寝台特急あけぼので雪見酒

ちょっと考え事したくなっての旅


2010年2月2日

思いつきで、考え事をしたくてあけぼのに乗ってみました。
いままで雪の景色って自分で運転するのがいやで出かけたことがほとんど無かったので
あらためて見に行ってみたかったのもあります。
持ち物はデジカメと山崎12年のプチボトルだけ。
ただただ時間を使うだけの贅沢な旅です。
贅沢ついでに、意味もなく上野からあけぼのに乗ってみましたよ。

本当に思いつきで、休みの2日前くらいに思い立って、休日の前日にちょっと早く仕事を上がれるように仕組んだらうまくいったので、その夜にみどりの窓口へ行ったら切符が取れたので行ってみたという旅です。
当然ですが、独りになりに行くのでシングルデラックス。用意したのはサントリー山崎12年の50mlボトルです。帰りの予定は特にありません。十和田観光鉄道でも見に行こうかな〜。
寝台特急あけぼのの魅力は、あんまりうかれたお客が多くないということと個室の切符が撮りやすいこと、帰りの手段が安直で良いこと、でしょうか。ただ乗ってみよう、などと考えるのは私くらいだと思いますよ、こうも何度もね。乗っていられる時間がまた絶妙なんですね。
で、今までに三度シングルデラックスに乗っているわけですが、なんでまたこの時期に乗ったのかというと、ちょっと仕事にも疲れてきてゆっくり考え事がしたいなと。
家で部屋にいるとネットしたりゲームやっちゃったりして時間がだだ漏れです。クルマで出かけようにも、フィガロじゃどうにも不安ですし、出たら出たで不思議と暗くなる前に帰りたくなるんですな。
そこで、列車の指定をしてしまえば後戻りはで来ませんし、しかし帰る時間は計りやすい。どうせならクルマじゃ行きにくいところ・・・・冬の北の方でしょうか。あけぼので白い風景を眺めるのもいいな〜。
で、決定です。
7時には仕事を上がらせてもらい、家には帰らず着替えてそのまま荷物もって上野駅に向かいます。ええ、今回は大宮からではなく上野から青森まで、寝台特急あけぼの号完乗しちゃいますよ。まあ、30分長いだけですがw。
ところが、この日は関東地方は雪が降り出していました。クルマだとスタッドレスタイヤにしたくなるほどで、電車のダイヤもちょっと心配になるくらいです。傘をさして大宮駅へ行くと、ダイヤはまだ正常です。しかし電車の顔には雪が積もっていて、これは停まったりするのも時間の問題なんじゃ?とか思いつつ、まだ時間的には早いので雪の中を走ってくる電車を眺めてみる。ふと、北斗星がやってきましたよ。いいですね、帰宅時間帯にいきなりやってくる異質な列車、行き先は遠い北の地名で、乗客は優雅に浴衣来て呑んでるか食堂車でお食事か。EF81もカニ24もまだ雪はまとっていませんでした。これから先がたいへんなんでしょうけどね。電源車の音が去ると、また雪で静かな駅に戻っていきます。
てきとうに、やって来た上野行きに乗ります。やっぱりまたグリーン車。ただでさえ上りだから空いているのに、グリーン車など誰も乗っていませんよ。それがまた良いのです。E231系の二階席に揺られながら雪の具合を心配してみる。こっちでこんなだと、東北はどうなのかな?と。
上野駅はなんと13番線に到着。家路を静かに急ぐ人たちでいっぱいです。
まだ20時ちょい過ぎです。あけぼのの上野発車は21:15、入線は25分前の20:50です。お弁当や飲み物買ったりして、あとはやって来る電車を眺めて時間をつぶします。お弁当は大宮で駅弁をひとつ仕入れてあるので、気が向いたら何か買っておこうと物色。階段を上がったコンコースの駅弁屋でひとつ調達。荷物が重たいので13番線のコインロッカーにぶん投げておきました。
上野駅など何度も来て歩いているのに、乗り替え案内の看板に懐かしい国電のイラストが残っているのを今更見つけました。この103系のような電車のイラスト、ずっとバナーやアイコンにしたくて探していたんですがどこにも無かったんですよ。池袋駅にあった西武線のイラストも欲しいんですが、見あたりませんね。以前はどこの駅にもあった絵なんですけどね。
13番線は静まりかえっています。ひたちのホームの方にカシオペアのモックアップがありますね。いつかは乗ってみたいものです。
