◆ もしも1 ◆


 

【もしも、殺生丸が織り姫だったら】

1.もしも、奈落が彦星だったら

殺「……今宵は雨だ…」
奈「待たれよ!織り姫!今日は晴れております、これこの通り、天の川もくっきりと!」
殺「愚か者が。なぜ、この織り姫が彦星ごときと逢うために川を渡らねばならぬ」
奈「……姫…実はわしのことを嫌っておいでですな…(涙)」
殺「逢いたくば、貴様の方から訪ねくるがよい」
奈「判りました!姫に逢うためならばこの奈落、星の大海も渡りましょうぞ!」

こうして、七夕の夜になると、天の川を横切る巨大なカニのような影が毎年見られるようになったそうな。
どっとはらい。

2.もしも、犬夜叉が彦星だったら

殺「……今宵は雨だ…」
犬「なにいってんでぇ!今夜はこの通り晴れてるじゃねえか!」
殺「愚か者が。なぜ、この織り姫が彦星ごときと逢うために川を渡らねばならぬ」
犬「……てめえ、この期に及んで約束破るってんのかよ!一年待ったんだぞ、一年!これ以上待たせるってんなら、こっちから押し掛けてくぞ、こら!」
殺「逢いたくば……と、もう来ていたのか…(呆れ)」
犬「当たり前でぇ!何たって…その、…約束じゃねぇか…」
殺「貴様、ここまで来てから照れておるのか?」
犬「ば、馬鹿野郎!ンな訳ねぇじゃねえか!(明らかに照れまくり)」
殺「ほう、そうなのか?」
犬「あ、あ、当たり前じゃねぇか…おれは別に約束だから来ただけで…別にてめえに逢いたくて来たわけじゃねえぞ!」

こうして朝まで意地を張っては目的を果たせず戻っていく彦星の悔し涙で、7月8日は毎年雨になるのだそうな。どっとはらい。

3.もしも、弥勒が彦星だったら

殺「……今宵は雨だ…」
弥「姫が私を思って零す涙雨…でございましょうか。ご安心を。今宵を待ちわびた私の念のおかげで、これこの通り、見事な天の川でございます」
殺「愚か者が。なぜ、この織り姫が彦星ごときと逢うために川を渡らねばならぬ」
弥「ごもっともでございます。姫にご足労をおかけするつもりはございませぬ。私が参りましょう、姫の身元へ」
殺「……来たのか…」
弥「むろんでございます。一年に一度の逢瀬と思えば、たとえ、嵐が起きようともこの彦星を止めることなど出来ませぬ…」
殺「愚か者が…その様に口先だけでべらべらと…」
弥「口先だけと姫が思われたのならば、それはこの私の不徳というもの…一晩かけて全てが本心であると判って頂かねば…!」
殺「……?って、貴様!なにをする?」
弥「一晩かけて誤解を解いたあとは決まっているではありませんか!一年かけての豪華天の川クルーズの旅でございます!これこそ、新婚旅行の王道!」
殺「なにが新婚旅行の王道だ!貴様、昨年も同じ事を言って、昨日戻ってきたばかりではないか!
弥「新婚旅行は何度やっても良いものなのでございます〜♪」

……こうして、毎年、7月8日から7月6日まで、牽牛星織女星は夜空から消えるのだそうな…めでたし、めでたし?

