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ザブングルリプレイ2 レッドキャニオンの盗賊 前編
レッドキャニオンを越えろ
GM:君たちはケルトン一家をごたごたに巻き込んで、みごと新型WMを手に入れた。ケルトン一家の長女、シンシア・ケルトンの信頼を得たにも関わらずみごとに裏切り、ケルトンに敵対している運び屋トンプソン一家に取り入ろうとしている訳だが(笑)
マキシ:何か、えらく悪者のような言われ方をされてるが(笑)
ロージ:裏切ったのは事実だろう(笑)
フェイト:シンシアの何が気に入らなかったんすか? うまくやれば運び屋手形が手に入ったかもしれないというのに。
マキシ:だから俺は自由なブレーカー暮らしが気に入ってるんだとゆーのに。
GM:こういう船長を持つと、君たちも大変だねえ(笑)
ブライアン:自分は料理できればとくに不満はありませんです。今日も腕を振るって料理するです。
シェプスト:船長いじめは置いといて(笑)、とりあえずレッドキャニオンを越えてしまいましょう。これからのことを考えるのはそれからということで。
GM:トンプソン一家の縄張りに逃げ込むには二つのルートがある。ひとつはこのままレッドキャニオンを越えるコース。
フェイト:あれ? ならレッドキャニオンを越えなくても、トンプソンの縄張りに行けるコースがあるとうことか?
GM:そういうこと。それが二つ目のコース。レッドキャニオンをかすめるルートで、半島沿いに海周りに行くコースだ。こっちのルートを取れば三日ほどでトンプソンの縄張りに行くことができる。ただし、当然のことながらケルトン一家の縄張りを突っ切るので、ケルトンの息のかかった連中に鉢合わせする可能性大だ。
マキシ:と言うことは、もう一つはケルトンの縄張りを通らないかわりに時間がかかるということだな?
GM:その通り。ケルトン一家のテリトリーを大きく外れるので時間がかかる。おまけに険しい渓谷を越えなければならない。いかに小型のバッファローといえど、ぎりぎりの道幅しかないところもあってとっても危険だ。繰船に失敗すれば崖下に真っ逆様なんてこともありえる。
フェイト:げろげろ。兄貴どうします?
マキシ:どうするもこうするも、レッドキャニオンを越えるに決まってるだろ。トンプソンに取り入るかどうかはその時の状況に任せるとしてもな。
フェイト:ああ、やっぱり。
ロージ:あーあ。せっかくの逆玉のチャンスをふいにしちまって、勿体ないお化けがでるぞ(笑)
シェプスト:苛めるのはそのくらいにして、今後のことを真剣に考えましょう。進路はレッドキャニオンでいいんですね?
マキシ:その通り。シンシアにバレる前にとっとと越えてちまおう。
GM:自分から話題戻してどうするかね(笑)
ブライアン:ところでレッドキャニオン越えはよいのですが、日程はどのくらいでありますか?
GM:だいたい6日ほどかな。
シェプスト:ずいぶん時間かかりますね。そんなに遠いんですか?
GM:距離的にはそうでもないけど、なにしろ道が道だからね。ぎりぎりの幅しかないところも多いし、山もあればまさしく谷もある。広野をぶっ飛ばすのとは訳が違うさ。WMならもっと早いんだけどランドシップじゃね。
ブライアン:6日でありますか。けっこう厳しいものがありますな。食料を切りつめなければ。
フェイト:げ! 節約モードかよ。腹経るなあ。
マキシ:野生トカゲでも釣って食料にしろよ(笑) で、レッドキャニオンを越えるにはどうすればいいんだ?
GM:1日1回ロールして、成功したらその日は順調に進めたことにする。失敗すると道に迷ってしまい一日無駄にしてしまう。道が間違ってないかの判定は知性で目標値8。その時マイナス5失敗したら、足場の悪い道に迷い込んだ可能性がある。繰船ロールに失敗したらちょっとやばいことになるので気をつけるように(笑)
マキシ:知性か……はっきり言って無茶苦茶つらい(笑)
フェイト:お互い知性は1しかないっすからねえ(笑)
ロージ:繰船はシェプストに任せて酒でもかっくらっとけば?
