京成沿線・曳舟

◆ 岩金酒場

京成曳舟から通りに出て、新四つ木橋方面へと足を向ける。途中からは店も途絶え人気も少なくなる、しばし歩くも看板はナカナカ見えて来ないので、毎度の事ながら不安になる。緩やかなカ-ブを曲がり、わずか数メ-トルの至近距離になって、ようやく見える「岩金酒場」の看板を見つけた時の喜びはひとしおだ。 次々と老舗居酒屋が閉店する都心にあって、銚子屋(北小岩)、大林(山谷)、スミダ(曳舟)に共通する、古いながらに気品が感じられる今や貴重な佇まいだ。是非次世代に伝えたい店と思う。(今日は酎ハイ5杯は飲んで協力しよう...笑) 中は民家を改造したような四角い空間、高めの天井に蛍光灯で明るく開放感がある。L字カウンタ-は収容10名程度、壁沿いには昭和レトロな4人掛けテ-ブルが2つ並んでいる。意外なのは店員で、明るい美人姉妹の2人が仕切っておられ、寂れた雰囲気の中にあって、一脈の暖気を放っている。女性ばかりの店故に気楽さを感じる中にも、それを支える客同士が作り上げた暗黙のマナ-と言ったものがあるようだ。最近あまり見かけないが、皆酔っ払いに睨みを効かせていたおばあちゃんから学んだのだろう。 酎ハイは氷の無い元祖ハイで、炭酸ビンが都度1本付く本格派である。炭酸メ-カ-はキクスイ(ブランド名は残っているが、製造は○○商店製)で、ニホンシトロンに対抗しうる「密かにファン」のメ-カ-だ。初めに中身入りのグラスが出され、そこに炭酸ビンをグラスの中へマッサカサマに突っ込む。途中怖がらずにビンをグラスの中から出さないのがポイントである。空き瓶はそのまま置かれ、飲んだ量を計算出来る界隈に多い「下町システム」を採用している。 食べ物メニュ-も豊富で、この日はお勧めの地鶏の焼き鳥と焼き魚を戴いた。安易なつまみで済まそうとせず、どのメニュ-にも素材の選択や調理方法に意欲が感じられる。以前頼んだ日替わりの明太子は特大サイズで、仲間が「ごはんが食べたい」との要望をしたところ、ドンブリごはんにお新香までつけてくれ、快く対応してくれた。メ-ルで指摘があったので最近注意しているのだが、接客は重要なファクタ-と思う。古き良き大衆酒場の佇まいの中で味わう、元祖ハイにつまみ、そして接客の妙がそこに加わる。

<  DATA  >

ビ-ル530円 ハイボ-ル300円 ウイハイ350円 レモンハイ350円ウ-ロンハイ350円 日本酒350円 おでん500円(自家製 お勧め品) カキ酢400円 ホタテバタ-400円 さば塩焼き350円ギンナン焼き350円 アナゴ煮400円 まぐろ中落450円 コハダ酢350円湯豆腐鍋600円 たらちり鍋750円 カキ鍋900円 焼きソバ450円 その他 定休日 日曜日.祝日 京成曳舟徒歩7分

 

◆ 三祐酒場 曳舟本店 閉店

一見大人しい外観だが、ここは創業75年を誇る老舗酒場で、あの「元祖の素」を最初に作り出したといわれる由緒正しき店である。 中はL字カウンタ-に加え2階にも席があり、収容はト-タル40名と意外にデカイ。女性3名で切り盛りする店である。 入って気付くのは、シックの色調の内装と何気に置かれた生花だろうか。天井からのライティングや、器に至るまでセンスよく揃えられ、親父酒場にありがちな、雑然とした空気は全く感じられない。 当時の面影を残す数少ない品となってしまった元祖ハイは、280円でグラスはチト小さめ、オリジナルシロップ入りで琥珀色だ。 中にはロックアイスとレモンの輪切りが入っており、炭酸の心地よい刺激に加え、柑橘系の香りとほのかな甘みが、軽快な飲み口を支えている。 壁にずらりと貼られたメニュ-を覗いて見ると...赤貝、アジ酢、どじょう、馬刺し、焼豚、豚肉粕漬け焼き、焼きアサリ、蟹ミソ、関アジ...なんとも的を得た酒肴品ばかりが揃えられ、にわかに主婦同士が始めた居酒屋とは一線を画す、積み上げられた「経験の差」を感じられるだろう。 敷地内には同経営の酒屋もあるので、地酒の種類も豊富だし価格も良心的と思う。ちなみに持ち込み料を払えば、選んで持ち込めるというのもユニ-クだ。

