灼熱!!(1999夏)その1(携帯版)
心地好い揺れの中で目覚めると、銚子沖の青空の下だった。
意味も無く笑いが出てくる。
有明の岸壁。係りのアニキの一声、
「はいっ!オートバイの方、乗船となりますっ!」
この場合の「はいっ!」ってのが何を指すかは別にして、その瞬間に、普段の生活とは異なる、もう一つの時計が回り始めたのだ!
この時計の有り難い所は、分単位なんてどーでもいい時間の流れ。
もちろんタイムレコーダーなんか無いし、オールフレックス!!
自分の好き勝手な時の流れなのだ!!朝からルービなのだ!!
総務の未亡人55才孫2人あたりと
「5分遅いわよぉ!届け出してぇ!と・ど・け!!」
「っせえなぁ!!ったくぅ!テキトーに何とかしといてよ!!」
「あぁらぁ!じゃあ全休にするわよぉ」
「そ・そりはちょっと・・・」
なんて会話も存在しないのだ!
言ってみれば、日時計・腹時計に近い性格ですな!
欠点をあげれば、数日後には確実に止まってしまう時間だけれど、まあ、これだって、勇気次第では、いつまでも続けられちゃえるのだ!
(でも、ポットの電源を入れっぱなしで出て来ちゃったしなぁ・・・)
釧路港。
フェリーを降りると、そこにA堀氏が。
すでに北海道ツーリングを終え、折り返しのこの船で帰るところなのだ。
アジアの客引き風に、ホクレン旗を手に不安げに立ち尽くしている。
その客引きにつれられて阿部商店に。
けなげに水槽の中でささやかな生活を育んでいるカキ・ホタテを惨殺して食う。
次に和商市場に乗り込み、北海道の思い出を胸に、海産物を食す夫婦(やはり同じ便で帰る、魔王夫妻)を襲撃!!
ハイエナと化してサシミのオコボレを貰って食う。
A堀氏・魔王夫妻に別れを告げて釧根台地に。
このあたり、スーパー直線道路が格子状に走りまわっている地域である。
ここを徘徊し、超ロング直線ダートを探すのだ!!
目標は10km以上。
何の為にって?フフフフ。
意味なんて無い!!。
生活道路?なので路面はフラットな砂利ダート。
そんな道が延々と丘の向こうまで、そして丘にたどりつくと更にその先の丘まで・・・・
見渡す限りの草原を進む。
そう!!これは勝手にイメージしているオーストラリアの風景なのだ!!
中標津町と別海町の境界付近を徘徊する。
意外と10Kmは難しく、これぞと思った道がいきなりT字路で終わってしまったり、舗装路になってしまったり。
徐々に西に移動し、今度こそイケそうなダートを発見!!行くぞぉ!!
フラットで広々としたダート。
丘を越えて先が見えるとホッとしながら、砂埃をあげて更に突き進む。
8キロ・9キロ・・・・やったぁ10キロ突破ぁ!!
後はどこまで続くのか!。
程なく、道の先が見えなくなる。
そこは根室湾、流石の道も、海には勝てないのであった。
なんやかんやで羅臼・熊の湯のキャンプ場に。
ここにも現れたはた坊、彼が連れてきたツッチーら4人と、しみじみとした宴会。
入り口近くでは、地元の漁師のおっちゃんが大宴会!!!
むぉお大変!!!
いつのまにか、漁師宴会の輪に、女性ライダー2名が引き込まれている。
「ちぇっ!おねーちゃんはいいなぁ!」
などと、バーボンをおかわり。
翌朝、
「おぎひまさぁん」
と呼ぶ、おねーちゃんの声!だれじゃ??
け・け・け・K本(ケモト)だぁぁぁぁ!!!!
しかも、漁師宴会に参加していたおねーちゃんの一人だったのだ!!!
「すごいのよぉ!!いろいろ御馳走になって、お開きになったらカラオケつれてってもらってぇ!次に二次会だってホステスさんのいる店よぉ!!今度は三次会で、変な外人がエッチな踊りしてる店よぉ!!!!おっぱい丸出し!すごいのよぉ!!」
く・くっそぉ!!!
ゆうべ、輪の中のおねーちゃんがケモトだって気が付いてれば、便乗できたかもしれないのにィ!
見たかったよぉ!ルーマニア人!サブリナ!24才!!!!
熊の湯を後に、知床峠を越えて美深を目指す。
なぜイキナリ美深かって?
それは美深が呼んでいるからなのだ。
ダートを幾つか繋ぎ、幾つかの通行止めを引き返しながら北上。
知床あたりでは気が付かなかったけど、今までに経験したことが無い異変を感じる。
とにかく暑いのだ!
もちろん夏だから暑いのはアタリマエだけど、北海道でこんなに暑くていいのか!!
気温わずか5℃に凍えてストーブにあたった年も有り、今年もそれなりに準備をして来たと言うのに、この暑さは予想外!!
時間の経過と共に、益々暑くなり、んもぉ汗ダラダラ!!
とにかく暑い!
くどい様だけど暑いのだ。涼しさを求めて、西興部村の『氷のトンネル』を目指す。
トンネルと言っても、山間の谷間の雪渓の残骸なのだが、村おこし(?)の為にその様なネーミングが付けられているのだ。
まあ、この際涼しければ何でもいいよう!!
クネクネと細い舗装路を進み、待ちに待った到着!!
駐車場から少し歩くらしく、更に汗を流しながら、
「こんなに暑くて、果たしてホントに雪なんか残っているのだろうか・・」
と言った不安を感じる。
やがて・・・・
おおっ!あったぁ!!
たしかにトンネルだぁ!!!
そそくさと中に入る。
確かに涼しい!!!
だが・・・・
さすがの雪渓も暑さに負けて、汗をダラダラ!!いや、溶けたしずくがボタボタ!!!
カッパ無しではズブ濡れだぁぁぁ!!!
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