花冷え(2000GW・九州)その4(携帯版)
メニューには「ラーメン」としか書いてなかったけど、当然の様にトンコツラーメンが運ばれてくる。
細くて硬いストレート麺、キクラゲと焼豚の簡単な具、レンゲが無いのは「替え玉」がフツーの九州系ラーメンならではですな。
ところが・・・
ん・んまいではないか!!
臭いなんて、一瞬にして気にならず!
チャーシューも、いわゆる煮豚ではなく焼豚だぁぁ!!こりもんまい!
替え玉を頼みたいのをグッとこらえ、スープを一気飲みして店を出る事にする。
なぜって??そりは・・・・
そう。これから北に40km、博多ラーメンと食べ比べしなければならないのだ!
「久留米VS博多トンコツ勝負、勝者を決めるのはこの俺だぁぁぁ」
などと心は勇ましく、気合を入れて店を出る。
久留米の味はキッチリと舌に刻み込んだぜぇぇ!
「ありあとございましたあぁぁ!」
ドキドキドキッ!!ま・またもや爆音攻撃!!
それはまるで
「よそに行くんじゃねぇぞぉ!!このやろう!」
まるで選手に脅されてしまった若手審判員のように、オロオロと、そして弱々しく糞尿のニオイのゲップをしながら・・・・
博多に向かう、九州の遅い夕方なのであった。
GWの博多、まさに「博多どんたく」真っ盛りの賑わいである。
人混みと渋滞を掻き分ける様に進み、川端の屋台密集地帯に。
夕方の気配ではあるけど、時刻は既に19時を回り、居並ぶ屋台のノレンからは観光客(?)の背中が並んで覗く。
それを取り巻くように集まる人!人!人!。
既に旅も終盤となり、一歩間違えればレゲエと化した姿で、楽しげに過す一般市民の列に加わるのも気が引けて、ラーメン食べ比べ作戦を断念!!
だって、バイクだけが唯一の言い訳で、バイクから一歩でも離れたら、まさにレゲエだと思われても弁解の余地はあるまい。
決して、久留米のバカデカ雄叫び攻撃に屈した訳では無いのだけれど、トンコツ勝負は久留米の不戦勝となる。
博多から海沿いに北上し、海っぺりのキャンプ場を目指す。
マップルには未記載ながら、コンビニ立ち読みで確認済みのキャンプ場なのだ。
サイトから、海に沈む夕日を見る作戦だったけど、さすがにそれは間に合わず。
完全に日没後、「キャンプ場まで1.5Km」の看板を発見してひと安心!!!
ところが・・・・
海岸添いだと思っていたのに、どうやら海沿いの小さな山のてっぺんに有るらしく、真っ暗闇の細い道をクネクネと登る。
到着した頂上にキャンプ場の気配など無く、挙動不審なクルマがポツリポツリ居るのみ。
おかしい・・・
少し戻ってみる。
おおっ!
完全にゲートで封鎖された枝道に、「キャンプ場入口」と書かれた看板が腐ってる!
コレじゃダメじゃんよう。
キャンプ場不毛地帯の九州北部、マップル掲載の一番近いキャンプは、内陸にかなり入り込んだ山の中。
推定1時間はかかるであろう。
一山越えた、渓谷の中のキャンプ場へ。
営業していないオーキャンっぽく、サイトも奇麗である。
他にファミキャン3組、とっとと設営して一人酒。
最後の朝、晴天である。
メシを食って撤収を開始したものの、谷あいである為なかなか日が差してこない。
テントを乾したままノンビリと過していると、サイトのゴミを一つ一つ拾いながら歩いてくる老人と会話に。
「東京からか。何時間かかるかのう」
やっぱり陸走扱いか・・・
「ヨウガからじゃろ?」
ヨウガって??そりは一体・・・
「東名の用賀じゃよ!!そこから乗ったんじゃろうが!」
おおっ!ピンポイント的に詳しいじゃねえかぁ!!
「ここはゴミ持ち帰りじゃし、バイクじゃ大変じゃろう。全部引きとってやるから出しなさい」
あ・ありがたやぁ!
この親切なじいさん、係りのシトかと思ったらキャンパーでした。
「コーヒー飲みます?」
今度はファミリーの若奥様!
なんでそんなに優しいのぉ?
夫婦に女の子一人の家族。
さっきから遊んでいた子供がハーフっぽいと思ったら、旦那さんは外国人でした。
更に、給食風トレイに乗せられた朝食セット(ゆでたまご・サラダ・パンなど)までゴチソウに。
な・なぜ?こちとら走るレゲエですよぉ!!!
(哀れに思ったおメグミだったのかしらん・・)
色々ゴチソウになったから言う訳では無いのだけれど、何とも気持ち良く、そしてシヤワセそうなファミキャン風景にまざまざと接してしまい、思わず自分の未来と重ねあわせてしまう。
果してそんな光景を演じる日が来るのだろうか・・・
それは幻想に終るのかもしれない。
意外と、目前に迫っているのかもしれない。
手を振ってくれる親子3人に見送られ・・・・・・
思わぬ形で終わりを迎えた、5回目の九州ツーリングであった。
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