<  DATA  >

生ビ-ル中480円 瓶ビ-ル大500円 元祖酎ハイ280円 粕取焼酎ロック350円 球磨焼酎400円 ウ-ロンハイ320円ウイスキ-角500円 地酒各種 真澄550円 栄川500円 出羽桜600円 など... おしんこ250円 煮込み380円 枝豆500円 アジ酢400円 タコブツ450円新しょうが350円 ジャガバタ-350円 串カツ450円 トコブシ煮450円 馬刺550円貝柱刺身400円 赤イカ刺身550円 アサリバタ-550円 鱈白子450円手羽唐揚げ400円 にしん塩焼き550円 さんま塩焼き450円 定休日 日 祝 第三土曜日 営業時間5時~11時 京成曳舟徒歩2分八広明治通り沿いに支店あり。 ◆ 創業75年の歴史を誇る 現在のカクテルハイの元祖の店。 従来下町の酒場では、焼酎ハイボ-ルと言って、焼酎を単に炭酸で割って飲ませていた。しかしそれでは飲みにくい..と言うことで、先代が「元祖の素」なるシロップの様な琥珀色の液体を発案。ハイボ-ルに混ぜて出したのが、元祖酎ハイ発祥の由来との事。「あの時登録商標でも取っていれば..」とは、今のご主人の弁。某酎ハイメ-カ-も視察に来たとか...

 

◆ 三祐酒場 八広店

店は京成曳舟から明治通り沿いに歩いて10分ほど、有名な「キラキラ橘商店街」の入り口に面しているので、ブラついてからお邪魔するものいいと思う。 構えからして気品漂うが、それもそのハズ。ココは「元祖酎ハイの素」で有名な、「三祐酒場駅前店」の暖簾分けなのだ。 中は鋭角に配置されたカウンタ-と、奥にやや窮屈な小上がりがあり収容は20人ほど。若いご主人と女性サポ-トが1人という小さな店である。 カウンタ-に腰かけメニュ-を眺めれば、一見ノンジャンルがダラダラと並ぶようだが、良く見ると選りすぐられた秀逸なものばかりである。 そんな中、一際目を惹くのは店の看板料理の「火鍋」であろう。 鍋の正体は、ホルモンをすき焼風に食するのだが、ポイントは割下にある。コチュジャン系の韓国風?はたまたエスニック調か?見た目謎が多いが、味噌をベ-スに数種類の香辛料をブレンドしたオリジナルらしい。 ホルモン、鍋とキ-ワ-ドが揃えば、思い浮かぶはもつ鍋位だが、ウスタ-系の酸味にピリ辛のアクセントが効いた、「かつて食べた記憶が無い」味で、初めての時は、「こうしたアレンジもあるものか...」と正直驚いた。 具はデフォルトでホルモン3種類と、彩りを考慮した野菜がたっぷり入りボリュ-ムも満点。見た目に鮮度の良い生ホルモンを使うとあって、プリプリの食感である。トッピングも可能で、しかもその場合野菜は勿論、部位まで細かく指定が出来るのも嬉しい配慮ではないか♪最後は韓国麺が用意され「しゃぶしゃぶ風に食べて」、と言われこれまた驚き...。 ちなみに鍋は年中用意されるが、ご主人はプロ意識が高いので、仕入れが悪いとメニュ-から外されてしまうので要注意。遠方からの訪問なら、予め確認するといいだろう。 酒はサラブレッドの血統受け継ぐ元祖ハイを始め、地酒、本格焼酎、泡盛まで揃うので、料理との相性を考えながら、チョイスするのも楽しい作業だ。 酒良し、つまみ良し...再訪率が高くなるのも当然だろう。