お約束として、489系ボンネットのホームライナーを見ておきましょう。北陸共々廃止になると言うことを、この直前まで知りませんでした。入線している頃だと思って行ってみると、雪まみれでヘッドマークなど真っ白な489系がいましたよ。想像通りカメラ小僧もわらわらといます。その中に混じってみる。
まあ、マナーの悪い連中ですね。うんざりやがっかりをマッハで通り越して怒りを感じます。三脚立ててるだけでもアタマがおかしいんじゃないかと思うんですが、階段にかまえていつまでも居座る輩にはびっくりしましたよ。もちろん、普通に列車に乗る人だって歩いているんです。非常識も甚だしいぞ、と。
どうしてもその場にいたくなくて、さっさと13番線に戻ります。そのうち、そこにいた連中の一部も地平ホームにごそごそとやって来ましたよ。
そろそろ飲み物も買っておきます。中央改札横の大混雑するコンビニでビールと缶コーヒー、氷を買い込んでおきます。
20:50、あけぼの入線です。そういえば、あけぼのの上野駅入線って初めて見るかもしれませんね。推進運転でやって来ますが、北斗星とは違って電源車のカニが尾久寄りなので静かです。すぃっと停まって厳かにドアが開くと、どこにいたんだろう?と思うくらいお客さんがドアに吸い込まれていきます。乗る人いるんですねえ。まあ、いないと走らせる意味がないんですが。
私もコインロッカーから荷物を出してきて、いざ乗り込みましょうよ。
後ろから、青い編成を眺めながら機関車まで歩きます。外からだと、開放B寝台車の様子がやたら優雅に見えます。逆にB個室はなんだか貧乏くさく見えるから不思議です。いちどくらいあけぼののB個室も乗ってみたいとは思いますが、ちょっと面白み半減かなー?。進行方向左(下りでね)の海側を見ていたいなら、いいかもしれませんが。
7号車のシングルデラックスを通過して、ゴロンとシートのオハネフ、電源車カニのあたりはカメラ小僧がわんさかです。機関車はEF64 38。青い方のEF64 基本番台です。まあ、機関車など乗ってしまえば見えませんし、起きたらとっくにEF81に変わっているので見るのはここだけになりますね。カニは0番台のうち、妻面に縦トイ露出のトレインマークまわりが白くない、一番不細工だと思っているやつ。最後尾のオハネフも縦トイが付いているものの、車掌室の側窓とHゴムの色、ジャンパ線がすっきりした以外はオリジナルに見える0番台。個人的には100番台が好きですが、オハネの100番台、オハネフ200番台共々あさかぜ→はくつるの金帯車なのが、これまたちょっとガカーリです。AB共に個室車は金帯で引き戸、北斗星からの転用車も金帯引き戸で、あけぼのには銀帯車はないみたいですね。カニも平妻の100番台がいますが、これもほとんど金帯ですが、1輌だけ白帯がいます。これが縦トイもなくてきれいなんですが、まだ間近でお目にかかったことがありません。
さて、ホームの雑踏とはさっさとおさらばして、異次元の世界へ〜。デッキから客室通路に向かうなり張り紙があって「自動ドアが故障しています・・・」手動で操作しろとありますが、それを修理する時間がないのか、予算がないのか・・・。ちょっとがっかりです。
私の部屋は7号車8番。初めての偶数部屋です。そう、今までとは窓に対してベッドと洗面台との位置関係が逆になります。つまり、ベッドを片付けてソファにすると進行方向とは逆に向きます。まあ、結局起きてもゴロゴロしてるのであまり問題はないですね。
さあて、発車の時刻ですよ。ホームで三脚突っ立ててる莫迦共とは住む世界の変わる瞬間ですw。
お弁当類をテーブルに置き、とっておきの山崎を窓枠にセット!。穏やかな車内放送と、やかましめなホームの案内があっていつの間にかドアが閉まって、21:15 寝台特急あけぼの上野駅発車です。
ホームに残った者共を見下すような気分で廊下でお見送りをして、部屋にはいると特急ひたちも同時に発車して並んで走っています。昔の「あさま」と「ひたち」同時発車を思いだします。
検札が来るはずなので個室のドアは開けたまま、夜のお楽しみモードのセッティングです。検札は案外早く、尾久を過ぎた辺りでやってきました。北斗星のときとは大違いです。扉を閉めたら、浴衣に着替えてゆっくりしますよ。とりあえず、缶ビールはあけます。プレミアムモルツをプシュ!
