記事No | : 2371 |
タイトル | : 親不孝子不孝 |
投稿日 | : 2015/05/29(Fri) 17:46:06 |
投稿者 | : 桃青 |
江戸時代の瓦版に、
長屋の夫婦が素行の改まらない息子に悲観して縊死したという記事。
夫婦は真面目に平平凡凡と暮していたが、息子は子供のころから今で言う不良少年。
「今にきっと立ち直ってくれるに違いない。」と夫婦で励まし合っていたが、息子はだんだん悪くなり其処此処に不義理を重ねるようになった。
「このままではいけないと思う。潮来で仕事を世話してくれるひとがいる。思い切って江戸を離れてやり直したい。」という息子のためになんとか路銀を工面して送り出した夫婦。
しかし、潮来で仕事とは真っ赤な嘘。ヤクザの仲間に入るために潮来へ行ったことを知った夫婦は落胆して「もはやこれまで。もうどうにもならない。」と悲観して心中した。
今もまた同じような親子は日本に数多くいるだろう。
たまさか事件になると江戸時代の瓦版のように報道されるだけである。
親を厭う子も苦しい。
子に厭われる親も苦しい。