シェプスト:私でも難しいですよ。なにしろダイスが6出ないと失敗ですから。その時繰船ロールに失敗するとちょっとヤバイです。
ブライアン:では道案内はシェプストで、舵取りは船長ということですな。
マキシ:それでも道案内の成功率は1/6しかないからな。うーん(ちょっと考える)。そうだ。誰か斥候に出して、道が正しいか確認しながら進むというのはどうだ? それでプラスの修正もらえないか?
GM:ふーむ。では斥候に出た人数ぶんの修正をあげよう。ただし、その修正をもらえるのは調べに行った連中が成功した場合だけ。つまり斥候に出た人間が成功してはじめてシェプストのプラス修正になる。
ロージ:なら俺とフェイトとブライアンで行くか? 3人が成功したらプラス3になる。
マキシ:いや、WM技能のこともあるし、フェイトとブライアンの二人だけにしとこう。一機くらい残しといたほうがいいしな。
ロージ:そうだな。では二人ともがんばってくれ。怪我したときのことは心配するな(笑)
フェイト:絶対に怪我せんぞ。
ブライアン:当然でありますな。
かくして斥候に出るフェイトとブライアン。
二人ともWM操縦技能はそこそこ高いし、多少道に迷っても大丈夫だと思っていたのですが……
(フェイト:じゃ道案内ロールね……げっ、1!)
(シェプスト:プラス修正はブライアンの分だけですか(溜息)……おや、回りました)
(フェイト:よーし。今日はがんばるぞ。(ころころ)げっ、また1かあ!)
(シェプスト:またですか?……おや、また回りました(笑))
(フェイト:げろげろ。おまけに操縦ロールにも失敗してマシン壊しちまった(泣))
(フェイト:(ころころ)うっ……なんとか1じゃなかったけど)
(GM:お前のダイス、1と2以外出ないんじゃないのか(笑))
(シェプスト:なんだ、またですか……(ころころ)さすがに失敗してしまいました)
フェイトが失敗しまくった分、ブライアンとシェプストががんばって何とか正しい道のりを進んでいくPC一行。しかし道が崩れて船をぶつけたり、迷子になったりと予定をはるかに越えて10日もかかるしまつ。
約1名思いっきり足を引っ張ったおかげで、波瀾万丈の道のりでした(笑)
フェイト、君はいったい何してるんだ(笑)
山賊
GM:遠くの岩陰から荒野が見え始めたよ。足場もしっかりしてきてるし、どうやら峠を越えたようだ。
フェイト:おー。やっと越えたか。長い道のりだったなあ。
マキシ:……どの口でそーゆーこと言うか。
ロージ:一度たりとも成功しなかったな、この男。おまけにギャリーホバーまで壊しちまって(笑)
フェイト:こ、壊してない! ちょっとぶつけただけじゃないか! ちゃんと自分で修理したし。
ブライアン:せっかくの新型が傷物になりましたな。
シェプスト:フェイトって実は方向音痴だったんですね(笑)
フェイト:……ううう。
マキシ:無駄にしたガソリン、あとで返せよ(笑)
フェイト:……うううううう。
GM:ははははは(笑) フェイト虐めはこのくらいにしてシナリオに戻ろう。いろいろあったが何とかレドキャニオンを越えようとしている君たち。ここで知覚ロールしてちょうだいよ。(PCがダイスを振ろうとしたとき)悪いけどネガティブね。
フェイト:気づかなかったという訳か。
GM:そゆこと。ほっとしたのもつかの間、大気を引き裂く音が聞こえたかと思うと、バッファローの間近でいくつも爆発が起きる。
ブライアン:おおう! せっかくのシチューがこぼれるではないですか!
シェプスト:そんな呑気なことを言ってる場合じゃありません。襲撃ですよ。
フェイト:ギャリーのコクピットに駆け登るぞ。エンジンかけながら撃ってきた奴を捜す。
GM:もう一度知覚ロールして。成功した? バッファローの左右の崖にWMの姿が数機見えた。大型は1機しか見えないが小型のWMを合わせると5機はいそうだ。
シェプスト:シンシア嬢にばれたのでしょうか?
マキシ:それはないだろ。シンシアが追っかけてきたのなら、もっといい襲撃ポイントが幾らでもあったからな。こんなはずれで襲撃してくるヤツはケルトンと関係ない山賊だろ。
フェイト:なんにせよ戦うまでだ。レッドキャニオンで溜まったストレスをぶつけてやるぜ!
