WIZARDRY RPG

− OutLaws Edition −

■サンプルシナリオ■


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 最初の物語は、冒険者たちが知り合い、仲間となるための物語でもあります。
 これまではまったく違った人生を生きてきた者たちが、ある事件をきっかけにして命運を共にする旅の仲間となるという出来事は、それだけでちょっとドラマチックな事件であり、冒険でもあるのです。
 まだいずれも経験を積んでいない者たちでしょうから、敵にするのもまだまだ弱いものばかり。でも……その冒険の影にはこれからの彼らの大きな冒険への道のりを予感させる何かが、見え隠れしています。
 この冒険は、はじめての冒険に適した物語です。冒険の舞台はごく狭いものですが、それでもひととおりの刺激に満ちた仕掛けが待っています。ゲームマスターが対処に迷うよなことも無いでしょうし、プレイヤーたちがいく先を見失うことも少ないでしょう。
 しかし、油断は禁物。そう、冒険と呼ばれるからには、死の危険すらもそこに待っているのですから。


◇シナリオ1 『落ちた指輪』◇

<始める前の準備>

 この冒険は、作成されたばかりのキャラクターのためのものです。
 冒険者パーティは、どのような編成でもこの危機に対応できるはずです。強いて言えば、初歩の攻撃魔法を使用できる魔法使い系クラスの者が加わっていれば万全です。
 装備はキャラクター作成のために与えられたもので充分でしょう。探索にあたっては、明かりが必要となるでしょうが、持ち合わせが無くても途中に無償で獲得することができます。
 このシナリオをプレイするための時間は、キャラクター作成を含めて三時間くらいでしょう。手際がよければ一時間程度で達成できるはずです。

 プレイヤーたちの準備が整ったら、次のような状況を説明してください。

 「君たちは今、フォートフォーグの街にいます。現在、王国群の中で最も東に位置する街であり、まさに辺境と呼ばれるにふさわしい寂れた地です。虚無にとりつかれた領主は、この街を背徳と悪逆が支配するのに任せています。東方蛮族との交易で利益をあげるものやそれを狙う盗賊、彼らより少しはマシな遺跡荒らしが巣くう街です。
 そんな街の片隅に、このカース亭と呼ばれる酒場があります。小さな酒場ですが、常連とっては街の唯一のオアシスにも見えます。少なくてもここでは、注文もしていない物の値段を要求されることはありません。その味が裏切られることもありません。和やかな静けさとほんの少しの正義がここには存在していたのです。
 だが、今夜は少し違っている様です。既にひどく酩酊した一人のみるからに豪奢な身なりの魔法使いが、テーブルの一角に陣取って奴隷の美女を侍らせながら、甲高い声で下品な冗談を飛ばしている。無口な常連たちは眉をひそめながら、ひとりまたひとりと勘定を置いて席を立って行きます。
 魔法使いが何者であるのか、その場にいる誰もが知りません。ただ、まさにこの男を中心に何かが起こりそうな予感は、誰もが感じ取っていました」

<シーン1 酒場の中>

(状況1)

 店の主人は困った表情を浮かべながらも、その悪質な客を追い出そうとはしません。ただカウンターに座っていた別の客(現在すでに冒険者たちしか残っていません)に、「申し訳ありません……これは店からの奢りにしますので」と、小料理の鉢を出します。
 魔法使いは人間の男性で、レベル10くらいに見受けられます。40歳くらいの太り気味の男で、本来はこんな場末の酒場には不似合いなくらいの豪奢なローブをまとっています。身も露なセリアンスロープの少女の腰に常に手を掛け、卑猥な言葉を囁いています。彼女の首には鎖が付けられ、その先は背後に立つ二人の大柄なレプティリアンの用心棒(レベル3戦士)が握っています。

(行動1−1)

 魔法使いに戦いを仕掛けよう、店の中から追い出そうという試みは、店の主人が止めます。店の中の諍いが怖いのではなく、客にはできるだけ自由に振舞って欲しいというのが主人のモットーだからです。これまでは客は主人の配慮を汲み取り、節度ある楽しみ方をしていました。

