9月30日
ご存知のように、この日記ともなんともつかない文章は日付の翌朝に書くことが多い。
だから、コレを書いている今現在は10月1日。
しかし、10月1日では、9月30日のことなんて逐一憶えてねーよ。書けねーよッ!
「10月1日では遅すぎる」のだ!
・・・このフレーズ使いたかっただけ。
24対12。ダブルスコアまで追い上げた海原イレヴンだが、厳密にはすでにイレヴンではなかった。
人間の限界を超え、ピクリともしない遅井を人数合わせのためフィールド内に寝かせ、左足が砕けてもゴールキックは蹴ると言ってやはり寝かせられている吉岡を抜いて、9人!
海原ナインは、野球であれば活躍できたであろうが・・・
天才獅子土虎之助の策を持ってしても、2人抜けた穴で裏NFLの攻撃をカットする防御布陣は考えようが無いのだった。
「くそっ!せめてあと一人・・・あと一人いれば」
着実なランプレイで距離を刻む裏NFLは、ついにタッチダウンラインまで5ヤードと迫った。
1プレイでタッチダウン。点差はまたもや18点差?
誰もがそう思ったが・・・
海原防御布陣の穴を確実に突き、タッチダウンへのショートパスが通る寸前、しかし、須之内の肉体がインターセプトに踊った。
「な、なに〜〜〜」
アメリカンモンスターマンの目が驚愕に見開かれた。
須之内は、逆サイドにいるはず!それを確認してのパスプレイだったはず。
そう、確かに須之内は逆サイドにいた。
否、逆サイド“にも”いた。
まさか、まさか、まさか!!
忍法影分身!
逆サイドの虚像が消え、ただひとりとなった須之内巌流の腕から力ないパスが飛んだ。そして、須之内はフィールドに崩れ落ちた。影分身は、術者の命さえ削る諸刃の剣。

9月29日
昼食に豚足。
レンジでちょっとだけ暖めると、骨離れがよくなって食べ易い。
昼から・・・それも、職場で豚足とはな。
後輩の一人が、飲み会のときの持ちネタで「職場で豚足に齧りつく先輩」ってな笑い話をよくするという。
おかしい。昼に豚足はスタンダードなはずなのに!
おそらく、豚耳ならば誰も何も言うまい。骨を持って、齧りつく見た目が特異なのだろう。
夜焼肉屋で豚足齧るときは酒が入っているから違和感が無いのだろう、と思う。
だが、外見からして動物の体の一部分だとはっきり判る部分を直接牙で毟り取ることが、即ち“食事の本質”と考える俺には、素面でも豚足が丁度いい。
9月26日
ケンタッキー・フライド・チキンはたまに食べたくなる。
でも、ずっと、食べない。
だから、大きさが把握できなくなって、6ピース頼んでしまったら・・・
もう、当分いいや。
下手したら、ずっと喰わないかも・・・

ところで、逆境ナインが映画化ですね。
監督は山口雄大に違いない!と思ったんだけど・・・
違うねえ。
まぁ、いいや。

それはそうと、アメフト魂の前回までの話を妄想特急に纏めておきました。
途中から見てる人には不定期連載はよく判らないものね。
今まで判らなくて読んでいなかった人は、こちらを見てください。
9月23日
将棋名人戦に勝利すると、名人位を取得する。
コレにコマ落ちで臨み、そして勝利した場合は、達人位が与えられるのだ。

それはそうと、ジェノバ風スパゲティのソースをバジル一切無しで作ってみた。代わりに大葉で。
それ以外はオリジナルのレシピどおり。
むう。
バジル使ったときより、かなりしつこくなった。似た様なもんだと思っていたけど、脂っぽいギトギトをさっぱりさせるパワーはバジルの方が高いようだ。
9月21日
なんかの自己紹介で、
「上に“バカ”のつく、正直です」と言っている人がいた。
自分で自分を正直だという感覚が解せない。頭悪い。
中途半端に卑下してる振りしてるところがまた寒い。
「下に“正直”のつかないバカ正直です」くらいは言って欲しい。
要するにただのバカってコトなんだが・・・・

