右向け右・その1(携帯版)
(レポート:したっけ兄さん)
陸上自衛隊偵察隊(バイク隊)の体験入隊の報告。
RBの隊員として、富士学校の偵察隊に体験入隊してきました。
訓練は厳しく体力的精神的にハードでありました。
さて訓練は、まず非常食、水、ロープ、懐中電灯、カッパ等必要な荷物以外の荷物を(テント、シラフ、着替えなど)後方支援のトラックに積み込み、一同はベースキャンプ地へ。
ベースキャンプに着くと直ちに小隊を編成。
一小隊はRB隊員8名、自衛隊員2名の計10名。
おいらはBグループの第2小隊。
小隊の隊長、副隊長を選出。
自衛隊員は指導員として小隊を指揮。
第一の指令
災害発生、国道●●線は通行不可、しかしバイクであれば山を迂回すれば走行可能と思われる。
直ちにRB隊員は某被災地区に救援物資を届ける事。
我々RB隊員は約20kgはあると思われる砂袋の救援物資をバイクに積み込み、コンパスと地図を頼りに道無き道のルート開拓にいざ出陣。
ここから地獄の行進がはじまるのであった。
スタートしてしばらくは幅の広い戦車道。
深々の火山灰で結構走りにくい。
この状況で結構な勾配の上りに遭遇。
躊躇するとスタックしそうなので一気に登って行く。
あれっ、おいらからの後ろが遅れている。
不安が過る。
B隊員が早くもスタックしていた。
その不安とは千葉RBのB隊員、彼はばりばりのビギナーなのである。
ここでのスタックとよたよたした走りから、他の隊員も彼がビギナーである事に気づき、同じ千葉RBであるおいらに隊長から指令が下る。
B隊員を責任もってサポートせよ!!
ラジャー! さ、先が思いやられるぜ。
ルートはいよいよ薮こぎウッズ道に突入。
下は腐葉土、林の中をすり抜けて行く。
木と木の間隔が狭く枝が密になっており、時折枝がメット隙間から頬に当たって痛い。
木の根っこによる50cm程の大きな段差が幾つか存りDFのエンジンガードが引っかからないかと冷や冷やする。
この間ビギナーのB隊員、枝に引っ掛かって倒れそうになったり、段差で立ち往生し倒れそうになったりと、おいらのサポート頻度が増える。
そして30cm程の倒木越えに失敗し転倒。
サポートのおいらが起こす。
20Kgのオモリのせいか、バハでも重く感じる。
他の隊員は難無くクリア。
ここで作戦変更、B隊員を全員でサポートの護送船団方式に。
おいらに負担が掛かり過ぎるので、負担をみんなで分散しょうとの理由から。
ルートは緩やかな下りから勾配のきつい登りへ。
がんばれB隊員。
バイクが丁度すっぽり収まるぐらいのすり鉢状の登り坂。
B隊員がスタック。
みんなで彼を押すがなかなか登れない。
怖がってクラッチを旨くつなげないようだ。
次第にみんなの声が荒くなる。
「クラッチをちゃんとつなげ、クラッチを!!クラッチつながないとバイク動かないだろー!」
ようやく動き出すが今度はアクセルを開ける事が出来ずすぐストップ。
よたよたと下がり出しみんなで押さえる。
この状況を何度か繰り返し何とか傾斜の緩やかな所までたどり着く。
他の隊員は難無くクリア。
登りはまだまだ続く。
傾斜が少しきつくなるとB隊員はスタック。
そしてみんなでサポート。
山頂にたどり着いた時にはみんなバテバテ。
ここで昼食。
時間は30分。
自衛隊用非常食をほうばる。
五目めしがなかなかいける。
出発5分前になると荷物を整理し出動態勢に、そして時間通りに出発。
30分程下り、また登りとなる。
今度は先ほどのようなきつい傾斜はない。
30分程でようやく薮こぎ脱出、再び深々の火山灰ルート。
ヒルクライムポイントが立ちはだかる。
B隊員スタート。
「アクセル開けろ開けろ開けろー!」
みんなが声を掛ける。
B隊員クリア、みんな拍手喝采。
ここを抜けると10分程で国道に到着。
救援物資を届け、無事第一の任務終了。
しかし、休む間もなく第2の指令。
これは通信訓練で、災害現場での状況説明のやり方の説明を受け15分程で終了。
そして直ぐに第3の指令を受ける。
地獄の訓練はここからである事を我々は知る事になる。
第3の指令 被災状況の調査
災害によりある民家が崩壊したとの情報がはいった。
民家へ通じる道路はすべて通行不能との事。
沢伝いに進めば現場まで行く事が可能と思われる。
RBに出動要請、直ちに現場に向かい被災状況を確認せよ。
この指令を受け、我々の小隊も現場へと向かう。
最初はまだ道といえる沢沿いを走行、その道の行き止まり(先はがけ、その下は川)となると右に90°旋回、山側へヒルクライム。
教官は簡単に登って行く。
つづいておいら。
助走距離は短く斜度は急、中腹に二本の木がありハンドル幅+αの幅しかなく下は腐葉土。
意を決しスタート、その中腹の木の枝にハンドルが当たりバランスがくずれ
右側の崖へ.........
あれ、落ちない。
な、何とリャキャリアが木の幹に引っかかっている。
教官のサポートを受け何とかクリア。
次々とアタック、やはり木が気になるのか、ノーミスでクリアする隊員は少ない。
B隊員を何とか引っぱり上げ、樹海の中を前進して行く。
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