(行動1−2)

 冒険者たちが魔法使いに話しかけようとすると、例え穏やかにであっても、魔法使いはそれを完全に無視し、レプティリアンが壁のように立ちはだかります。彼らはくぐもった声で「ワルプスルグ様は貴様らのようなクズとお話されることは何も無い」と語ります。ワルプスルグとは、この魔法使いの名前です。
 レプティリアンたちは侮辱の言葉などに動じることはありません。武器を突き付けられるようなことがあったとしても、自分たちは素手で戦いを止めさせようとします。彼らはワルプスルグが他の人の怒りを買う、という状況にすでに充分に慣れているためです。

(行動1−3)

 セリアンスロープの少女と話をすることはできません。彼女は他人を無視するようにと教育をされており、第一、残忍な手術によって言葉を話せないようにされているのです。わずかなかすれ声や呻き声しか上げることができません。彼女は幼少の頃にワルプスルグに買われた奴隷であり、愛玩物です。その環境ゆえに、自分がいかに人権を蹂躙されているかということに気付くことのない哀れな存在です。

(行動1−4)

 冒険者が酒場から出ようとすると、主人が引きとめます。

(状況2)

 冒険者たちが見ていると、ワルプスルグは急に小さな叫び声を上げて、酒盃を放り出します。セリアンスロープの少女を撫でていた左手から、指輪が外れて転がり落ちたのです。小さな指輪はきらきらと光を散らしながら床を冒険者たちの方に転がってきます。が、途中で床の石板の隙間に落ちてしまいます。
 ワルプスルグは急に酔いも覚めた様子で立ちあがり、叫び声を上げながら少女を突き飛ばします。哀れな少女は鎖によって引きとめられて首を締まらせ、声にならない悲鳴を上げて倒れます。

(行動2−1)

 落ちる前に指輪を拾い上げようと素早く宣言したものは、「早業」の技能判定を行えます。難易度は−50%です。もしこの判定に成功してしまった場合、このシナリオは終了してしまいます。

(行動2−2)

 指輪が落ちたところを覗きこむと、そこは単なる石床の溝ではなく、ずっと下まで続いている吹き抜けであることが判ります。ずっと下の方から冷たい風が吹き上がってくるのです。しかし、覗きこもうとした冒険者がいるならば、ワルプスルグはそれを指輪を奪おうとしたと誤解して声を荒げます。

(状況3)

 指輪がずっと下に落ちてしまった事を知った魔法使いワルプスルグは、ひどく腹を立てて酒場の主人に食って掛かります。床に隙間があるなど、酒場の落ち度だと主張するのです。彼はただ謝る酒場の主人の言葉にも、弁償を申し出る言葉にも耳を貸さず、ただただ指輪を取り戻してくれと叫びます。
 主人はこの溝はすでに使われていない地下室に続いていると語ります。そこは単に酒場の地下室というだけではなく、この都市が昔の<闘争期>に避難民のゲットーとして用いられてきたときの地下通路網、地下水道へと繋がっているのだと説明します。そこには獰猛な生き物が棲みついており、今では大変に危険なために、先代の主人の時代から通路を閉めてしまっているのです。

(行動3−1)

 押し問答を続けている間に探索を申し出るならば、酒場の主人とワルプスルグは大変喜んで、一人あたり200GPの報酬を(折半で)出そうと申し出ます。

(行動3−2)

 騒動を無視するならば、酒場の主人もワルプスルグも解決のための手段を見出すことができません。ワルプスルグはただ怒りに任せてセリアンスロープの少女の責任だと叫んでひどい折檻を加えています。その美しい毛並みをキセルの熱で焦がすやり方は、目を覆いたくなるものです。
 それを止めようと声を掛けるならば、ワルプスルグは冒険者たちの存在をようやく意識し、指輪を取り戻すように居丈高に命じます。約束する報酬は一人あたり100GPです。それを断るのならば、彼は再び少女に折檻を続けます。

(行動3−3)

