さて、伊香保町水沢にはうどん店がひしめく高級うどんストリートがあると言う。
伊香保温泉の入り口の街で切磋琢磨し伝統と歴史を誇るそのうどんは、店数計10数店と非常に寡数ながらも日本三大うどんに上げられることが多いのだ。
うどん、やきそば、ブラジル料理。駆け足で食べまくらなければならない我々にはムダ弾を撃つ余裕は無い。今回は特に、ネット情報等で下調べを入念に行い、旨く、尚且つトラディショナルに正統派水沢うどんを喰える店を当たることにした。
1店目「田丸屋」
伝統あり、評判良し、さらに開店時間が早いときては、1店目はココだろう。
暖簾の上がる寸前に到着した俺たちは、開店時間を聞きに入ったらそのまま奥の座敷に通され、その日一番目の客になることに・・・受付のお姉さん、本当にありがとう。
しかし、座敷、広間、廊下と妙に豪華で座りが悪い。僕ら、うどんだけ喰って出てくんですけど、こんなところにいちゃっていいのでしょーか。
普通にざるうどん。水沢うどんに特徴的なゴマだれと普通の醤油のつゆがある。
ブルースとすの字がそれぞれを一つずつ頼んでので、俺はデュアルスープを頼む。
追加料金で両方のつゆが付いているだけですがね。本当はみんなでつゆ使い回せば済むところだけど、一応メニューとして、ね。
うどんの味のイメージって、結構見た目と直結している。
麺の表層を見れば、ある程度は想像できるようになってきた。
この、つややかで真っ白な麺は上品な味わいを自然に予想させるのだ。
そのとおり、上品で淡白な旨味。表面にうるおいがあり、するするっと飲み込める。
歯応えは強すぎず弱すぎず、均質ですきとおった味わい。
完成度は今まで喰ったうどんの中で一番かもしれない。確かに旨い。ゴマだれはコクがあるが、このうどんなら淡白なしょうゆ味のほうが合うと思った。
続いて、うどん街から少し離れた「山一屋」が2店目。
はちみつを練りこんだというはちみつうどんが売り。
店の入り口にドラえもんとキティちゃんの石像があるのにびっくり。写真撮ったけど、藤子プロとサンリオの著作権に配慮して、個人的な楽しみにだけ使用します。
なんか、近所にオモチャの博物館がある絡みらしい。
さて、舞茸とか天ぷらもあるので、強行軍であることも忘れて頼んだりもしたが、おまけのきゅうりの古漬けのでかさに吃驚したり。
やはり真っ白いつややかな麺。はちみつのせいか、光沢が多めだが。
田丸屋と同じようにすきとった味わいだが、もっと素朴な感じ。少し固めで食べ応えがあるが、表面がツルッとしているので飲み込みやすい。
素朴といっても、田丸屋と較べれば、といった程度。やはり、洗練された感じで、つるっ、しこっ、といううどん方向性を押し進めた先にあるのはこれかな、と思った。
水沢うどんというやつが完成度の高い、評価されて然るべきうどんということがよく判った。
人には好みがあろうけど、うどん嫌いでなければ万人に受け入れられるうどんだろう。
だが・・・いや、だからこそ、俺には印象が薄い。讃岐のしこしこ、武蔵野のもむもむ、吉田のごつごつを超える強烈な存在感が俺の口には残らなかった。
もちろん、俺の個人的趣向による意見でしかない。間違いなく、水沢うどんはうまいんだから。
あと、全体に高いですな、うどん。ざるだけで700〜800円いくからね。
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