幌尻岳、十勝岳、トムラウシ山、黒岳~旭岳、雌阿寒岳、斜里岳、利尻山、羅臼岳、羊蹄山

幌尻岳(2053m)7月20日~21日 晴 22日は雨

・20日~苫小牧港に向かフェリーの中で天気予報を繰り返し調べた。予定では到着後に羊蹄山を登る予定だがその後の幌尻岳が雨の予報になった。21日が晴れになるので羊蹄山をパスして「とよぬか山荘」の予約を一日早めて向かった。

・21日~「とよぬか山荘」から夜中の3時に出発するシャトルバス(予約制)で約1時間で林道ゲートに到着。登山道に入りしばらくすると糠平川を左右の岸辺に渡り返す渡渉が始まる。登山靴から渡渉用のシューズに履き替える。腿辺りまでズボンを捲し上げ約12か所の渡渉を繰り返す。柔な登山者をこの渡渉がブロックしているとも言える。本州の山なら川の上部に道を造ってしまうだろう。大自然をあるがままに楽しんでもらう、素晴らしい山である。ストックを支えにして慎重に歩く。林道ゲートから3:25で幌尻山荘に到着。自炊道具やシュラフなどを小屋にデポ。途中の「命の水」で1ℓのポットの水を入れ替える。冷たくて美味しい。「北カール」の稜線に出るまでは急坂の連続である。今回の山旅では最難関の山と一日目なので山に体が馴染まないことで喘ぎながら登る。「北カール」に出るとそこは見事なお花畑である。エゾコザクラ、チシマギキョウ、ミヤマアズマギク、ミネズオウ、イワウメなどの高山植物が短い夏を謳っている。空は雲が浮かぶが心地よい晴れ。「北カール」の稜線を巻いて進むと2053mの山頂。

下りの「北カール」でお花畑を撮影しながら歩いていて岩につまずき、転倒してしまった。カメラは無意識に胸に抱えて無事だったが、手足の打撲と擦り傷を負ってしまった。幸い軽傷だったので草汁を傷口に塗り込み絆創膏で止血し事なきを得た。慎重に急坂を下り幌尻山荘に14:55に到着。今日の歩行時間は11時間の長きに及んだ。

・22日~小屋の管理人によると夜半から雨の予想。雨量が多くなると渡渉禁止処置になると言う。山荘に二泊の予定の12名のツアー客は泊まらずに下山したという。私達は保水能力の高い山麓では雨が多少多くてもすぐには増水しないことを知っているので慌てずにのんびりと山荘で宿泊。翌日3時に起床。雨が落ちていた。管理者は川の中の岩にかかる流れを観察して今日は大丈夫です。とのお告げ。4時前に雨具を付けて出発。渡渉箇所を終えたあたりから雨は上がった。

シャトルバスで「とよぬか山荘」に戻り前日にシャトルバスのチケット購入の際に自販売機が故障したようで私がいれた福沢諭吉さんのお釣が出なくなり管理者は宿泊していないのでシャトルバスの運転手に証人になってもらっていたため、お釣をいただき十勝岳登山口に向かった。

行程:歩行時間 10時間55分 3時間10分

とよぬか山荘(3:00)~林道ゲート(4:00)~幌尻山荘(7:25 7:50)~山頂(11:30 12:00)~幌尻山荘(14:55)泊幌尻山荘(3:50)~林道ゲート(7:00 8:30)~とよぬか山荘(9:30)

十勝岳 (2077m)
7月23日 曇時々晴

北海道の最難関の山である幌尻岳を無事に登頂後に登山口の「望岳台」駐車場に到着。時間が有ったので、吹上露天風呂で山旅の疲れを癒す。今夜(22日)は駐車場で車中泊。夜中に走って来たらしい車中泊組も含めると約20台。北海道の山の中では比較的容易に登れるので多いのだろう。

今日はゆっくり登れるので5時スタート。山頂付近からは噴煙が立ち上っている。この山は1988年~89年に小規模な噴火を繰り返している。なだらかな砂礫地帯を歩むとナキウサギの鳴き声が聞こえるが姿は見えない。活火山なので避難小屋が設けられている。昭和噴火口からはなだらかな砂礫地帯を軽やかに歩む。やがて、火山岩の石ころの急坂を詰めると稜線に出る。眼下には1988年の噴火口から噴煙が吹き出す様子が見て取れる。

