ゴーストボクサー


 ゴースト・ボクサーによる無差別デブ殺人。その犠牲者の中には、デブ刑事牛島の念友、鵜殿丈吉もいた!
 怒りに任せて強行捜査を行う牛島は2度までもゴーストボクサーに遭遇。しかし、ボクサースラッシュで内臓を破裂させられ、病院に収容されたのである。
「牛島ァ・・・怒りに身をまかせちゃァいかんぞ。デカってのは、ハートは熱く、頭はクールに、ってェ商売だ」
「ンゴッ!・・・あんたの言いたいこたァ判るぜ、チョウさん・・・ムグッムグッ・・・俺が私情で捜査・・・モム・・モムム・・してるって・・・」
「何してるんだッ!お前の胃袋はついさっきまで破れてたんだぞ」
「喰ってるのさ・・・見舞いをな」
「死ぬ気かっ!?」
「喰わなきゃそれこそ死んでるみてェなもんさ・・・・・・俺はなァ、なにか喰ってねえと、生きてる心地がしねぇんだよ」(ニタァ)

そして、三度、ボクサースラッシュを喰らう牛島。
「おい・・・やせっぽち。なんで俺らはデブってると思うよォ・・・オイ?」
「ク・・ク・・コノ、マンプクボクサーメ!」
「ぐふふ。デブの脂肪はなァァァんでも、吸収しちまうんだよォ。例えゾンビのパンチだろうがよ!」
「ヨセェェェ!ヤメロォォ!!喰ウナ!!喰ワナイデクレェ・・・」
「ンゴゴッゴゴッ!止まるかよ。肉は腐りかけが一番うめェってのは、食通の世界じゃあ常識だぜ」
「嫌ダァァァ。デブの脂肪ニサレルノダケハ勘弁シテクレェェェ!!!」

牛の白骨死体が転がる深夜の牧場。
「そこまでだ、牛島。頼むから大人しく捕まってくれ。私はお前を撃ちたくはない」
「モふっ、モふっ、モふふふっっ」
「ヤメロ!牛を喰うのをやめるんだ!!」
星すらない真闇を打ち破って、銃声が鳴り響く。
「俺にゃあそんなものは効かないゼ。食欲が続く限り、俺は不死身さァね」
「ゾンビボクサーを吸収して、キサマはどうするつもりなんだ?」
「さあね・・・・・・俺たちは遠いところから来て・・・・そして遠いところに行くのサ。この一瞬の煌きのような生の間に、喰えるだけの飯を喰わねぇで、アンタこそどうするつもりなんだ?デブらないで生きていると言えるのかい?」

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