<  DATA  >

瓶ビ-ル大500円 黒ビ-ル430円 生大680円 生中480円 元祖酎ハイ300円レモンハイ320円 梅酒ハイ400円 地酒 誠鏡たる酒450円 麦焼酎 閻魔530円百年の孤独800円 芋 霧島400円 泡盛 久米仙530円 くら480円 火鍋 ホルモン3点と野菜付き850円 砂肝スタミナ400円 野菜炒め400円 生のり三杯酢280円 冷やしトマト350円 カリカリベ-コンサラダ480円手もみサラダ400円 あじくさや800円 等 場所 京成曳舟より徒歩10分 明治通りを亀戸方面に歩く。明治通り沿い 下町の名所「キラキラ橘商店街」の入り口。墨田区八広2-2-12 03-3610-0793 定休日 1の付く日1.11.21.31など 営業時間5時から深夜2時まで

*** 私的お勧めリスト ***  カリカリベ-コントマトトマトとオニオンをスライスし、炒めたベ-コンを散らすありふれた商品だが、自家製の甘酸っぱいドレッシングがメチャ旨い。  生のり 奴豆腐と同時に頼んで載せて食う。 アジ南蛮漬 大皿にあったら絶対頼むべし。 レバ刺し 絶品!  刺身 いつぞやイナダを一匹仕入れてドンと捌いていた。以来日替わり刺身メニュ-は、必ずチェックしている。  謎の洋食メニュ- ロ-ルキャベツハテナと頭が混乱したが、「お勧めです」との言葉に押され頼んでみた。オムレツサイズのドでかい本体がシチュ-皿にゴロリ、上にはチ-ズとトマトベ-スのソ-スがタップリかけられていた。トロトロ、ジュ-シ-、肉汁は溢れんばかり...。食べてよかった♪ だがこれは気まぐれ料理だろうから、次はいつ会えるやら...。

 

◆ スミダ 閉店

明治通り沿いに一際映える、どデカイ提灯とはためく暖簾。その堂々たる構えを見れば、嫌が上にも期待感は高まろう。 中はカウンタ-が10席と壁沿いに小上がりがあり、収容は20名ほど。人の良いご主人が一人で賄う店である。 チョイトご無沙汰してしまったが、佇まいはそのまま。僅か数年でガラリと様相が変わるハズも無く、足早に過ぎ去る時の流れも、ここまでは及ばないようだ。 メニュ-も相変わらず、モツをメインにわずかなサイドという潔さ。だが節操無い取り揃えの店よりは、遥かに好感が持てるといえるだろう。 混雑時はてんてこ舞いで、飲み物のお代わりすら間々なら無いが、そんな時はハイボ-ルと一緒に、「リザ-ブビ-ル」をオ-ダ-して凌ぎましょう。(^^) ここでは「シロ」から入るのが、我が定番コ-ス。頼むと指定しなくても、てっぽうと呼ばれる上質な部分を焼いてくれるのだ。柔らかな肉質に、オリジナルのタレがまったりと絡み実に旨い。かつての感動はやや薄れたが、幸福感味わえる事に変わりは無い。ただカシラやタンといった品になると、凡百のモツ屋のレベルと同等に...没個性の感は否めないかも知れない。 ちなみに 古き建物から察して、熱源は「炭」との期待を抱かせるが、残念ながらモツはガス焼きである。 モツ以外のメニュ-は単調ながら、厚揚げだけはピカリと光るお勧めメニュ-。外がこんがり、中はきめ細かい舌触りの絹ごし豆腐、以前「どこで仕入れたの?」と尋ねたらすんなりと教えてくれた。ご主人は人が良いから、質問には全部答えてくれるんだな。(^^) ハイボ-ルは25度焼酎に自家製炭酸をサ-バ-から注ぐもの。やや小ぶりなジョッキで供され、氷は入っていない。無色でドライなのだが、甲類のクセを感じさせずほのかに甘くて飲み易かった。どうやら秘密は焼酎にあり、「万上」というメ-カ-のものを使っているらしい。 老舗のモツ屋でありながら、ここは至ってアットホ-ム。一見でも嫌な顔されずに寛げるだろう。その懐深さがスミダの良さなのだ。

