南国ワーク(2000夏・シンガポール)その4(携帯版)


シンガポールの交差点は、歩行者信号だけがメチャクチャ短い!!
同方向のクルマ用信号が延々と青だと言うのに、歩行者用はあっという間に点滅してしまうのだ。
従って現地人共々、信号無視のオンパレード。
そんなこんなのうちに、歩く人々の衣装のインド化率が高まってくる。
街中に怪しい香りが立ち込め始め、リトルインドに到着。
アジアの街と言うと「自転車がウジャウジャ」という先入観があったけど、シンガポールの街では殆ど見掛けなかった。
しかし、ここには健在だ!!
前が2輪の3輪車など、ヘンなのが走り回っている。
早速オミヤゲになるものを・・・・
と思ったけれど、う~む。
色とりどりのサリーの店が建ち並んでいるけれど、これは好みやサイズが難しい。
あとはインド風置物や生活必需品の店ばかり。
そして貴金属店が固まっている。
貴金属店と言えば、ニポンなら必要以上に高級イメージを醸し出そうとするのだろうけど、こちらではヒマそうな店員がお宝一杯のショーケースに突っ伏して寝ていたりする。
これといった物も発見出来ないまま、それじゃカレーを食うか・・・・
それらしい店はいくつか有るものの、正直、これがとても入りづらい雰囲気!
まず、強烈なニオイがお出迎え!!
そして一斉に注がれるインド人の眼差し!
そしてトドメは・・
ご想像通り、客はみんな手掴みで食べているのだ!
こりはちょっとマネが出来ないよう!!


道を間違えたりしながら5Km程歩き、17時を過ぎた頃に、やっとの事でオーチャード街に辿り着く。
一時は全く方角さえも判らなくなり、一体どうなるかと思ったけれど・・・
とにかく、これで安心!!
部屋ではルービが待っているぅ!!
おっとその前に、すでに届いているであろう航空券を、フロントで受け取らねば。
『えっ?航空券?その様な物は届いておりませんよぉ!』
「な・なんですとぉ?」

フロントのおねえちゃんが、航空会社かどこかに確認のデンワを入れてくれる。
しかし、
『調べて直ぐに、折返しデンワをくれるそうです』
と言っていたラシーのだけれども、一向にデンワなどない。
こりは、マジでヤバいではないか!
社長様にゴチソウしてもらって浮かれたりしていたけれど、やっぱりこういう運命だったのだ!
金曜日の17時過ぎ。
頼りのA社はすでに定時を向えてしまっている。
定時退社が大好きなミスター・ワンも、既に帰宅してしまっているハズである。
くっそー!!ミスター・ワンめっ!

どこに交渉すれば良いのかもサッパリわからず・・・・
判ったところで、英語での交渉など不可能だし・・・・
ホテルは夜には追い出されるし・・・・・
このまま、力強くシンガポールで生きて行くしか無いのかぁぁ!
ああ、何ともフビンな新妻よ・・・・・


そうだ!
ミスター・ワンは、自分の携帯番号のメモをよこしていたではないか!
さっそくデンワだぁぁ!!
『どうしたんでっか?えっ?航空券が来てない?そんなハズはおまへんねん』
「無い物は無いんだよう!ヘルプミーだよう!」
『わかりましたがな!確認しますねん』
数分後・・・
『大丈夫ですねん!18:30までには届けさせますねん』
何が大丈夫なんだか!!
じぇんじぇん安心なんか出来ないよう!!
案の定、18:30にフロントに向うと・・・
『航空券?届いておりませんが。』
ほぅらねっ!


いい加減に良い時間となる。
本来ならば空港に向けて出発しても、ちょっと早すぎる位かな?と言った程度の時刻なのだ。
今日のお宿はどうしたものかとフロントに向うと・・・
き・来たっ!!
ヘンなアロハのオヤジが、航空券を手に立っているではないか!!
どういう立場のオヤジだかは判らないけど、遅れた事を詫びるどころか、航空券を投げてよこす有り様!
く・くぬやろー!!
と・とにかく帰国だぁ!!


素早く荷物をまとめて空港に辿り着く。
手にした航空券は、なぜか関空(大阪)乗換えの羽田行きになっている。
ANA用の金属探知器は何か調子が悪いらしく、係員があれこれいじりまわすも一向に動き出す気配が無い。
さらに現れた中華系兄ちゃんが機械をいじり始める。
そんな状態だから、いつのまにか長蛇の列が出来ている。
「なんだよう!!いい加減にしてくれよう!」
イライラしながら作業風景を見ると・・・
おおっ!!
後から来た中華兄ちゃんの腰にはピストルが!
空港係員が拳銃装備とは、なんだかんだ言っても、実はアブナイ国だったのかしらん・・・
一気に冷静に。
まあ、ここまで来れば焦っても仕方あるまい。
ノンビリと成り行きを見守ろうではないか!
おお!妻よ!日本よ!!
待ってておくれぇぇ!

ワタクシの前に並んでいるのは、子供を二人連れた若い日本人奥様。
「すみませーん、子供をトイレに・・・ちょっと見ててください!!」
手押し台車に載せられたデカトランク3個を残し、親子3人で後先になって走り去って行く。
この、見ず知らずの相手にアッサリと荷物の番を頼む安心感!
なんか妙に懐かしいぞぉ!

まだ奴隷収容シートでの6時間のフライトが待っているとは言え、この行列はすでに一足早い日本だったのだ。


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