火山の影響からか高山植物が少ない。山頂からは富良野岳、美瑛岳などのなだらかな山容の山々が見える。何時噴火するか分からない活火山なので長居は無用と一気に下山。次は幌尻岳に次ぐ難関のトムラウシである。

行程:歩行時間 5時間40分

望岳台(5:00)~避難小屋(5:50)~昭和噴火口(6:50)~山頂(7:55 8:30)~昭和噴火口(9:05)~避難小屋9:45)~望岳台(10:40)

トムラウシ山(2141m)

7月24日 晴短縮登山口はトイレもある広い駐車場だが疲れも溜まっているし長い歩行時間を考えて今夜は麓の国民宿舎東大雪荘に宿泊することにした。貧乏山旅者には贅沢は邪道だが、ゆったりと温泉に浸かり美味しい夕食を頂くことにした。宴会場の大広間の相部屋で宿泊料も少し安くなっていた。朝食はおにぎり弁当。3時に宿を車で出発。

熊笹が鬱蒼と生い茂る登山道をしばらく歩くとカムイ天上。尾根筋から一気にコマドリ沢に下ると美味しい沢水が流れている。名前の如くコマドリが盛んに鳴いている。ここで朝飯のおにぎりを頬張る。コマドリ沢に残る雪渓を詰めると前トム。少し登り大きな岩などを乗り越えて下るとお花畑のトムラウシ公園。エゾコザクラ、アオノツガザクラ、チングルマ、ミツガシワ、コマクサなどが咲き誇っている。ナキウサギの鳴き声がするが姿は見えない。岩礫地帯を登ると山頂。黒岳~旭岳方面の雪渓を残すなだらかな山容が見渡せる。美しい光景である。一級品の山岳風景である。下りは心も軽やかに高山植物を撮影しながら登山口に向かった。難関の幌尻岳とトムラウシ山を終え精神的には楽になった。これからはルンルン気分で山旅が続けられる。今日の歩行時間は9時間35分の長きに達した。

行程:歩行時間 9時間35分

国民宿舎東大雪荘(3:00)~(車)~短縮登山口(4:00)~カムイ天上(4:50)~コマドリ沢分岐(6:10)~前トム(10:50)~山頂(8:55 9:30)~前トム(10:50)~カムイ天上(12:45)~登山口(13:35)

大雪山(黒岳1984m~旭岳2291m)

7月25日 晴

トムラウシ山山頂から旭岳が雪渓を抱き、なだらかな美しい山容を見せている。トムラウシ山登山口から層雲峡の黒岳登山口に車で向かうとなると山裾を横切る道路が無く延々と山を迂回しなければならない。北海道は広いのである。

24日の16時過ぎには大雪黒岳ロープウェー駅に到着。黒岳温泉にゆっくりと浸かり体を癒す。山旅をしているとなぜかラーメンが食べたくなる。近くのラーメン屋で腹ごしらえをして駐車場で車中泊。ロープウェーの始発が6時なのでゆっくりと就寝。翌朝は珍しく遅めの5時起床。ロープウェーとリフトを乗り継ぎ登山開始。

日帰り縦走をするにはロープウェー始発の6時に乗り、リフトの最終時間の17時30分までにリフト駅に下山しなければならない。私がコースの標準時間で計画書を作り弟に事前に渡して置いた案では、リフト駅に17時20分に到着になっていた。弟は計画書を見て不安になり、リフト駅に間に合わなく登山道を走らされる夢を何度も見たと言う。結果的にはリフト駅の最終便より2時間早く到達した。リフトに乗って眺めるとお花畑に沢山の種類の蝶が舞っていた。

黒岳までの急坂を登りきるとトムラウシ山までの広々とした雪渓が点々と見える。坂を下ると黒岳石室。ここから北鎮岳の登りまで素晴らしいお花畑が広がるプロムナードの雲の平。こんな景色の中をのんびりと歩ける幸せを満喫。

チングルマ、エゾツガザクラ、アオノツガザクラ、ミネズオウ、イワウメ、チシマギキョウ、ハクサンキンポウゲ、ハクサンチドリなどの大群落が見える。北鎮岳のコルまで登り切り、中岳、間宮岳までなだらかな登山道を心地よく歩く。裏旭キャンプ地に下り、雪渓を登り返すと北海道最高峰の旭岳山頂。反対側の大雪旭岳ロープウェーからは簡単に旭岳に到着できるので山頂は賑わっていた。帰路は北鎮岳の雪渓で冷たい水をポットに入れ、広大な大雪山系のプロムナードを満喫しながら高山植物を撮影しリフトとロープウェーを乗り継ぎ黒岳温泉で疲れを癒して、国設層雲峡野営場のキャビンに宿泊。