ブライアン:エキサイトするのはかまわないでありますが、自分が乗るまで待っててください(笑)
フェイト:ええい、早くしろ!
シェプスト:私は主砲に行きますね。船長、あとはお願いします。
ロージ:俺はダッカーに乗り込んでエンジンかける。
GM:奇襲扱いだからイニシアチブこっちね。WMのむれが崖を駆け降りてくるぞ。ダッカーのAP(アクションポイント)余ってるから、バッファロー攻撃しちゃる。
マキシ:なんの。俺の腕を甘く見てもらっちゃ困るな。楽勝で回避してるぜ。
GM:ハイスピードヒーローだもんなあ……AP余りまくってやがる。ならトラッド6で取り付いちゃる。接近だあ。
ロージ:おっとどっこい。俺を忘れてもらっちゃ困るな。砲台とかしたダッカーのランチャーを食らうがいい(ころころ)命中、ふふん。
GM:いたたたた。ダメージは知れてるがトラッド6には痛い。いっきに中破だ。
ロージ:なんだ。こいつらザコか。
GM:そうだよ。
スペオペヒーローズの敵は、主に「強ボス」「中ボス」「ザコ」の3種類です。
「強ボス」はいわゆるラスボスで、キャンペーンを通し成長したPCでも総掛かりでなければ倒せないほどの強さを誇ります。
「中ボス」は各シナリオの最後に現れる敵で、苦戦はしますが倒せないほどではありません。
「ザコ」はいわゆるやられ役。あっさりとPCに倒されます。惨めなのは、通常スペオペヒーローズのダメージシフトは無傷・軽傷・重傷・瀕死・死亡の5段階なのですが、「ザコ」の場合は軽傷を通り越して重傷・死亡の2段階しかないことです。搭乗するマシンも同様にシフトします。
これはテレビや映画などで、群がる敵を主人公がバッサバッサと倒していくシーンを再現するためのルールです。
ロージ:ならこれで最後だ(ころころ) 命中!
シェプスト:こちらも命中です。ダメージ倍ですから一撃で終わりですね。
フェイト:俺はダッカーを狙うぜ。回らなかったけど全部で9だ。
GM:残念。ザコとはいえ回避はちゃんとしてる。それははずれだ。
フェイト:なにー!
ブライアン:自分も攻撃いきます。余ったAPを「狙い」にして、(ころころ)命中! 回ってますからこちらも一撃ですな。
GM:(1ラウンドかからずで3機撃破か。まあ、ザコだから仕方ないか。今回の戦闘はあくまでもアレをみせることだしな)ではみなさん知覚ロールしてちょうだい。目標値は7ね。
ロージ・シェプスト:成功。
ブライアン:残念。ひとつ足りません。
フェイト・マキシ:我々になに期待しているんだ(笑)?
GM:成功したのはロージとシェプストだけか。ふたりは大破したWMから逃げ出すブレーカーが、右の二の腕に赤い布を巻いていたのが見えた。他の連中も同様のようだ。ちなみにみんな若いね。おそらく二十歳を超えてないだろう。
シェプスト:みんな赤い布を巻いているんですか?
マキシ:族のステッカーみたいなもんか。
フェイト:生き残りがいるなら捕らえますか。兄貴?
GM:生き残ったWMがブレーカー達を拾い上げてと「すごい」スピードで逃げてったよ。
フェイト:わざわざ「すごい」と強調するって事は、追いかけても無駄な訳ね。
GM:うむ。わりと無駄。
マキシ:まあ、いいさ。こっちに被害なかったし、とっとと出発しよう。ああフェイト。使えそうな部品が残ってないか調べるのを忘れるな(笑)
フェイト:おっけー兄貴。
バザーへの招待
GM:君たちは道無き道の荒野を、ひたすら西目指して進んでいる。いまは午後3時。一日の間でもっとも日差しが強くなる時間だ。船影で照りつける日差しをさけ、流れる風を楽しんでいたとき、前方に1機のWMが見えた。
フェイト:レッドキャニオンで襲ってきたやつか?
GM:遠すぎるからよくわからない。双眼鏡で確認すると襲ってきた奴とタイプは違うね。進行方向は君たちと似たようなものだ。このまま進むと併走するけど?