旧暦の七夕にあわせてみました。




【もしも、殺生丸がゲーマーだったら】

弥「おや、新しいゲームを購入されましたか」
犬「……へたなくせに」
殺「貴様に言われたくはない」
弥「まあまあ、いきなり喧嘩腰にならず。おや、これはまた渋いゲームですな。【ウィザード○ィー リルガミ○サーガ】ですか」
犬「3Dダンジョン死ぬほど苦手なくせに買ってる来るんだから、こいつ、つくづく変なヤツだよな」
殺「野蛮な格闘物しか興味のない輩が何を言う」
弥「まあまあ、さて、キャラメイクから始めましょう」
犬「名前と職業はもう決めてるのか?そういう所だけ素早いヤツ」
殺「いちいち五月蠅いやつだ…。職業戦士、性格中立、名前【いぬ】、職業戦士、性格悪、名前【せつ】、職業僧侶、性格悪、名前【みろく】、職業魔法使い、性格悪、名前【ならく】、職業司祭、性格悪、名前【ききょう】と…」
犬「あ、てめえ!なんで桔梗まで性格悪なんだ!」
弥「いやいや、なかなかに外連みのある設定で…所で、私も悪なのですか?」
殺「私が決めたことに文句でもあるというのか?」
弥「いえいえ、とんでもございません。殺殿のお怪我は私が誠心誠意込めて治して差し上げましょう」
犬「ゲームだっての…」
弥「外野はほっときまして、盗賊はいないのですか?これは罠明け担当が必要になりますが」
殺「貴様等がごちゃごちゃ言うから、うっかりしていただけだ。職業盗賊、性格悪、名前「むそう」と…」
犬「むそう〜〜〜?」
弥「また突飛な命名ですな」
殺「盗賊から忍者へクラスチェンジさせるつもりでおったのだが」
弥「まあ、盗賊が【むそう】というのはわかりますが」
殺「忍者の最強装備は何もつけぬ事…すなわち【裸】だと聞き及んだゆえ、こやつにしたのだが」
犬「裸???……いや、そりゃ確かに無双はすっぽんぽんで走り回ってたが…やべ、想像しちまった…」
弥「……私もです…。ついでに変形してぐっちょんちょんのサソリもどきになったところまで…」
殺「グラフィックもないゲームキャラの名前だというに…貴様等は何をそこまでリアルに想像するのだ」
弥「は!……いや、どうせリアルに想像するのならば…」
犬「弥勒…なんか、変なこと考えてないか?」
弥「変なこととは人聞きの悪い!無双は盗賊のままで、殺殿が忍者になればいいのです!そうしたら…殺殿がすっぽんぽんで…」
殺「……だから、ゲームキャラをリアルに想像するでない!

…内輪ネタでございました。すっぽんぽんだから忍者は「むそう」というのは、ゲーム知人から話を聞いた後に、実際に私が命名した理由です…。(^^;;
現在ゲームプレイ中、元キャラの雰囲気どおりにステータスが上がっていくのがなんとも不思議でございます。(笑)




【もしも、殺生丸が平安時代のお姫様だったら】

1.もしも、通りすがりの貴公子が弥勒だったら
女房その1=邪見 その2=りん

弥「この屋敷の姫は絶世の美女と聞き及ぶ…ぜひともお顔を拝見したいところだが、高貴な姫が外に出ることはめったにない、大抵は御簾の向こう…ならば奥の手!風穴!
女房その1「ああ〜〜〜姫様、野分でございます!大風で御簾が〜〜〜」
女房その2「うわあ、強い風!外から見えてしまう!」
弥「ご安心下さい、女房殿。姫の花の顔を盗み見ようとする不届き者は、この私が成敗してくれましょうぞ」
殺「……風の元は貴様ではないか…」
弥「まあまあ、細かいことはお気になさらず」

持ち前の調子の良さで姫の気を惹いた貴公子弥勒はどさくさ紛れに入り浸る事に成功。その後なし崩しに夫婦となり幸せに暮らしたそうな、めでたしめでたし。

2.もしも、公達犬夜叉が姫の気を惹こうと考えたら
公達仲間=鋼牙

犬「絶対に姫の気を惹きてぇが、高貴な姫ってのは大抵は御簾の奥。めったに外にでねぇし、歌を送るってのもまどろっこしい。ここは一発、恰好良いところを見せてやるしかねえ…て、事で、蹴鞠だ!」
鋼「け、てめえの引き立て役なんてまっぴらだ。俺は本気で行くからな、とりゃ!」
犬「ふん、てめえなんぞ最初から俺の引き立て役だっての!俺の足技でもじっくり見やがれ!どりゃ!」
鋼「バカいってやがる!足技で俺に勝てるヤツなんていねえってんだよ!てぇい!」
犬「け!てめえなんぞにいい恰好させるとおもってんのか?目の玉ひん向いてよーく見やがれ!でやぁ、おーばーへっどきっく!」
鋼「あ、馬鹿野郎!そこはゴールじゃねえ!ってか、それは蹴鞠じゃなくて蹴球(サッカー)だろうが…」

女房その1「きゅう」
その2「……邪見様の顔面に鞠が食い込んでる…」

当初の目的を忘れてライバルと張り合う方に夢中になり、なぜか姫のいる御簾めがけてシュートを決めた公達犬夜叉。その後姫からレッドカード代わりのキックを食らって昏倒したのは言うまでもない。どっとはらい。

