“リンサン”こと十菱 麟
大正15年7月15日、小説家・十菱愛彦(トービス星図)の長男として東京・阿佐ヶ谷に生まれる。
家業の古書店の店番をしながら古今東西の古典を中学までに読破。
東京府立一中、武蔵高校、東大英文科卒。昭和27年よりフルブライト奨学生としてアメリカ・オハイオ州立大に留学。スウェーデンボルグの教学による教会に入信しようとして強制送還される。
高校教諭、翻訳会社社長などをしながら雑誌『AZ』を出版。活気を帯びた戦後日本の精神世界であらゆる教祖、教団に肉薄しながら、みずから真理の道“AZ”を実証してゆく。
やがてみずからの「死亡通知」により表だった活動を停止。主に個人的なつながりによる活動に専念。
暴行・傷害容疑などで逮捕、抑鬱やアル中などで入院、ともに数度。
子供は22人。
最後の離婚後(1995年)、奈良県明日香村に単身転居。

平成21年3月8日死去。享年満82歳。


墓地は東京の上川霊園(八王子市上川町)の十菱家墓所にて愛されたご両親とともに。
ご位牌は神通山千光院(徳島県阿波市土成町;真言宗)。
PROFILE
「生き急ぎ」というのは私の日々の生活の実感である。
生が充実しているときほど、平たく言って、何か仕事に夢中になって仕事のなかで白熱した生きがいを感じている瞬間、私には死の意識が濃厚である。
生の潮に頭からつかっているときほど、私という人類の呑み口(酒樽を想像して下さい)を通って溢れ出ようとするものの豊かさに圧倒されることはない。
自分の前に持っている仕事の目がくらみそうな膨大さを直感すると、自分があとたかが50年か100年しか生きられないことを思ってたまらなくなる。私のいう死の意識とはこれだ。
こころの発見 /F.L.ホルムス[他]/日本教文社/1954
陽に翔け昇る /ニイチェ‖遺著 [他]/ニイチェ遺作刊行会/1956
スブト /J.G.ベンネット[他]/理想社/1958 
奇蹟の人 /J.ミラード[他]/英瑞カンパニー/1959 
奇蹟の人 /J.ミラード[他]/霞ケ関書房/1961 
AZの教祖 /十菱麟/十菱麟/1959 
AZの金銭征服 /十菱麟/霞ケ関書房/1961 
AZのスブド /十菱麟/霞ケ関書房/1961 
AZの誕生 /十菱麟/霞ケ関書房/1961 
AZのエロス /十菱麟/霞ケ関書房/1961
AZの人間革命 /十菱麟/霞ケ関書房/1961 
AZの病魔退散 /十菱麟/霞ケ関書房/1962
アメノミナカヌシの秘密 /十菱麟/霞ケ関書房/1963
超越瞑想入門 /マハリシ・マヘッシュ・ヨーギ[他]/読売新聞社/1971
愛と愁の性書 /十菱麟/インフォメーション出版/1973 
超能力の秘密 /ジナ・サーミナラ[他]/たま出版/1973 
*下記の著訳書は国会図書館(東京)で閲覧することができます。
『AZの楽天主義』より
1955年頃〜Mr.Michael Rogge撮影の写真
1947年〜ヘルマン・ヘッセからの手紙 「日本の若き同胞へ」