2000.12.20

冬山 ・富神山(その2

冬の富神山
冬の富神山
『山頂展望台から山形盆地を眺めると、
市街地中心にぽっかり浮かんでいる広い森が山形城址霞城公園です。
関ヶ原の戦いに頃、石田三成方の直江兼続軍(上杉軍)が、
徳川家康方の最上義光(最上軍)の拠点である山形城を
攻めるために、山頂から城の様子を眺めようとしたが、
城には霞がかかって全く見ることが出来ません。
10日間待っても霞が晴れず、その間に石田軍敗北の報が入り上杉軍は撤退した。
この事からこの山を十日見山(富神山)、そして山形城を霞が城と言われる。』
−−−−−−富神山新道登山口にある説明文引用−−−−−

何故、十日見山から富神山になったかは不明

2000年2月26日(土)天候:晴れ  

私1人で行くことにする。
 低山にしては、いささか重装備になってしまったけど、初の雪山なのでナメてかからないように万全を期した。
新道コース入り口に車を停め、スノーシューを組み立て出発する。
2月末ということもあり固雪で積雪は少ないが、歩いても沈まないのでスノーシューの威力に感心する。
(う〜ん。新雪の深雪歩いてみたくなった。)
10分も歩くと体が熱くなってきたので、アウターを脱いで温度調整をする。
ウエアも重装備しすぎたようだ。着込む物も再度見直し、よけいに着込んだインナーもザックに詰め込んだ。
動きやすい格好だし、スノーシューにも慣れてきたせいか、快調に進む。
無雪期と比べ、山の空気や景色が違うせいもあるのだろう、とても新鮮だ。
40分程で頂上に着いた。祠に「今夜一晩お世話になります。」と手を合わせ、テントの準備をする。

まず、テントの大きさだけ平らになるよう雪を踏み固め、グランドシートを敷き、その上にテントを設置する。
入り口は階段状にし、隅に深めの穴を掘った。(少しでも冷気が穴に逃げるように...。)
設置が終わったところでメシ!メシ!
お湯を沸かそうとEPIのガスバーナーに点火したが、なかなか沸騰しない。
ガスが無いのか?と、振ってみるが沢山入っている。
あららっ...。ガスカートリッジはレギュラーを持ってきてしまってたのだ。
エキスペディション用かウィンタースペシャルでないと冬は辛いのである。
気温を見たら”0度”ちょうど。(T_T)
仕方なく、焚き火をしようと持ってきた、ユニフレームのネイチャーストーブをザックから取り出した。
前々から準備しておいた、乾燥させた”松ぼっくり”と枯れ枝を燃料にお湯を沸かし、スープと餅を焼いて食べた。
もたもたしてたら辺りが暗くなってきた。
山頂にテントを張る 夜景が綺麗だった
テント設置完了!!
左にあるのはスノーシュー
だよ
展望台からの夜景
霞城公園はどこ?

ヘッドランプを点けちょろっと散策してから展望台に戻り、
夜景を見ながらスキットルに入れたバーボンを飲んだ。
上杉軍の監視役のつもりで山形城址を探すが全然わからない(*_*)
どの位ぼんやりし見ていただろうか、寒さがきつくなったので寝袋に潜り込む。
今回購入した寝袋はさすが暖かい。でも、顔を出しているので顔だけが寒い。
イヤーバンドとバラクラバを合体させたようなモンベルのネックゲーターすっぽりと被り、
本を読んでいたらいつの間にか寝た。

トイレに行きたくなった.....。けど寝袋から出たくない.....。
膀胱と相談したら限界だというので気合いを入れて外に出る。
今回はソレルのカリブを履いてきたけど、アウターは外に出しっぱなしだったのでガチガチになっていた。
(注:インナーはテントシューズに。)
履くのに苦労し漏れそうなのを我慢して、ようやく所定の場所で放物線を描く事が出来た。
長〜く息を吐き、無事終了する。やっと解放されたので、落ち着いて辺りを見渡した。
町の灯りはすっかり消え、月がぼんやり照らしている。さっきまで遠くに聞こえていた町の雑踏も今は聞こえない。
「あぁ〜静かだなぁ。」と声に出してみても、辺りの闇と雪に音が吸収されていく...。本当に静かだ。
小雪が舞ってきたのでそそくさとテントに入る。
今度はカリブのアウターを亀の子たわしで雪を落とし、大きなビニールに入れテント内に入れてやる。
テルモスのお湯でお茶を入れ、冷えた体を温め、また眠りについた。

寒さで目を覚ます。
テント内の空気が痛いように冷たい。気温が気になって温度計を見たらマイナス5度と表示。
飲みかけのお茶が凍っていた。(寒いわけだぁ...。)
バーボンをグビグビっと飲んで、寝袋の周りに荷物を寄せ、また寝る。

今度は気配を感じて目が覚めた。 な・なんだ?(@_@)
明るくなり始めていて時間は5時半。
恐る恐るテントのテントのジッパーをあけ、外の様子を見る。
おじさんが展望台にたたずんでいた。「おはようございます」と声をかける。
聞くと地元の人で、天気の悪い日以外毎朝登っているそうな....。
「泊まったの?ここに?寒かったべ?」などと聞かれ、話をしてるうちにすっかり目が覚めてしまい、
もう一度寝る気にはなれなかった。

朝食の山菜おこわを食べてると、次々と早朝登山の人達が来た。(寝ていたらカッコ悪かったろうなぁ(^^;))
いでたちは、アノラックを着てジャージのズボンに長靴と、とてもラフな格好...。(私の格好は何?)
何度も「泊まったの?ここに?寒かったべ?」と同じ質問をされたので、何度も同じ答えを返した。
ここにテント泊する人なんていないんだろうなぁ。中には「うらやましい」と言う人もいたけど本当に思っているのかな?
また、早朝登山の常連さん達はスノーシューを見るのが初めてらしく、まじまじと見て「何すンだぁコレ?」と聞いてきた。
「西洋式かんじき」と答えたが、「?」だったようだ。
「履いてみる?」「うん。うん。」と頷いた。
歩き回り「はは〜ん。」と言う感想をもらう。
連れの人達も履いてみたいというので、急きょ「スノーシュー試履き会」を行う。
ふ〜ん。だとか、ほぅ〜だとか、似たような感想をもらして帰っていった。
テントにうっすら雪化粧 船の先端にいるみたいデス
朝6時。うっすら雪が積もった。
うぅ〜、さぶっ。
まるで船の先端にいるみたい展望台
(気分はタイタニック?)
落ち着いたところで撤収を始めた。
テントの下の雪は、私が寝た跡がくっきりと凹んでいたので思わず笑ってしまった。

帰りは長靴でも行ける道をスノーシューを履いて下るのでした。
途中、2メートル前に2羽のキジと遭遇。急に飛び立っていったので驚いた。
鳥そばが食いたくなった。


冬のバーナーは、やはりガソリンストーブの方が良いのだろうか、
プリムスのマルチフューエルバーナー(EX-MFS)のようにガスも液体燃料使用可能なタイプが
EPIからでれば迷わず「買い!」なんだけどなぁ...。
とりあえずはMSRのドラゴンフライを狙ってる今日この頃です。

当時のデジカメはバッテリーの持ちが悪く(寒いせいもあるけど)画像数枚しか撮れなかった(残念)


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