<  DATA  >

瓶ビ-ル大530円 小380円 ハイボ-ル320円 酒350円 ウィスキ-580円 牛煮込み320円 まぐろブツ350円 厚揚げ280円ガツ刺し.シロ刺し.こぶくろ刺し各一皿300円 おしんこ200円もずく酢250円 冷やしトマト300円 奴300円 なめこおろし合え300円  定休日-日曜日 京成曳舟徒歩12分 03-3619-8442 明治通り沿い。

 

◆ 赤坂酒場 閉店

店は「曳舟川通り」に面し、京成と東武曳舟の中間辺りに位置している。 インパクトある屋号と人目を惹く看板効果で、既に「居並ぶ他店を圧倒している」と言っても過言じゃないだろう。 収容はカウンタ-7席にテ-ブルが6つ、外観は近年改装されたが、レトロで大衆酒場らしい佇まいは健在である。 中はこの規模ながら、店員が4名と多めの配置がなされ、注文にもストレス感じる事は無いと思う。 客層は親父連で埋め尽くされ...と思いきや、この日はうら若き乙女(に見えた)が6人集♪に、学生風の2人組みなど。常連の臭いがあまりしてこないので、新参者でも和めそうだ。 メニュ-はモツ焼きを主に、コブクロ、ガツ、レバ刺身と王道を行く取り揃え。今回はカシラと軟骨を頂いたが、味はどちらも上々だった。 その他ハラミ、カルビ、ミノ、と焼肉屋チックなメニュ-もあるが、特徴なのが全て串焼きという点だ。ただハラミが1串300円で3切れなので、コストバリュ-に優れるかはなんとも微妙。他にポテトサラダ、水ギョウザなどモツ以外のレパ-トリ-が広いのも、人気の要因といえるだろう。 飲み物は梅酒から、霧のサンフランシスコ(謎) フランス焼酎(大謎)、と、インタ-ナショナルなものから、伊佐美を始めとした本格焼酎が用意されている。 だが見渡すと、テ-ブルに並ぶは元祖の素入りハイボ-ル。やっぱり下町酒場ではこちらがダントツ人気のようである。ちなみに炭酸は自家製で、サ-バ-からの供給だった。 混んできたのでさっさっと引き上げたが、ここは仲間と一緒に来て、牛ハツ長ネギ炒め、牛ミノ炒め、焼きビ-フンといった皿物をオ-ダ-し、取分けて飲み食いすれば、印象は更に良くなると思う。

<  DATA  >

キリンビ-ル大500円 生中500円 赤坂地ビ-ル550円 酎ハイ300円 グラスワイン300円日本酒 八重寿秋田 正一合300円 菊姫にごり550円 本格焼酎 伊佐美.魔王 各600円 牛カルビ大串390円 牛タン塩290円 牛ハラミ大串250円 牛ハツ刺し350円牛レバ刺し350円 ハチノス刺し500円 かしら.タン等1本100円生ホルモン400円~ トン足450円 水ギョウザ280円 煮込み豆腐350円 おしんこ350円エシャレット280円 もやしナムル200円 フライドポテト300円 牛ミノ炒め450円牛ハツ長ネギ炒め500円(お勧め) 焼きビ-フン(お勧め) キムチ280円 塩ラッキョ280円ニンニク天ぷら280円 生ハム360円 骨付きフランク390円 等々 定休日 日祝日 営業時間5時~11時 京成曳舟徒歩3分

 