マキシ:敵と限ったわけでもなし。そのまま進む。フェイト、ブライアン。念のためギャリーに乗っておけ。ただし動かさなくていいからな。
前方のWMは中型のクラブタイプ。
警戒しつつ進路そのままで進むバッファロー。しかし心配は杞憂に終わりました。
GM:近づくとクラブタイプの運転席から陽気な声がかかるよ。「よーう。あんた達もトンプソンの旦那の所に行くのかい?」
マキシ:うん? マスター、トンプソン一家も近くでバザー開いているのか?
GM:運か知力でロールしてみて。運で成功するとケルトンのバザーにいたときに、知力の場合はトンプソン一家はこの時期メジックという街でバザーを開くはずだということを聞いたり思い出したりする。
シェプスト:ということはこのブレーカー達はバザー目当てなんですね。あ、いちようブレーカーの二の腕を見て、赤い布を巻いてないか確認します。
GM:ブレーカーの腕に布はないよ。もっともはずしたかどうかは判らないけどね。
ロージ:歳はどのくらい?
GM:だいたい30くらいかな。
マキシ:さっきの連中が若かったからといって、全員がそうとは限らないけどな。とりあえず、当たり障りのないことを言っとこう。「まあね。弾薬や食糧の補給もあるし、出物があればチェックしておこうと思ってね。なにかバーゲン品の話は聞いてないか?」
GM:それを聞くとおやっとした顔になるよ。「あんた達、トンプソンの旦那がブレーカー集めてるって話を知らないのか? てっきり俺達と同じ、雇われに行くんだとばかり思ってたんだが」
シェプスト:トンプソンもブレーカーを集めているんですか? ひょっとして我々のことがばれたんじゃ?
マキシ:仲いいならともかく、敵対している運び屋のためにブレーカー集めて俺達を追うわけないさ。噂くらいは伝わってるかもしれないがな。ケルトンが痛手を受けたって聞いて、これを機に一気に攻めて縄張りを広げるつもりだろ。
「トンプソンはブレーカー集めてんのかい? いよいよケルトンと一戦やらかすつもりかな?」
GM(ブレーカー):「ケルトンがどっかのブレーカーと喧嘩して、かなりの被害を受けたらしいぜ。そん時、シンシア・ケルトンが瀕死の重傷を負った噂だ。トンプソンの旦那も昔からケルトンとはいろいろあるし、このチャンスに一気に縄張りを頂こうって腹なんだろ。なにしろあそこはシンシア以外パッとしねえからな。長男は商売人で喧嘩はからきしだし、次男のジャックはただのバカだしな」
フェイト:すっかり噂が広まってるな。俺達有名人だ(笑)
ロージ:なに気楽なこと言っている。ケルトンにバレたら連中の縄張りには二度と近づけないぞ。
フェイト:心配するなって。追っかけようにもトンプソンの縄張りには入ってこれないさ。だいたいすでに3日たってんだぜ? 時効だよ、時効。
マキシ:ホントにそれならいいんだが……カラスの女房みたいな例もあるからなぁ。
カラスの女房とは、TVアニメ「戦闘メカ ザブングル」に登場する運び屋、カラス・カラスの女房グレタ・カラスのことです。
主人公達との闘いで亭主を亡くしたグレタは、亭主の仇を討つため主人公達を追いかけます。
主人公達がイノセントと戦ってることを知ったグレタは、イノセントに取り入り武器や装備を手に入れました。そのあげく、イノセントの指令や作戦を無視してどこまでも主人公を追っかけて行くのです。もちろん3日の掟など無視です。
GM:そりゃテレビの話だろ。このRPGはあくまでザブングル世界で遊ぶ為のものであって、だいいちこっちにはジロンいないぞ。本編で3日の掟が破られるようになってブレーカーが結束したのも、ジロンが行動してきっかけを作ったからだし。
マキシ:だから怖いんじゃないか。前回がそのきっかけになったらどうする。
GM:さあ? ジロンみたいにイノセントつぶす運動でも始めたら(笑)?
マキシ:嫌じゃーー(笑)
ブライアン:トンプソンのバザーに行くですか?
