水滸覇王伝


 世が乱れ、政治が腐敗しきった清朝末期、大地に降り立った108の侠星が、快刀乱麻、悪を断ち、義と情の世を取り戻す!
 おなじみ、水滸伝の英傑たちを、列強に切り取られた清朝末期の中国に甦らせた超痛快娯楽カンフーアクション大作。それがこの「水滸覇王伝」だ!

 まー、香港映画なんで、ストーリーとかはどーでもいいわけよ。
 清朝末期、中国の独立と漢民族の復興を願う秘密結社「梁山泊」に、各地のならず者、魔人が集結する。豪壮無比の彼等が一目置く、若き八極拳の達人、"神槍"李書文。108人目の星は彼に違いない、と梁山泊に誘うが無頼の道を進む書文はなびかない。おまけに謎の老人が現われて、書文につきまとう。この老人、敵か?味方か?
 真の108星目は、殺されていた。町外れの荒野で、壁にめり込んで死んでいたのだ。
 唯一のてがかりは、十字の拳の跡。「これは…十字拳!?」
 犯人を見つけるために、梁山泊が本性をあらわした!子供たちを人質に、犯人の引渡しを要求。ついには小屋に火をかける。
 李書文がかけつけた時には、助けに入った謎の老人もろとも小屋が吹き飛ぶところであった。
「て…てめえら人間か〜〜!たとえ天が許そうと、この俺の八極拳が黙っちゃいね〜〜!」
このあとは30分以上にわたるノンストップアクションだ。ビデオで見るときはここで一旦止めてトイレに行っといたほうがいいね。

 107対1。壮観だね。李書文の背後から舐めるように撮った107人。すごい人数だ。  後ろの方なんか、顔が霞んでよく見えないよ。

 李書文を最初に誘った巨漢が、大戦力差をバックに説得にかかるが、
「俺の返事はこれだ〜」振脚の大音響とともに猛虎硬爬山が水月に手首までめり込み、巨漢は内臓を口から溢れさせながらぶっ飛んでゆく!
 その轟音がゴングだったように、残り106人がたった一人の男に殺到して行くのだ。
 一撃当てる度に、4,5人づつ吹き飛ばす、恐るべき李書文の突き!
 しかし、4人がかりで羽交い締めにされ、胸に短刀を突きたてられる。血まみれの、しかし倒れない李書文の脳裏に炎の中であえぐ子供たちの顔が浮かぶ!
ヅガン!鉄山靠で後の連中を弾き飛ばした!そして、なんと、
メリメリメリと、放射状に岩盤にヒビが入る。震脚で、大地を踏み破ってしまったのか〜!
「な、何をしているのだ!空だ、空から攻めろ!李書文は空からの攻撃に弱いぞ!」
 瞬時に見破った宋江の眼力も凄いが、恐るべしは転生水滸衆!言われるが即、十数人が宙に浮いた〜。こ、こいつら、地獄から魔界の力を持ちかえったとでも言うのか?
 氷の上を滑るかのように、斜め上に摺りあがって行く水滸鳥人衆に、流石の"神槍"李書文も顔色を失う。とんだりはねたりのアクロバット拳法を馬鹿にしていた書文には、空中の敵と戦ういかなる技もないのだ。危うし、李書文!
 空中の一点に集結し、急降下爆撃の体制を整える水滸鳥人衆。今まさに書文の死命が決さんとした瞬間!
「頭を低くしろ!李書文!」
 後から走ってくる謎の老人。生きていたのか!
 素直に身を屈め、頭を下げた書文の背中を駆け上がり、宙に身を躍らせる老人、両手を左右に大きく広げ、そして交差させながら脚から上空に舞いあがって行く!
 こ、これは〜これはまさか〜期待に、手に汗握る俺の目の前で、老人の両脚が、影も残さぬ高速連続蹴りを放つ!!!!!!
「うおおおおお!南派少林拳奥義!仏山無影脚!
無影脚だぁぁぁぁぁぁぁ!
空中の魔人どもを文字通り蹴散らし、中天の彼方まで蹴り飛ばして、老人は華麗に着地する。バッ!バッ!そして、伸ばした両腕に天を抱くかのような大仰なポーズ。
「む、無影脚は黄飛鴻の技のはず…」
「いかにも!ウォン・フェイフォン見参!」
 医の達人にして武術の達人。義に生き、常に弱者の味方であった黄飛鴻(ウォン・フィフォン)が、地獄の荒野に降臨した!
 108星目の男を倒したのも彼なのだ。黄飛鴻と言えば、十字拳と無影脚と決まっている。
 軍団のど真ん中に李書文が飛び込んで、体当たりをぶちかませば、数人の魔人が吹き飛んで空間が空く。そこにねじ込んだ黄飛鴻の脚が嵐の如く吹き荒れる!
 この2人の前では木偶の集まりだ。水滸108傑は全滅した。
「雑魚は片付いたぜ。あとは大物が一人だけだ」
 氷の目で射抜く書文。
「わはははは、面白い奴」
 高笑いしながらも視線を切らない飛鴻。
 いきなり打ち合う2人の体が交錯する寸前!
        終  劇

という映画なのだ。
今回の教訓「一度でいい、100対1で闘ってみたい。そして勝ちたい」 

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