花冷え(2000GW・九州)その2(携帯版)


「ここでっしゃろか?」
それらしいキャンプ場に到着。
なんか想像と違う。
石垣に囲まれた、巨大な城のような雰囲気!広大な敷地!
たしかに、別の意味ではタダナラヌ気配ではあるけど。
そんな大庭園の中を迷路の様に走り、サイトに到着。
情報通りに、かなり手入れされている。
しかし、すでに10人くらいの先客が、広いサイトに点々とテントを張っている。
「どこが幽霊キャンプ場ですねん。サワヤカでんがな!!」
「そ・そうかなあ・・なんかタダナラヌ雰囲気が・・・」
「まだ明るいからだっぺ!勝負は暗くなってからっぺよう!!」

オロオロとテントを張る、我らがゴーストバスターズ。
そこへ、妙に髪の毛をペッタリさせた、タク系ライダーが
「こんにちは。もう受付しました?」
「ドキッ!」「ドキッ!」「ドキドキッ!!」
「あのお城みたいな所ですよ、早く行ってきなよ。420円。安いよね」
な・なんだコイツ!!
安いか高いかキサマにゃ関係無いだろう!!
情報では、無人で無料のハズだったのに・・・・
タダナラヌ男の出現に圧倒され、しかたなく受付に向かう、ゴーストバスターズの二人。
(と言うことは、一人は行っていない。誰でせう)

夜。
確かにタダナラヌ雰囲気となる。
ただし、邪悪な雰囲気とは違う意味でだけど。
集まる事無く、ポツリポツリと飯を食っていたライダー達、夜8時には次々と寝てしまう。
なんかキミタチ、おかしくないかい??
楽しもうぜぇ!飲もうぜぇ!!!
「邪悪どころか、健全すぎますねん!!」
「確かに。フツー、こんなに静かな訳がないよねぇ・・・」
ところが!!!!
「おらも寝るっぺよう・・・」
おおっ!ゴーストバスター3号!!
キミもあちら側の人間だったか!!!

まったく何事も無く一夜が過ぎ、7時に起きれば、残っているバイクはTWとSRVだけ。
「何も起こらなかったですねん」
「カ・カエルが一晩中うるさかったねぇ!情報元のシトは、これで一睡も出来なかったのかなあ・・・」
「んなアホなぁ!!ムチャクチャ良く眠れましたがな!!」

こうして、我らがゴーストバスターズは、何の活躍の場のカケラも無いまま解散の時を迎えたのであった。

(情報者の朱蘭に確認したところ、そのキャンプ場はここでは無かった事が判明)


人吉を出発して白髪山の近くの林道を走り抜け、鹿児島市内のバイク屋に立ちよってオイル交換。
1900円也。
作業を見ていると、店の常連らしい、峠コゾー系のアタマワルそうな男が
「東京からっすか!!大変ですね。何日かかったんすか?」
よくあるパターンで、みな陸走だと思っているらしい。
「東京にも、走り屋は居るっすか?」
「あちこちの峠にいるよ」
「やっぱり東京のレベルは高いっすか?」
典型的な地方コンプレックスが漂う質問である。
でも、キミの走りなど見ていないから判る訳が無い。
「ピンからキリまでじゃないの」
すると、それには答えずに
「バイクで長旅っていいっすね!僕にはそんな勇気は無いっす」
「走るだけじゃなく、いろいろあって楽しいよ」
ここで、店のオヤジが乱入。
「オマエみたいに、峠でバカやってる勇気こそ、フツーのシトには無いね!」
「そ・そうっすか??」
なぜかウレシそうな顔を浮かべる峠兄ちゃん。

金髪に染めたアタマの中から、一生懸命に一つ一つ言葉を選ぶような標準語で、まだ見ぬ都会へのあこがれをみなぎらせているのであった。

彼のバイク人生に幸あれ!!!

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