行程:歩行時間 8時間15分

ロープウェー駅(6:00)~リフト~登山口(6:45)~黒岳(7:30)~北鎮岳コル(8:55)~旭岳山頂(10:40 11:10)~黒岳(14:10)~リフト駅(15:00)

雌阿寒岳(1449m)

7月26日 曇時々晴

層雲峡野営場から比較的近いので早朝(気温9度)に雌阿寒岳登山口(オンネトー国設野営場)まで走った。9名山の中では一番標高が低い山なのでルンルン気分の山旅になった。この山も活火山で火口から噴煙をたなびかせている。右手には雌阿寒岳より標高が高い阿寒富士を見ながらコルまで登る。後は砂礫地の外輪山を登り山頂。遠くに北方領土の国後島の山々が見渡せる。近くには阿寒湖、やや遠くに摩周湖、屈斜路湖などが見える。ここも活火山のために高山植物は少なめでした。復路にクジャクチョウやそれに似た蝶が沢山舞っていたので撮影。エゾリスやシマリスが姿を現すがすばしっこくて撮影できない。美しい湖面のオンネトー湖を眺めながら下山。国民宿舎野中温泉の露天風呂にゆっくりと浸かりながら余裕の一日を過ごした。ここの温泉は素晴らしかった。温泉の休憩室で幌尻岳、占冠の道の駅でお会いしたご夫妻に3回目の出会いがあった。お互いに「あらー!!またお会いしましたね」同じような行動をする旅人が北海道には多い。

行程:歩行時間 4時間15分

登山口(7:20)~五合目(8:20)~山頂(9:30 10:10)~登山口(11:35)

斜里岳(1535・8m)

7月28日 晴

比較的移動距離が短いので清里町の道の駅に立ち寄った。案内所のおばさんに「山梨県の清里」から来ました。と言うとおばさんが「高級別荘地?」ですね。と言う。現在では往時の賑わいはなくなりました。などとやり取りしながら過ごした。早めに登山口の清岳荘の山小屋に到着。改装したらしく綺麗な施設だったが矢鱈に禁止事項が書かれた紙が貼られていてチョッピリいやな感じだった。「水道水も煮沸して使用すること」とあった。聞くと町からタンク車で運んでいるとの事。近くには一の沢が流れているはずなのにと思ったが登山中にその意味が分かった。沢水が鉄分を多く含んでいて赤茶けた水だった。

今朝も遅めの出発で余裕の一日。下二股から旧道は滝が多いので時間がかかるが新道を選択。稜線に出たら「熊見峠」。ややーヒグマでもいるのかな?などと思ったが現れることは無かった。途中で白装束の修験者の3人組に追いついた。ここは「仙人洞」「竜神の池」や

旧道には多くの滝があり昔から修験者が登っていたのだろうか?下山途中に山頂で吹く法螺貝の音が聞こえてきた。今日も余裕の下山時間なので知床の露天風呂のはしごをしようとウトロまで走った。道の駅で海鮮丼などの贅沢(?)をして天気予報を調べたら明日の羅臼岳は雨のお告げ。利尻山付近の天気予報は曇時々晴。羅臼岳の山小屋を変更して信号のほとんどない準高速道路(?)のオホーツク海沿岸を走りに走り、宗谷岬の駐車場に21時前に到着。車中泊。

行程:歩行時間 6時間

登山口(4:50)~下二股(5:35)~熊見峠(6:30)~上二股(7:10)~山頂(7:55 8:30)~上二股(9:00)~熊見峠(9:35)~下二股(10:10)~登山口(10:50)

利尻山(1721m

7月28日(曇)~29日(晴)  移動日

羅臼岳の天気が雨予報になったので急遽、ウトロから宗谷岬まで走り駐車場で車中泊。食事をしているとキタキツネ2頭が目の前まで近寄って食料を横取りしようと狙っていた。我が食料はキタキツネと同等らしい(?)。翌朝起きると岬の草やハマナスの新芽を食べるエゾシカが5頭現れた。近寄っても逃げずに堂々と食事をしていた。樺太の島影が見える。