フェイト:ほかに目的もないんだし、いいんでないかい? ひょっとしたらバザーでキャリー用の武器が買えるかもしれない。バズーカの弾も仕入れたいしな。
GM:ひょっとしたら、ギャリー用のライフルが手に入るかもしれないぞ(笑)
商売人たち
マキシ:バザーに行くか。レッドキャニオンでいらん手間くったし、シンシアもキャニオンの向こうだし、しばらくゆっくりできるかな。ああ、フェイト。バズーカの弾は自腹切れよ(笑)
フェイト:しょ、しょんなあーー(泣)
GM:可哀想に(笑) (マキシに)トンプソンのバザーに行くんだね? クラブタイプのブレーカーとわかれ、君達は道を急いだ。道なき道を進んで2日後、トンプソンがバザーを開いているメジックについた。トンプソンのランドシップには、集まってきたブレーカーやらWMやらが黒山になっている。
フェイト:トンプソンのランドシップはなんだ? パープルキャットか?
GM:パープルキャットとアースサンダーの2隻だよ。バザーで捌く品はパープルキャットで輸送し、アースサンダーで護衛してるんだろうね。ブレーカー達は双方の船に群がってるよ。
シェプスト:買い物客はパープルキャットに、就職希望のブレーカーはアースサンダーに行ってるんですね。
フェイト:俺ちょっとパープルキャットに行って、ライフルとバズーカの弾仕入れてくる。ウォーカーギャリアの攻撃力アップだ(笑)
ブライアン:いつまでも備え付けの機銃では、せっかくの新型が泣きますからな。自分もお供しましょう。
ロージ:俺は酒場(笑)
GM:またか(笑)
マキシ:前回も酒場で騒動に巻き込まれたというのに、懲りないやつ(笑)
ロージ:今回は実験室……じゃなかった、医務室に患者いないからゆっくり飲める(笑)
シェプスト:やはりあの部屋は鬼門ですね(笑) 我々はアースサンダーの黒だかりに行って見ますか?
マキシ:そうだな。ブレーカーの列に入らず、見物人として行ってみよう。どんな様子かな。
GM:アースサンダーの前で、40代半ばの男が集まったブレーカー達に話をしている。集まったブレーカー達は海千山千で実力のほども分からないし、テストして採用を決めるみたいだね。
マキシ:ま、当然だな。雇ったブレーカーが使えないんじゃ、ケルトンにケンカ売れまい。
シェプスト:集まったのはどんな連中です? 強そうなのいますか?
GM:マキシとシェプストのふたり、知力と勘でロールしてくれる? 成功した? 集まった30人のほとんどは食い詰めブレーカーって感じだ。実力が伴っていそうなのは5人くらいだかな。
ロージ:思ったより少ないな。
GM:君達とためはれそうって基準で言ってるからね。そんなもんだよ。で、集まったブレーカーに射撃テストさせているんだけど……
フェイト:あれだな。テレビでやってたやつ(笑) クレー射撃みたいに円盤飛ばして打ち落とすやつ(笑)
マキシ:クラブタイプのテッペンに大砲つけたはいいが、反動が強すぎて撃つとバランス崩れるわけだな。バランス悪そうなクラブタイプに、わざわざ大砲つけるかね(笑) ザブングルタイプやギャリアタイプみたいにライフル持てばいいものを。
ロージ:あの腕じゃ、ライフル撃ったら腕ごともってかれそうだけどな(笑)
GM:テストの様子を見物してると、マキシの肩を叩くやつがいるぞ。「よう。兄ちゃん」
マキシ:俺の背後を取るとはただ者ではないな(笑) なに者だ。名を名乗れ(笑)
GM:背後を振り返ると、これまた40代半ばのがっちりした男がたっている。いかにも場数を踏んだブレーカーといった雰囲気だ。その男はマキシを見てにこやかに笑ってる。
マキシ:筋肉質の男がにこやかに笑ってる姿はあまり見たくないな(笑) 「人の名を尋ねる時は、まず自分から名乗るのが礼儀だぜ」
GM:そのセリフを聞くと、男はにやりと笑い「俺はラリー・トンプソンてけちな運び屋さ」とのたまうよ。
シェプスト:この人がトンプソンですか。どんな感じの人ですか?