3.もしも、殺生丸が虫愛ずる姫だったら
虫=奈落

奈「くくく、ぜひとも姫にお目通り願いたいが、高貴な姫というのはなかなかにお会いするのが難しい。ならば、ここは姫の趣味に合わせるのが上策」
女房その1「姫様、今日も珍しい虫を愛でておりますな」
殺「……そこに妙な者がいる」
奈「くくく、さすがは虫を愛する姫…よくぞこの奈落に気が付かれましたな」
女房その2「……殺生丸様…これなに?」
殺「虫か?」
奈「(どーんと正体を現し)珍しい虫でございます」
殺「貴様は人語を解する虫か?」
奈「(触手がウネウネ)さよう、非常に珍しい種でございます」
殺「随分と大きいな」
奈「(鎌がカチャカチャ)さよう、非常に珍しく、そして高価な虫でございます」
殺「あくまで虫と言い張るか?」
奈「この触手、触角、鎌に尻尾。どこからどう見ても今を逃しては二度と手に入らない貴重で高価な限定品の虫でございます」
女房その1.2「……絶対に虫じゃないと思います」
殺「良いだろう、珍しい虫だ。私が飼ってやろう
奈「ありがたき幸せ…」

こうして無事、虫愛ずる殺生丸姫様に飼われた奈落虫は姫に可愛がられて幸せに暮らしたそうな、めでたしめでたし。

……すみません、「途中でございます」の本性奈落の造形、大好きなんです…。




【もしも、三人暮らしだったら 6】

3人で暮らし初めて二ヶ月後。川へ魚釣りに行った犬夜叉が夕方頃に帰ってくると、弥勒達の部屋から聞こえてくる2人の声。
以下――襖越しに聞こえてきた2人の会話。

弥「…もっと欲しいのでしょう?」
殺「いや、もういい…」
弥「またその様なことを…満足されたのなら、なぜ、まだ手を放さないのですか?」
殺「……それは」
弥「まだ、物足りないのでしょう?」
殺「そんな事はない」
弥「本当に意地っ張りな方ですな。素直になればよいのに」
殺「意地など張ってはおらぬというに」
弥「では、なぜまだ握ったままなのです?まだやり足りない、もっと欲しいと…そうお思いなのでは?」
殺「そんな事は…第一、私はこのようなモノに興味はない」
弥「また、そのような。確かに、もともとは興味もなかったでしょう。でも、今もない、と言いきれますか?知らなかった頃ならいざ知らず、今となっては…」
殺「……貴様」
弥「お怒りになりますな。こんな事で意地を張ってもどうにもなりません」
殺「貴様が余計なことを言うからだ」
弥「なんと仰ろうとも、殺殿のお顔にはこう描いております。『夜が待ちきれない。今すぐたくさん欲しい…』と…」
殺「……」
弥「もっと欲しいのでしょう?素直におなりなさい」
殺「法師…」
弥「貴方をからかっているのではありません。それは判ってくださいますね」
殺「それは、判っている。しかし…」
弥「いつもいつも、私の方から言い出すのを待ってばかりでよろしいので?一言でいいのです。そうしたら、いつでも、私はあなた様のお望みどおりに…」
殺「法師…」
弥「さあ、殺殿。仰ってください。どうしたいのですか…?」
殺「私は……欲しい…

「てめえ等!人のいない隙に何をやってやがる!」
襖を蹴破った犬夜叉が見た物は!

石臼の握りを掴んだ殺生丸と、蕎麦の実を手に持った弥勒。
蕎麦掻きが気に入った殺生丸のために、大量の蕎麦粉をひいている最中だったとさ、ちゃんちゃん♪

その日の夕餉の蕎麦掻きは大層美味しく、みんなでお代わりして食べるに十分な量もあり、実に和やかな一時だったそうな。 めでたし、めでたし。




【もしも、殺生丸がかぐや姫だったら】

1.もしも、帝が奈落だったら

殺「月からの迎えが来たようだ…」
奈「あなたを月にお帰しなどいたしません…わしと一つになり、いつまでも共にいてくださいませ」
殺「貴様と一つにだと…?(ちょっとポッ)」
奈「はい…一つでございます。(どーんと正体を現し)さあ、かぐや姫!この奈落と一つになり、あなたの全てをわしのものに!」
殺「この、たわけ者が!