 痛めつけられたセリアンスロープの少女は呻き声を上げながら、テーブルの下に縮こまります。ワルプスルグは怒りに身を震わせながら、レプティリアンの護衛に地下に潜って指輪を取り戻して来いと命じます。彼らは困惑しながら、怪物の存在する可能性のある場所を探索するには二人では困難なこと、その間に彼自身の護衛を行うことができないことを訴えます。翌日に人を雇って回収しようと提案しますが、ワルプスルグは聞き入れません。
 レプティリアンたちは肩をすくめて、冒険者たちの方に歩み寄り、指輪を取ってきてくれるようにと依頼します。彼らの口調はビジネスライクであり、一人当たり100GP、値を釣り上げようとすれば150GPまでの報酬を約束します。
 引き受けようとしない場合、酒場の主人も引き受けてくれるようにと懇願します。彼は魔法使いにへつらっているのではなく、あくまで彼を客として扱っているためです。

(行動3−4)

 それでも依頼を固辞するのであれば、しぶしぶレプティリアンの一人が地下に入ることになります。しかし彼は酒場の閉店時間になっても戻ることはなく、酒場の主人は冒険者たちを閉店とのことで店から出されます。
 その後、どうなったかは冒険者たちは知る由もありません。次の冒険を始めてください。

(状況4)

 探索に必要と思われる物は、酒場の主人が提供してくれます。手袋が人数分、火口箱、ランタン、フック付きロープをそれぞれ3つづつ用意されます。
 ワルプスルグは指輪の形状を細かに説明してくれます。それは骸骨をかたどった大きな黄金の指輪で、闇で光る魔力を帯びているとのことで、発見は難しくないだろうと語ります。彼はあくまでもその指輪はさほど価値のないものの、自分にとっては大事な品なのだと主張します。これは持ち逃げされることを恐れているためです。
 彼はさらに自分の荷物から、ミドルヒールポーション(飲むと3D8だけHPが回復します)を一人につき一瓶、スパーク・スクロール(魔術2レベル、メリトが使用できます)をひとつ提供します。ケチなワルプスルグは、使わなかった場合は返却するようにと念を押します。

<シーン2 地下室>

(状況1)

 主人が店の厨房の隅にある戸棚を動かし、床板を開けると地下への階段が姿を現します。充分に注意する様にとの言葉を背に進むことになります。彼もこの中のことはまったく知らないのです。
 中はひんやりと涼しく、真っ暗です。目が慣れると、その中にぼんやりと光が見えるのが判ります。指輪です。開かれた天井の通路から見守っているワルプスルグは、こんなに簡単なことなら報酬を出すまでもなかったとぼやきます。
 しかし、その言葉も終わらぬうちに、光がすっと移動します。巨大なネズミが指輪を咥えて走り去ったのです。キイキイという鳴き声と共に、ネズミの姿は地下室の奥へと消えていきました。ワルプスルグが追えと叫びます。

(行動1−1)

 ネズミの足を止めるのは不可能です。剣はもとより、魔法や弓の類でも、雑然とした地下室の中ではネズミに命中させるのは困難です。

(行動1−2)

 部屋を調査するには、「探索」技能判定が必要です。難易度は+10%です。成功したならば、指輪を咥えていったネズミは部屋の隅の小さな穴から、さらに下の層へと逃げていったことが判ります。
 部屋にあるのは、先代の酒場の主人が放置しておいた荷物の数々です。もともとこの地下室は倉庫として使用していたものの、ネズミによる被害がひどくて封じてしまったものなのでしょう。穀物の袋はあるものは食い荒らされて空になっており、あるものは腐敗して異臭を放つ泥状になっています。酒樽とおぼしきものは、成熟を越えて腐敗し、開くと部屋は耐えがたい酸っぱい匂いで充満します。この悪臭の元を開いてしまったのならば、ワルプスルグたちは上から見物するのを諦めて、天井の扉を閉ざしてしまいます。
 もちろん、酒場の主人は帰ってきたらすぐに開くように、上に物を置いたりはしないように気をつけると笑いながら保証します。

