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いきなり、有名店に来てしまった模様。
ココは静岡県のハズだが、店の駐車場には他県ナンバーが多い。
「たかが焼きそば」に!わざわざ他県から?
要するに俺たちが、そうなんだが・・・
順番待ちもあるようで、店前の表に名前を書いて呼ばれるのを待つ。
思いのほか早く呼ばれたので、そのまま座敷へ。
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各席に鉄板つき。
お客さん、やきそばは初めてですか?
その問いの意味は明白!はっきり判るこれは、問われている、つまり・・・
はい、初めてです。じゃあ、こちらで焼きましょうか?はい、はい、お願いします。
本当の富士宮やきそばを喰うには、本物を一番よく知る人に焼いてもらうのが一番いい。
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折角だからお好みも頼むと、早速職人っぽいおっさんが各テーブルを回りながらやってくる。
ここはねえ、他県の人が良く来るんだよ。
休日は開店から並んじゃって、いつも待ってもらってるからねえ。
あ、お好み焼はひっくり返さないで。じっと我慢、我慢。
うちのお水は富士の天然伏流水ですよ。味わってってください。
などと、聞き様によっては多少鼻につくトークだが、しかし、言うだけあって手際は中々に素晴らしい。
そして・・・
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これが「うるおいやきそば」だ。
色んな味を楽しみ、かつ、ベイシックな富士宮やきそばを知りたかった俺らは、「やきそば並」と看板商品の「うるおいやきそば」を頼もうと思ったのだが、一緒に焼くにはこの2品、麺が違うとのこと。うるおいの方は、国内産小麦粉使用だというのだからしょうがない。うるおいやきそば2人前に注文変更。
具は、キャベツ、豚、肉かす、イカ、エビ、しめじ。
肉かすというのは、豚の背油からラードを搾り取った絞りかすのこと。
ラードで炒めたやきそばに肉かすを入れるところが、このやきそばの肝の一つといったところか。
ああ、そして富士の伏流水だ。
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麺自体はこんな感じ。ちょうど、輪ゴムのような色つや固さ。伸びはしないけど、あのくらいの硬質のカンジがこの麺の特徴だ。
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で、こっちが薬味の辛みそ。
ニンニクが練りこんであって、それ自体旨味が濃い。
やきそばの味に飽きたら変化を楽しむために入れるのだろう。
ここら辺の工夫は吉田うどんなんかでもあったが、こういう最初から最後まで同じ味の食べ物には必要なのかもしれない
な。
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具を炒め、麺をかぶせ、具の水分で麺をほぐすようにした後、一気に富士の伏流水を注ぎ、麺を蒸らす。
そのあと、永遠とも思える時間の中、ソースを混ぜ、馴染ませ、ソースを混ぜ、馴染ませる、というおやじの動きを延々見守る破目に。
じらしか?これはじらし戦術なのか?
出来上がりに言わしの削り粉と紅ショウガを載せて出来上がり。
おお、さすがにじらすだけあって旨い。
麺がシッカリしていて、歯応えがいい。これはたしかにアルデンテ。歯応えが有るデンテ。
麺に油がそれほど染み込まないので、さっぱりと上品な味わい。だが、肉かすとラードが絡んでいるのでコクは決して少ないわけではない。
鰯の削り粉も旨味の濃さでやきそばをサポートしている。
これが、富士宮やきそば。味付け自体は食べなれてるソースやきそばと同じ様な感じだが。
同時に、昨日喰ったやきそばも十分富士宮やきそばであったと改めて確認したのだった。
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