2004.01.17

 龍王洞
日にち 2003年11月3日(月)
メンバー 尾崎氏、やっさん、のりちん

以前から、『黒伏山の北西にも黒伏山があり、その山腹には龍王が隠れ住んだとされる
謎の洞窟がある。』という話は、噂で何度も耳にした事があった。

一般的に呼ばれる黒伏山は正式には観音寺黒伏山で、洞窟がある方は沢渡黒伏山と呼ばれており、
山頂までの登山道はなく、知る人のみ行くことが出来るらしい。

知り合いの尾崎氏は、オールシーズンこの山に入っている地元の山の会所属のベテランさん。
前々から「行きたい♪」とお願いしており、ん年振りに決行が決まった。
今回初めてお会いするやっさんは、尾崎氏と同じ山の会に所属しているが、龍王洞は初めてだそうだ。
アプローチの遅沢林道もなかなか良い感じ!念願の龍王洞へ入れると思うとワクワクしてくる



黒伏神社の鳥居 黒伏神社 見落としそうな入り口
黒伏神社の鳥居がスタート地点 間もなく神社に到着 龍王洞入り口


林道奥には黒伏神社の鳥居があり、車が数台止められる。しばらく歩くと黒伏神社に着く。
ここから先は、目印の赤テープが所々にあるものの何とも頼りない道となる。
沢沿いの道からは急斜面の連続!鎖がなければ登れないほど。手が離せないので写真はナシです(笑)


高度を稼ぎ、標高約800m程の「岩場のテラス」に出ると、そこが龍王洞の入り口であった。(上右の写真)
写真ではよくわからないかもしれないが、これ以上後ろへ下がると崖から落ちちゃうんですf(^_^; 

ザックを置き、ヘッドランプ(久しぶりのミクロ)を装着して、いざ!

おぉ〜い!誰も居ませんかぁ〜? 逆立ちで寝られるコウモリはエライと思ふ。 銅製で高さは約50cm
暗いです。狭いです。 コウモリ発見♪(拡大 龍王殿の社


小さな入り口からやや下降気味に進む。先頭はのりちん。次にやっさん、しんがりは尾崎氏。
高さは約8mほどなのに、幅はヒトひとり通れるのが精一杯。洞内ですれ違うのは無理。
龍王殿と呼ばれる社がある参拝所までは約30m。
さらに奥へも行けそうなのだが、ここから先は行っては行けない事になっている。
何でも、あの世へ続いているとかで、引き返す習わしらしい・・・・・。


龍王が擦ってあとか!? 狭いんです。 ホッとする・・・f(^_^; 
辺りの石は黄金色に光っていた。 帰りは「回れ右」で戻る 陽の光が見えると出口はスグ


"龍王"の名前からは、黄金色に輝く龍のイメージが膨らむ。この洞窟をウネウネと龍王殿をネグラにしていたのか?
辺りの岩は、まるで龍のウロコが擦れて付いたかのように黄金色に光って見えた。

すれ違う事が出来ない洞内は、当然そのまま「回れ右」をして、のりちんがしんがりとなって戻る。


ぷち感動♪ 気持ちの良い所です! ロープワーク その1
観音寺黒伏山の北側 2番目の「岩場のテラス」 下りは慎重に!


目的の龍王洞をクリアしてからは、山頂を目指し再びザックを背負い相変わらずの急斜面を登る。

南に観音寺黒伏山が見える。今まで南壁側からしか見たことがなかったのでプチ感動であった(笑)

2番目の「岩場のテラス」に着き小休止。
乗ってきた車が蟻のように小さく見えた。見晴らしも良く
、吹き抜ける風が気持ち良い。
さらに登りは続くのだが、しばらくして"やっさん"が膝の不調を訴え尾崎氏の判断で下山する事になった。

ロープワーク その2 ほとんど垂直!(^◇^ ;) ほぇ〜 お疲れ様でしたぁ
テキパキ作業する尾崎氏 龍王洞直下 ゴールの鳥居


上り以上に急斜面の下りはビビる。尾崎氏のmacpacからザイルが取り出され安全確保しながらの下山。
普段、本を見ながらのロープ練習しかしていないので、ベテラン尾崎氏の生のロープワークを見て興奮する
カラビナやシュリンゲなんて持ってるけど初めて使いましたよ(笑)
急斜面も沢まで降りればひと安心。黒伏神社で小休止してから車まで戻る。

沢渡黒伏山 美味い水です♪
沢渡黒伏山容 オトコ清水


(左)帰路の遅沢林道途中で沢渡黒伏の山を望んだ。

あの辺りが洞窟なのか?もう少しで山頂まで行けたかな?などと名残惜しむように見つめた。

(右)地元の人にもあまり知られていないというオトコ清水。
(こちらも林道途中)
手ですくって飲むと冷たくて美味かった。
・・・と同時に、忘れられていく運命の清水なのか。ちょっとした重みを感じずにはいられなかった。


●黒伏と名の付く通り、昔は修験道のお山だったようで1300年もの歴史があるそうだ。
「山形・、村山地方の伝説」(武田正著・東北出版企画)によると、
黒伏山を開いたのは道知方印という人で、この法印のご神体が洞窟一番奥に鎮座しているらしい。
・・・その昔、このご神体を拝もうと、信仰に厚い、源治法印という人と、利吉法印という人が、
それぞれ穀と塩を七日断ち精進した後に洞窟へと向かう。途中で村人2人が「どこかにお参りに行くなら一緒に
連れて行ってくれ」と頼む。精進もしていないので連れて行けないと断るのだが
「信仰心は法印様に負けない」と言い張るので仕方なく連れて行った。
洞窟をそろそろと入っていくと、しばらくして穴口があり、さらに進むと広場がありそこから急に狭くなった。
道が三つに分かれたが、真ん中の道を行けと言われていたのにそこは石がふさがっている。
もっと進むと、同知法印が金の杖を持って立っている・・・と思ったとたん、まばゆい光で目がくらくらしたが、
光が納ると、そこになにやらぶらぶら下がっているものがある。よく見るとそれは竜の尻尾であった。
もっとおくまで進むつもりだったが、ついてきた村人2人は体が震え、足が立たない。仕方なく麓の神社まで戻った。
村に戻ってから村の人たちに法印の顔には3本の爪痕がある言われて、顔をこすると3本の傷があり痛むのだった。
「あの洞窟に住んでいる竜からひっかかれたんだ。」それから村の人々は洞窟に近づくものはなくなったという。
だがその竜は龍神様であろうか、それとも同知法印を守る使いのものか。
それ以来、洞窟を竜王洞と呼び、黒伏山には麓の神社で参拝することになったという。

●ここにでてくる穴口と呼ばれているのが、おそらく龍王殿ではなかろうか?
この先かなり奥が深そうだ。行ってはイケナイと言われる奥へはさすがに行く勇気がないが、
ホントに道が三つに分かれているのか、その先はどうなっているのか。気になるところだ。
今となっては同知法印がご神体なのか、竜王がご神体なのかよく分からないが、伝説は神秘的だからこそ良い。

●山頂を踏めなかったのは残念だったが「やまがたの50山」(坂本俊亮著・みちのく書房)のコラムにも
洞窟と山頂までの様子が載っており、(沢渡黒伏を蝙蝠妖怪山と呼んでます(爆))
撤退したところからはまだまだ急登が続きそうだ。いつかは山頂から藪こぎして白森〜観音寺黒伏山と周遊してみたい。

●尾崎さんの案内がなければ、龍王洞へは無理ッス。ありがとうございました(^∧^) 
また、ロープワーク等大変勉強になりました。またご一緒出来ればと思います♪


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