上野〜大宮の間は死ぬほど電車で通っていて車窓など見ても面白くないばかりか、いきなり見るだけでもどこを走っているのかすぐわかるようなものですが、ゴロゴロしながら見る、過ぎゆく見慣れた京浜東北線の駅はどうにも叙情的でいいですよ。ごはんを食べるのに、シチュエーションが大事なのとおなじですかね?。ちがうな。まあ、これが夜行列車、寝台列車、はては個室寝台の魅力でしょうか。フフフンw。
大宮駅に到着のときはカーテンを閉めます。ホームから事らはまる見えで恥ずかしいじゃないですか。薄手のカーテンだけ閉めて、照明は落としてうっすら外の様子が見えるようにはします。おもむろに、ここ大宮駅で買ったお弁当をあけます。
前沢牛ローストビーフプレート。一ノ関駅の駅弁らしく、旨囲門のおばちゃんが、残った少ないお弁当からこれを手にとってどうしようか?と考えていたら、「おいしいですよ〜」と一押ししてくれたので買った、1280円もします。どうにも駅弁らしくないというか、いかにも女性に媚びたというか、洋風なおしゃれちっくなお弁当です。かけ紙は別に記念に持ち帰りたいとは思えない、エキナカ的なデザインですが、中身は実にしっかりしています。値段に文句は出ないお弁当でした。もう一度買ってもいいと思えます。
あけぼのA個室おなじみのプチテレビのブラウン管には、西田敏行が髭面ででてる映画がやってた。タイトルはどうしても思い出せないのですが、見たことがあるワケじゃないし、興味もなかったりするのでスイッチは切る。雪はあいかわらず降り続き、そのせいかやけに静かです。そのうちに北鴻巣あたりで停車して動かなくなりましたよ。
10分ほどしても動く気配がありません。というか、大宮着より前に終わった車内放送も、その程度ではしてくれません。ホームの放送で、後続の列車も遅れている様子が聞き取れるので、なんとなく状況がわかります。道路も雪で覆われていて、このままだと明日の朝は道路がパニックですね。首都圏ではこの程度で道路は大混乱です。私が免許とったばかりのころは、このくらいでもノーマルタイヤでズリズリ走っていたけどな。無知って恐いですね。
山崎はまだ開けません。カップの氷が溶け始めてますが、あえてお構いなしで。このときはまだ2本目の缶ビールをぐびぐびやってました。
しばらくしたら、また走り始めました。こんな、鴻巣くんだりで運転打ち切られたらどうしようかと思っちゃいましたよ。
静かな雪の降る夜の風景を眺めながら、列車に揺られるなんて、なんて贅沢な時間でしょう。高崎に着く前にも眠くなって、ごろんとしてたら寝ちゃいました。
列車の停まっているのを感じて起きたら、水上駅の運転停車でした。機関士さんの交代でしたか。数分間停まります。時間は24時前。水上駅には、そのあとにも0:06着の普通列車があるので、駅の照明はまだ点いていて、でも音は全くなくで雪が見えるのみ。いいですね。ここで山崎のボトルを開けて、カップ氷の水を棄てて山崎注入!。そんなことをしていたら、ホイッスルが小さく鳴って静かに発車します。ちびちび飲みながら、行き過ぎる雪の壁と街の灯りに月を眺める。これがしたいが為に、12時間で3万円も使ってるんです。
起きたついでで、お弁当食べちゃおうかな。
まだ弁当持ってたのか!?って思いますよね。ええ、上野駅で買ってありました。3階コンコースにあるお弁当屋さんにあった、品川駅のお店のはずの常磐軒のNO.1薩摩弁当っていうやつ。900円也。長い入れ物ですが、3つに分かれていて、炒り卵ののった御飯、お肉ののった御飯と、薩摩揚げとか唐揚げとか入った肉々しいおかずとで、かなりお腹いっぱいになるお弁当です。上越線の山のなかですから、ほとんどトンネルで、出ても雪の中を進む静かな列車で呑みながら食べるお弁当は、また格別な味になってしまうのです。
前二回は、この区間はすっかり寝ていましたが、今回は長岡まで起きてました。山崎サイコー。そして1時過ぎ長岡駅に到着。ここであけぼのは機関車の付け替えと時間調整で1時間弱の運転停車ですが、このときはまだ寝台特急北陸も走っていて、急行能登もいたのでそれらとのすれ違いも見られる、素敵なシアターでもありました。3度目ですが、飽きずに窓から眺めます。