姫がほだされそうになったところで、いきなり吸収しようとした妖怪の寄せ集め帝・奈落。短気なかぐや姫は帝をボコボコにした後さっさと1人で月に帰ってしまわれたそうな。どっとはらい。

2.もしも、帝が犬夜叉だったら

殺「月からの迎えが来たようだ…」
犬「てめーを1人でなんて行かせねぇ!もしもどうしても月に帰るって言うなら……俺も行く!」
殺「本気で言っているのか?」
犬「…俺は本気だ…おめーを1人になんてそんな事…ぜってーにさせられねぇ…」
殺「帝…(ちょっとポッ)」
犬「かぐや姫…」

(少しの間)

殺「宮廷に残してきたおなご達のことはいいのか…?」
犬「…あー、そうだ!俺がいなくなっちまったら、ぜってーにかごめの上には鋼牙之助が、桔梗の前には無双卿がちょっかい出すに決まってる!畜生、そんな事させられねぇじゃねえか!」
殺「……(怒)」

姫がほだされそうになったところで、根っからの二股三股体質が災いする優柔不断帝・犬夜叉。薄情なかぐや姫は悩んでいる帝をほったらかしに、さっさと1人で月に帰ってしまわれたそうな。どっとはらい。

3.もしも、帝が弥勒だったら

殺「月からの迎えが来たようだ…」
弥「ふ…ご心配には及びません。すべては私にお任せ下さい。…風穴!
月からの使者1「ひ、ひええええええーーー!吸い込まれるぞ!」
月からの使者2「邪見様ーーー!!助けてぇぇ!」
月からの使者1「こ、これはたまらん!りん!月に帰るぞ!かぐや姫様ーーー!申し訳ございません!」
帝「……月からの使者は戻っていってしまわれました。さあ、かぐや姫!私と一緒に宮廷にまいりましょう!(爽やかな笑顔)」
殺「……こやつ…(呆れ顔)」

目的のためなら手段を選ばず!常識のあるフリをした非常識不良帝・弥勒。その見事な裏表っぷりに興味を持った物好きなかぐや姫はその後宮廷に行き、幸せな一生を送ったそうな。めでたし、めでたし。

――――えこひいき?だってここ、弥殺サイトだし……。




【もしも、夕鶴の「つう」が殺生丸だったら】

1.もしも、「よひょう」が弥勒だったら

殺「今から機を織るゆえ、絶対に見ないように」
弥「承知いたしました」

殺生丸の言いつけを守って機を織る姿を覗かなかった弥勒は、最初の一反を高額で売買し、それを元手にご婦人相手の商売を初め、持ち前の愛想と二枚舌でたちまち財をなし、「手相見長者」と呼ばれて一生二人で幸せに暮らしたそうな。めでたし、めでたし。

2.もしも、「よひょう」が犬夜叉だったら

殺「今から機を織るゆえ、絶対に見ないように」
犬「どういうことでぇ!俺に見られると不味いことでもあるってのか?」
殺「……見るなというのだ」
犬「説明しやがれ!俺が見ると何が悪いってんだ!てめえ、俺に何か隠し事でもあるってのか?」
殺「だから…見るなと」
犬「俺に見られるとそんなに困るってのか?それとも俺が信用ならねえってのか?なんで機織ってるところを見られると困るってんだ!」
殺「……もういい…」

後ろでじーっとみはる犬夜叉のせいで恩返しのための機織りは断念。だが、体力任せにひたすら働く犬夜叉のおかげで二人は一生幸せに暮らしたそうな。めでたし、めでたし。

3.もしも、「よひょう」が奈落だったら

殺「見るなと言ったのに、ついに貴様は見てしまったな」
奈「鶴の本性を見られたことでございますか?くくく…その様なこと、拘るには及びません。なぜなら……(どーんと本性を現し)このわしの本性は妖怪の寄せ集めだからでございます」
殺「……」
奈「ちなみに、妹の神楽は風の妖怪、姪の神無は無の妖怪、従弟の悟心鬼の本性は鬼、又従兄弟の獣郎丸は腹の中に兄を住まわせている妖怪でございます」
殺「……」
奈「もっと一族を紹介いたしましょうか?」
殺「……いらん

自分の本性を知られたことに拘るのが馬鹿らしくなった殺生丸は、その後、わかめの養殖で財をなし「わかめ長者」と呼ばれた奈落と一生幸せに暮らしたそうな。
めでたし、めでたし――――――かな?