それはそうと、19,20と銚子に乗って来た。
俺、ブルース、杉並。
季節柄、最大の標的は秋刀魚。
もっとも、この時期、それも今年は特に、秋刀魚はどこで喰っても丸々と太って、脂がのって旨い。わざわざ銚子に行った俺たちがそれほど極端に勝ち組って訳でもないことを一応お断りしておく。
まぁそれでも水産センターの魚は旨いし、ホテルから歩いて一分の飯屋が妙に旨かったのでとても幸せな旅となったのですが。
秩父レンジャーVS銚子レンジャーも撮れたし。
9月18日
朝飯からビビンバ食す。
最近は石焼ビビンバが隆盛であるが、要はナムルを飯に乗せればすれがすでにビビンバである。
そう、飯のおかずとして喰えばナムルであるところの、飯に乗せて混ぜた時点で劇的に名前が変わる、これはそういう料理なのだ。
ナムル自体、茹でた野菜に塩とごま油とその他少々を絡めただけの料理。
それが飯に合う。

そういえば、こないだの2日連続の不審火。しばらく収まっている。
このまま何事も無ければいいのだが・・・
9月13日
またもや近所で小火。
性懲りも無く不審火。
あまりにも連続過ぎるッッッ!!
犯人は、家に火をつけるのには失敗し続けているが、たった一つまともに放火に成功したところがある。
そいつは俺のハート!
怒りの炎がバーニング!
もう、許しちゃおけねえ!

しかし、くれぐれも、週末出かけてる間に燃えてませんように。
「楽しかったはずの銚子旅行。それがどうしてあんなことに・・・・」
などということにはなって欲しくないものです。
9月12日
夜、家に帰ってきたら、ウチの目の前に消防車と救急車とパトカーが止まっていた。
と、いう光景は一種の悪夢であろう。
焦った。最初に考えたのは、自分が出かけるときに火種になりそうななにかを忘れて出てきてやしないか、ということ。
結局、ウチの裏手の2件先が小火を出してのことらしいが、しかし、この小火が実は放火らしい。怖いことだ。
完全に火が消えていても、ポンプ車は2台並列で消火栓からホースを繋いだ状態のまま、で消防官はボンベ背負った完全防備でスタンバイしている。
この慎重さは実に頼もしい。

9月10日
来週は銚子で秋刀魚だが、
既にあちこちで新秋刀魚を売り出し始めている。
今年の秋刀魚は肥え太っている。
しかし、鰯はいない。みんなの愛した鰯は死んだ。
何故、鰯は死んだのか!?
9月9日
トライフォアポイント
タッチダウン後にキック、若しくは残り3ヤードのランプレイを選択できる。
ここまで、ランニングバックの飛田は不調だが、しかし、既にキッカーのいない海原にはランプレイしかない。
ゴー!
飛田のジャンプはタッチダウンラインを超えた!!しかし、
着地点に待っていたアメリカンモンスターマンのタックルが、彼をフィールドに弾き返してしまった・・・
攻守交替のタイムアウト。ついに、獅子土が飛田に弱点を告げる。
「飛田、お前のジャンプはいつも同じ飛距離だ。飛んだ瞬間に着地点が丸判りなんだよ!」
「そんなこと、俺だって知ってるよ!でも、どうしても全力以外のジャンプができないんだ!力がセーブできないんだよ!!」
超熱血漢の飛田には全力以外のプレイはできない!!
致命的な弱点であった。