(行動1−3)

 この部屋には、何ら価値の在るものは見出せません。酸化した酒を飲み下すという暴挙に出たものは、即座に「吐き気」状態になり1時間の間ずっと続きます。
 他に、酒樽を開いてしまった場合、嗅覚に鋭いセリアンスロープと清潔好きのエルフは【生命力】*4判定を行い、失敗した場合は10分間「吐き気」状態になります。

※吐き気 : 軽度の状態異常です。「吐き気」状態のまま戦闘を行った場合、自分の行動手番の前に【生命力】*4判定を行い、失敗すると酷い吐き気を催して行動が行えなくなります。「吐き気」状態は、「法術」呪文のラツモフィス、マディ、「錬金術」呪文のモルフィスによって回復させることができます。

<シーン3 地下二層>

(状況1)

 ネズミの逃げた穴から下に下りることはできません(フェアリィでも不可能)。階段からさらに下に下りることができます。
 地下二階は広くなっています。ここはすでに太古のゲットーの一部なのです。第一の部屋の中はおおむね地下室と同じ状態であり、めぼしいものはありません。次の部屋へと続く鉄製の扉があるのみです。扉は施錠されています。

(行動1−1)

 鉄の扉は錆びついていますが、まだ頑丈です。鍵穴がありますが、これもまた錆びついており魔術のデストでも開くことはできません。ただし、この扉を閉ざしている閂は朽ちかけており脆くなっています。
 「剛力」技能判定、難易度−15%で成功した場合のみ、この扉を開くことができます。失敗するとHPが1ポイント減少します。ただし、次回の判定に修正が+5%付きます(さらに扉が弱くなるため)。

(行動1−2)

 扉の向こうに耳を澄ますのなら、「探索」技能判定を行います。成功すれば、この扉の向こうで何か複数の動物が動き回っていることがわかります。

(状況2)

 扉を開くと、そこに巣くっていたリーチリザードとの戦闘が発生します。これは即座に開始されるため、扉を破った者は1ターン目は必ず前衛となります。

・敵 : リーチリザード*3

■リーチリザード  (Leech Lizard)

・不確定名称 : 奇妙な動物  (Strange Animal)

レベル 特殊能力
AC なし
HP 1D3+2
敏捷 1D6+6 備考
生命力 11 動物属、火炎ダメージ2倍
命中補正 +10%
攻撃回数 解説
ダメージ 1D3  地下洞窟などに棲息する吸血性の小型爬虫類。すでに目は退化してしまっており、振動や音響によって獲物を察知して攻撃する。
攻撃範囲
移動力
魔法 ――
魔法威力 ――
抵抗値
士気 40
経験点 15
対ディスペル率 ――

(行動2−1)

 彼らは巣穴を襲撃されたということに興奮しています。仲間が殺されても決して怯むことはなく、最後の一匹まで襲いかかってきます。
 逃げ出すならば、リザードたちは追撃することはありません。
 指輪をもったネズミはここにはいません。すでにさらに下の階へ逃げています。

(行動2−2)

 戦闘の後で部屋を調べるなら、ここがリーチリザードの巣穴であったことが判ります。隅の方には何匹かの幼生が張りついています。近づけば彼らは、瓦礫の中に姿を消し、そのままいなくなります。
 その瓦礫をどかすと、さらに階下への鉄扉があることがわかります。指輪を持ったネズミとリーチリザードの幼生はこの扉の隙間から逃げたのです。【体力】*4の判定に成功すれば、床にあるこの扉を開くことができます。

(行動2−3)

 この部屋はまた、先代の主人の宝物置き場でもありました。彼がすっかり忘れてしまった宝箱がひとつ残っています。これは無造作に転がっており、発見は容易です。
 しかしこの箱には簡単な鍵と「ジャックスリング」の罠が仕掛けられています。解除せずに開こうとした場合はこの罠を作動させてしまいます。
 中に入っているものは宝石が二つ、オニキス(200GP相当)とパール(500GP相当)、さらにスカルダガーが一本、リザレクションポーションが一瓶です。これを酒場の主人に届けるのも、自分の物にしてしまうのも冒険者たち次第です。この程度の横領はさしたる罪とは言えないでしょう(しかし、善の戒律の者なら正直に対応するべきです)。