【もしも、殺生丸が携帯電話を持っていたら】

1.もしも、携帯を持つのが初めてだったら

犬「おい、殺生丸!電話全然通じねえぞ?なにやってるんだ!」
殺「……電話?」
犬「とぼけんな!これだよ、これ!こないだ渡しただろーが!ちゃんと持ってろって言ったのに、これじゃ役にたたねーだろうが!」
殺「……持っていたが」
犬「電源入れてなきゃ、通じねえんだよ!」
殺「電源?」
犬「これだよ、これ!(ポチ)教えただろうが!」
殺「……(無言で犬夜叉を見る)」
犬「……」
殺「……(無言で携帯を見る)」
犬「……」
殺「……(無言で立ち去る)」
犬「あ、おい、てめえ!シカトすんじゃねえ!つーか、オチがねえ!

なんとなく、兄上、都合の悪いときには黙り決め込みそうな気が…(^^;;

2.もしも、かけてきたのが変態だったら

殺「(携帯の呼び出し音)……私だ」
変「……ハアハア…今何やってるの?」
殺「……」
変「……ハアハア……パンツ何色?」
殺「……(携帯放置で立ち去る)」
弥「(放置電話を発見。)もしもし?」
変「ハアハア…もっと言って…」
弥「……観自在菩薩行深般若波羅蜜多(以下略)」
変「……(プツッ!ツーツー)」
弥「ふ、勝った(勝利の笑み)」

兄上の後始末は全て弥勒の仕事か?

3.もしも、かけてきたのが変態だったら 2

犬「(携帯の呼び出し音)あー殺生丸のか?またほったらかしにして、しょーがねえヤツ……もしもし?」
変「……ハアハア…可愛い声だね」
犬「……」
変「……もっと話してくれない?…ハアハア…」
犬「おめー誰だ?」
変「(声豹変)え?あんた誰?これ殺生丸様の携帯じゃないの?なんであんたが出てんの?早く替わってよ」
犬「おめー誰だって訊いてんだよ」
変「え?誰だっていいじゃない。用があるのはあんたじゃないって。早く替わってってば、いるんでしょ?殺生丸様」
犬「うるせーんだよ、てめえ!気持ち悪いんだよ!誰が替わるか、この○○○野郎が!(ぐしゃっと携帯を握りつぶした音)
あ、やべえ、壊しちまった…」
弥「お前も電話向きじゃありませんねぇ…」

やっぱり兄上に携帯持たすのは無理があるか?というか、犬兄弟の場合、声だけでコミュニケーション取らせること自体が無理な気がします…。




【もしも、犬夜叉が行商人だったら】(三人暮らし派生)

1.もしも、売り物が珍しい薬草だったら

薬屋「やあ、待っていたよ。品物を見せてくれるかい?」
犬「…こんなもんだが、どうでえ」
薬屋「おや、いつもながら本当に珍しい。これはなかなか手に入らない品物だよ」
犬「…そうか?」
薬屋「全部頂くけど、お代はこれくらいでいいかね?」
犬「…いい」
薬屋「そうかね、少し色を付けておくからね。次に持ってきたときも私に売っておくれ」
犬「…わかった」

諸注意:品質さえ良ければ素人でも取引可能。犬夜叉でもなんとかなる堅実商売。

2.もしも売り物が弥勒作怪しげなお札だったら

娘1「あー、ねえねえ、法師様はいらしてないの?」
犬「きてねえ」
娘2「きゃー、いやだ。安産祈願のお札だって!」
娘1「こっちは良縁祈願だって!もう、弥勒様ったら!」
娘3「ねえねえ、どれが一番効き目があるの?」
犬「知らねー」
娘1「ねえ、変な虫除けのお札はないのかしら?」
犬「虫除けなら草でも燻しとけばいいだろうが」
娘2「いやだ〜〜〜その虫じゃないってば!男の事よ、オ、ト、コ」
娘3「弥勒様に直接ご祈祷してもらえるなら〜〜〜お小遣い全部つぎ込むのに」
娘1「いやだ〜〜〜ついでに子宝授けて貰ったりして?」
娘3「きゃ、いやらしい!手相見て貰いたいだけなのに」
娘2「誤魔化しちゃって、知ってるんだから〜〜弥勒様、きゃー、私を押し倒してーなんて叫んでたくせに〜〜」
娘1「きゃ、なんで知ってるのよ、うふふ♪」
犬「……おめえら、買うのか買わねえのかどっちだ」
娘2「あ、忘れてた」
娘1「弥勒様がいらしたら買うわ。じゃあね〜〜〜」
娘2.3「じゃね、ばいばい〜〜」
犬「……何なんだ、あいつら…(どっと疲れた)」

諸注意:営業スマイル必須。忍耐力と会話能力必須。どこかのレジで修行した方がいいかも。犬夜叉にはきついか?