京成沿線・押上

◆ 百 尺 2004.3.13 閉店

名物酎ハイを飲みたくなって、久々の再訪となる。ここの酎ハイは中ジョッキ-に氷無しスタイル、元祖の素を使い知らないと「ウィスキ-では?」と思える色合いである。焼酎度数は25度で、炭酸はニホンシトロンを使用している。実はこの商品、某焼酎メ-カ-も話を伺いに来るほどで、「都内でも屈指の歴史を誇る由緒正しき飲み物」なのだ。なのに気さくな女将と店の雰囲気のおかげで、そんなことは微塵も感じさせない。酎ハイはヤッパリ美味い♪.....元祖ハイならどこも同じ味とは限らない!ここのは少し甘みと香りが強く、あの山城屋酒場と並ぶ好みの味である。(但しあちらは市販の元祖の素と思われるが、こちらは自家製ブレンド) カウンタ-に座ると、正面にはメニュ-の柵とお薦めの手書きの品書きが.....。名物の煮込みは「馬の内臓」を使った珍しいもので、常連によると「若い、古い」で、独特の癖が微妙に好みに影響を与えるらしい。前以て頼むと「桜鍋」も準備して貰えるという。この煮汁を入れた一品で、なにやら期待が出来ると言うものだ。冬場の鍋も充実で「タラ、牡蠣、鳥…」など、それぞれチリにも変更可能、一人でもガスコンロを用意してくれ、気持ちよく対応して頂ける。お気に入りは「肉豆腐鍋」650円(確か)で、醤油ベースのすき焼風、濃い目の味が特徴で野菜と白滝の入る豪華版♪である。その他「特上鯨のベ-コン、うに、なまこ」と、まあ価格はそれなりになるが魅惑のメニュ-が勢揃い。ついつい美味い酎ハイの杯を重ねるうちに、食べたくなってしまうから困ったもんである。笑 店内はカウンタ-が10席ほど、その後ろの小上がりに は卓が2つ。テレビと雑誌が沢山ある。 --- 追記(メ-ルにて) ---ところで、「百尺再訪記」に(シャクセキ)と振り仮名がありましたので、先週お店で聞いたのですが「ヒャクセキ」が正解とのことでした。江戸っ子が読むとそうなるのですかね(笑)

<  DATA  >

元祖酎ハイ380円 ワインハイ400円 ウィスキ-ハイ450円 まぐろさしみ650円 アジたたき500円 アジフライ450円 いか刺し450円うに850円 特上クジラベ-コン980円 煮込み400円 うど酢味噌350円ホタルイカ300円 イワシの酢の物300円 レバ焼き350円 さけハラス450円等々 定休日 基本的には火曜 営業の時もあり 京成押上 徒歩10分

 

◆ まるい

高野様訪問記です。ありがとうございました。私はかれこれ3年はご無沙汰してるかな.....そろそろ顔出さないと。 まるいって店に先週3月4日に行ってまいりました。いやぁ、凄い凄い素晴らしい!参りましたね。期待して行って期待外れってのは、よく経験したけど期待の上の上を行かれたってのはホントに初めてでしたよ。会社の後輩と二人で行ったんですが、30分位待って運良く入れました。最初にレバ刺を頼むと女将さんに親牛か仔牛かと聞かれたのでどう違うのかって聞いたら親のがこってり、仔のがあっさりと言うことなので、知れたことか親にしました。こいつの旨いこと、宇ち多、江戸っ子のシコシコ感のある豚レバとまた全く違うとろけるほど柔らかい食感でした。今まで食った牛レバの中で一番旨いと思いましたね。煮込みはサラッとしたスープで上質のシロが旨かった。タン刺はほとんど生に近かったが、肉薄で物足んなかったが、シロ焼き、軟骨のホイル焼きはなかなかだった。モツ焼きビギナーの後輩が野菜が食いたいなんぞと言うのでトマトをとるとこれがまた旨かった。途中、マスターがカシラを焼いてる時にカウンターに並んでいたやや若い常連の4人連れが、「カシラって何処の肉?」ってマスターに尋ねた時にうちの後輩が私に「何処の肉なんですか?」「おう、カシラってのはこめかみの肉のことよ。」てなこと言うとマスターが俺の顔見て「そうそう、カシラはこめかみだよ。」優しそうに言った。その後に「肉は生より、焼かないと旨くないよ。」ってマスターが言ったので、私が「俺は地元じゃ、レバなんか若焼きにして食うのが大好きなんだけどね。」「うん、ちょっと火を通すだけで違うんだよ。」なんかいい雰囲気でしたよ。閉店際にマスターがまるで試食させるかの様に、「ちょっと、コレ食べてみて」ってサービスのあったりして、最高の気分で店を出ました。

<  DATA  >

酎ハイ350円 焼酎の中身だけのおかわり可 レモン付き 氷入。 牛煮込み380円 なんこつ350円 なんこつホイル焼き トン足500円上ミノ480円 シロ380円 にんにく焼き300円 タン皮280円ヌカ漬けおしんこ300円(かくれた名品 お勧め)仔牛ナンコツ500円 子牛のタン刺し600円 定休日 日曜日のみ 営業時間5時から10時まで 京成押上徒歩10分墨田区業平3-1-1

