勝沼でお散歩と温泉

廃線跡巡りと保存車見物付き

工事中です


2008年11月19日

当時失業中でやっと就職が決まり、その前にと温泉に行きたくて思いついたのが勝沼でした。
日帰りで気軽に行けるところはないかな?と探して選んだところです。
程よい廃線跡お散歩コースがあり、保存車も見られるのでいいかな?と。
乗っていく電車も、大宮から八王子行きのがあることを思いだして、それで行きましたよ。

気安く行ける日帰り温泉を探していて、なんとなく勝沼に決めてみました。そのちょっと前に箱根にも行っているのですが、平日にもかかわらず箱根湯本駅周辺は人であふれかえり、強羅まで行ってはみたもののすぐ引き返して、なにもしないでロマンスカーで帰ってきてしまいました。もう少しマイナーなところにしないと落ち着けないなあ、と探して選んだところです。
中央本線ですから、新宿から「あずさ」あたりに乗っていくのが順当ですが、なんとなく存在に気がついた「快速むさしの」というのがあります。115系で大宮から武蔵野線経由で八王子まで行ってくれます。すっかり見なくなった115系というのもあって、のんびりついでにゆっくり行ってみようじゃありませんかとね。
いつものように大宮工場方を見物に行くと、カシオペアが編成を分断されて整備検査中。秋の大宮風物詩ですね。185系もいますよ。こうやって11番線の先端にまず行ってみるのが、大宮の好き者の儀式です。ウソデス
快速むさしの号は8:53大宮発、9:49八王子着で、この朝方のは2号、夕方に4号があります。この時以降2010年6月までに、二度ダイヤ改正がありましたが、ずっと変化無く走っている様子です。車輌は豊田の115系6輌固定編成が専用であてがわれています。土曜休日にはホリデー快速になって、河口湖や鎌倉行きになっていますね。
平日ですが、思ったより乗ってくる人が多いですね。リュック背負ったハイキング風の人たちももちろんいますが、コレで通勤するのが普通の人々も多く、ホーム向かいの4番線に来た東北線から駆け足で乗り込んでくる人もかなりの人数います。平日だからとなめてのんびりしていたら、空席はなくなってました。ドア横のポジションを確保して、普通の朝ラッシュなみの混雑になって発車です。音割れのする車内放送を懐かしく聴きながら、北浦和からトンネルに入って武蔵野線へ。うっかりクハに乗ってしまって、うなるモーター音がやや遠いのですが、それでも苦しげに走る武蔵野線や埼京線の103系をちょっと彷彿とさせます。うなるモーター音が壁に反射してさらにやかましいw。
武蔵野線の駅で乗り降りも普通にあり、車内の混雑度は増えていきます。中央線に入って立川まで来ると、もう普通の中央線です。
9:49、八王子到着。大宮から通しで乗っている人も案外多いのですね。八王子で、同じホームに来た高尾行きに乗り換え。E233系で普通に移動。10時過ぎ高尾に着。
見慣れない長野色115系がいたのでそれに乗るのかと思いきや、立川行きでした。のんきにそれを見送っていたら、引き上げ線にスカ色の115系がいます。次の下り電車はそれみたいですね。10:18発小淵沢行き115系はそこそこお客さんがいます。空いたボックスシートはなさそうなのでドア横のロングシートに座って旅気分です。シートはだいぶ最近風のに交換されていますが、あちこちいろんなものが増設や改造された痕跡が見受けられて古い電車だなあと実感します。見慣れているから古くさくは感じないんですけどね。
10:55、大月着。なんとなく降りてみます。Suicaだから思いつきです。富士急の電車でもちょっと眺めておこうかなと。
初めて降りる気がします。子供の頃に富士急に乗った以来かもしれません。E233系とかいて、遠くに来た気がしませんよ。改札を出て駅前を見回してみてもあんまり面白くはなかったです。路線バスとタクシーの目立つ普通の寂れた駅前風景ですねえ。
富士急の乗り場には元京王の5000系が見えます。4両編成がいると思っていたら、前2輌だけが発車していきましたよ。測線にフジサン特急がいたので見に行ってみる。元パノラマエクスプレスアルプスですが、この絵はどうにかならないんでしょうかねえ・・。トーマスラッピングの富士急オリジナル5000形も見えますが、入場券を買うのが面倒で遠巻きに見るだけになりました。今どき貴重と言えば貴重な地方鉄道オリジナルの電車なんですけどね。
