やはり、時価は時価だった。
黒板に、その変動相場今日の魚価指数が書き連ねられている。
1万・・・・1万2千・・・・2万なんてのまでありやがる。ここは、庶民の来るところじゃねえ!
兄ちゃんの説明によると、しかし、突き出しが付くので満足感はあるはずだ、とのこと。
しかしなあ・・・たった一尾の魚に・・・。
と悩む俺らに兄ちゃんは、盛り合わせをお勧めする。通常よりも突き出しが多めに付くセットでもあるという。
でも、1万2千円。
「これで、・・・・これでお願いします」
そう、ここまで来たら後には退けねえ。



「突き出しです」
と、サラダ、ウズラのゆで卵、おかゆ(?)
このおかゆ、なんか滑らかな舌触りで面白い。なにか野菜か雑穀がはいっているのだろうか?



そこへ、刺身が・・・・
な、なに〜〜こんなに少ねえのか!アノ値段で・・・・
「突き出しでーす」
あ、そうですか、ほっとした俺たち。メインは、まだのようだ。
それにしても、辛みそにつけて食べる刺身は新鮮な味。醤油もあるので食べ較べることもできる。
刺身には醤油という固定観念も考え直さないと生けないかもな、と思わせる一品。


「突き出しです」
「突き出しでーす」
「突き出しでーーす」


あっという間に、テーブル上は凄いことになっていた。
これは・・・このおかずの山はどうだ?
これだけで十分に一膳のご馳走!
やけくそ気味に並べられる皿の追撃に、俺たちは食べまくった!

いやあ、満足だ。味のしっかりした韓国料理はそれだけで俺に幸せをくれる。
ありがとう、「東海」。俺は、俺たちは・・・・
「次、刺身盛り合わせ出します」
なにッ!?
そうか、そうだった・・・俺たちは刺身を喰いに来たのだったっけ。

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