ムギョドンの韓国家庭料理の味は、肉弾頭とブルースの胸と腹に強く強く刻み付けられた。
そして1ヶ月ほど経ったある日、フラリ大久保に立ち寄った俺達食べまくりバカ、ムギョドンと真隣にあって、競い合っている韓国料理店の味を味わわせていただくことに決定するのは必然の流れであった。
その名も・・・


看板壊れてても、あんまり気にしない。だって、俺、味で勝負だもん。と、でも言いたげな、不敵なる看板。
ああ、いいともさ!食に関する勝負で尻尾を巻いたことだけはない俺さァ。
やってやろうじゃねえのよ。・・・たのもう!!

そんなムードじゃあない。「看板とか勝負とかはどうでもいい。店を出る時、あんた達が満腹で満足なら。さあ、食べて行きな」といったアットホームな店内。
ムギョドンもそうだが、本当に家庭料理の真髄を見たカンジ。これが“もてなし”ってヤツなんだな。見てくれ、この大量の付出しの数々。

いきなり、キムチだのナムルだの煮付けたアサリだのタコの刺身だのが、注文もしていないのに卓を埋める。
大概の韓国料理店ではこれが普通のやりかたらしい。
これは、そのうち箸を付けた品の値段だけを勘定につけるシステムらしいのだが、どこの韓国料理店でも、「えっ?どこに突出し分の値段が入っているっての?」と思ってしまうくらい安い。
安心して食べまくるがよい。

キムチなら、どこの店でも白菜、大根、きゅうりのヤツが各々あって、更に店の特色でニラキムチあり、エゴマキムチありと、多彩な場合もあるし、ナムル(温野菜のごま油和え)も青菜、モヤシ、ゼンマイ、大根など多様だ。
こういう店なら、特に食事をしようってほど空腹でなければ、眞露飲んで突出しつついているだけで、そうとう満足、満喫できるものだったりする。

この日は肉弾頭、ブルースのほかに、すの字、すぎなみ(あと、ふなっいたっけ?参加者は当時の状況教えてくれ・・・確認次第この行訂正)。
アットホームに和気あいあいと宴を楽しんだのだ。
常連客の連れていた五歳前後の女の子が、何故か俺達に懐いてきて遊び相手を強要するようなほんわかムード。
ちなみに、この子にあんまり熱心に相手するすの字にロリコン疑惑が持ち上がるのだが、それはまた後の話である。


この赤いのが刺身盛り合わせである。
見るからに辛そうな、実に辛そうな見てくれであるが、これはまた、実際に辛い。マジに辛い。
貝や白身魚、タコなど淡白な味わいの生の魚介類の旨みを、強烈な辛さで無理矢理引っ張り出しているこの喰いかた、刺身のエキスパートであるはずの日本人にもなまなか思いつくものではない。
まさに、辛さに弱いブルースが「辛い〜でも旨いから食べてしまうよ〜」と、汗と涙をダラダラ流しながら天国と地獄を行ったり来たりする味なのである。


さて、いろいろなツマミと、この店ならではの辛い刺身を平らげた俺達は、一発ドガーン!と腹を満たしてフィニッシュを迎えることにした。
そこで、店の主人が進めるプルコギ。コレに決め!
プルコギとは、豚バラ肉の焼肉。韓国料理店なら、大概置いてある定番メニューで、俺達も何度か食べたことがある。ジンギスカン鍋のような鉄板で焼くことが多いのだが、この店のプルコギはその予想を裏切っていた。
質も・・・・そして、なにより量が!!


これだッッ!これがこの店のプルコギだッッ!!
なんと表現すれば良い?この、ヤケクソ気味の大盛り鍋を。
葛切りとか茸とか蟹とかとにかくいっぱい入った鍋に点火、ハサミなども駆使しながら混ぜられていくこの鍋の終着地は

比較的スキヤキに近いが、もっとマイルドで材料全体に味の回りきった濃厚な味わい。いろんな意味で“満足感”を満たす鍋の破壊力。
また新しい何かを得て、店を後にする食べまくりバカたち。
されど放浪は終わらない。新宿〜大久保の韓国料理店にキリはないのだから。

最後は韓国うどん店紹介です

戻る