日記の フリ 日記というよりは、気になったこと、興味のあることを忘れないようにメモしてる、ってほうが正しいので「フリ」。
日付ごとにアンカー付けています。e.g. http://www5a.biglobe.ne.jp/~nanatsu/diary0404.htm#20040401
2004年4月
読・観・聴・その他
ペドロ・コスタ『ヴァンダの部屋』@シアターイメージフォーラム(4/1)
近藤史恵『二人道成寺』(4/7)
リー・チーガイ『裏町の聖者』(4/7)
『ふしぎふしぎ200』(4/12)
花村萬月「父の文章教室」(4/17)
高橋源一郎『私生活』集英社(4/25)
4/29(木)
クーベリック バイエルン放送交響楽団 マーラー:交響曲第5番(→Amazon)
スキマスイッチ『奏(かなで)』(→Amazon)。 J-WAVEか何かで流れていていいなあと思ったので。そのときは歌ってる人も曲名もわからなかったんだけど、少ししてTVでちらっと出てきて、あ、あの 時のだ、とわかった。
4/28(水)
ポリーニ ショパン:12の練習曲op.10 op.25(→Amazon)。
カザルス バッハ:無伴奏チェロ組曲(→Amazon)。
4/27(火)
NHK『プロジェクトX』「執念のピア
ノ 天才リヒテルに挑む」での最後のエピソードが良くって涙ぐんだ。ここに書かなくても忘れないだろうと今は思っているけれど、案外
忘れてしまうものなんだろう。
4/25(日)
昨日の夜、また、なかなか寝付けなかった。今まで、眠れないという経験をほとんどしてこなかったので、かなりあせる。眠れないといろいろ考えて、それでま
た眠れなくなるんだね。よく、「眠れなくても死にやしない、開き直れ」という意見も聞くけれど、夜中にぽつんと眠れないままというのは取り残された気持ち
が強くてさみしい。他に起きている人がいないか窓の外を見て光を見つけるとほっとする。
高橋源一郎『私生活』集英社,2004(→Amazon)。 作家というものは、ほんとのことを言いたい、でもほんとのことを言えない人だという。連載をまとめたこの本で、その気持ちが一番出ているのは、各章の始め にある書き下ろし部分だった。単行本化にあたって連載時そのままをただ並べれば、立派に一冊の本になる。でも、ほのかな説明を書き下ろしてしまうところ が。
知りえて良かったと思えた箇所。ゲーム理論の中でも難解といわれる「ザ・ビッグ・マッチ」(.p.88)。かなり長くなりそうだけど引用します。
「昔々ある所に、大きな力を持っていて、そのうえに賢明な王様がいました。彼は自分の信頼できる大臣を呼びつけてこう言いました。
『今日、余は出かけていくが、余のいない間、そなたに余の王国をまかせよう。余が帰る日まで、そなたは余の便りを聞くこともないであろう。もっとも余が 帰ってくるとすればだが。その帰還の日に、余が、そなたが余の机に向かって懸命に働いているのを見たならば、そなたは余の代わりに王となって、この宮殿に いついつまでも住まうことになるだろう。もしそうではなく、余が、そなたが怠け、甘い汁を吸っているのを見つけたら、そなたは鎖につながれ、地下牢に閉じ 込められて、いつまでもいつまでも責め苛まれることになるだろう。言っておくが、そなたが前の日をどう過ごしたかは、毎晩、余の耳に入り、余はいつでもそ の次の日に帰ってこられるのだ』
王様が自分だけに有利になるようにこの仕組みを利用すると仮定して、この大臣はどう対処すべきか?」(p.89)
答えは出ているそうで、この出典も『私生活』に書いてあるのでそちらをどうぞ。私も今度その本を見てみようと思います。
お酒を飲もう。でも冷たいのはいやだ。それで、開栓してしばらく経つ黒糖梅酒をお湯割にした。黒糖梅酒は冷たいのを飲むよりこちらのほうがむしろおいしい かもしれないと思った。温かいウーロン茶で割ってもおいしいかな。
20日に書いたリヒテルの平均律第1巻は好みではなかった。
グルダの平均律第2巻。グルダはもういないんだ、と思いながら聴く。知ったときには生きていたのにもういない。知ったときには既に死んでいた人より、それ はせつない気分にさせる。私が生きている間にはまだまだそういう経験をしなくちゃいけなくて、そんなことを夜に夜中に考えるとたまらなく暗い気持ちにな る。
4/24(土)
吉田武『はじめまして数学(3) 二階建ての数「分数」の世界』幻冬舎(→Amazon)。
今までで一番詳しく丁寧に説明されたユークリッドの互除法が書いてあった。
皆さんもガウスのようにはじめて下さい。すぐに“自分がガウスではないこと”に気が付くかも知れません。それで も構いません。(p.185)
4/23(金)