3.もしも、売り物が兄上ブロマイドだったら(時代はいつだ?のツッコミはしないように)

女1「まあ、待ってたのよ、種類はこれだけ?」
女2「ちょっと私が見てるのよ」
女3「何よ、あんたに見られたらせっかくのブロマイドが汚れちゃう。こっちにお寄越しってば!」
犬「(こ、こいつ等、おっかねえ…何でこんなに殺気立ってるんだ?)」
女3「ねえ、他のポーズはないの?」
女2「そうそう、出来たら、こう薄物一枚とか〜〜濡れてるのとか〜〜」
女1「そう、それでもってしどけなくこう寝そべってたりしたら、もう最高!」
女2「きゃー、それいい!無いの?」
犬「…(こいつ等、何を言ってるんだかさっぱりわかんねぇ…)」
男1「…ああ、君。これ全種類二枚ずつくれないかい?」
犬「全部二枚…?こんなの二枚もあってどうするって…」
男1「いやだな、一枚は保存用。もう一枚は…使うに決まってるだろ?」
犬「…(使う?使うってブロマイドを何に使うって?いや、なんか知らないほうがいい気がする)」
貴族「……ほう、これは美形じゃのう。天より舞い下りし天女もかくや。おお、そういえばおぬしもなかなかに愛くるしい姿をしておるのう。どうじゃ、兄弟二人とも麻呂の世話を受ける気は無いでおじゃるか?」
犬「…無え…(せ、世話だと?何を世話するってんだ、こいつは…なんかやばい…)」
男2「……ハアハア…あるだけ全部くれる…ハアハア…?」
犬「あるだけ全部?(こいつ、なんでこんなに息が荒いんだ…?気色悪…)」
男2「……ハアハア…ねえ、全部買って上げたんだからさ、…お兄さんのケータイナンバー教えてよ…ハアハア…ねえ、いいでしょ?声、聞かせてよ…」

ぶち!←犬が切れた音

犬「うるせえ、てめえ等!金は返すから、物は全部置いていきやがれ!気持ち悪いんだよ!おい、持ち逃げするんじゃねえ!とっと返してどっかいっちまえーーーー!!!!」

諸注意:売り子レベルMAX以外取り扱い出来ない超上級者向け。素人さんは止めておいた方が吉。




【もしも、三人暮らしだったら 5】

三人で暮らし初めて、約一月半後。町への行商で一日いなかった犬夜叉が早朝に戻ってくると、締め切った家の中から聞こえてくる二人の声。
以下――雨戸越しに聞こえてきた会話。

殺「……そんなに見るな」
弥「恥ずかしいのですか?」
殺「……そんなに広げるな
弥「広げなくては、よく見えないでしょう?」
殺「……顔を近づけるな」
弥「近づけなくてはよく見えないでしょう?」
殺「……だから、そうじろじろと見るなと言うに…」
弥「恥ずかしいのですか?こんなに綺麗なのに…」
殺「貴様、…面白がっているだろう」
弥「私がですか?そんな事はありません。私は真剣ですよ?」
殺「そんなに真剣になって見るようなものではない
弥「おや、そうですか?私にとっては、何にもまして興味深いものだと思っておりますが」
殺「たわけが……あ…触るな
弥「手触りを確かめているのですよ。…これはまたなんとも、良い具合ですな」
殺「なで回すなと言うに」
弥「何をそんなに恥ずかしがっているのです?これこれ、手で隠してはいけません
殺「貴様があまりにもしつこいからだ…」
弥「こういう物は明るい陽の光の下で見た方が良いかも知れませんね。戸を開けてみましょうか?」
殺「…やめておけ」
弥「おやおや、明るいところで見られるのはまだ恥ずかしいとみえる。今更でございますのに」
殺「……貴様、面白がっているだろう…」
弥「とんでもございません。…おや?これはなんでしょう?」
殺「……あ、そこは…見るな!
弥「おや、見られてまずいですか?……ほう、これはまた…」
殺「やめろ、指を入れるな!

「てめえ等!朝っぱらから何してやがる!」
雨戸をぶち破るようにして家の中に飛び込んだ犬夜叉が見た物は!