<シーン4 地下道>

(状況1)

 鉄の扉を開けると、そこにあるのはじめじめとした地下道の天井となっていました。飛び降りることは容易いですが、戻ってくるには工夫が必要でしょう。西側には直線が続き、東側にはT字路があります。T字路の片側からは光が漏れているのが直に判ります。

(行動1−1)

 通路はただじめじめとしているだけではなく、3匹のスライムが薄っすらと広がって獲物を待っています。無警戒で飛び降りた場合、また警戒していても「探索」技能で+20%の判定を行い、失敗した場合は、スライム側の奇襲攻撃となります。待ち伏せに気付いた場合は、通常通りの戦闘となります。

・敵 : バブリースライム*3

■バブリースライム  (Bubbry Slime)

・不確定名称 : どろどろしたもの  (Slimy Thing)

レベル 特殊能力
AC 10 なし
HP 2D3
敏捷 1D4+2 備考
生命力 動物属、火炎ダメージ2倍
命中補正 +10%
攻撃回数 解説
ダメージ 1D4  泡立つゼリー状の原生生物。つねに取りこむ栄養源を求めて迷宮内をさまよっている。なんらかの魔法的な要素をもっているのか、抵抗値がやや高い。
攻撃範囲
移動力
魔法 ――
魔法威力 ――
抵抗値 13
士気 100
経験点 10
対ディスペル率 ――

 スライムは特に宝物を持っていません。逃走は可能です。

(行動1−2)

 西側の通路は広大なゲットーに続いています。その探索はまだ初級冒険者たちの手に余るものです。しばらく進むと、厚い鉄製の非常扉に行き当たります。鍵は特別製で、「指先技」での開錠は不可能です。

(状況2)

 東側のT字路を曲がると、そこにはランタンを持った一団の盗賊たちがいます。最も大柄な男……あきらかにリーダーですが、その手には尻尾を捕まえられて暴れるネズミの姿があります。彼は、「ずいぶん太ったネズミだぜ。ちょっとした腹ごしらえになるか」とほくそえみ、そのネズミを絞め殺します。その腹が膨れているのは、明らかに指輪を呑み込んだためですが、盗賊にはそれが判りません。
 盗賊たちはすぐに近づく冒険者たち一行に気が付き、緊張します。

・敵 : ルーター*1、ローグ*2

■ルーター  (Looter)

・不確定名称 : ゴロツキ  (Scruffy Man)

レベル 特殊能力
AC 射撃攻撃、隠形(30%)
HP 2D6+6
敏捷 2D6+3 備考
生命力 人間属、盗賊系
命中補正 +20%
攻撃回数 解説
ダメージ 1D6  人気のない街道沿いや宿場町の裏通りなどで、旅人や行商人を相手に恐喝、強盗を働く小悪党である。剣の腕はたいしたことなく、形勢不利とみれば一目散に逃げてゆく。
攻撃範囲
移動力
魔法 ――
魔法威力 ――
抵抗値
士気 50
経験点 60
対ディスペル率 ――

■ローグ  (Rogue)

・不確定名称 : ゴロツキ  (Scruffy Man)

レベル 特殊能力
AC 射撃攻撃、隠形(30%)
HP 1D6+3
敏捷 2D6+3 備考
生命力 人間属、盗賊系
命中補正 +15%
攻撃回数 解説
ダメージ 1D6  人気のない街道沿いや宿場町の裏通りなどで、旅人や行商人を相手に恐喝や強盗を働く無法者である。剣の腕はたいしたことなく、形勢不利とみれば一目散に逃げてゆく。
攻撃範囲
移動力
魔法 ――
魔法威力 ――
抵抗値
士気 50
経験点 40
対ディスペル率 ――

