12月30日
25日に買ったビーツで27日にボルシチを作る。思いのほか甘かったので驚く。
ビーツ(赤株)は砂糖大根の仲間だそうだ。今回はトマトを入れずに作ったが、肉と野菜のコクが出て、とても温まるスープになった。
昨日は鶏レバーでレバーペーストを作った。クセが無い鶏レバーだとどうなるか実験的にやってみたが、なかなかレバペーらしい味に仕上がった。成功。
鶏レバーは固い肉質のところと柔らかい、いかにもレバーのところがある。もし作る人いるなら、この柔らかいところだけで作ったほうがいい。
そして今日、久しぶりに新食べバカアップ。
魯肉飯の話。要するに、いかに俺が魯肉飯を好きかという個人的好みだけの話だが、よければ読んでほしい。
もっとも、このサイトの話が俺の好みの範疇を出ることは基本的に無いのだがな。


12月25日
前出のプロフェッサーキューブはじっくりやって、3日で6面完成。
再現性の確認のため、現在3回目の6面に挑むが、なかなか出来ない。2回目はすぐに出来たのに、3回目は何故か手こずる。この手こずってるのを、理屈でパスすればマグレではないと言う証明になるだろう。

25日は忘年会。俺、ブルース、親分、すの字、ナツカ、と5人。
池袋の台湾小調にて食べまくり。以前から、なにかとお世話になっていた台湾小調が「南北亭」と店名が変わってから大分経つ。池袋にまだあると言われていた小調にようやく行ったのだ。
南北亭も、小調とかなり近い(というか大して変わっていない)味だが、やはり小調の看板を出しているこの店のほうが、俺たちの知っている小調に味が近い気がする。他のメンバーはどう思うか?
まあ、前の店のチープなムードは、同じ店構えの南北亭のほうが色濃く継承しているわけだが。
ここでいうチープとは、褒め言葉。「庶民的」「気安い」とでも解釈していただきたい。
12月18日
ルービックキューブがまた流行ってるらしいね。
5×5×5まで出てた。
4×4×4のルービックリベンジでも、何時間もかけて、ようやっと偶然出来るか否かくらいだった。
でも、買っちゃった。5列のプロフェッサーキューブ。
これで大分長いこと遊べるだろう。
3千円は安い。

12月16日
不可能を可能にする。
獅子土の無責任なおだてに乗って、飛田鷹虎が地獄の淵から帰ってきた。
もちろんウソだ。不可能は不可能だ。だが、たとえそうであろうと鷹虎は信じている。
不可能は可能にはならないが、しかし、花井たちは信じている。
そんなことは言った獅子土こそ誰よりも承知しているが、だとしても、彼も信じているのだ!

「BUT・・・BUT・・・BUT!!!」
それでも、その“しかし”をやり抜いてきた海原の、飛田鷹虎は象徴なのだ。
最後のプレー。
躊躇無く、花井は飛田にボールを手渡した。
細田、市楽を引き連れた津軽のブロックが、11人の圧力を前に、ほんの1メートルの空間を押し返した。
タッチラインまできっちり10ヤード地点を踏み切り、飛田鷹虎が舞い上がった。ことをアメリカンモンスターマンの目は冷徹に捉えた。
全力で跳んでやがる・・・
最後の最後でジャンプを短くし、着地点で待つモンスターマンをかわして得点する気では、と思わないではなかったが、しかし彼はいつもどおり真っ向全力跳びを敢行したのだ。
最後まで、最期まで、飽きることなく全力かよ。
その魂はリスペクトに値する。だが、勝負と言うものを判っちゃいない。
これは勝負なのだ。
モンスターマンの肉体が・・・処刑機械が厳かに、一点の狂いも無い飛田の着地点へ、まっしぐらに突き進む。
間違ってタッチラインのほうへ吹っ飛ばないよう、後方からの突進。そして、ヒットの瞬間、首の力で花井の目の前に飛田の無残な死体を放り投げるところまで、モンスターマンのモンスターたる所以、残虐な怪物脳は計算しつくしていた。
「死ね、勇気あるイカロスよ。太陽に焼かれて敗者の伝説となれ!!」
だが!!
そこに飛田はいなかった。
いるはずの飛田はいなかったのだ!!
モンスターマンに夜が訪れた。
見上げた頭上、彼の太陽を遮って、空中を走る男のシルエットが映し出されていた。
そう、まるで空中を走るかのように足を振り回し、完璧な幅跳びのフォームで駆け抜けていった。
そうか・・・イカロスには勇気があったが根性が無かった。
空を飛ぶには、失敗しても繰り返す不屈の精神力が必要だったんだな。
飛田鷹虎の足がタッチラインに着地し、19対24は25対24になった。
2秒後、試合は終了した。

12月13日
ハット ハット ハット ・ ・
来た!ついに来た!
雲を得て龍となった鷹が、一度は地に堕ちて尚、今、地獄帰りのフェニックスとして舞い上がった。
花井はその巨大な存在を背中で感じていた。
ゴー!
ボールを手に振り向いた花井京太郎の足下に、飛田鷹虎は倒れ伏したままであった。
あれは幻だったのか?裏NFLの、海原に抱いた恐怖の妄想が伝染しただけなのか?花井が背中で感じ、裏NFLが恐怖したフェニックスの雄姿は架空の世界の物語なのか?
我に返り殺到する裏の刺客たち。花井は足下にボールを叩きつけ時計を止めた。ファーストダウン失敗。

ああ、策だけでない。もはやファンタジーすら消え去った。残り10秒。次のプレーが終了すればホイッスルがなるだろう。


「待たせたな。最後にもうひと跳びする時間だけは残ってるようだが」
飛田!やはりお前、蘇ってきたか。
「目が覚めたはいいがセット状態でな。動くに動けなかったぜ」
その、目覚めのときの僅かな指先の震えだけで裏のモンスターたちの顔色を失わせる飛田の脅威のジャンプが戻ってきた。
しかし、アメリカンモンスターマンに狙いまくられているあの弱点を、果たしてどうする?