次の中央線は11:45発。まだしばらく時間があるので、なんとなく駅のそば屋に行ってみた。立ち食いではなく全席テーブルで、ホームからも駅の外からも入れます。もちろん、なかで仕切られています。
まあ、富士急ですから吉田のうどんを食べなきゃでは?。いつの間にかメジャーになっていたような気のする富士吉田のうどん、中央道に乗るとPAあたりでよく食べてますが、なんとなく好きです。うどんが硬くて、辛味噌が辛くて、人参とキャベツが素っ気なくて、でも好きです。ちゃんと富士吉田で食べたことがないんですよね。富士急の電車に乗って食べに行きたいです。
ホームに戻ると、反対方向行きの115系が来ています。そこへ河口湖からの電車がやってきて、併結するようなので作業を眺めて遊びます。
まだ富士急行乗り入れの列車ってあったんですね。てきぱきと行われる連結作業をみていて、高崎線篭原駅の風景を思いだしました。自動連結器ではなくジャンパ線も貫通幌も繋ぐのは、なぜか見ていて飽きません。関係ないですが、西武線でいろんな電車がつながっているのを見て喜んでいた私には、先頭車同士の連結面はロマンなんですよ。連結面フェチと言っても過言ではないかもしれませんw。わかんないとは思いますが、自動車のリトラクタブルヘッドライトと同じくらいの浪漫なのです。ま、いっかw。
次に来た下り普通列車もまた横須賀色の115系300番台です。長野色だと1000番台みたいですね。11:45、甲府行きで勝沼へ向かいます。
オリジナルのシート車ボックス席もガラガラなので一区画占拠して紅葉した山を眺めてみる。いいですね。
中央線は、中学生の頃山岳部で八ヶ岳やアルプスに行くのに頻繁に乗りました。でも夜行で、ぎゅうぎゅう詰めのむさ苦しい電車で、運転停車中の静かな車内で寝た記憶しかありません。そういえば、子供の頃あずさに乗って松本に行ったときに見た591系の印象が忘れられません。いま調べると岡谷駅に留置してあったようですが、それを窓から見たときのインパクトはすごかったですねえ。ちなみに、そのとき大糸線で白馬まで行くのに水色の旧型国電に乗りました。面白かったんですが、長時間過ぎて退屈だった記憶があります。
中央道を走っていると、勾配がきつくてぼけーっとしていると失速していたりしますが、緩やかに見える線路もモーターの音を聞いているとずっと上り坂なんだなと気がつきますね。
初狩、笹子とももとスイッチバックだった駅ですが、どちらもその痕跡がよくわかって面白いですよ。特に初狩駅は駅舎も当時のままなので風情があっていい感じです。ホームこそ本線上になって昔のホームはありませんが、線路はそのまま貨物列車あたりのスイッチバック用に残っていますしね。
そんなこんなで12:10、勝沼ぶどう郷駅に到着。話には聞いていましたが、ホームからの景色の眺めは抜群にいいですね。あとで行こうと思っている温泉もまる見えです。
この勝沼も元スイッチバックの駅だった痕跡が見受けられます。ホームと線路に沿って旧ホームがあるのが見えますし、下り方の線路カーブの先にスイッチバック引き上げ線の跡がはっきりわかります。旧ホームには桜が並んでいて、春はさぞかしきれいでしょう。
上り方には変電所のような設備があって眺めはイマイチですが、これから行く旧線トンネルに向かう線路跡もなんとなく見えます。一段下がった空間は旧駅舎跡地で、EF64の保存車が見えます。
改札を出ると、駅舎内に観光案内所のようなものがあるだけで、それ以外にはなにもありませんね。
さっきの旧ホーム跡を見に行ってみましょう。
駅前のロータリーを含む線路沿いの平らな土地はすべて線路の跡地のようです。レンガ積みのようなホーム跡に沿って公園があって、なんとなくいい雰囲気です。また駅舎に戻って、上り方の方へ行くと農協前あたりに広場が公園と駐車場になっていてEF64が置いてありますよ。
大日影トンネル遊歩道利用者用駐車場とあります。駅前甚六公園ともあり、旧駅舎の場所にEF64 18が静態保存されています。平成18年11月設置と案内看板にありますから2年ちょうど経過していることになりますが、なかなかきれいな状態です。黒いHゴムがなんですが、初期型のフロントガラスのプロテクタ取付ボルト跡の残るいかつい山男機もいいですね。よく見ると、避雷器やアンテナも真っ青ですねw。
この周辺にも桜の木がたくさんあり、案内看板によると1000本ほどあるそうな。その桜が甚六桜と呼ばれているって書いてありましたよ。


