宴(うたげ)ジャックその3(携帯版)


●乾杯!!!
引き続き、婚姻届の証人になって頂く2名の選出。
白いコンビニ袋に入れられた20本ほどのハンコの中から、豊田組長が2本を抽選する事に。
まずは"いそび"、そして"ぽっぽや"のハンコが引き当てられる。
既婚者であり、当然婚姻届も経験している"いそび氏(夫)"が落ち着き払っているのに比べ、
「オ・オレなんかが証人になっちゃって良いのかよぉ!!!」
オロオロする"ぽっぽや"……・

すっかり完成した婚姻届を掲げ、そのあとは皆様からの祝!祝!祝!!!!
ありがたい事です。
祝福された喜びと、もうヒミツでは無くなった開放感から、んもぉ舞い上がりっぱなし!!!!
お約束の"チュー"などもハズカシげも無くこなし(見ているほうがコッパズカシかったそうで…)、ワインによる三三九度のあたりから記憶が朦朧とし始めて、後はただのシヤワセなヨッパライと化す。
後日、皆様が撮影した写真を見ると…・
そこには、見苦しいばかりのアツアツ・新生BAKA夫婦(この時点では、正式にはまだ夫婦では無い)の実態が次から次へと、動かぬ証拠として写し出されているのであった。


●クズ前式
翌朝、いよいよ婚姻届提出の日なのだ。
しかし、まだ安心は出来ない。
どこかの男(可能性は低いけど女)が
「ちょっと待ったぁ!!!!」
などと叫びながら現れて婚姻届を奪い取り、びりびりに破かれてしまう恐れだって考えられるのだ。
そうなったら一からやり直しになってしまうし、妻(まさか有り得ないけど夫)自体が連れ去られてしまっては一大事!!
んもぉ目も当てられない!!!
その様な事にならないように、オトリのニセ婚姻届を作成し…
んなアホな事はやっていられないので、素早く役所に提出しなければならない。
朝からルービなどを飲んでいるバヤイでは無いのだ!!!
とは言う物の体は正直で、ついつい…

どうにか撤収が完了し、下仁田町役場を目指す。
まさか前記のような魂胆の男(一人ぐらいは居たっていいじゃん!!な、女)が、隙を狙って追尾して来てはいないか後方をチェックすると……
き・来ているぅ!!!!
しかも大勢だぁぁ!!!
こ・こりは一体!!!
それは、我々の婚姻届提出を見届ける為に、わざわざ一緒に来てくれる面々であった。

朱蘭号(カリブ)を先頭に、まるで大名行列(または、ゾクの集会)の様に連なったクルマ&バイク。
怒涛の如く、一列になって下仁田町役場に入り込む。
正面玄関前で、まずは全員で記念撮影。
自分が中心に座っているのもこっぱずかしく、でも今日は主役なのだと言い聞かせながら、ワナワナと婚姻届を掲げる。
撮影も終り、そのまま役場の玄関に入ろうとすると
「ちょっと待て!!」
の掛け声!!!
つ・遂に来たか!と、手に持った婚姻届をシッカリと握り締めるが、そういう事では無かった。
参列者全員で左右に別れて並び、アーチを作ってくれたのだ。
ギターによるBGMが奏でられ(はっちょり氏。彼は宴会系キャンプにはギターを持参するミュージシャンなのだ)、大勢の祝福の中を朱蘭と腕を組みながら進む。
そして豊田組長に背中を押されて役場の中に。
いよいよなのだ!!

今日は日曜日、当然ながら役場は休みなのである。
照明が落とされていて薄暗く、閑散としたロビーにドヤドヤと入り込むと
「な・なんなのよぉ!あんたたちぃ!!」
と言った感じで、係りのおねえちゃんが慌てて飛び出してくる。
「あのぉ、婚姻届を…・・」
全ての事態を察したねえちゃん。
それはそれはと照明を全てつけてくれ、カウンターの中に入って構えてくれる。
大勢の良き仲間達(くず達)が見守る中、フラッシュの光を浴びながら無事に届けを提出!!!!
嗚呼!これで我々は夫婦なのだ!!
イイカゲンな事では済まされないのだ!!

今までの人生の中で一番こっぱずかしく、そして一番嬉しい瞬間なのであった。


●エピローグ
いつのまにか後ろに缶カラをつけられた朱蘭カリブに乗り、皆に見送られながら帰路につく。
関越道を走りながら、昨日からの出来事が走馬灯のように蘇ってくる。
世間様から見れば、何とも不真面目な行動に写るかもしれない。
でも、我々二人には一番お似合いの、そして一番ふさわしい皆様に見届けられて夫婦になってしまったのだ。
そうか、夫婦になったんだなぁ。
昨日は同じ道を来たのだけれど、それは恋人どおしとして。
今日からは夫婦、長い長ぁい道程を一緒に走って行かねばならないのだ。

内山牧場キャンプに参加された皆様、改めて御礼申し上げます。
本来のキャンプの目的を強引にねじまげてしまったけれど、それでも暖かく祝福してくれた仲間達。
その温情に答える為にも、いつまでもシヤワセであり続ける事を誓い合いながら、雨上がりの道をひた走る、新生・BAKA夫婦なのであった。


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