稚内港まで走り、7:15のフェリーに乗船、8:55に利尻島到着。海抜ゼロメートルから歩いてファミリーキャンプ場のキャビンまで歩く。利尻北麓野営場の方が登山口に近いがキャビンが満員の為にファミリーキャンプ場にした。利尻富士温泉が道路を挟んで反対側にあるので10時のオープンまで時間を潰した。10時から15時頃までゆったりと湯に浸かりながら、休憩室でごろ寝を楽しんで過ごした。こんな時間があるのも有意義かなと思った。車は稚内港に駐車したので炊事道具やシュラフなどを管理人室で預かってもらった。

730日 快晴

下界は快晴なのだが海に囲まれた島ゆえに海風に乗って濃霧が発生。高度を上げるに従い霧が濃くなってしまった。先行する登山者約30名を次々と追い越す。今日は日曜日なのだ。視界が利かない濃霧の中を登っていたらいつの間にか山頂に到着してしまった。記念写真をぱちりとやってすぐに下山開始。海抜ゼロから山頂を目指す山旅は初めてである。利尻島の中の利尻山ではなく利尻山が島を形作っている。

下山後に再び利尻富士温泉で疲れを癒しのんびりと過ごし、預けた荷物を受け取りフェリー港に下った。フェリーに乗船する頃に山頂の霧が消えて雄姿が綺麗に見えた。稚内港から再び羅臼岳に向かい車を走らせる。途中の湧別の道の駅駐車場で車中泊。

行程:歩行時間 6時間35分

ファミリーキャンプ場(4:50)~第一見晴台(6:05)~第2見晴台(6:45)~山頂(8:10)~登山口(11:25)

羅臼岳(1661m)

7月30日 晴 移動日

湧別の道の駅を出発し網走、斜里町、ウトロを走り、カムイワッカ湯の滝、知床峠を超えて熊の湯、瀬石温泉、相泊温泉の露天風呂巡りをした。[
カムイワッカ湯の滝」はかなりぬるめの湯だったが野趣豊かな温泉でした。「熊の湯」は入った途端に飛び上がるほど熱かった。羅臼の漁師たちが管理していて入浴方法などがうるさいことで知られた露天風呂。羅臼の街からしばらく走ると海岸線の岩に囲まれた小さな露天風呂が「瀬石(セセキ)温泉」露店天風呂。潮がある程度満ちていないと湯が抜けてしまう温泉である。その先に「相泊温泉」露天風呂がある。ここは海岸とは仕切られていてシートの屋根が掛かっている。海を眺めながらの温泉三昧の一日でした。岩尾別温泉登山口の木下小屋に到着。ここの山小屋には小さな露天風呂が二つあり、快適な山小屋でした。

7月31日 曇時々晴

今回の山旅の山小屋はいずれも素泊まりで寝具等を持参しなければならない。幌尻山荘以外は車が入るので荷物にならなくて便利である。今回の山域ではここが一番ヒグマの生息密度が高い。しかし、なんとなくヒグマには出あいそうもない雰囲気だったので持参した熊スプレーは車に置いたまま、ホイッスルだけを身につけて登った。今回の山旅で熊スプレーは最初の山の幌尻岳に持参しただけで終わった。登り始めてしばらくは急坂があるが適当なまきみちなどがあり登りやすい登山道が続く。やがて、弥三吉水に到着。美味しい水が沸いていて喉を潤す。北海道の沢水や湧き水はいずれも煮沸が必要と注意書きがある。エキノコックスという寄生虫がキタキツネなどを媒介し沢水から人体に寄生するものである。潜伏期間が長く成人で10~20年と言われている。私たちは症状などの知識は持ち合わせていたが、ほとんど気にすることなく湧き水や沢水を飲料していた。潜伏期間が長いので私の寿命が尽きてから発症するかもしれない?

極楽平を過ぎて、羅臼平に至る急坂を登る。ここからワンピッチで最後の岩だらけを登ると山頂に到達。オホーツク海や太平洋のかなたに北方領土の国後の山が見える。

木下小屋に到着すると幌尻岳でお会いした横須賀市から一か月かけて北海道の山々や観光地を巡っているご夫妻が私達を待っていた。小屋の親父さんが齋藤さんたちは足が速いので11時過ぎころには降りてくると言ったので待っていました。との事。私たちは11時10分に小屋に到着。ご夫妻の奥様の知人が私の高校の同級生との事。旧姓が解らないのでどなたかは不明でしたが、幌尻山荘以来道の駅やオンネトー温泉などで4回お会いした方々でした。北海道の旅は同じような行動をする登山者、バイクツーリング者などが多いことを知った。

行程:歩行時間 6時間20分

木下小屋登山口(4:50)~弥三吉水(5:50)~極楽平(6:15)~羅臼平(7:20)~山頂(8:05 8:25)~木下小屋登山口(11:10)