EF81が向こうを通り過ぎて、上野からここまであけぼのを牽いてきたEF64が去っていきます。
直後に、489系の上り急行能登がやって来て、運転手さんと車掌さんが前後入れ替わり、5分ほどで向きを変えて去っていきます。あいかわらず、ロビーカーで寝っ転がる不埒ものが多かったですね。
そして10分もしないうちに、北陸がやってきます。ちなみに、ホームに案内の放送が自動で流れるので、列車がやって来るのはわかるんですね。
北陸は機関車の向きを変えるので、少々長く停車の様子です。
北陸がやって来て5分ほどで、あけぼのが発車します。40分くらいでしたか?長岡駅シアター。北陸の窓に、カメラをこちらに向けている人がいました。私と同じことしてます。
窓に顔を近付けて様子を眺めていると、さすがにガラス窓はひんやりしています。ウイスキー呑みながらですから、体は冷えていく一方なような気もしますが、暖房は好き勝手に効かせられますから大丈夫です。
長岡駅を出るのがだいたい1:50頃。外は真っ暗ですし、山崎も50ml飲み干してしまいました。ちなみにこのプチボトルは600円です。缶ビール2本分くらいかな。ちょうどいい量でした。気持ちよくなって、満腹で寝ますが、2:30頃にまた停まっているのを感じて窓の外を見ると、寝台特急日本海がいます。どこの駅だったかは覚えていません。両方停まっていたから、新津あたりですかね。
どうも、列車が停まると目が覚めます。テツの本能でしょうか?(笑)。鶴岡駅に停まったときも起きた。まだ4:34です。でもその前の村上とあつみ温泉駅は寝て通り過ぎてました。
羽後本荘駅あたりで起きた。時刻は6時過ぎ。外はどんよりしてまだ暗いですが、廊下に出ると日本海が見えます。部屋からは国道とそこを走るトラック、ガソリンスタンドや牛丼屋の看板が見える。羽後本荘から4号車のB寝台車が立席特急券で乗れるので、寝台が片付けられている様子も見たいし、秋田駅でお弁当を見たいので、着替えて移動開始です。秋田到着を前に、車内放送も再開されます。「みなさまおはようございます」に続いて今日の日付と現在時刻を言うのを聞くと、寝台列車に乗っているんだなあと思わせてくれますね。

ブルートレインらしい折戸のドア
立席特急券用に座席仕様にセットされたB寝台
秋田駅は6:45着の6:49発。なんとなく、せっかくなのでこの4分間に毎度のように4号車出口付近の駅弁売りを見に行ってしまいます。同じことを考える人で、その出口は人がかたまることを見越して、手前の5号車から降りて駆け足。そう数は多くないけど4〜5種類あるお弁当から適当に選んで買い、ホームの自販機でこれまた適当に目についたのを一本買い込んで個室に戻ります。戻りながら、立ち席特急券で乗れる4号車のB寝台を見てみる。お客さんはほとんどいなくて、手付かずの席がいっぱいあります。それどころか、上段の寝台も使われた形跡がありません。空いていたんですね。寝具は上の段に片付けられ、カーテンも巻き上げられて大きなボックスシートになってました。
たった4分ですが、着く前に4号車にいればお弁当買って自販機寄ってても時間は足ります。
真っ赤な朝日が昇ってくるのを見ながら秋田駅発車。ぼーっと車窓を見ながら、そういえば雪があんまり無いなあと。秋田総合車両センターあたりの京浜東北線209系付近でやや白いのが地面に見えます。そのうちにはらはらと雪が舞っているのが見え始め、気がついたら朝日は見えなくなって通過する駅のホームは真っ白け。いいね、これをちょっと見てみたかったのです。私のクルマではこんな雪景色を鼻歌交じりで走れるほどの装備ができていませんし、運転スキルもないですわい。だから、あえてあけぼのに乗ってみたわけです。さっそく、さっき買ったお弁当で雪見朝食といってみましょう。
買ったのは、秋田比内地鶏こだわり鶏めし、950円也。鳥めし系で間違いがあったことがないので、やや油断してみたのと、じゅんさいに目が行って手に取りました。あとから知りましたが、ジュンサイって秋田の特産品だったんですね。その酢の物がお弁当に入っています。鳥めしの方はやはり間違いはなく、おいしくいただいて、ジュンサイもつるっと一瞬ですが楽しませてもらった。いいお弁当じゃないでしょうか。
