2005年5月。長野県は伊那市に俺とブルースは立った。
伊那名物「ローメン」を求めて、である。この、1地方都市の名物料理ローメンとの出会いを語らせていただこう。

俺の大好きなマンガ家森田信吾は主に時代劇マンガの分野で活躍している。
「攘夷〜幕末世界」(秋田書店/絶版)、「明楽と孫蔵」(双葉社/絶版)等は傑作である。古本屋で見かけたら是非買うべし。
2005年6月現在、講談社イブニング誌にて「影風魔ハヤセ」を連載中。俺は楽しみに毎回読んでいる。
閑話休題。
その森田信吾先生が5,6年かけて週刊モーニングなどに不定期掲載し、漸く一冊にまとまった「駅前の歩き方」は現代の、所謂グルメマンガ。
小説家と編集者が旅先でその土地でしか食べられない「常食」を喰らってはびっくりする、という物語だ。
ここでいう「常食」とは作中の造語で、有名になりすぎて日本全国どこでも食べられるようになった豪華な名物ではなく、その土地の人たちが普段から当たり前のように食べている日常食でありながらその土地独特である食べ物・・・ということであるらしい。

「駅前の歩き方」第1話で紹介された伊那のローメン。最近は町おこし的にローメンズクラブ(上の写真の幟)などの組合をを作っているようだが、今ひとつ地味であるらしい。
俺とブルースは取るものもとりあえず強行軍でこの町、この味を目指した。
結果から言えば、今まで俺たちに激しい衝動と感激をもたらしてくれた、台北、大久保、武蔵野、讃岐ほどの派手さはないかもしれない。しかし、この独特の味わいで堅実に地元をアピールする伊那市とローメンの、心にじわりと残る感動の残滓をココに記したい。

伊那、そしてローメンの記録