NEO・Pの小屋
保存車EF64 18ページ
さらに上り方へ行くと、ホームを模したようなベンチがあり、トンネルに続く階段の脇はまだ線路跡の敷地が続いています。ぷつっと途切れた高台の先は水路でした。水路を渡るように橋台が残っていますから、もう少し線路は続いていたのでしょうか。本線線路は水路をレンガアーチの橋で通していますが、これまたクラシカルな感じでいいですよ。ぬかるんではいますが、小道を通って水路まで降りていくことは可能でした。ゴミだらけでしたけどね。
もどって、トンネルに行きましょう。平坦な駅線路からずいぶんと階段を上って本線線路の高さまで上がると、旧大日影トンネル跡が見えてきます。これも今のトンネルが出来て廃止されたトンネルで、当時の勝沼町がJRから譲り受けて遊歩道として整備したものです。トンネルは線路、架線を含めてほとんどそのまま残っています。トンネル全長は1367メートル、旧初鹿野(現・甲斐大和)駅に向かってゆるい上り勾配のお散歩コースです。雨の日でもトンネル内は落ち着いて歩けていいかな?と思ってはいましたが、幸いお天気はよかったです。
トンネルの手前50m程から線路がありますが、これはあとから置き直したもののようです。入口付近にレンガ造りの水路とかあって、説明の書いた板が貼ってあったりします。トンネルは入れる時間が決まっていて、それ以外は封鎖する柵のあるトンネルポータルをくぐって、お散歩開始です。
単線のトンネルは、広いようで狭いです。レンガの壁が続き、天井あたりに蒸気機関車の吐いた煙の煤が見えます。線路と枕木はそのままですが、線路脇の犬走り部はコンクリで舗装されているので歩きやすいし、照明もちゃんとあるので安心して歩けます。
線路の両脇、犬走りが舗装されていて歩きやすい。線路はたぶん、トンネル使用時そのままなのではないでしょうか。ATS地上子こそ見ませんでしたが、架線や勾配標、キロポスト、通信機器の箱とかそのままになっていて、しかも解説プレートが付いています。数十メートルおきにある待避所のようなくぼみには、中央本線や勝沼駅などに関する説明プレートが設置してあってライトアップもしてある。おおきなくぼみには休憩所にもなりそうなベンチが。ただのまっすぐなトンネルですけど思ったほど退屈はしないです。
緩やかな上り坂なはずですし、歩いていてもちょっと感じるのに不思議と疲れない。涼しいしね。
壁や天井の幻想的とも思える模様や設備跡を見てると面白いし、写真撮るのにも忙しいし(笑)。
線路の間に水路が現れた頃に出口の明かりが見えてきます。トンネル全長1367メートルと言いますが、あまり感じませんでしたね。
デジカメの記録によると、トンネルに入ったのが12:45、出たのが1:20過ぎ。写真撮って遊びながらの上り坂でも40分弱でしたか。これなら、わたしはここを戻って歩くのも余裕で出来ます。
トンネルを出るとすぐに川を渡る鉄橋になっていて、もちろん遊歩道に整備されてあって、渡りきると道路が横切っています。駐車場もあるので、こちら側に車でやってくることも簡単です。隣には、現在の中央本線の橋が見えます。スーパーあずさとか通り過ぎましたが、気がついてからカメラ用意しても全く間に合いませんね。速いです。
その先はまたトンネルがありますが、そちらはワインカーヴとして利用されているんだそうです。この入り口前に小ぎれいな建物が建っていて休憩所と書いてあった。ジュースの自販機とトイレもあるよ。
誰もいなかったので、自由にあちこち見て撮って遊んでいたところへ、車に乗ってやってきた夫婦がカメラ持って降りてきた。トンネル入り口を三脚構えて撮り始めたのを見ていたので、そのあいだワインカーヴになってる方とか見て遊んで、彼らがそこを去るのを待ってみるも、15分経ってもまだいる。カメラ持って後ろで立ってるのを見ているのに、いつまで経っても三脚立ったまま。仕舞ってトンネルの方に歩き出したから、そのまま中に歩いていくのかと思いきや、入り口で立ち止まって動かない。
勝手言わせていただくと、死ねコノヤロウ!なのですが、そういうわけにもいかない。でも同じ趣味持ってるならわかるでしょうに、何をしたくてカメラ持ってそこにいるのかさ。これがこの旅でいちばん不愉快なことでした。
結局、彼らよりもわたしの方が先にここを離れました。
勝沼駅に戻りますが、トンネルでは行かないで、何かのパンフで見たお散歩コースをたどってみることにします。
トンネルを出て右手に山を下る方へ県道をてくてく。いきなりブドウ畑だらけです。県道は歩道もなくて怖いので、遠回りにはなりますけどブドウ畑の中の道を歩く。ぶどうの収穫はとっくに終わっている時期で、葡萄棚にはなんにもない。
トンネル出口から川沿いに寄り添って歩いて、国道に出るところになにかの史跡のようなものがある。柏尾橋跡って説明があって、橋台があります。しかも3つ。歴代の橋台がずらっと並んでるのも珍しいですね。古戦場でもあるそうで、そう書いてある柱と、どういう因果か歴史に疎いわたしにはさっぱりですけど、近藤勇の像もあった。
古戦場らしき風情は全く感じられず、車のぶんぶん走り抜ける国道20号線の方がほよど甲州街道っぽい雰囲気を醸し出してます。
国道に折れてすぐに、大善寺なるお寺があります。パンフにも書いてありましたが、ちょっと中を覗いてみただけで通過。お寺の先の信号から分岐する道を上って行ってみる。一気に急坂を上がって行くとまた葡萄畑の中の道になり、高台になったところからは中央道が見下ろせ、もうちょっと進むと勝沼の葡萄畑だらけな風景が見渡せる。おー、いいかもしんない。
〜つづく


かかったお金
大宮〜勝沼ぶどう郷
勝沼ぶどう郷〜塩山
塩山〜大宮
塩山〜新宿指定席特急券
合計 円

〜リンク〜

NRE
JR東日本
甲州市サイト:大日影トンネル遊歩道開通
大日影トンネルパンフレット(pdf)@A
乗り換え案内
 
独り旅

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