のんきに駅弁食べているうちに八郎潟あたりを通ってます。すっかり景色に雪は薄くなりました。さすがに今回は鳥海山とかは見えませんね。
東能代でいつものようにしばらく停車。ホームに降りてみても、思っていたより寒くない。雪はとくに見えないし、見に行ってみたEF81にもあんまり付着もしていません。降ってるよりはいいですが、冬景色を見たかったのでちょっとだけがっかり。
ホームのリゾートしらかみ形待合室の中にあるキハ58の運転台をさっと撮影して、五能線のキハ40の1両が首都圏色なのを横目にあけぼの7号車に戻ります。
東能代の発車が7:51。青森までまだ2時間もあります。ある意味、あけぼのに乗って考え事するには最適な時間です。美味しいコーヒーでも飲めれば最高なのですが、それは無理な欲望というもので中途半端に冷たい缶コーヒーで我慢です。もちろん、上野で調達しておいたもの。秋田でも銘柄にこだわらなければ自販機で買えます。
東能代からは海と離れて内陸を走るようになって、景色がやや暇なので、秋田でほとんどお客さんの降りてしまった静かな車内を見に行ってみます。「考え事」はどこに行ってしまったのでしょうか。
B寝台個室ソロ。廊下を真ん中に、その左右に個室が上下に重なってあります。ベッドは、シングルデラックスや開放寝台とは90°違って、線路方向になっています。北斗星のと似てるかな。シングルDX、開放共に、下りでの進行方向右に窓が向いているので通路に出ないと日本海側は見えませんが、ソロは半分の確率でそちら側を向いた部屋になります。
ドアの開いている部屋を覗くと、空室らしく浴衣とかが出発時のままです。なら、こっちで来てみてもよかったかな?。ただ、狭さだけはさすがにどうしようもなく、2畳分くらいを占有できるA個室とは比較になりません。ほとんど寝ている秋田あたりまでならソロがいいですよね。
トイレや洗面台は、基本ベース車のオハネのままっぽいです。現代風にリニューアルしてあるっぽいですが、配置はよく見るやつです。冷水器もまだあって現役。紙コップ(っていうのかな?)もきちんと配備してあります。車内販売も自販機もないあけぼの車内では、貴重な水分供給の場所ですよ(笑)。
シングルデラックスはやはり雰囲気が違います。このスロネ24−550番代は、オロネ又はオハネ24からの改造車ですが、デッキの位置以外はあまり原形をとどめてなくて、個室側の窓は全部変わってるし、トイレも動いているようです。そのトイレはちょっと豪華に洋式。洗面所は個室内にあるからない。トイレの向かいはスペースが余っちゃったかのように、大荷物の置き場と言うことになってます。ここに自販機置いて欲しいな。
ちょっとだけデラックスで、デッキとの仕切も自動ドアなんですけど、故障中のままで手であけてくださいとの張り紙がしてあるのはもの悲しいです
8時前、鶴形あたりの運転停車で「いなほ」8号とすれ違います。青森から新潟までと、なかなかのロングランをする特急ですが、東北新幹線の新青森開業で「つがる」に統合されて消えてしまいました。
いなほの新潟色485系が雪まみれなのをさほど気にしないで車窓を見ていましたが、このあたりからいきなり地面が白くなり始め、雪も降ってきます。
わたしには物珍しい、雪景色の過ぎゆくのを見て過ごすのは至福でした。雪国って、天気が変わりやすいんですね。降っていた雪がさあっとやんで日が差してはすぐ曇ったりとか。あまり経験したことのない天候で、ちょっとドキドキできます。山の天気とはまたちょっと違います。
8:35大館駅着。暇なので廊下に出て外を眺めていたら、ホームで給食のおばさんみたいな人がお弁当らしきものを持って立ってる。ちょうど7号車のドアで止まり、お弁当を受け取る兄ちゃんがいた。なんだ、そんなに素敵なお弁当があるのかな。鶏めしが有名なのかな?調製元のサイトを見ると、列車まで届けてくれるようですね。秋田にこだわらず、ここでゲットもいいですね。いっそのこと、両方食べ比べるのもいいでしょう。青森の鳥めしも結構おいしいですし、高崎の鳥めしも上野や大宮でも買えるので、とりめし三昧なんてどうでしょうか。