 

◆ やきとん 一番

今回はこの店の常連(先輩)に連れられての再訪となる。ここは約40年の歴史を誇る地元でも老舗のやきとん屋。「俺はまだ20年しか通ってないからな...」とポツリ、店と客が創り上げる下町文化は偉大である。 木のカウンタ-に座り、大きなブロックの板氷の入ったネタケ-スを覗くと、事前に準備された串が並んでいる。どれも大ぶりで色からして新鮮そうだ。早速「レバ-の角が立っている」ここでの一押し品、「レバ-チョイあぶりレモンがけ」を戴いた。高火力の備長炭で焼かれるそれは、「焼いても角が落ちない」鮮度で、プチっとはじける外側としっとりとレア-な中がバランス良い絶品メニュ-。当然レバ刺身については、多くを語る必要はないだろう(今回は食べなかったが)。 自家製ヌカ床のお新香がこれまた素晴らしい!中は「白菜、きゅうり、赤カブ、大根」と、飽きさせない量と種類で、実はこうした「素朴料理」にはめっぽう弱い...絶品レバ-とこのヌカ漬けだけで、十分「通う」気持ちがわかるというものだ。ちなみにこの日は他に、ハツ刺身とコブクロ塩焼きを注文。ハツは酢と醤油をかけるがすぐには食べない、染み込む時間を与えるのだと言う。コブクロもコリコリ肉厚であった。次回はナンコツとかしらを秘伝のタレで食べてみよう。 ハイボ-ルは氷とレモンスライスの入った元祖下町ハイ。収容は8人ほど座れるカウンタ-と、壁に添って小上がりがあり、やや小さめのテ-ブルが3つほど置かれている。

<  DATA  >

生ビ-ル中500円 ハイボ-ル350円 ウ-ロンハイ350円ウィスキ-W400円 むぎ焼酎350円 日本酒400円 各種ホルモン焼き4本400円 2本づつのミックスも可能レバ-刺身(肉厚でお勧め)420円 ハツサシ420円 ガツサシ420円まぐろぶつ450円 たこぶつ450円 煮込み400円 煮込み豆腐450円自家製ヌカ床おしんこ300円 さつま揚げ350円 たらこ450円 葉しょうが350円 など 定休日 日.祝 営業時間5時から10時まで京成押上 徒歩7分 浅草通り沿い

 

◆ 松 竹 2003.3..25 閉店

テレビも音楽も無く、静かな佇まいである。この日聞こえて来たのは、常連とお見受けするご年配同士の杵柄話。これが実に下品で笑える(書けない….)自分には関係ないと酎ハイをすすっていると(聞いてたくせに)、突然向かって一言。「にいちゃん、部屋の髪はよく拾っとくんだぞ。ロ-ラ-使うといいよ」...笑 モツを焼くのは、ここの女主人だ。備長炭を掻き分け、手際よく串をさばいている。肉は特別大ぶりという訳ではないが、店の雰囲気がそれを補うといった所だろうか。 換気扇は真上にあるのだが、中はすこしモウモウとする…メニュ-はシロ、かしら、タン、ナンコツなど、普通は1皿4本のセットだが、2本ずつでも応じてもらえる。(但し半端な6本はダメ) 刺身はガツ、レバ-、子袋の3種類。この日はガツ刺しをニンニクで頼んだが、平たく薄い独特のスライス方法であった。 他に厚揚げ、お新香等数点しか無いのだが、カウンタ-はいつも常連で一杯である。酎ハイはジョッキ-で、ロックアイスに元祖の素入り。炭酸はニホンシトロンに対抗しうる、力強い泡の「キクスイ」のビンが一本付く。 店内は8名ほど座れるL字カウンタ-と、壁を隔てて隣にもカウンタ-がある模様。但しそちらは普段あまり使われてないようである。 夏場は軒先に長イスを出して、そこで一杯と粋な下町情緒が味わえる。その時期また訪れてみたい。

