充てん材
充てん材の選び方
【ポイント!】
@使用目的は何か?
防水シール、穴埋め、成形など
A使用箇所はどこか?
外壁、室内壁、屋根、浴室、配管まわりなど。
B使用箇所はどんな状態か?
亀裂、すき間、穴あき、欠損など。
C材質は何か?
コンクリート、モルタル、アルミ、鉄板、木材、かわら、タイルなど。
D使用箇所に必要な条件は何か?
耐水性、耐熱性、耐候性、弾力性、成形性、塗料が塗れるかどうかなど。
充てん材の種類
●シーリング材
・防水性、気密性などの性能を持ち、弾性体に硬化するもの。
・化学反応型と溶剤揮散型がある。
・シリコーン系、ウレタン系、アクリル系などがある。
●コーキング材
・表面は硬化して皮膜を形成するが、内部は固まらない不乾性タイプ。
・油脂、合成樹脂などと鉱物性充てん材を油で練って製造される。
●パテ類
・ガラス用、かわら用、木工用、金属用、プラスチック用、水中用などがある。
●その他
・エポキシ系接着剤を高粘度やパテ状にしたものや、
ブチルゴム等を台形テープ状等に成型したものなどがある。
分類 |
種類 |
特徴 |
用途 |
皮膜硬化 時間 |
完全硬化 時間 |
塗装 |
シ | リ ン グ 材 |
シリコーン系
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・空気中の水分と反応して硬化する湿気硬化タイプ ・耐熱性は-50℃〜+150℃。 ・硬化後はゴム状弾性体。 ・接着力が強い。 ・かびが生えにくい防かびタイプもある。 |
・浴室、洗面所、トイレ、台所まわりの防水充てん。 |
30〜50分 | 24時間 (3mm厚/日) |
塗装の上塗り不可。 |
変成
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・塩ビ鋼板に接着性が良い。 ・塗料の上塗りができる。 ・耐熱性は-40℃〜+90℃。 |
・屋根、外壁などの目地、ヒビ割れの防水シール。 |
60〜90分 | 3日 (3o厚/日) |
水性塗料 |
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ポリウレタン系
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・塗料の上塗りができる。 ・耐熱性は-40℃〜+80℃。 ・接着性が良い。 |
・外壁の目地。 ・PC板の目地。 ・建付家具まわりのシール。 |
4時間 | 7日間 | 施工後3日後 |
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アクリル系
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・水性で水が揮散して硬化する溶剤揮散型。 ・耐熱性は-20℃〜+70℃。 ・塗料の上塗りができる。 ・水性でやわらかく、使いやすいので作業性が良い。 |
・室内壁のヒビ割れ、柱まわりのすき間の補修。 ・塗装、壁紙の下地調整。 ・業務用には、ALC板の目地などに使用される。 |
30分 (指触乾燥) |
7日間 | 施工後1日後 |
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ブチルゴム系
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・有機溶剤が揮散して硬化する溶剤揮散型。 ・耐水性が良い。 ・金属に対する接着性が良い。 |
・カラートタン、波板などの重ね合わせ部の接着、充てん。 |
20分 | 24時間 | 施工後7日後 |
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合成ゴム系 | ・金属に対する接着性が良い。 | ・カラートタン、波板などの重ね合わせ部の接着、充てん。 |
10〜20分 | 24時間 | 施工後7日後 |
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発泡ウレタン
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・空気中の水分と反応して発泡硬化し、発泡ウレタンとなる湿気硬化タイプ。 ・発泡倍率は吐出量の約2倍。 ・断熱効果もある。 |
・配管まわりの隙間の充てん。 ・複雑な形状や大きな隙間、空間の充てん。 |
1時間 | 24時間 | 施工後1日後 |
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コ | キ ン グ 材 |
油性系
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・アルキド樹脂と亜麻仁油を配合した油性系。 ・表面に皮膜を作り、中は硬化せずにやわらかい。 ・一般的に価格が安い。 ・耐久性は2〜3年。 |
・外壁、かわらなどのヒビ割れ補修。 |
4時間 (指触乾燥) |
中は硬化しない | |
パ テ 類 |
セルローズ系
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・セルローズ系で有機溶剤が揮散して固化する溶剤揮散型。 ・速乾性。 ・木材専用。木材の色調に合わせて各種あり。 ・塗料の上塗りができる。 |
・柱のヒビ、キズの補修。 ・クギ穴、建具のキズの補修。 ・木工製品のすき間の充てん、フローリング材のすき間の補修。 |
10分 | 24時間 | 施工後1日後 |
油性系
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・アルキド樹脂を主原料にした油性パテで粘土状の塊になっている。 ・作業がしやすい。 ・耐候性、防水性、防さび性が優れている。 |
・外壁用、サッシ用、かわら用、ガラス用、内壁用、浴室用などの種類がある。 ・すき間、ヒビ割れなどの補修用。 |
1〜6時間 |
硬化しない | ||
樹脂系
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・速乾性パテ。 | ・木工製品のキズ、割れの補修用。 |
30分〜 1時間 |
施工後1日後 |
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無機質系
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・水性パテ ・水と反応して硬化する。 ・パテ状に練ってあるタイプと粉末タイプがあり、粉末は水で練って使用する。 ・硬化後サンディングして仕上げる。 |
・室内壁の穴、ヒビ割れ、すき間などの補修用。 |
20〜30分 | 24時間 | 施工後1日後 |
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無機質系
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・白色モルタル粉末状で、水で練って使用する。 ・水と反応して硬化する。 |
・コンクリート、モルタルのヒビ割れ、すき間の補修用。 |
20〜30分 | 24時間 | 施工後1日後 |
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無機質系
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・白色セメント系で、水で練って使用する。 ・経済的で、広い面積の補修に適している。 |
・室内タイルの目地補修用。 |
20〜30分 | 1日 | ||
無機質系
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・セメント、砂などが規定量配合してあり、水で練るあけで使用できる。 ・急結型もある。 |
・モルタル、コンクリート、ブロックなどのヒビ割れ、破損箇所の補修用。 |
10分〜 3時間 |
24時間以上 | ||
そ の 他 |
エポキシ
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・A液とB液を混合して硬化する反応型充てん接着剤。 ・硬化スピードが速く、緊急補修に適している。 ・ホーロー補修用は白、ライトブルーなどに着色してある。 |
・モルタル、コンクリート、石材の割れの補修用。 ・ホーロー製品の欠けキズ補修用。 |
10〜15分 | 24時間 | |
エポキシ
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・湿潤面に使用できる。 |
・コンクリート水路、池のヒビ割れ補修用。 |
1時間 | 24時間 | ||
エポキシ
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・主剤と硬化剤を一体成形した粘土状充てん接着剤。 | ・石造、陶器製置物の成形、補修用。 |
10分〜 1時間 |
24時間 | ||
テープ状
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・ブチルゴムを主成分としたテープ状シール材。 ・手軽で簡単に施工できる。 |
・浴室のすき間防水シール。 ・扉、サッシの隙間防水シール。 |