第1話 「サラリーマン刑事と最初の難事件」


「和久さん、俺ちょっとやる気でてきちゃいました。」
「青島です。都知事と同じ名前の青島です。」






脱サラして警官になった青島俊作は、刑事ドラマであこがれた刑事として湾岸署に赴任した。
到着早々に殺人事件が起こり、やる気満々の青島は、次々と現実の壁にぶちあたる。そこはサラリーマンと変わりない世界だった。被害者の娘に厳しい態度であたる本庁の室井、やる気のない所轄の刑事たち。
戸惑うばかりの青島。
殺人事件の犯人が自首した。それは昨日青島が不審者として事情聴取した田中文夫だった。
「君も刑事になればよかったのに」
「そっちも刺激ないんでしょ?」
「あるよ。毎日ドキドキしてる」
「そう、いいな。頑張ってね」
その姿に、刑事も悪くないと思いなおす青島。
被害者の娘・雪乃の病状を話そうとする青島に、「事件は解決したんだ」と、クールに去っていく室井。




記念すべき青島俊作登場の回。
サラリーマン化した刑事の現実や、さまざまなエピソードの伏線がまんべんなく語られている。
青島を手玉に取る生意気な小学生窃盗犯として、青島役の織田裕二とは「お金がない!」で弟役として共演した森廉が出演しているのをチェック。
「踊る」最大の謎・真下の受験勉強、魚住係長の健康診断ネタ、袴田課長の接待ゴルフで、刑事のサラリーマン化を端的に表わす君塚脚本はスゴイ。
すみれの「後ろを歩かないで」がこれからの展開を楽しみにする。
入門篇としても、「踊る」の将来を暗示する導入としても、なかなか素晴らしい第1話である。




この第1話、初めて見たときは不思議な感じがしたもんです。
はじめの警務課長あいての模擬取り調べのシーンなんかは、「そうそう、刑事ってのはこんな感じ」って見てたら、次のシーンではいきなり「主人公は脱サラ」とくる。
おでん万引き野郎とか、パトカー出すのに書類がいるとか、青島じゃないけど「アラ?」って。
でも、その意外さに引き込まれたってわけだ。
「こんなの今までなかった」って、変わり者のニョロとしては嬉しかったっすねえ。
って言っても、初回放送当時は存在すら知らず、再放送で見たのが最初。
こればっかりは悔やまれるっす。
そしてどんどん引き込まれ、終にはこんなサイトを作っちゃうまでに至る、記念すべき踊るの第1話。
面白いを超えて、宝物の1話だね。

(第2話)

(ツボインデックス)

「警察はアパッチ砦じゃない。会社。」
「警察に協力するのは市民の義務だ。」