書いててやってみたくなりました。こんど乗るときにやってみよう。
まだ青森まで90分ほどあります。普通で考えると、まだ90分なのですが、あけぼのだとたった90分になるのです。あっという間です。
外はまた雪原になりますが、空は晴れてみたり、急に雪が降ってきたり、やんでみたり。眺めているには飽きなくて良いですが、だんだん青森に近づくにつれて、もしかして天気はこのまま雪なんだろうか?と不安にもなります。碇ヶ関あたりになると、りんごの木がたくさん見えます。青森なんだなあ、と。大鰐温泉駅は、シングルデラックスだといつも弘南鉄道の跨線橋あたりになるのですが、今回はその下の雪の積もったホームにおカメラ構える人がいた。ご苦労なこって。でも、ホームで三脚はいただけませんね。
9:19弘前着。相変わらず雪まみれ。あけぼのに乗っている時間も、あと1時間を切りました。考え事は、実際は遠足の子供みたいにテンション高くて、楽しいことしか考えなくなってます。ある意味、精神衛生上はとても素敵な過ごし方です。弘前を出ると、次は終点の青森です。
散らかした個室を片付けはじめ、荷物をまとめていると、あっという間に青森到着のアナウンスが始まってしまいます。切符を買ってからのうきうき気分もこれでおしまいかと、寂しくもなってしまいます。
新幹線の駅工事中な新青森を通過。駅と雪しかありませんが、本当に新幹線の始発駅になるんでしょうか??
小さな備え付けのテレビでは、まだ西田敏行がなにかやってました。この映画って、誰がセレクトしてるんだろうな。実に渋いのばっかりやってます。予告や紹介番組を見たことがあるような気がするも、タイトルがぜったい思い出せません。
9:59、定刻で青森駅に到着。入れ違いで、特急かもしかが出ていきました。
降りる人はいつものようにまばら。まっすぐ後方の改札への階段に向かう人と、機関車の方に携帯やカメラ持って向かう人、そして灰皿のある喫煙コーナーに向かう人がいます。
わたしはもちろん機関車を拝みに行くわけで、解放作業を見ながらEF81の顔をスナップしたら、一番後の階段まで行って隣のホームに行ってまた一番前へ。だいたい、そのころには機関車が切り離されて行ってしまっています。かわりに、カニ24のお顔が拝める。今日のカニ24は25。2両ある0番台のうちの、顔に縦樋が付いてテールマーク周りに白がない方。反対のオハネフ24も0番台の27。白帯・折り戸のままですが、縦樋が付いちゃってちょっと不細工です。
車庫に引き上げるDE10がやってきて、オハネフに連結されたところまで眺めて改札をでましょう。春にはJRじゃなくなってしまう701系や、新幹線開業を控えてなのか駅前開発の進む風景が目に付きます。
さて、あけぼのに乗るのが目的だったので、このあとの予定がありません。まっすぐ帰ってもいいですが、やっぱりちょっともったいない。あけぼの車内でも考えてはいましたが、十和田観光鉄道を見に行っておこうかと思います。
実は10:13発の普通列車に乗れば一番早く三沢駅に着いたのですが、のんきにあけぼのを眺めていただけでもう10:30です。なので、次の特急で三沢に向かいます。10:55発のスーパー白鳥14号だと三沢に11:39着で、接続する電車で終点まで行ってしまうと戻るのにだいぶ時間かかるので、柳沢で引き返して来ようと企みます。
改札をでて、みどりの窓口で自販機に並びますが、2台とも買う人が手こずっててなかなか空かない。片方は係の人が付いてなにやら奮闘中。もう一つはサラリーマン二人組がなんどもやり直しては「わからない」と繰り返す。指定券は発車5分前までの発売とあり、それが迫る。ため息ついたら聞こえたらしく、いったんどいてくれた。乗車券は大宮まで、特急券は指定席で急いで買って改札へ。乗車券9870円、特急券1210円。函館発で、青森で向きが変わるので早々に列車は来ていて、ホームに着いた頃には当然入線しています。まだ発車しないようなので、キオスクで缶ビールなど買ってしまいます。