12月11日
ブルースと武蔵野うどん食べまくりしているときにいつも気になる店があった。
「くに一」と「みんなのうどん」
いつ行っても閉まっているから気になっていたのだ。
よくあるあれだ。「玉無くなり仕舞い」
喰いたければ午前行けばいいだけのこと。そう、そして開店時間に行った。
くに一、並みじゃねえ。うどんは、するっと食べ易くそこそこに風味があって食べ易いうどん。だが、
並みじゃねえ。量が。
凄い!という噂は聞いていたので、「小小」「小」「中」「大」とある中の「小」にしたが、それでも普通の店の大盛りよりもさらに一回りでかい。
おそらく、「小小」で普通に大盛りなのだろう。
ま、つけ汁もさっぱり系統なので事なきを得たが、あれはあちこち食べまくろうと思っている人間にはハードに過ぎるうどんだ。
4人。ついに4人。
重量級の2名を失い、すでに奇策も王道も万策尽き果てた。
あとは市楽を3,4人のディフェンダーで重く重くカバーすればいいだけの裏NFLには余裕があった。
「レディー、セット」
この時点で、策士花井、軍師獅子土の頭にはなんのビジョンも無い。
あるのは幻のような期待だけだ。
「ハット、ハット、ハット、ハット・・・・・・・」
QBの掛け声が始まる。言い終わったときにプレーが始まるのならば、もう花井は賭け続けるしかなかった。
何かが起こるまで。
「ハット、ハット、ハット、ハット・・・・・・・」
裏NFLの怪物たちの顔色が変わった。恐怖の相が伝染していく。細田には何が起きているのか判らなかった。花井の掛け声がモンスターたちの心の琴線に触れる響きでも持っているのか?
いや、違う。彼らの視線はもっと先。花井の背後で何か、恐怖の物語が始まっているのだ。
セット状態では振り向くことは許されない。その物語の正体を見ることが出来るのは、海原では獅子土だけだ。
獅子土の得意げな叫びが聞こえる。
見ろ!俺の言ったとおりだ!!不可能が可能になったぞ!!

12月3日
乾坤一擲のラストプレー。
キッカー吉岡を失い、市楽以外のレシーバーを失い、ランニングバックの飛田も倒れ伏した今、すでに海原イレブンに得点能力は無かった。
このスクラムからの奇策が失敗すれば、24対19のままこの5点差は永遠に超えられぬ絶壁となって残るだろう。
その、最期の希望を繋ぐ花井のランが・・・潰された!?
「かっかっかっ!海原の虚実は最後の最後まで冴えてやがるぜ」
獅子土の哄笑は日本語だが、その意味はもう判っていた。
「こいつこそ、こいつこそが囮だったァァァ〜〜〜」
何度騙されたことだろう。その度に思い直したはずが、しかし、またもや嵌ってしまったのだ。司令塔のこの男までがウソのボールに魂を込められるとは。
海原の実はどこにある?こいつの命までが的になりうるのなら、では、今までの奴らは誰のために命を懸けていたというのだ?
「いつだって自分のためだ。俺の胸の炎を燃やし続けたいだけなんだ。同じ炎を持つ仲間は俺自身なのさ」
開かれた花井の腕にボールは無い。
4人がかりで潰された市楽にもボールは無い。
「デブだッ!デブが行くぞッッ!」
海原最後の切り札はノーマークの細田が握っていたのだ。
津軽のブロックの援護を受け、残り70ヤードを細田の一人旅が始まる。
しかし、しかし、しかし、細田は鈍足である。
療養中に鍛え直したとはいえ、世界的アスリートが集うこのフィールドでは、いっそ清々しいほどに格の違う鈍足であった。
起き上がり、必死に細田を追う裏のヒットマンたち。見る見るうちにその距離が詰まっていく。
ああ、細田よ、細田則幸よ。お前が倒れた位置が、そのまま海原イレブンの最終到達点であることを、お前は気づいているのか?
走れ、細田。
そして・・・・・・僅か10ヤードを残し、細田の独走は終った。
「9.144メートル」
これが、海原イレブンの全ての命を尽くし、策を使い果たして辿り着こうとした勝利への残り距離であった。
ありとあらゆる逆境を乗り越え、ココまで辿り着いた彼らの業績を、今更批判するものなどもうどこにもいない。
スタンドの観客も、裏NFLの面々も、ココで終ろうとも本当の勝利者が 海原であることを否定はしない。
このままの結果で満足していないのは、今、世界中に12人だけだ。

「よし、残り10ヤード。残り時間30秒。・・・取るぞ!!」
策も力もメンバーもいない。
だが、花井は言い放つ。メンバーは頷く。
八方が閉じられた、ここからが本当の勝負なのだ!


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