花冷え(2000GW・九州)その3(携帯版)
一人で人吉ループの旧道ダートを探索し、えびの市内に戻ってくると留守電が。
「指宿の近くに感動的なテン場を発見して、前日から滞在している。来なさい」
との事。
何が感動的かは判らないけど、感動出来るなら感動するに超した事は無い。
正体不明の感動を求めて、指宿を目指す。
辿り付いたのは、開聞岳近くの山の山頂。
そこに広大な芝生地帯が有ったのだ。
目の前には開聞岳、そして薩摩半島が地図どおりに見える!
確かに感動的な眺めである。
キャンプ場では無いので水が無いのが残念だけど、それを差し引いてもオツリが来る様な眺望である。
満天の星、クッキリ見える天の川、眼下には地図どおりに広がる夜景!
何一つとっても感動的な光景なのだけど、いかんせん風が強い!
従って寒い!
気温自体は低くは無いのだろうけど・・・・
凍える寒さにルービも進まず、暖かい寝袋に入っている我が姿の光景が脳裏を行ったり来たり。
たまらず、土産物屋(?)の残骸(?)の建物の中に逃げ込む。
おおっ!!こりは暖かい!!
よォしっ!飲むぞォ!!
そして・・・・・・
お約束の飲みすぎ。
当然、朝からアタマはガンガンである。
予定していた、コシキ島行きのフェリーに乗れる気配は全く無く、撤収が13時過ぎになったのは言うまでも無い。
午前中のモウロウとしたアタマで、
「今日はえびのに行くぞぉ!!!」
などと叫んだ際には、過去に必ず苦しんだ寒さに対する学習能力が発揮される訳も無く、えびの高原に向かって走り出すのであった。
えびの高原。
恐らく、九州で一番寒いキャンプ場であろう。
それを経験的に知っているというのに、寒さにヒクヒクと凍えているだけでは余りにもアホである。
当然、レンタル毛布・薪などを用意しての完全武装したのは言うまでも無い。
がっ!!それでも寒いのである。
みんなで囲む焚き火とは別に、自分専用のプチ焚き火まで現れ・・・
それでも数名は、あまりの寒さにキッチリ眠れなかったらしい。
おそるべし!!えびのの冷え込み!!!
再び坊中に到着。
サイトはすごい大混雑で、先日の雨の時とは大違い!
まるでレッドバロンの様に並ぶバイク・・・・
次々と現れる豊田組の面々。
さらに近くに居あわせたライダーを加えての宴会、これが少しヘンなのである。
何がヘンって??「他力本願」がモットーな豊田組、誰もランタンを持って来ていないのだ。
従って、遠くから見ると誰も居ない雰囲気の暗がりに、実際にはウジャウジャいるのである。
まるで怪しい宗教の暗闇修行のような状態!!
近くを歩く人が、あきらかにギョ!!っとしているのが判るありさま!!
そして翌朝、坊中を後にして、やまなみハイウエイを目指す。
九州ツーリングの醍醐味とまで言われる道、何度通ってもワクワクするのだ。
ここのPA風休憩所で一休み。
そういえば今日は5月5日の子供の日、売店から流れる「こいのぼり」の歌を何回も繰り返し聞かされて、宗谷岬や富良野を思い出す。
宗谷や富良野の、ゆったり系の曲でさえ耳に残って仕方が無い程なのに、なにせこちらは勇ましい曲すぎる!
たまらず逃げ出し静かな山村の道を走り出したというのに・・・・
気が付けば、「こいのぼり」を口ずさむ自分に気が付く。
ひたすら北上のツモリだったけど、ちょっぴり寄り道して西を目指す。
目指すは久留米。
久留米といえば『とんこつラーメン』なのだ!!
博多が元祖みたいに言われているけど、発祥の地は久留米であると聞けば食いに行かねばなるまい。
道路標識を見たら「久留米まで97km」!
こ・こりはちょっぴり寄り道のレベルでは無い!
でも遅いのだ。
アタマの中は既にラーメン化してしまったのだ。
舗装路ばかりの苦節2時間半、遂に久留米市内に突入!!
最初に目にしたラーメン屋はチェーンらしく、何処にでも有ったような気が・・・・・
パス。
それにしてもラーメン屋が少ないというより無い!!
こりはいったい・・・・
程無く発見したラーメン屋、敷地も店構えも広いけど、コキタナさを感じるぞぉ!!
どうしよう・・・・・
おっ!!!駐車場にタクシーが3台も停まっていて、運ちゃんらしき集団が食っている!!
こりは旨いに違いはあるまい!!
「タクシーの来る店は旨い」という定石が有るではないか!
店に入るなり、強烈な臭い!!
まさに糞尿系!!
し・しまったぁぁぁ!
東京でも一回、強烈トンコツを食った際にニオイに負けて食い切れなかった敗歴があったのだ。
速攻で店から逃げ出そうとした矢先、
「いらっしゃあああああいっ。ご注文わぁぁ!」
爆発的な叫び声!!
んもぉ大音響の「こいのぼり」どころでは無い!
「おらぁ!!とっとと座って注文しやがれ!」
とも聞こえてきそうな勢いに、思わず
「ラ・ラーメンひとつぅ・・・」
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