席は5号車17番D。東海道新幹線とは違って、空席から希望を選べるので、デッキに近い窓際にしてみた。
789系は初めて乗ります。あんまり格好いいとも思えない電車で興味も引きませんが、車内はもっとキテました。赤と青のシートとに青い天井・・・。窓の外でも眺めていてくださいということでしょう。もしくは、白い車窓ばかりでなんだからと、こういう色調なのか。前の席のヘッドレストにある切符置き場もよくわかりません。
比較的空席も残った状態で発車。シートの向きはみんな進行方向に変えているようなので、わたしもそうする。雪の残るなかを駆け抜けるのはあけぼのと同じですが、速度が全く違います。やっぱり、ちゃんと速い。ビール飲みながらぼけーっと外を見てると、ときどき、どん!と鈍い音がして雪が舞います。だんだん曇ってきて雪もちらつく中を駆け抜けて、特急料金を払ったのにも納得のいく速度を楽しんでいるうちに野辺地着。南部縦貫鉄道はいつか乗ってみたいと思っていたものの、結局間に合わなかったね。小学生や高校生には、野辺地はあまりに遠いよね。
野辺地は案外乗る人が多く、車内も騒がしくなります。発車してすぐに三沢駅の案内があり、10分ちょっとで減速、11:39三沢到着。降りる人も乗る人もそこそこいる。向かいのホームには、各駅停車が待避中。三沢シャトルって書いてあります。このあと来る、特急つがるにも接続する三沢〜八戸間の接続列車みたいです。
ひとまず、ここでの乗り換えは時間に余裕がないのでそそくさと改札をでて十和田観光電鉄乗り場を探す。ふつう、乗り換えはすぐわかりそうなものですが、まさにぐるっと一回りして乗り場を探しました。すぐ目にはつきますが、ホームが見えないので「あれ?」って思ってしまいます。
正面口を出て左手に地味な建物があり、電車・バスのりばって看板がついてる。ほんとうか?と思いながら入って廊下を進むと改札口がありました。
この建物、相当な年期です。二階は倉庫にでもしているのか、階段はあるものの使っている様子もなく、そば・うどんコーナーも切符売り場の横にあったりします。よく駅で見る立ち食いな感じではなく、食堂ちっくですよ。どら焼きも売ってるようです。
とりあえず自販機で切符を買って改札を入り、見たことのある7700系電車に乗りますよ。
見たことのある人はすぐに気がつくでしょう、東急東横線にいた、地下鉄日比谷線乗り入れ用7000系電車を目蒲線・池上線用に改造した7700系電車が、遠い青森県まで来て走っています。昔から東急の電車がよく来る鉄道で、3800系と7600系もいます。雪国で見る東急の電車はどうなのかな?と思って来てみました。
さすがにローカルで運転本数は多くなく、できれば終点まで行ってみたいものですが、そうしてしまうと三沢への戻りがえらく遅くなってしまいます。なので、やむなくすれ違いのある七百駅の一つ手前で折り返すことにします。
七百は車庫もあるようなので、他の車両も見られそうですが交換駅での待ち合わせ時間が見えず、乗り換えできないかもしれないので、一つ手前の駅にしました。乗ってすぐに発車、なんの感動もないただの電車で10分弱、二つめの駅柳沢で降りてみる。ワンマンなので、一番前のドアから切符を運転手に渡して降ります。電車が走り去ると、風の音しかしない寒い空間だけです。
駅はプラットホーム一本だけの無人駅。トタン張りの待合室があり、なかの手すりがどう見ても電車の部品です。
10分もしないで、反対から電車がやってきました。ごく普通のインバータ制御の電車で、反響させるものもないので実に静かに走ってきます。ちょっとは違う電車が来ないものかと期待するも、全く同じ7700系でした。また一番前のドアから乗って整理券を取り、運転席を観察。普通の電車ですねえ。
12時過ぎ、三沢に戻ってきました。うーん、なにも感動がありません。電車が駅に着いて乗客が降りるとすぐにドアが閉まり、運転手さんも降りてしまいます。暢気に写真撮って改札を最後に通ると、即扉を閉められて、改札前は無人になります。地方の私鉄って、どこもかんな感じですね。この殺風景さが何とも言えませんが、無愛想でもないんですが、すくなくともまた来てみようと思う気にはなれません。