重ねられた雑巾と古い着物。
夜なべして針仕事をすませた弥勒が、殺生丸がした繕い物の縫い目を確かめつつ、繕い損ねた布の穴から指を突き出している姿だったとさ、ちゃんちゃん♪

その後、繕い物の続きはなぜか犬夜叉がさせられたそうな。
めでたし、めでたし。




【もしも、三人暮らしだったら 4】

三人で暮らし初めてほぼ一月後。山へ芝刈りに行っていた犬夜叉が昼過ぎに戻ってくると、裏の縁側の方から聞こえる二人の声。
以下――仕切越しに聞こえてきた会話。

弥「……意外とせっかちですね」
殺「……」
弥「始めるときは私を待っていてくださいとあれほどお願いしていたのに」
殺「……」
弥「黙りを決め込んでも駄目ですよ?ほら、こんなに濡らして
殺「……」
弥「待てなかったんですか?
殺「……」
弥「仕方ありませんねぇ…着物まで汚してしまって…
殺「……1人でできると思ったのだが…」
弥「容易く見えますが、これで以外とコツがいるのですよ?」
殺「…そうらしいな。どうにも上手くいかなかった」
弥「だから、するときは私を呼んでください、といつも言っているでしょう?」
殺「……」
弥「責めているわけではありませんから、そんな顔をなさらないで…。私に手間を掛けさせないようにと、気遣ってくださったので?」
殺「…貴様の手を借りなければ出来ないなどとは言わせたくなかった」
弥「本当に意地っ張りなお方ですね。仕方ありません」
殺「…紐など持ち出して何をする気だ」
弥「ちゃんと括っておかなくてはね、…これ以上着物を濡らしてはいけませんから」
殺「あとは自分でやる」
弥「また、そうやって意地を張る。私としては、むしろ頼って下さった方が嬉しいのですよ?」
殺「……私を甘やかすな」
弥「私がそうしたいのですから、手を出させてください。さあ、これでいいです。では、続きをしましょうか?」
殺「あとは1人でできると言うに」
弥「この状態を見て私に手を出すなと?そっちの方が殺生でございますよ」
殺「……」
弥「コツが分かれば1人でも上手に出来ます。でも今日は私に手伝わせてください。さ…そんな顔をなさらずに、そこに手を添えてみてください」
殺「こうか…」
弥「そうです…では、いきますよ?

「てめえ等!さっきから何やってたんだ!」
仕切を蹴倒した犬夜叉が見たものは!

びしょびしょの縁側と水を張った盥。
たすきがけをした殺生丸に、雑巾の絞り方を教えている弥勒の姿だったとさ、ちゃんちゃん♪

その後犬夜叉は天井裏まで全部拭き掃除させられたそうな。
めでたし、めでたし。




【もしも、三人暮らしだったら 3】

三人で暮らし初めて数週間後。朝釣りに行っていた犬夜叉が昼前に戻ってみると、納屋の裏手で湿った音をさせている二人の気配。
以下――建物の裏側から聞こえてきた会話。

弥「……駄目です。それではおさまりが悪すぎます
殺「うまくいかない…」
弥「ちゃんと大きさを見て、それからぴったりとはまるように入れてみてください」
殺「こうか?」
弥「ああ、そんなに乱暴に握っては駄目です。萎れてしまいますよ
殺「…では、こうか?」
弥「はい、それでいいです。ですがもう少し全体を馴染ませるように、……裏の筋はとくに重点的に撫でさするように
殺「こんな物、適当にしてしまえばいいのに」
弥「駄目ですよ、こういう物は丁寧に手間暇をかけてこそ、なのですから」
殺「ひどい臭いだ」
弥「なれないからです。慣れれば、大層美味に感じるものです」
殺「人間はそうなのか」
弥「もちろんです」
殺「こんなに臭いのきついものを喜んで口に入れる輩の気がしれん」
弥「殺殿も慣れれば美味しく感じられますよ」
殺「慣れるとは思えぬ」
弥「毎日のことですから、慣れて頂かねば」
殺「貴様はこれが好きなのか?」
弥「もちろんですとも。毎日美味しく頂いているのは殺殿もご存じでしょう?」
殺「……知らぬわ」
弥「もちろん、殺殿にとっては未知の体験でございましたでしょう。認めるのに抵抗があるのも判ります。ですが…少しは気になるのでしょう?」
殺「まさか…」
弥「そう、恥ずかしがらなくても良いのです。ちょうど頃合いでもございます。……思い切ってくわえてごらんなさい」

「てめえ等!昼間っから何してやがる!」
納屋の影から飛び出した犬夜叉が見たものは!