赤鉛筆を買おうとしたとき、横にサクラクーピーがあったので、削らなくていいから楽だとそちらにした。けど、やっぱり書いているうちに芯は丸くなってゆく
のだから削ることは必要か。子供の頃、色鉛筆やクレヨンの24色だの36色だの、色数が多いのに憧れた。色の名前がまたいいんだよね。
昨晩は、というより明け方4時半頃まで眠れなかった(眠れない腹いせで夜中の3時にアイスを食べてしまった)。鍼に行ってそのことを言ったら、胸の真ん中 (心臓よりは上)の骨?を押された。いたー。なにストレスためてるのと言われたけど、ストレスはないはず。鍼治療のあともまだ完璧ではなかったらしく、鍼 を埋め込まれた。3日くらいこのままでいいそうです。
結局私は、さいけつ検査のなにが怖いのだろう、としばし考える。過去、病院絡みで体験した怖いことに共通することは…& hellip;とか。針とちの相乗効果か? とにかく、この精神構造を治したいものだ……。
4/22(木)
おとといは、書いたら逆に食べなくても平気になってそのまま寝た。
ここ数日で、『はじめまして数学(1) 自然数を追え、無限を掴まえろ!』(→Amazon)、『はじめまして数学(2) ベクトルをまわせ、ドミノを倒せ!』(→Amazon) を読んだ。ともに吉田武著、幻冬舎。機械的にやっている計算方法などを改めて解説されてみて、納得したり感心したり、面白い。簡単なところから始まって気 付くとわりと高度なところまでのぼっているし。今、3巻目の途中を読んでいるところ。
4/20(火)
カツァリス ショパン:バラード集スケルツォ集(→Amazon)。
リヒテル バッハ:平均律クラヴィーア曲集(→Amazon)。
3行3列の魔方陣の性質で、「真ん中の数は9つの数の平均」はいいとしても「AとBの平均はC」というのは知らなかった。不思議で美しいなあ。
C□□
□□A
□B□
きょうこそ早く寝ようと思ったんだけど今アイスが食べたくて葛藤中。夜の11時過ぎてますが…。7:3で食べるなこれは。
4/17(土)
久しぶりにグルダの弾く“月光”を聴いていたら鳥肌が立った。素晴らしいなあ。“月光
”は、第三楽章が一番好きだ。ブラームスの間奏曲Op.118
No.2は少し前にOKをもらえて、今は“月光”第一、第二ときて、第三楽章を練習中です。ブラームスは、今ま
でで一番先生の指摘を多く受けたと思う。難しかった……。OKもらえたとはいえ、自分では納得していないし
今の自分じゃこれ以上の高みには到達できそうにない。“月光”第三楽章はまだ一週間も練習してませんが、これも
また笑っちゃうくらいゆっくりにしか弾けない。自分の好きな、あるいは良く知っている曲は、自分の下手さ加減が良く良くわかるので切なく酷だ。
「青春と読 書」での花村萬月「父の文章教室」の 連載が終わってしまった。連載当初から読めなかったので、集英社から新書になって発売されるのを楽しみに待ちたい。容赦なく、しかし本質を尽き、反面、や わらかさに溢れたこの文章に出会えたことが嬉しくてたまらない。愛すること愛されていることの記憶って、なんてあたたかく優しいのだろう。
近くの保育園に鯉のぼりがあるのを見た。風が吹くといい。
4/12(月)
たまたま聴いた、NHKみんなのうたの
「TOFU(豆腐)」が愉快。吉幾三が歌っているだけでなく作詞も作曲もしているのには驚いた。
今、寝る前にパラパラ眺めているのが『ふしぎふしぎ200』福音館書店, 2001(→Amazon)。 「たくさんのふしぎ」の200巻を記念して出されたもの。「たくさんのふしぎ」自体をただまとめたのではなくて、200巻を再構成して俯瞰的に見せるよう な感じ。少し大人向けな魅力。
4/7(水)
近藤史恵『二人道成寺』文藝春秋,2004(→Amazon)。
Sleeping
Beautyの見る夢は、ゆらのとを わたるふなびと かぢをたえ ゆくへもしらぬ
こひのみちかな(曽禰好忠)。好きな作家の本を読み終えたら、好きなうたが浮かんだのだ。
リー・チーガイ『裏町の聖者』(香港・1995)。 トニー・レオンが出ていることだけでみてみたけど、ラウ・チンワンに小春まで出てたりして何気に豪華な配役。いろんなところが少しずつ中途半端とはいえ、 低い評価にはできない愛すべき雰囲気がある。
4/4(日)
ペドロ・コスタ『ヴァンダの部屋』@シアターイメージフォーラム。3
時間近い作品で大きな動きがあるわけではないにもかかわらず、長くは感じなかった。でも、こういう映画は1年に数回みれば充分だなあ。音が印象に残った。
映っている場面のその場の音だけではなく、その近く・遠くで聞こえる音も聞こえて音に重なりが生まれる。生活に無音状態はない…
…のかもしれない。
4/1(木)
雨が降ればいいのに……と思っていたら、いま、強い雨が降っています。規則正しく、規則正しくなく、いい音
です。