GM:いかにも叩き上げの運び屋って感じかな。良い意味で抜け目がなく、多少のことなら笑い飛ばして済ましてしまいそうな豪快な雰囲気の男だ。
「お前さん達、この辺じゃ見ない顔だな。さっき来たバッファローのクルーか?」
マキシ:まあね。俺はマキシ。流れのブレーカーさ。
シェプスト:わたしも自己紹介しておきますね(笑)
GM(トンプソン):お前さんのバッファロー、良いエンジン音させてるじゃないか。かなり使いこんでると見たぜ。俺のバザーに来たってことは、噂を聞いてんだろ? テスト受けないのか?
マキシ:「悪いが見世物になる気はないね」と言って、射撃大会してるテスト場を見る。
GM:「射撃大会とは痛いとこつくぜ。まったく、見掛け倒しの連中ばかり集まって来やがる。使えそうなのは半分も居やしねえ」と言ってため息をついている(笑)
「射撃大会じゃないテストならやってみる気あるか。雇う雇われないは別にして」
マキシ:「なにか仕事でもさせようってのか。はじめに言っとくが、高くつくぜ?」と言ってにやりと笑う。
GM:「実力があれば文句は言わねえさ。ヘマすりゃただ働きになるだけだしな」と言って、こっちもにやりと笑うよ。嫌味なところはなく、どこかいたずらっ子を思わせる笑顔だね。
「頼みたいのはブレーカー気取りのガキどもを懲らしめることさ」
フェイト:レッドキャニオン越える時に襲ってきた連中か?
GM:その通り。レッドキャニオンを中心に、この辺を荒らし回っている連中がいるんだ。おもに流れのブレーカーやロックマンを襲ってたんだけど、最近そいつらはトンプソンの客も襲うようになったんだって。
マキシ:なんとまあ。ずいぶん命知らずな連中だな。
ロージ:連中、まだ子供だったんだろ? その割に大型のWMまで使ってたな。
GM:流れのブレーカー襲ってWMや武器を手に入れてるからね。ここ最近装備も充実したらしく、手当たり次第襲撃してるんだ。そのなかにトンプソンの客も含まれてるってわけさ。
「ガキどもが集まってブレーカー気取りで暴れるにはまだ可愛いげもあるが、俺んとこの客に手を出したからには見逃すわけにもいかん。おまけに大型のWMまで手に入れて、やることが派手になってきてるからな」
シェプスト:で、我々に退治してこいと? 我々が出張るより、トンプソンの雇われブレーカーに任せたほうが面子が立つんじゃないですか?
フェイト:(ルールブックから顔を上げて)いいじゃないか、シェプスト。金を稼ぐチャンスなんだし(笑)
ロージ:さては武器買う資金が足りなかったな(笑)
GM(トンプソン):「当然金は出すぜ? どうだい、いっちょやってみないか? 射撃大会よりはましだろ」
ブライアン:たしかに射撃大会に参加するよりはましでありますな。で、具体的にいかほど頂けるのでありましょうか。
GM(トンプソン):「連中のアジトを発見すれば100万。やつらを叩きのめしたら、あと300万出そう」
フェイト:(計算して)ちょっと足りないな。もう少しすこちょっと色を付けてくれたらありがたいんだけどな。
GM:贅沢言うんじゃありません(笑) 採用試験みたいなもんなんだから、そんなに出せないって。
マキシ:たしかに少ないな。よく考えればトンプソンにはいい話だ。山賊退治と試験をかねることで安くあげられるんだからな。
シェプスト:一石二鳥というやつですね。さすが商売人(笑)
マスターはプレイヤーから賃金引き上げの交渉が出るだろうと思っていました。しかし、トンプソンにとっては採用試験みたいなものですから、そうそう甘い顔もできません。譲歩しても、あと50万しか出さないつもりでした。
しかしプレイヤー達もさる者。マスターとのやりとりで賃金引き上げは望めそうにないことを感じとると、別方面で交渉を試みます。
マキシ:わかった。報酬はそれでいい。
ロージ:どうしたんだマキシ。商売人のお前らしくない(笑)
マキシ:いいからいいから(笑) ただし仕事するにも弾薬がいる。報酬はそれでいいから弾薬代まけてくれ(笑)
ブライアン:おお、さすがは船長。抜け目がない(笑)
GM:わかったわかった。弾代は2割引きでいいよ(笑) ただ判っていると思うけど報酬は成功報酬だからな。
フェイト:武器もまけてくれるのか?
