「秋の犯罪撲滅スペシャル」


「俺たちは、もう信じてやっていけないんですか。」
「俺が守るって、約束したよね?」






潜入捜査で営業の腕を発揮しつつ、無事犯人を逮捕して署に復帰した青島。湾岸署は制服支給日でおお賑わい。
放火殺人未遂事件が発生し、張り切る青島だが、あっけなく犯人は逮捕された。裏付捜査で新城にいびられる青島はぐったり。ところが被害者の恋人・相良純子が金で放火殺人を依頼したのだと自供する犯人。空港で捕まった純子を護送に行った青島とすみれは、途中立ち寄ったドライブインで強盗事件に遭遇。そのどさくさに純子に逃げられてしまう。
捜査を外されるふたり。純子が暴力を受けていたのを知っていたすみれがわざと逃がしたのではないかと疑う上層部は、主席監察官となった室井にすみれを徹底的に調べるようにと命じる。青島たちを信じる室井は、すみれの身辺捜査を敢えて青島と和久に命令する。自分との約束を守るためだと室井を信じた青島たちはすみれの潔白を証明しようと尾行を開始するが、却って不審な行動を目撃してしまう。尾行がバレた青島はすみれを問い詰めるが「仲間を信じられなくなったらお終いね」とすみれ。すべてを室井に報告することは出来ない青島。それを知った室井はすみれへの電話を盗聴する。
純子がすみれに接触してきた。自首を勧めるすみれは夜に会う約束をする。一方青島たちは被害者の純子への傷害を立件しようと奔走、逮捕する。夜、約束どおり現れた純子を突然現れた新城たちが取り囲む。憤るすみれ。そこへ逮捕した男を連れ 「ふたりを平等に取り調べると約束してくれ」と新城に迫る青島。「すべては室井さんの指示だ。おまえらを売ったんだ」と新城。そして「君たちを処分する」という室井。
「俺たちはもう信じてやっていけないんですか!」と叫ぶ青島の声を振りきり、ただ前を見据える室井だった。
「警察に未練はない」と辞めようと決めたすみれを、湾岸署の仲間たちが待っていた。「俺は結構好きだよ。俺たちの警察」と青島。その姿に「もう少しやってもイイかな」と思い直すすみれがいた。




すみれスペシャルである。いろんな表情に、住んでるアパート、父親の声まで大公開。
婦女暴行オヤジの島田洋八、消防の萩原流行、放火犯の宮藤官九郎、相良純子の大塚寧々などゲストも多彩。青島の情報屋としてTVシリーズで登場した真行寺のオバさん、ササキノリコ、「××倶楽部」の店長らが再登場する。
冒頭の陶芸教室で作られた袴田課長の「ジョッキ」の運命がサブストーリーとして楽しめる。真っ先に壊したのが青島であるというのも「らしい」。ジョッキが砕け散った瞬間、笑顔になる面々の中に見られる「七高そば」の出前持ちは、火事現場にも、MOVIEの団地にも姿を見せる。
無理やり作られた真っ赤な背広を着たホストクラブでの青島は、どこから見てもルパンそのもの。
放火犯の部屋から押収したビデオテープのチェックのシーンはなかなか楽しい。途中に挿入される東海林Pによる生活安全課の仕事ぶりも味がある。「あしたのジョー」や「東京ラブストーリー」に見入るみんなの姿。「東ラブ」終了後のカエル急便のCMを見逃すな。そして「なんか、ハッキリしない男っすねえ」と言い白い目で見られる(ハッキリしない男を演じる)織田裕二にも注目。
制服支給の列に並ぶメガネの男はMOVIEでも登場。この男、実は・・・・・・。




MOVIEへの前振りを兼ねたシリアスな秋SP。
「営業マン」バリバリの青島が見られるのも嬉しいし、シリアスなテーマのわりには笑いどころも満載で楽しめます。長い台詞を一気にまくし立てる萩原流行さんはさすがの存在感です。「燃えてません」にも笑えます。
すみれを見守る青島の切ない表情がいいですねえ。
個人的にはナンダカンダ言いながらスパイのように立ち回る真下くんが結構気に入ってます。
湾岸食堂の「デート」のシーンもいいですね。是非一度「海の幸のグリル・ガーリックライス添え」をあのカウンターで食べてみたいもんです。
このSPは放送版・完全版・完璧版がありますが、完璧版のみ収録の「豊洲の空き地でライターを探す青島と緒方のやりとり」が楽しいです。

(Movie)

(ツボインデックス)

「和久さん。室井さんの力になりたいんですよ。」
「俺たち現場の人間には感情があるからです。」