9月8日
スーパージャンプでつの丸の新連載が始まった。
サル、ウマ、ハチ、武士、お相撲さん、と来て、今度は1周廻ったのかまたサルが主人公のマンガのようだ。
少年ジャンプを出て、スーパージャンプへ。
これまたジャンプ作家の王道の軌跡だ。
変則的ではあるが、とにもかくにも本宮ひろしの系列の匂いを持っていた最後のジャンプ作家つの丸がスーパージャンプへ移ったことにより、ジャンプ自体が1週廻った感がある。
つの丸はこの後、スーパーウママンガ、スーパーハチマンガ、スーパーさむらいマンガ、スー パーおすもうマンガを経て、10年後くらいにバンチで2世サルマンガを描くことになるのだろう。
柔術家漫画家つの丸の3周目に期待したい。
9月7日
今日、強風の中、軽やかに歩く犬とすれ違った。
荒野を行くディンゴのように、かっこよかった。
軽やかに、そしてしなやかに。彼らの歩みは躍動している。
猫だけじゃない。野生の肉食獣は走るときだけじゃなく、歩くときまで軽やかにスプリングの効いたステップを踏んでいる。
ああ。
気がついた。彼らは始終爪先立ちをしているからか。
犬は五指だが、脚の下3分の一のところに小さな突起がついている。親指だ。
4本指の、その先だけを接地させ、彼らは歩いているのだ。立っているときに踵をつけるなど、永遠に彼らはすまい。

9月5日
浅草新仲見世通りの「勇新」にて鯨食す。
7/24にブルース、親分と共に喰いに行ったことは諸君の記憶にも新しいと思う。
しかし、流れとはいえ、言いだしっぺの杉並を出し抜いたことは、ホンのちょっとだけ心残りであった。
その杉並とブルースと3人で。
一品で鯨ステーキ頼み、飯でかきこむ。
サービスで着けてもらった筋揚げも、飯でかきこむ。
うまい。やはり鯨は米の飯で喰うのがいける。
奇しくも、俺はみんなとの合流前に東京都美術館で四川文明展を見てきたばかり。
黄河文明を受け継ぐ中原の文明が粟や稗を喰らっていた頃、米文化を築いていた幻の三星堆文明とかの出土品を拝んで来た。
やはり白米。
これが俺たちのルーツ。
そして鯨喰いもわが文化の大事な根幹。
9月4日
100円ショップで105円のブーメランを売っていた。
十字型のヤツで、先っぽが曲がっていて心もち卍手裏剣はいってるカンジ。
買ってから1ヶ月くらい放置してたんで、昨日公園に飛ばしに行ってみた。
返って来ねえ。
投げると、20〜30メーターくらい行って、急激に浮き上がりながら横に曲がるんだけど、そこらへんで失速して滑り落ちるようにもう一回曲がるだけ。
最初から角度をつけて飛ばしたり、いろいろ試したんだけど、半周くらいまでが限界で、返ってくるに至らず。
もっと強く、高速で飛ばせば失速の壁を越えて戻ってくるかもしれないが、子供が遊ぶ日曜日の公園でそれはマズイだろ!?
そのうち、小学生が4人、俺にも投げさせて、俺にも俺にもとか言って寄って来た。
ブーメランというものをよく知らない彼らには、自分が投げたものが途中で予期せぬ変化をすることだけで相当面白いらしく、投げ方を変える度に浮いたり曲がったり失速したり、とにかくブーメランの軌道が変わるだけで大騒ぎする。
お、俺のブーメランなのに、こいつら俺より楽しんでやがる・・・負けた気分。
で、人のいる方に投げるな!とか喧嘩せず順番に投げろ!とか注意してるうちに、言うこと聞くヤツ、端から聞いてもいないヤツ、ガッツのあるヤツ、無いヤツ、とキャラクターにバリエーションがあることが判ってきた。
誰かが持ってきてたボールの所有権争いで泣き出すやつがいて、そいつが帰ろうとしたら、髪脱色しまくりの一番気の荒そうな子供が「おい泣き虫、泣いてるんじゃねーよ」と囃した。
「黙れ!キンパツ!!」
泣き虫が最後っ屁かまして帰って行きました。
すげえ。小学生の啖呵って捻りなさすぎ。おまけに、どこが悪口になってるのかもちょっと不明。
大爆笑です。
しかし、それ以上に面白かったのが、キンパツの反応です。
そのあと数分間、面白くなさそうに下向いてじっとしていました。
傷ついてるんです。「黙れ!キンパツ!!」で。
あの泣き虫は彼のボギャブラリのなかで一応目的を果たしたわけですよ。
そのキンパツも、ブーメラン投げに戻ってからはすっかり忘れたようにはしゃいでいたけれども。
105円で随分面白いものが見られました。
9月1日
今日は魚喰いたい!と急に言い出した後輩に釣られて4人ばかしで飲みに行った。
今日から秋刀魚お勧めフェアという居酒屋があったので秋刀魚の塩焼きと刺身、その他もろもろを食す。
こうして、俺の秋が始まったわけだ。
で、一緒に飲んでた元消防官の先輩に、
「もしも、俺と加藤ちゃんが闘うことになったら生半可じゃすまないな。生きるか死ぬかの勝負になるよ。そうならないように牽制しあってるもんな」
と、言われてしまった。
まさに酔っ払いの会話だが、本当に生き死にの修羅場をくぐって来た尊敬するアニキにそんなことを言われるのは本当に嬉しい。
その言葉に応えられる大物にならなくては・・・・この秋最初の、これが決心。