<  DATA  >

ビ-ル500円 酎ハイ ジョッキ-350円 レモンハイ350円 グレ-プハイ350円ホッピ-350円 日本酒/ウィスキ-400円 モツ焼き4本400円 タン、ハツ、シロ、つくね、カシラ、なんこつ、レバ-煮込み、厚揚げ、冷やしトマト、お新香 定休日 日祝 営業時間5時より10時まで 京成押上徒歩7分

 

◆ 亀 屋

駅から錦糸町方面へと歩き、1つ目の信号を左折すると、「市場商栄会」という小さな市場が見えてくる。住宅街に忽然と現れるこの空間は、夕暮れ時ともなると、けたたましく演歌が鳴り響き、活況呈する庶民の台所へと早変わりするのである。(早めに到着したなら、ブラブラすると楽しいよ) 亀屋はそこから歩いてすぐ。辺りはチラホラ灯が灯るものの、「飲み屋が立ち並び、胸高まる光景」とは程遠い。 店内は「くの字」カウンタ-と、奥には民家の1室らしき小上がりがあり、収容は併せて20人ほど。老夫婦で営む店である。 掲げられた暖簾と提灯からは、もつ専門店を伺わせるが、取り揃えや内容は、可もなく不可もなくといった及第点といったところ。むしろ魅力は、ボ-ドに書かれた日替わりメニュ-と飲み物にあるのかもしれない。 と、言ったものの、実は飛び抜けて刺身が豪華とか、山海の珍味が揃うという訳では無く、内容は至って平凡だ。 調理も家庭料理の域を出ないが、何気にむつの照焼きに副えられた大根おろしはタップリだし、ジャコ天は小骨のジャリジャリする逸品で、ボリュ-ムも満点である(250円)。他にグリ-ンアスパラやニラレバなどがごちゃごちゃ書かれ、目を凝らし掘り出し物を探すのも、ココの楽しみといえるだろう。 加えて飲み物が素晴らしい♪外ビン方式のホッピ-は25度焼酎をドバッと注ぎ、お代りの度に量は増えるし、レモンハイは山積みレモンを豪快に絞り(手つきはかなりアブナイ...笑)、業務用炭酸が別出しという、下町酒場の正しきスタイルを守っている。ちなみに焼酎だけのドライハイはメニュ-にないが、頼めば作ってくれそうだ。 料理はいいが、酒が薄くて印象↓ってな店もあるが、大衆酒場ならやっぱり酒が強烈~!でなきゃね。 カウンタ-はいつも地元の親父連で一杯で、会話の中には入れないが、自分はのんびり、新聞片手にマイペ-スで寛がせて貰っている。 平凡なのだがこうしたプラス要素が重なって、押上に降り立つと選択肢の上位へと入ってしまうんだなぁ...。

<  DATA  >

生500円 瓶ビ-ル大520円 日本酒300円ホッピ-350円 生レモンハイ350円 ウ-ロンハイ350円 ホルモン シロ.タン.ナンコツ.レバ.カシラ 各1本100円ガツ刺し.レバ刺し350円 煮込み300円日替わりメニュ- まぐろぶつ.ハンペン焼.油揚げ200円マ-ボ-豆腐.さんま.キュウリ酢漬300円など 定休日 日.祝 営業時間5時から11時まで 03-3626-1099

 