後方羊蹄山(しりべしやま 1898m)

7月31日(午後から雨)~8月1日晴  移動日

羅臼岳から下山後、足寄から道東道自動車道を走り、十勝平原サービスエリアで車中泊。翌8月1日は自動車道を更に走り真狩村に入った。真狩登山口を確認後に「まっかり温泉」でのんびりと過ごし、羊蹄山自然公園真狩キャンプ場の駐車場で車中泊。

8月2日 快晴

最初の1時間ほどは真っ直ぐに登る登山道だがその後は登りやすいコースに代わるので比較的歩きやすかった。眼下は見事な雲海が広がるが上空は快晴。合目の標識があり、2合目ごとに短い休憩を入れながら高度を稼ぐ。8合目を過ぎると山頂を巻いてコースが作られていた。9合目を過ぎて間もなく外輪山のコルに出る。右回りは岩が多そうなので時間はかかるが左回りのコースを取る。やがて山頂に到達。眼下にはスキーリゾートで有名になったニセコ、倶知安の街が見える。山頂では68歳になる私たちのように9名山制覇を一か月かけて登っているという単独行者に逢った。暫し山談義などをして山頂を後にした。下山後は再び「まっかり温泉」に浸かり山旅の疲れを癒し、苫小牧港に向かった。

行程:歩行時間 6時間50分
登山口(4:40)~5合目(6:00)~7合目(6:45)~外輪山コル(7:55)~山頂(8:10 8:50)~7合目(10:00)~登山口(11:30)

まとめ:
73歳の年齢を考えると実行する年限が限られてくる、信頼できる弟と二人で多少の困難を覚悟で大洗港から苫小牧港に向かうフェリーに乗船。広大な北海道に散らばる百名山を次々に登るには車が絶対条件である。車の総走行距離は2790km、9名山の総歩行時間は58時間になった。

北海道の大自然に抱かれた山々は本州の山と違い、山肌を削って出来た林道や砂防ダムなどが見られないばかりか、大自然のままの森は手が付けられていないため樹木の高さが揃っていて不自然さがなく本当に美しい光景が広がっていた。観光客や登山者の利便性を追求した本州の山と違いあるがままの姿の中を歩くので柔な登山者は寄せ付けない厳しさがある山が多かった。また、登山者も少なく静かな環境の中を心行くまで楽しむことができた登山口近くには綺麗に整備された国設キャンプ場などが多く、気持ちよく使うことができました。十勝岳の望岳台のレストハウスは夜間でも鍵がかかっていなく自由にトイレなどが利用できた。本州などは心無い人に悪戯をされるので夜間は閉まっていることが多いと思う。北海道の旅人はマナーを心得た人々なのだろうと思った。登山道などもゴミを見かけることは無かった。本州の山と違い登山者数が少ない為と、柔な登山者には登ることができない山が多いためだろうと思った。

私達は基本的には朝夕食はレトルト食品。昼食は非常用を兼ねて5個入りのアンパンとクリームパン、持参したオレンジ、果物入りゼリー、水羊羹、キュウリなどを小腹が空いたときに食べた。北海道が地盤のセイコー・マート(セブンイレブンより開業が早い1971年)が小さな村や町にも国道沿いにあったので大助かりでした。毎日下山後に寄り、翌日の昼食用のパンやバナナなどを購入。アイスクリームのスーパーカップも毎日のように食べた。ありがとうセイコー・マート。

今回の山旅でも多くの旅人たちとの楽しい交流が持てた。登山中、キャンプ場、日帰り温泉や露天風呂、道の駅などで気軽に情報交換や山談義などに花を咲かせた。北海道の旅人は心優しい人々たちだった。いつの日か、妻を連れて気ままな北海道旅をしたいと思った。


       幌尻岳                ミヤマノギク                


        チングルマ              十勝岳                  トムラウシ山


        コマクサ               黒岳                    中岳から旭岳


       エゾノツガザクラ           エゾノツガザクラの群落          アオノツガザクラ


       エゾコザクラ             チシマギキョウ                雌阿寒岳


       クジャクチョウ            オンネトー温泉                オンネトー湖
  

       斜里岳                  宗谷岬                    利尻山


       カムイワッカ湯の滝              熊の湯                  瀬石温泉

 
        相泊温泉                 羅臼岳                  クモマユキノシタ


        羊蹄山                 羊蹄山の雲海              苫小牧~大洗フェリー