全てが沸き返るハーフタイムショウ。遅井浩二はトイレに吉岡元を呼び出した。
「残酷な頼みだが・・・吉岡、お前の残った左足、俺のために折ってくれ」
「・・・・・・・・遅井、君は死ぬ気なのか!?」
「・・・・・・・・・」
「君は無償で頼みごとをできる人じゃない。俺の命である左足を折れということは、君が死ぬ気だってことだ!!」

2人はそれ以上何も言わず、しかし、判りすぎるくらい判って第3クォーターのグラウンドに並んだ。
今、点差を縮めなければ永遠に追いつけない。それは誰にも解っていたのだから。
遅井は、自陣エンドラインに立っていた。彼の眼は100ヤード向こうの敵陣エンドラインだけを見ていた。
メートル法に換算して実に91.44メートル!!
もう吉岡には何も言うことは無い。遅井がベストを尽くすなら、吉岡もベストを尽くすだけだ。サッカーに、キックにかけた青春を思い起こす。
悔いは無いか?いいや、ある。サッカーへの未練でてんこ盛りだ。
だからこそ、その悔いの全てをこの一蹴りに集約したい。
蹴った。全力で蹴った。いいや、全力の数倍の蹴りが、炸裂した。その威力に耐え切れず、ただ一本残った左足は砕け散った!!
同時に第3クォーターの時計が廻りだした。同時に遅井の命をかけたダッシュが始まった。
吉岡のサッカー人生を乗せたボールが放物線を描いた。
遅井のダッシュがグラウンドを貫いた。
電光掲示板が1/100秒単位の正確な時を刻んだ。
動くものはこの3つのみ。
遅井の人知を超えた走りが陣地を越え、時は凍りつき、全てのプレイヤーが動けなかった。
タッチダウンキャッチは確実かと思われたがしかし、吉岡の決死のキックが、生来の正確なコントロールを超えていた。
ボールは、エンドラインを超え、更に10ヤード向こうのゴールポストに向かって伸びたのだ。
コレが当たれば、全ては無意味だ。高い代償を払って、海原は大事な戦力をムダに失う!!
その最後の瞬間、人知を超えた走りの、その限界を遅井は更に越えた。
超加速!
エンドゾーンのギリギリ向こう側で遅井はボールをキャッチした。
110ヤード。100.584メートルを限界を超えて走り抜いた遅井の肉体は活動を休止し、その場に崩れ落ちたのだった。

会場は沸いていた。海原のタッチダウンに彼らは注目した。時計に注目するものなど誰もいなかった。
15分ジャストからカウントダウンされた時計は、正確にタッチダウンの瞬間、14分50秒23を表示したまま止まっていたのだった。

古い徒然肉

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