入れば、点滴2本を二日間、そのあとあのキチガイ部落の住人ということであれば、もう死んでもあの逃げ道は取れません。今はウツとは思わないけれど、飲んでいるのは確か。 畑田キミコからも電話がありました。自家に帰り着いたとのこと。ブラウン・ランド−ンのプリントを松嶌徹さんから取り寄せるとのこと。私は郵送の手続きを取ったのですが、まあいいか。一部余れば、またどなたか必要な人に流れてゆくでしょう。
 さあ、次は村井英人への返事です。以下はその手紙。

村井英人君!
                                                H10.5.20
 これは[かしはら通信]の途中ですが、あなたへの返信を公開状として入れます。
 不思議なもので、損得抜きで、6月分も君に2000円送金できそうだね。こういうこと、すべて定めのようです。
 たしかに、精神病院に入ると、はがき一つも満足に書けません。ましてや、送金などできません。食事は君の言うとおり、病院のはひどいね。私は肉類は食べないのに、病院側は肉と野菜をごちゃまぜにして出しますので、食べざるをえませんでした。病院では、君の言うとおり、何かと効きもしないクスリを飲ませます。茶番劇みたいです。
 最初は3ヵ月を覚悟しましたが、それではこの2DKが崩壊するし、政府に盾突いても退院することにしました。人民あっての政府です。その逆ではありません。しかし、シャブやアルコ−ルで暴れる人がいると、警察経由で強制入院です。私は暴れたわけではなく、自主的に入院したのですが、内部のひどさには呆れ返りました。キチガイと毎日付き合っていると、こちらも本物のキチガイになります。
 私は鬱病で入院しましたが、裏にはアル中があるから、二者一体です。
 退院しようと思った昨日(火曜日)は、酒もタバコもこの身体に駄目でしたが、また戻っています。私は6号室に住んでいて、神さまからは「6を大切にせよ」と言われています。院内のロッカ−の鍵番号は6366でした。6は受け身です。神さまに対する素直な服従です。
 君の父上はアル中の一生だったのだね。それを見て育った君は、アルコ−ルを忌避して、シャブに行ってしまったのか。どっちがひどいかな。似たようなものです。私は差別をいたしません。ただ、君の酒に対する異常な反発をヘンだとは思っていましたが、やっとその謎が解けました。ポン中がアル中を非難しても仕方がないのだよ。10+10をトウトウとは面白い読み方をしてくれましたね。君が神の啓示を受けたことは、私は少しも疑いません。菊池哲栄は今日畑田キミコの顔を見に来て、「おれはセンセイがいなくても寂しくないよ」とうそぶいていました。学会の勤行一点張りです。
 自分を守る理屈が多い人です。自分のことしか考えず、口にもしません。世間の99.99...%はみんなそういうエゴイストです。私は慣れているけれども、こんな世の中が続くはずはありません。畑田キミコは資本(カネカネ社会)は何としてでも生き延びると信じ切っていますが、私は君の入牢中にも天変地異が起こり、脱走でなく、自然に錠が開いて、君は自由の身となると信じています。(キクチは一生君とは付き合わないとか言っています。山型・間欠温泉型アル中をやっていた自分のことはケロリと忘れています。)
 ではね。6月分を、面倒だから、カネのあるうちの今月に送るかもしれない。二重請求はだめだよ。青山ヘルパ−は土曜日23日からまた来てくれます。彼女の母親は躁鬱症です。だから、私の鬱病はよく理解してくれます。こういう難病は世界中に出回っていますが、天変地異で地軸の変化があれば、人類の意識が変わりますので、そういう病気(ポン中も含む)は地上から消えてしまうでしょう。頑張りたまえ。あと1年待ちたまえ。1999年は飛んでもない年です。ことし、インドネシアが荒れていますが、あれは将来の日本の姿と思ったらよろしい。
                                                元気でね!
                                                十菱  麟

相撲で5時35分
 何で僕は時刻にこだわるのかなあ。武蔵丸が負けたのは、今日の午後5時43分だったという予言が当たったところで、皆さんが幸福になるわけではないね。でもそうなったし、武蔵丸の全身を見ていると、敗色満々だったから致し方ない。負けるのは負けるし、勝つのは勝つ。
 森敦は77歳で死んだが、僕(これを使いたくなった)もあと5年で死ぬ定めなのかね。ワカラン。欲はない。生きているのはシンドイということは、よくよく分かりました。でも、それと天寿は別のようです。
 別に急いで書く必要はないのですが、僕の指が動いています。
 隣の菊池哲栄は、ちかぢか脊椎の大手術を受けるそうです。森川委員も胆石その他で数々の手術を受けたそうです。私はこの世に生まれる前に、神さまと談判して、手術をするような人生は嫌だよとハッキリ言いました。神曰く、「では妥協して、躁鬱症とアル中は受けるかね?」因縁もあり、仕方なく受けました。
 お腹が空いて、また焼き飯を作ったが、味付けが甘すぎて食べられません。早く青山ヘルパ−が来てくれないかなと思っていますが、土曜日まで三日待たないといけない。食べ残しのメシも、本当に空腹になったら食べられるのかもしれません。台所に置き捨てのままです。
 また身辺雑記に戻って来ましたね。チャ−ハンは捨てるしかないし、あとのご飯をまた炊かないといけない。こういう状況では、身辺のことしか考えられないではないですか。次のおかずは薄揚げとか。それを味噌汁にするとか。ああつまらない。しかし、自分の肉体を保つにはこれをやらねばならない。村井英人は衣食住に一切神経を使わないでよろしい。その分だけ、精神面の苦悩は大きいでしょうが。
 いま着ている長袖シャツは病院のもの。これは返さないといけない。そうしないと泥棒になります。

 と、入れ歯抜きでキチンに行ったのに、空腹のおかげで捨てるはずの焼き飯が少々食べられました。まあ、何時間か掛けて食べましょう。お酒はやめました。頭痛が来たから。
 7時も9分回って、大相撲も遠い昔の話となりました。
 畑田キミコからまた電話があって、「98歳で健康のまま・・・」を全国の歯科医に売り込むという珍しい話。私はあまり興味がないが、彼女は「やっと、先生との接点が見つかった」と大喜び。
 私を殺さず死なさず、長生きさせようという天の意思が、彼女を通じて働いているのかな。私はウツにならぬように、お茶を飲んでいます。

足柄茶
                                        在橿原980520/1919
 という到来物の煎茶の缶を開きました。神奈川県のものです。正しい温度で入れられるようにと祈っています。いま、別の容器にお湯を入れて冷ましています。ハッと思ったときに動くのです。これをやっていればウツにはなりません。
 足柄茶の一番煎じが私のデスクに届きました。NHKでは、インドネシアの大変な情勢をいろいろ。みんな借金の問題と、これ以上やると儲からぬから撤退するということなどばかり。みなさん、面白いですか。






かしはら通信・その1