晶之・福井健太編『ニューーウェイヴ・ミステリ読本』原書房 1997


章立ては以下のとおり。ロング・インタヴューは読み応えがあっていい。

第1章 ロングトーク・インタヴュー
我孫子武丸/綾辻行人/有栖川有栖/井上夢人/歌野晶午/折原一/加納朋子/北村薫/京極夏彦/倉知淳/小森健太朗/篠田真由美/二階堂黎人/西澤保彦/法月綸太郎/麻耶雄嵩/山口雅也/若竹七海

第2章 ミステリ・ブックレヴュー

第3章 ニューウェイヴ・ミステリの先駆者たち
鮎川哲也/泡坂妻夫/笠井潔/島田荘司/竹本健治/東野圭吾

第4章 評論&エッセイ

巻末に、'97年2月末現在の著作リストあり。



「EQ」1997年11月号 光文社 1997


20周年記念特大号。「翻訳ミステリーの20年」と題し、「傑作短編ベスト30」と現代ミステリー作家事典[海外編]を載せている。

現代ミステリー作家事典は、90+9人。短いながらも邦訳のない人まで網羅していて貴重に思う。



「ミステリマガジン」1997年11月号 早川書房 1997


創刊500号記念特大号。圧巻は、「ミステリマガジン1-500号掲載作品総目録」。号数順のほか、「作品名索引」と「作家名索引」ももちろん付いている。C・ブランドの短編集が、あと一つで揃うんだけど、それが載ってる「ミステリマガジン」が入手できず。



小説トリッパー編『この文庫が好き! ジャンル別1300冊』朝日文芸文庫 1998


「小説トリッパー」 1995年夏季号から97年冬季号に連載していたもの。目次は以下のとおり。

1 ミステリー通になるための100冊(日本編)/北村薫
2 ミステリー通になるための100冊(海外編)/法月綸太郎
3 ホラー通になるための100冊/井上雅彦
4 現代SFをまるごと楽しむための100冊/大森望
5 歴史・時代小説の名作を読む100冊/縄田一男
6 性と愛の文学を愉しむ100冊(杉山由美子)
7 大人のための「子供の情景」を読む100冊/池内紀
8 こころの不思議を読みとく100冊/香山リカ
9 音楽をめぐる100冊/小沼純一
10 名作映画を原作で読む100冊/野崎歓
11 手紙をめぐる100冊/武藤康史
12 エッセイストになるための100冊/坪内祐三
13 小説家になるための100冊/清水良典

巻末に「文庫署名索引」あり。本文でも書かれているが、それほど昔ではないのに入手困難になっているものも多い。欲しい時に買っておかないとダメなんだなと痛感するリストでもある。



探偵小説研究会編『'98 本格ミステリ・ベスト10』東京創元社 1998


「本格」に限定すると、ずいぶんシンプルなリスト(順位)になるなあ、というのを実感する。アンケートによるベスト10選出だけど、回答を読んでいるのがやはり面白い。私の好みはやっぱり「本格」なのかもなあ、と感じてしまったりもする。



日本推理作家協会編 中島河太郎『探偵小説辞典』講談社文庫(江戸川乱歩賞全集1) 1998


「江戸川乱歩、横溝正史、クイーン、クリスティらの内外作家紹介。『心理試験』 『緋色の研究』 『オランダ靴の秘密』などの名作紹介。ミステリへのかぎりない愛情と作家への敬意、蘊蓄のありったけをかたむけた項目別大辞典。第二回受賞 「『ポケットミステリ』の出版」については目録を所収。」(裏表紙より)

当時の香りのするような辞典。いま、作成したのでは漏れてしまうような知らない(埋もれた?)作家の名前がたくさん載っている。おりにふれてパラパラめくって楽しみたい。



北村薫編『謎のギャラリー』マガジンハウス 1998


「鳩よ!」19953月号−1998年2月号まで連載されていたもの。

北村薫が、アンソロジーを編むとしたら? 古今東西のお気に入りの名作を紹介している。じつにツウな選択、と思う。入手困難であろう何篇かを、『謎のギャラリー 特別室』にて公開。



早川書房編集部編『ハヤカワ・ミステリ総解説目録 1953年-1998年』改訂新版 早川書房 1998


1993年に発売されたものの、改訂新版。エッセイは、児玉清と原リョウ。「解説目録」は、101番から、今回は1669番の『正義』まで。

前回のと違うのは、「主要ミステリ賞受賞作リスト」と「ポケミスで読める受賞作ガイド」があること。また、「著者索引」に、経歴が載るようになった。


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