御所掛野郎(1995GW・東北)その1(携帯版)
GWを心待ちにしていた矢先、無情にも舞い込んできたGW前半の出勤命令!
しかも山形出張!!
そ・そんなぁ・・・・
よぉしっ!それでは行き先は東北に決定!!
しかも、フル装備のバイクで向かうのだぁぁぁ!!!!
☆出発!
テントやナベカマ類を積み込んで東北道へ。
誰が見ても出張に向かうサラリーマンには見えまい。
でも、翌日からは山形での仕事が待っている。
お願い!!今日だけは旅のライダーでいさせて!!
と言う訳で、林道にだって入っちゃうのだ。
さっそく安ヶ森林道に。
快適に峠を登り詰め、いよいよここから「みちのく」だぁ!!って・・・
ゲゲゲゲ!!
み・見てはイケナイものがぁ!!
雪崩の残骸の様な雪が、完全に道を塞いでいやがるぅ!!!
☆ただいま出張中!
結局、何とか気合で突破して会津側へ。
嗚呼!!仕事の為にはキケンを省みない愛社精神!!
なんか歪んだ考え方だけど、とにかく越えちゃったのだ。
喜多方でラーメンなどを食い、山形のビジネスホテル入り。
さすがにテントから客先に通う訳には行かないのでホテルを取った訳だけど、まあ、宿泊費は会社持ち!!
バイクや荷物はホテルに置きっぱなしにして、客先にはタクシーで通う。
そんな日が3日程過ぎ、いよいよ仕事の最終日!!
今日は終わり次第、そのまま東北ツーリングの始まりだぁ!!
という事は、今日はフル装備のバイクで行かなければならない。
まあいいや。
先方だって基本的には連休中、エラい人は出てこないだろう。
客先に到着。
荷物を降ろす訳にはいかないので、路上駐車は避けたい。
守衛小屋に行き
「すいません。今日はバイクで来ちゃったんですが、敷地内に置いてもいいですか?」
「いいよ!!駐輪場にでも入れとけば!!」
アッサリとお許しがでて、バイクを押して入り込む。
デカ荷物のバイクを見て、明らかに驚きの表情を見せる守衛!!!
☆運命の田沢湖
夕方、やっと釈放!!
晴れて自由の身に。
キャンプを繰り返して北上するに連れ、夜の寒さが五臓六腑から海綿体にまでしみわたる。
鳥海山では氷点下に震え、田沢湖スーパー林道も積雪にスタックして引き返す。
そして田沢湖キャンプ場に。
八戸から来たカタナ乗り、みちのく兄貴&同じTWに乗る温泉フリーク八九朗
らと3人で宴会。
みちのく兄貴はしょっちゅうここに来るらしい。
(以下、標準語に翻訳)
「夏に、大勢でここでキャンプ宴会したらよう!一人が酔っ払って、『素っ裸で田沢湖一周するっ!』
って言うんだよ。マジで全裸になってバイクに跨ったんだけど、エンジンもかけずにそのまますぐに戻って来たから、てっきりウケ狙いのギャグは終ったかと思ったんだ。そしたら『オフ車だから、ハダシだとステップが痛い』
つって、ブーツだけ履いて走っていっちゃった。後で聞いたら、半周した辺りで我に返ったけど、もう行くも帰るも同じだったってさぁ」
翌朝、体中がヒエヒエである。
これは温泉に浸かって暖まるしか無い。
候補としては 「玉川温泉」か「御所掛温泉」なのだが、温泉フリークの勧めに従って御所掛温泉に。
これが運命の分かれ道だった。
☆やられた!
御所掛(ごしょがけ)温泉。
八幡平の西側に位置し、色々なタイプの風呂(泥風呂・蒸し風呂など)が売り物で、湯治場もあり。
昼頃に到着して入浴!!
いやぁ!何はなくとも温泉ですなァ!!
風呂を満喫し、さっそくルービーでも!と思ったら・・・
な・な・無いぃぃ!
脱衣籠に脱ぎ入れたGパンが無い!!
当然、ポッケに入っていたサイフ・免許証入れ・バイクのキーも運命を共に・・・・
そう。
遠い空の下、一円の金も無く・身分を証明するものさえ一切無い人間になってしまったのであった。
脱衣場にいた係りのおじさんに言うと、
「わしに言われても・・・フロントに行ってくれ」
「そんな事いったって、パンツのままじゃ行けませんよぉ!!」
おじさんは何処からとも無く浴衣を出してきてくれ、それを着てフロントへ。
「ケ・ケーサツを呼んでくれぇ!!ドロボーだぁ!!」
「判りました。でも山の中だから、来るまでに2時間位かかるよぉ!」
いつまでも浴衣って訳にもいかないので、バイクの所へ着替えのGパンを取りに行く。
しかし・・・
浴衣姿でバイクの荷物をゴソゴソといじっている我が姿、人から見たらアヤシさ100%ではないかぁ!!
☆ケーサツ登場!
やがて二人の刑事が登場!
調書を書いた後に現場検証、一緒に脱衣場に。
「脱衣カゴを置いたあたりを指さして!」
記念写真ではないので笑顔という訳にもいかず、しゃがみこんだまま神妙な顔をして、そのあたりを指差す。
2~3枚の写真を撮るうちに、次々集まる野次馬!
早くカード類をストップせねば・・
しかし何処に電話すればいいかが判らない!
電話代だって無い!!
ケーサツがテレカをくれる。
それを使い、104に掛けてみる。
かなりタライ回しの末に、やっと手続き終了!!
次に、ケーサツが保証人になってくれて、地元のJAFが合鍵を作ってくれる事に。
ケーサツって、自分が被害者の時には、とっても頼もしいのだ!
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