2日目の冒険が始まった。
朝風呂でバイタル温泉に浸かり、チェックアウトしたら、あとはただ喰らうだけ。そう、うどんを。
旭うどん
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さあ、旭うどん。ここと美也川は広い座敷にテーブルを並べ、アットホームに近所の人が家族連れなどで来易いムードになっている。
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上がブルースの頼んだ肉つけうどん。下が、俺の頼んだ冷肉うどん。
さて、これが、
硬いどころじゃない!
これは・・・これは、麺の形をした小麦粉の塊でしかないッッ!!
太さも不揃い。弾力のない小麦粉の塊。そう、これは細長いスイトンだ。うどんであるはずなのにすするというよりがつがつ齧る感の強い麺。
ただひたすらにがつがつやっているうちに・・・そう、不思議とハマリ始めている自分に気づいた。
異端の吉田うどんの中にあって、正に異形と言うべき旭うどんの塊麺。
俺はすっかり気に入ってしまった。
こんなでも、うどんは旨いのだ。讃岐うどん、武蔵野うどん等の食べまくりを始めてから、このセリフは何度目であろうか・・・
「うどんの持つ無限の可能性を、俺の固定観念はまだまだ見くびっていた」と、言う所か。
麺処一休
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一休。旭うどんとは一転、整然とした店内。出てくるうどんはいかなるものか?
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上は俺の肉つけうどん。したはブルースの山菜つけうどん。
ここで、驚くべきこと。麺がつるしこなのだ。
野武士の集団に囲まれた感のある今回のうどん食べまくりの中で、初めて端整にできた麺に出会えた。
レベルは高いが、うどんとしては割かし普通。“吉田うどん”らしさの観点から見ると、どうか?
しかし、肉つけ汁はネギのぶつ切りを薄切り肉で包んで具材とし、山菜つけ汁はしっかりと引いた出汁で洗練された味に仕上がっている。
ふつうにレベルの高いおいしいうどんであった。
SAPPHIRE
そして、最後はサファイアうどん。カーナビを頼りに店を探すが、あるべきところに店がない。なんども通り過ぎて行ったり来たり。
そして、ついに見つかった店は・・・↓
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これ、うどん屋に見える?おまけに、「サファイア」で探していたからよもや「SAPPHIRE」であるとは判るはずも無し。
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庇には「PASTA」とか「WINE」とか、ここはもともとうどん屋じゃないんじゃねえか。ランチだけうどん出るということらしい。
薄暗いお洒落なダイニングバーのテーブルで家族連れがうどんをすするシュール感。
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上がブルースの頼んだ肉うどん。下が、俺の頼んだ冷やしたぬき。
ここで重要なのはこのボリューム感。すでに俺の胃は限界に近づいていた。なんと、最後の最後でやってくれるではないか、吉田うどん。
そして、いよいよ最後となったうどんの食感は、美也樹、美也川と同じ系統の硬い、吉田うどんオーソドックスタイプであった。
うう、腹に応える。しかし、旨い。すっかり吉田うどんに慣れた俺たちには落ち着く味となっている。
2日間の食べまくりが、吉田うどん的な店で始まり、吉田うどん的な店で終れるとは・・・
しかし、俺は異形ではあるが旭うどんの荒々しさにどうして惹かれてしまうのだ。
ブルースの最高評価はサファイアうどん。オーソドックスに吉田うどんらしく、尚且つレベルが高い。そして、なによりその店の意外性がハートを打ったのだとのこと。
そして、山梨を後にする俺たちの胸には、いずれまた吉田うどんを食しに来るであろう予感があった。
その時には、ほうとうも食わなきゃァな。
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