GM:武器もいいよ。そんなにライフルほしいか(笑)
フェイト:当然じゃん。ギャリアにライフルがなくてどうする。けどやっぱり金が足りない(笑) シェプスト、ちょっと貸してくれ。
ロージ:俺が借そうか?
フェイト:トイチとか言いそうだからいらん(笑)
シェプスト:貸すのはかまいませんが、ちゃんと利子取りますからね(笑)
踊らない大囮作戦
シェプストに金を借り、ギャリア用のライフルを購入するフェイト。ただ残念なことは、バズーカの弾まで手(資金)が回らなかったことでしょう(笑)
それぞれ補給をすませ、レッドキャニオンに向けバッファローの進路をとります。
事前の情報収集で、山賊達は自らサラマンダーと名乗るブレーカーゴロだということが分かりました。以前は細々とやっていたのですが、最近は活動が活発になりかなり派手に暴れています。
メンバーは子供達だけで、大人はいないようでした。
シェプスト:過酷なこのゾラの地で、子供達だけで生きていくには山賊まがいのこともしなければならなかったんですねえ(しんみり)
マキシ:とはいえ、見逃すわけにもいかないだろ。最近かなり凶悪化してるみたいだしな。ロックマンの採掘場襲って家族全員皆殺ししたりとか。
フェイト:せめて「盗みはすれども非道はせず」で止めておけば、トンプソンも見逃してたかもしれないのにな。バカな連中だ。
ロージ:連中の心配はさておき、どうやって捜す? レッドキャニオンをむやみに捜しても見つかる可能性は低いぞ。はたして何日かかることやら。
ブライアン:手ごろな旅人が通りかかるのを待つわけにもいきませんです。いっそのこと、連中が襲いやすいように囮でも出しますか? 幸い、こちらには新型WMもあることですし。
フェイト:俺をエサにしようってか! ギャリアが傷ついたらどうすんだ(笑) せっかくライフルが手に入ったというのに(笑)
シェプスト:闘う機械なんだからしょうがないでしょう。利子のひとつだと思いなさい(笑)
マキシ:利子じゃなく利子のひとつなのな(笑)
フェイト:行けといわれれば行くけど、ギャリアで行くのはまずくないか? ギャリアなんて最新型乗ってるやつは他に誰もいないだろうし、前回あっさりと撃退された連中がギャリアに食いつくかな?
マキシ:言われてみればその通りだな。襲撃前ならともかく、顔というかマシンがばれてるのにこれ見よがしにうろついてたら、罠だと感づくかもしれない。
シェプスト:ならダッカーを囮にしますか? 小型のギャロップでは食いつきも悪いでしょう。
ロージ:おお! 俺の出番だ。砲台化以外にも出番があるとは、ちょっと嬉しいぞ(笑)
ブライアン:ダッカーにはランチャー以外にも機銃がありましたな。自分も同行しましょう。
マキシ:そうだな。ブライアンも一緒のほうがいいだろう。
ロージ:ブライアンも来るのか。なら俺が銃座にいくから操縦は任せた。
ブライアン:自分がでありますか?
ロージ:俺よりブライアンのほうが操縦技能高いだろ。
かくして、ロージとブライアンが乗ったダッカーを囮に、サラマンダー誘き出し作戦を決行しました。
なるべく襲われやすいようダッカーをてくてく歩かせます。その後を充分な距離をとってギャリアとバッファローがついていきます。
流れのブレーカーを装い、レッドキャニオンの山(岩?)道をのんびり登っていくバッファロー。
ロージ:敵はどこかなー。せっかく待ってやってるんだから、はやく出てこーい(笑)
ブライアン:襲いやすいよう、操縦をオートマチックにして、足をコンソールの上に投げ出して昼寝のフリするです。なるべくだらけたフリするです。
ロージ:俺も調子を合わせておこう。屋根の上に寝そべって昼寝のフリをする。しかしオートマチックって、ギアの自動変換じゃなく自動操縦のことなのね(笑)
GM:テレビじゃ自動操縦だったけどね(笑) そこまであからさまにやってくれるなら、期待に応えねばなるまい(笑) ロージとブライアン、知覚力ロールするのだ。(ふたりがサイコロ振る前に)ネガティブ。
ロージ:(サイコロ振ろうとしたポーズのまま) なんだ。気づかなかったのか。
ブライアン:なにはともあれ、ネガティブ1点もらいですな。サラマンダーの連中、どこから来たですか?