お昼時の三沢駅は、ちょっとは人がいます。JRの駅階段を登っていると、やたら「ほっき丼」と書いてあり、そこにアキバちっくなキャラがいます。
ホッキーナちゃんというらしく、ほっき丼をご当地グルメとして押したい三沢がつくりあげてしまった、最近で言うとゆるキャラなんでしょうか。ほきのすけという男の子もいるらしいです。ちょっと笑った。
どうせならほっき丼を食べてみたい気もしますが、今日はまっすぐ帰ります。
まず、みどりの窓口で特急券を。八戸までの特急はさすがに自由席でいいでしょう。いっしょにはやての席も取りますが、ゆっくり座っていきたいので、なんとグリーン車をとります!。新幹線特急券5290円、グリーン券4000円、特急券は乗り継ぎなので半額の250円。
ホームで特急を待つ人もぱらぱらといます。ヤードか何かあったような空き地のある構内を眺めつつ、来年の春にはここはJRじゃなくなるんだなとか思ってはみても、なんの実感もわきません。
乗るのは特急つがる16号、12:27発。485系3000番台のが来ました。自由席でも余裕で座れて、ものの20分ほどで八戸に着いてしまいます。
八戸12:42着。はやて16号は12:54発なので乗り換え時間は10分。あわただしく思えますが、お弁当買って、写真撮って遊んでる余裕はありました。
さあて、グリーン車です。のぞみのは乗ったことがありますが、東北新幹線は初めてです。普通車のあの窮屈さは、2時間が我慢の限界ではないでしょうか。寝ていないと座っていられませんよね。それに東海道新幹線だと仙台から乗ってくる人が多すぎです。はっきり言って、停まる必要ないと思いますよ。つばさ連結するのに停まってもいいから、ドアは開けないでいただきたい。それくらいうざい。
で、グリーン車なら静かなんじゃないかと。席を取った時点ではまだ空席だらけだったので、ちょっと期待できた。
さすがに席の幅はちょっとゆったりしてて、前の席との間隔も広い。発車してすぐ検札が来て、ほぼ同時にアテンダントが来ておしぼりと飲み物くれます。気分が大きくなったところで、お弁当を食べてしまいます。全然駅弁のような雰囲気はない、穴子いくら弁当1000円也。普通においしいですが、塩ビのフタがペコペコ言うのが興ざめします。お腹いっぱいになったら、景色はトンネルだらけで面白くないのでグリーン車の醍醐味、スーパー熟睡タイムに入りましょう。
盛岡までは各駅停車で、その盛岡で数人乗ってきたもののグリーン車らしい静けさです。
しかし、時間にして約半分過ぎた仙台で、やっぱり様子が一変します。ほぼ満席になり、空いていたわたしの隣にも人が来た。当然、みんな席に着くまでやかましいわけで、そのあともオバハン連中のぎゃはぎゃは笑う声が神経を逆撫でしてくれます。隣のオヤジも終始ごそごそ動いていて落ち着かないし。
がっかりです。
ニューシャトルが窓の外に見えてきたら、アナウンスの前に席を立ちデッキに出ました。
15:42、大宮駅到着。
やっぱり、個室はいいですね。

この年の年末に、翌春予定だったのが前倒しになって、東北新幹線は新青森まで開業しました。あけぼのは変わらずに残り、東北本線青森〜八戸間は青い森鉄道になりました。そして春にはやぶさも走り始めています。そうなると、あけぼの〜はやぶさが思いつくわけです。シングルデラックス〜グランクラスなんてやったら、いくらになるんでしょうか。やってみたいですね。
 
このあと、一年後にまたあけぼので青森に来て、三厩まで行って新幹線で帰るというお戯れをしています。

かかったお金
上野→青森 乗車券 10500
特急料金 3150
A寝台料金 13350
青森→大宮 乗車券 9870
青森〜三沢特急券 1210
三沢〜柳沢往復 440
三沢〜八戸特急券 250
八戸〜大宮新幹線特急券 5290
グリーン券 4000
合計 48060円

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