◆ いこい食堂

経験上つまらぬ居酒屋で飲む位なら、食堂で飲む方が遥かにいいと思う。 店は駅から離れた住宅街の路地にあり、「なんでこんな場所に食堂が?」と首を傾げたくなるほどだ。予定には無かったがこの意外性に興味を持ち、ぶらりと入ってみた。 中は白いクロスに、白いカウンタ-、照明は明るい蛍光灯と、食堂らしいござっぱりした空間である。 規模はカウンタ-が15席ほどと壁沿いの窪みにテ-ブルが2つ、奥には座敷もあり、間口は狭いが奥行き深い造りになっている。調理担当がご主人、接客が奥さんの夫婦で営む店である。 先ずは酒をチェック。「!」ニホンシトロンのレモンハイにホッピ-があるじゃないか。(ピピピ...ポイントランプがアップする様子) 続いてつまみは?カニクリ-ムコロッケ110円、お新香、塩辛、枝豆100円、アジフライ150円、マカロニサラダ150円、ほっけの開き270円 etc...「!!」(ポイントランプ6割点灯) だが値段だけで評価してはダメだ。サイフと相談の末(爆)、先ずは気になるカニクリ-ムコロッケ110円を頼んでみた。作り置きをポンと出されればそれきりだが、調理をしてるらしく時間がかかっている。果たして!千切りキャベツもしかっり副えられ、つまみとしてはジャストサイズな一品が、熱々状態で供された。サクっとした衣を破ると、中からはクリ-ム状の具がトロリと溢れ110円ながら本格だ。「めちゃウマイ!」(ジャンクな味に感動出来る自分に感謝)そしてさり気なく嬉しい事に、テ-ブルに置かれたソ-スはオリバ-だった。ブラボ-♪宝の鉱脈(京成沿線)には、まだまだ金が埋まっている!(ランプ全灯) 気を良くし、怒涛の注文ラッシュが始まった!ハンバーグは手作り感溢れる肉質に、自家製ソースをたっぷりまとい、皿には目玉焼き、マカロニサラダと洋食らしい演出が施されてるし、オムレツも中はトロトロ、具にはハムがどっさりと一工夫がされていた。 チョイト休憩とばかりに壁に目をやると、その数ざっと10種類ほどの定食画像が貼られている。メンチといったメインのおかずに、ドンブリごはん、味噌汁、お新香が付いて、値段はどれも驚異の500円。どこぞのバリュ-セットを凌駕する圧倒的内容である。 メインはこうした食事系だが、時間配分を弁えれば立派な居酒屋として寛げるだろう。住宅街に何気にこんな店がが根付いているとは、恐るべし押上。CP良好 「いこい食堂バンザイ!(^^)」

<  DATA  >

ビ-ル大550円 ホッピ-400円 ニホンシトロンレモンハイ350円 清酒350円 カニクリ-ムコロッケ110円 玉子焼き お新香、塩辛、枝豆各100円 アジフライ150円 マカロニサラダ150円 ほっけの開き270円 串かつ150円 カレ-ライス500円イカステ-キ焼140円 まぐろ刺身420円 野菜炒め400円 500円定食多数ハンバ-グセット700円 牛スタミナ焼セット700円 などなど 場所 亀屋側 定休日 土曜日 営業時間 夜9時30分まで

 

◆ 大黒屋 閉店

大黒屋は都内でも数少ない、正しいレシピで作られる生樽ホッピ-が飲める店で、ホッピ-ファンなら要チェックだろう。 場所は市場商栄会の外れ、古き良き大衆酒場の面影残る構えである。中はコの字カウンタ-のみで収容は20人ほど。老夫婦で営んでいる。 誇らしげな「ホッピ-酒場」の看板に偽り無く、使われるジョッキ-や焼酎(銘柄、度数不明)は、専用冷凍ショ-ケ-スで管理され、氷に頼ることなく冷えた状態で供される。揃えも白生、黒生に加え、珍しいハ-フの3種類からセレクトが可能だ。クリ-ミ-な泡立ちと飲み口は、生ならではの味わいだろう。他にケ-スには通常の360mlピンも置かれているので、頼めばこちらもオ-ダ-出来ると思う。 つまみはモツから刺身、干物と意外と豊富。モツは小ぶりながら、タレが絶品で肉質も上々である。基本は5本セットだが、2種類混ぜての注文にも快く応じて頂ける。食べなかったが煮込みも人気のようで、この日常連とおぼしき3人組みは、豆腐も入る結構な量のものを、各自1皿づつ頼んでいた。 ところで店では幾つかのル-ルがあり、例えばカウンタ-に座り突き出しが出るまでは、オ-ダ-をしてはいけないようだ。他にも慣れないと戸惑う事があろうが、純粋に飲み食いに徹すればノ-プロブレム、楽しい時間を過ごせるだろう。 久々の訪問だったが、リタイヤどころか気炎吐くご活躍ぶりで一安心。いつまでも頑張ってほしい。

<  DATA  >

生ホッピ-370円 酎ハイ300円 お通し50円 もつ焼き5本 450円 煮込み400円 トマト400円 うるめいわし350円ラ-メンは8時30分から 定休日 土曜日 営業時間5時から9時まで なぜかLOは9:30と書かれていた。