次は、少し市街地を離れたところの「おじまや」
まず、店に入ってびっくり。
ココは、なんと駄菓子屋だ〜〜!
店はいるといきなり駄菓子と玩具。その奥に、広い鉄板が一つとその周りに椅子が数個のみ。
そういえば、駄菓子屋でお好み焼きをする店は時には見かけるが、しかし、これはもう如何にも“アレ”な空気の店に来てしまった、と言いはしないが俺もブルースも感じていた。
鉄板の向こうの流しには、まあ確実に「おばあちゃん」とお呼びした方が言い年季の入ったおばちゃんと、その息子の嫁かあるいは娘か、くらいの年齢の女性がもう一人。これはいよいよ“アレ”です。
値段は、素の焼きそば(並)で350円。具入りで450円。うるおい焼きそばが800円だったから、約半額。
ミックスやきそばを頼むと、おばちゃん、背後の冷蔵庫からキャベツ、肉、イカなんかを無造作に「掴み出し」鉄板傍らの缶からスプーンで掬って肉かすと一緒に鉄板に積み上げていった。



こんな感じ。後に移っているのはヤカン。店に入ったときから鉄板の中央でずうっとしゅんしゅん湯気を上げ続けている。これもまた妙にチープな雰囲気を演出していてアレです。
そして、卵。ビアレストランでもうるおい亭でも、卵を絡めて焼いていた。
おばちゃん、殻にフライ返しで切込みをいれ、



なんと目玉焼きです。
それと平行して、さっきのヤカンから、麺に熱湯を注ぎ、手早くソースを絡めて行って・・・



できあがり。目玉焼きは上に乗せます。
うわ、早ッッ!早すぎ!さっきうるおい亭では差し水の後無限の時間をじらされたというのに。
謎はすぐ解けた。差し水が熱湯なので、差した後も鉄板の温度が大して下がらず、一気に焼き上げられたのだろう。
なんと知恵袋的発想。
取り皿を手渡してくれながらもおばちゃん、「鉄板から直に食べた方がおいしいよ」
なに、直に食え、と?
ますますアレです。アレですよ!
最高です!
もう、店に入った時から、その瞬間から、俺もブルースも店の雰囲気自体にめろめろに参っていたことを後で二人で確認しました。
本当に、こういうのが大好きなんです。



最後、強火でさっと焼き上げた麺はとても強くシッカリしていて、だけど、脂っこい旨味やコクは多少下品なほどにはっきり判り易い。
王道じゃない、際にいる地に足のついた旨さだ。
この、目玉焼き乗せもいい。半熟の黄身を絡めて喰ってもいいし、垂れて鉄板で固くなるところを絡めて食べるとまた違った味わい。
皿にとって食べると、その短時間に蒸らされるのか、麺が多少柔らかくなる。
富士宮的固い麺が好きな人は最後まで鉄板喰いを続けるべきだろう。
あくまで個人的感想だが、ソースやきそばのような場末的な食い物はこういう場末的に作っていく方が旨いのでは?
もちろん、無造作に作っても最高の味を作り出す腕が大前提では有るが。
そこらへんはおばちゃんの年季と経験がものをいってるのだろう。
まさに、このおばちゃんが富士宮やきそばそのもの。常食とは、こういうものかなと実感させてくれた。
おばちゃん、ありがとう。
ごちそうさまでした
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