漬け物樽に洗った大根菜。
漬け物を仕込む傍ら、程良く漬かった沢庵を味見していた弥勒と殺生丸の姿だったとさ、ちゃんちゃん♪。

その後犬夜叉は漬け物石代わりに一晩樽の上に座らされたそうな。
めでたし、めでたし。




【もしも、三人暮らしだったら 2】

三人で暮らし初めて数日後。1人野良仕事に精を出していた犬夜叉が昼過ぎに家に戻って来ると、板戸を締め切った納屋に弥勒と殺生丸の気配が。
以下――板戸越しに聞こえてきた会話。

弥「そんなに力を入れてはいけません」
殺「……これでもまだ駄目か」
弥「駄目です、そんなに力んでしまっては、肝心の部分が切れてしまいます
殺「加減がよく分からない…」
弥「初めてなのですから仕方がありません。とにかくもう少し力を緩めて、その方が上手くいきます」
殺「このくらいか?」
弥「ああ、そんなくらいですね。では、そのまま少し締めてみてください
殺「締めるというと、このくらいか?」
弥「もう少し力を入れてみて下さい。そう…そうです、初めてにしてはお上手ですよ」
殺「そうか?」
弥「はい、いい感じに締まっております。そのまま少し捻ってみてください。そうです。いい具合です」
殺「成る程…この加減か」
弥「判ると簡単でしょう?」
殺「これでいいのだな…どうだ、良いか?
弥「はい、とてもよろしゅうございます。いい具合です」
殺「そうか…ならば良かった…もう一度、やってみるか
弥「具合が判ればなかなかに面白い物でしょう?では、もう一度やってみましょう。力を入れすぎずに、……ゆっくりと」
殺「ああ、確かに、うまくいけば気分がよいものだ…」
弥「お上手です。これならば、次が楽しみですな

「てめえら、コソコソと何やってやがるんだ!」
納屋に飛び込んだ犬夜叉が見た物は。

山と摘まれた洗い大根。
漬物用の干し大根を作るため、弥勒が殺生丸に、纏めた大根の葉の部分を縄で縛るやり方を、教えているところだったとさ。ちゃんちゃん♪

その後犬夜叉は、弥勒のスパルタ指導のもと、全ての大根を堂々とまとめる作業をさせられたそうな。めでたしめでたし。



【もしも、三人暮らしだったら】

登場キャラ――弥勒、殺生丸、犬夜叉。

なぜか一緒に住むことになった三人。
そしてなぜか二人で一部屋を使っている弥勒と殺生丸が気になった犬夜叉は、暮らし始めた最初の夜、こっそりと二人の様子を窺った。
以下――障子越しに聞こえてきた会話。

弥「あまり緊張しないでください、……今からいれますよ?
殺「待て!まだ、準備が!」
弥「大丈夫です、私に全て任せてください」
殺「……いや、だが…」
弥「案ずるより産むがやすし。やってみれば、意外と簡単なものです」
殺「……そうなのか?」
弥「そうです、落ち着いて。そのままで大丈夫ですから」
殺「……わかった」
弥「ああ、まだ緊張されているようですね。そんなに震えてははいりません
殺「……だが…ああ!
弥「あ……失敗してしまいましたね。大丈夫ですから、そんなに不安そうな顔をしないで下さい」
殺「やっぱり無理だ。いれることなど私には…」
弥「大丈夫です。いい事をお教えしましょう。こういう時はですね、先端をくわえて濡らせばいいのですよ
殺「くわえる?」
弥「そうです、こうやって唾で湿してから指を添えれば、はいりやすくなるのですよ。試してご覧なさい」
殺「……これでいいのか?
弥「そう、…それでいいのです。お上手ですよ。それでは、もう一度試してみましょう。あなたは動かないで…そう、大丈夫。私がちゃんといれますから」
殺「はいるか?」
弥「大丈夫、今度こそ、無事にはいりますから、気を楽にして力を抜いて…」
殺「あ……はいるか?はいった

「てめえ等!一体何をやってるんだ!」
部屋に飛び込んだ犬夜叉が見た物は。

広げられた布と裁縫箱。
殺生丸が持った針の穴に、糸を通していた弥勒の姿だったとさ。ちゃんちゃん♪

ありがちなオチでございました。お目汚し、失礼。

 
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