第8話 「さらば愛しき刑事」


「科学捜査優先するなら、もう俺はいらないだろ。」
「その前に刑事も必要だって入れとけ。」






管内で殺人事件が発生し、本店からプロファイリング・チームが派遣されてきた。
和久が聞き込みでつかんだ被疑者らしき男の報告をするが、プロファイリング・チームの
分析した犯人像と違っているため却下された。刑事を軽視する本店の方針に怒った和久は有休をとって捜査から外れてしまう。内心寂しい想いの和久だが、「俺は天然記念物じゃねえ」と一人、足で調べまわる。
プロファイリングの犯人像と一致する渋谷優太と、和久が調べていた久保田稔。
プロファイリングに頼っていいのか、刑事の捜査を軽視していいのか、悩む室井は結局両者の任意同行を命ずる。
久保田を取り調べる青島。青島の追及に興奮した久保田を和久がなだめると、「あんたにだけ話す」言い出す。しかし彼が自供したのは空き巣だった。
続いて渋谷優太をプロファイリング・チームの3人が取り調べることになった。いきなりポリグラフをとりつけ、小バカにするような態度の3人。「君は小さいときに苛められたとか、暴力を受けたのがトラウマになって・・・」
その横柄さにカッとなり暴れ出す渋谷。
青島はとっさに和久の真似をし、渋谷の自供を引き出した。
「やっぱり最後は和久さんいなきゃ。」 「事件には休暇なんてねえ。なんてな」と和久に声をかける青島。
「てめえら、俺がいなきゃなんにもできねえのか」と元気に捜査に出ていく和久だった。




冒頭の社会見学のシーンは必見。制服姿のすみれさん、袴田課長や魚住達の子供が登場する。
「奥さんフィンランド人なんです」衝撃の事実発覚はこの回。前回の佐戸井氏のアドリブ「フィンランド語ならちょっとイケるんだよ」を既に取り入れている。
早くも新聞記者「ナカムラちゃん」という情報源を作って自分なりの捜査方法を展開している青島。
この回はゲストが多彩。「ナカムラちゃん」の梨本謙次郎、久保田稔の石塚英彦、空き巣被害者の西秋愛菜、プロファイリング・チームの袴田吉彦と山下徹大。
捜査会議でプロファイリング・チームの刑事不要論に反論する青島の肩を、賛同するようにポンポンと叩いて行く他の署の老刑事たちの姿は胸に迫る。
「刑事も必要だっていれとけ!」とプロファイリング・チームに言い放つ魚住係長がカッコイイ。
すみれの担当の空き巣の被害者の女の子の世話を手伝うことで、警察官になる決意をした雪乃の姿にも注目。ちなみにフライングディスクで遊ぶ雪乃たちの様子も見逃すな。ピーポー君ディスクを投げながら「しりとり」をしている。
全体に、科学捜査優先の捜査にとまどう和久や、そんな和久を想う青島、科学捜査と刑事捜査の狭間で悩む室井、警察官の仕事に心を動かされる雪乃、など「登場人物の心情」をじっくり表現する澤田監督の演出が泣かせる。




「これからは科学と手を組むべきだと思います。でも俺たちは機械だけでなんか捜査したりしません。絶対に」 く〜っ、カッコイイですねえ。時代遅れでもなく、最先端かぶれでもない青島くんの姿がいいですねえ。
渋谷優太の取調べで、彼を締め上げ自供を迫る室井さん。
あれは本当に青島くん達の影響を受け興奮しての行動か、それともとっさに「締め上げ役」を演じたのか。
どちらにしろ室井さんがそれだけ青島くん達の仲間になっている証拠にみえて嬉しかったりする。

(第9話)

(ツボインデックス)

「いただいちゃいました。」
「警察官になるにはどうしたらいいの。」