GM:君たち二人がてくてく歩いていると、左手の岩影からハンドバズーカが飛んでくる。おや? 基本回避値で避けてるじゃないか。つまらん。効果がなかったのを見ると、そこらの岩影から飛び出してくるぞ。
マキシ:戦力は?
GM:小型のギャロップタイプ3機、ホバギー2台、ホバートラック1台だ。ギャロップとホバギー・トラックはふたり乗りで、機関銃とバズーカ構えている。
シェプスト:前回とずいぶん違いますね。大型どころか中型のWMもないですよ。
フェイト:中型はクラブタイプ1種類しかないけどな(笑) それにしても戦力が全然違わないか?
GM:ロージとブライアンの2人、知覚力ロールしてくれ。成功した? なら襲ってきた連中はみんな少年少女といった年齢だね。みんな右手に赤い布を巻いている。
ロージ:サラマンダーの連中だな。なら遠慮なく叩かせてもらおう。
フェイト:その前に連絡くれ。
ロージ:トラ・トラ・トラ(笑)
シェプスト:奇襲じゃなくて囮作戦のはずなんですが(笑) 連絡が来たらエンジン全開で現場に向かいましょう。近くまで来たら私は砲座につきます。
マキシ:と、いうわけで急ぐぞ、マスター。
フェイト:先行してるから、俺のほうが先につくぜ。今回ライフルも手に入ったし、俺が主役だ(笑)
GM:しかしまだ到着しない(笑) いつ着くかはダイスで決めよう。15を目標にしてWM操縦を振ってくれ。その差を到着するまでの時間とする。まずはロージとブライアンでイニシアチブを振るのだ。
ブライアン:自分は戦術もってますので(ころころ)イニシアチブ頂きました。回避に割振りするダイスを決めて、攻撃はいっころであります。
ロージ:なんだ。攻撃に回せるダイスはひとつか。俺と同じじゃないか。
ブライアン:自分は体力自慢の「タフガイ」でありますからな。敏捷力は人並みしかありません。けどAPは同じですが、基本回避値は自分のほうが上であります。
ロージ:それにしても攻撃ダイスが1個か……撃ちまくってもあまり命中しそうにないな。
GM:機銃はオート射撃だから、攻撃ダイスはプラス1個されるよ。
ロージ:そうだっけ? ラッキー(笑) うざったいギャロップを狙う(ころころ)残念。回らなかった。
ブライアン:自分もギャロップ狙うです。(ころころ)
GM:ははは。その目ではふたりとも当たらないねえ。ではこっちの攻撃だ。(ころころ)むう……当たるには当たったが、ダッカーって思った以上に硬いな。
フェイト:自分で作っといてなに言ってんだか。(ロージとブライアンに)あと5ラウンド持たせるのだ。
シェプスト:我々はもっとあとですね。
マキシ:そうだな(笑)
GM:他のは(ころころ)あかん。腕悪すぎてあたんねえや。結局ギャロップの一撃だけか。ところでおふたりさん。知力と砲塔でロールしてくれ。
ロージ:? 成功している。
ブライアン:自分もであります。
GM:ならふたりとも気づいたな。サラマンダーの連中はコクピットを避け、WMの関節部を狙っているようだ。
シェプスト:妙ですね。噂では真っ先にコクピット狙うような連中のはずですが。
マキシ:いきなり人道主義に目覚めるはずないよな。それなら山賊など辞めてるだろうし。
GM:(ふっふっふ)次ぎのラウンドだ。
ブライアン:イニシアチブこっちです。(ころころ)ああ、回らなかった。攻撃も外れ。
ロージ:こっちも外れ。ええい。山賊の分際で俺の攻撃をかわすとは! とっ捕まえて改造してやる(笑)
GM:こっちの攻撃だ。(ころころ)がはは。ギャロップとホバギーの攻撃命中。大破だな(笑)
ブライアン:それはまずい。ヒーローポイントで回避したことにするです。
ロージ:俺も1点使ってホバギーの攻撃をなかったことにする。いいよね?
フェイト:旗色悪いな。ヒーローポイント使って次のラウンドから乱入する。
後編へ続く
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