 彼らはすぐに武器を取り出し、身構えます。戦闘になる場合、リーダーであるルーターは決して逃げようとはしません。また、ローグはリーダーを守ろうとします。リーダーを先に倒した場合、彼らは即座に逃げようとします。彼らは、金を持っていません。

(行動2−1)

 話しかけるならば、彼らは会話に応じます。しかし、彼らは地下通路に巣くう落ちぶれた浮浪者であり、誠実そうな者、丁寧な言葉を喋る者、金持ちそうな者には全て敵意を抱いています。またそれは侮りを伴い、そのような者は臆病なものだと思いこんでいます。
 このような者に言い聞かせるには、ただ威圧のみが有効です。居丈高な態度に出て、下品かつ乱暴な言葉でそれを渡すように命ずるならば、彼らは萎縮して逃げ出します。しかし他の手段であったならば、交渉として「情報」技能判定の難易度を−5〜−20%の幅で調整してください。
 彼らにネズミを譲ってくれるように頼んだ場合、まず彼らは自分たちの食料を奪おうとしていると感じて怒ります。さらに頼んだ場合は、このネズミが何かきわめて重要な意味を持っているのではないかと小ずるく考え、高い金を要求します。
 ネズミに200GP未満を支払った場合は、さらに金を持っていると見られて、あとで背後から襲われます。200GP以上を支払った場合は、さすがにその巨額さに驚きながら、盗賊たちはその場から早々と立ち去ります。

<シーン5 帰還>

(状況1)

 ネズミの腹を裂くと、期待通りに指輪が発見されます。
 しかし、咬まれたためでしょうか、指輪に被せられていた黄金の装飾が剥がれかかっています。「指先技」技能判定に成功した場合、傷を付けずにそれを調べることができます。その下から出てきたのは、雄羊の骸骨の形をした奇怪な意匠の彫刻です。石とも金属とも判らないなんとも不思議な素材でできています。
 「紋章学」技能を難易度+10%で成功すれば、この意匠は最近勢力を伸ばしてきた<雄羊の寺院>という邪教のシンボルであることが判ります。それ故にワルプスルグはこれを金のカバーで隠し、なおかつ失った時にあれほど慌てたのでしょう。

※雄羊の寺院とは?

 雄羊を象徴として掲げる悪魔崇拝者の教団を指します。東方辺境を中心に広がり、現在では王国群のほとんどの国家を侵食しています。
 その教義は実のところ、あまり明確ではなく、特定の神を崇めず特定の儀式を要求することもないこの教派が訴える思想は「目的達成のためには無限の力を手に入れよ」というものです。そして力を手に入れる手段として、異世界と盟約を結び、魔神属など異世界の強力かつ危険な存在を召喚しているとされます。
 “雄羊の寺院”の魔道師たちが現在傾倒しているのは、悪魔の力を人間の身体の中に取り入れるという研究です。悪魔の賢さ、その異能をもった最強の人間を創り出すという計画は、もう数世代に渡って続けられています。それは時には恐ろしい失敗を生み出してもきましたが、“雄羊の寺院”をより強力なものとする成果も挙がっています。
 現在、多くの都市で“雄羊の寺院”を信望する者への捜査と弾圧が高まっていますが、それを上回る勢いで支持者もまた増えています。

(行動1−1)

 “雄羊の寺院”は禁教です。その一員であるいうことはそれだけで刑罰の対象になります。ワルプスルグがこの邪教の魔法使いのひとりであるいうことを訴え出るならば、官憲による調査が行われます。彼は何とか逃げ延びますが、冒険者たちに恨みを抱きます。

(行動1−2)

 指輪を返した後で、金の覆いが外れたことにワルプスルグが気付いた場合は、この秘密を知った冒険者たちの口を封じようとします。その場ではにっこりと笑って感謝の言葉を口にしますが、その裏では襲撃の方法をすぐに考え始めます。

(行動1−3)

 指輪が見つからなかったと主張した場合、ワルプスルグはすぐにその言葉を疑います。彼が何やら呪文を唱えると、指輪の持つ淡い光が、まばゆいものに変わります! その場に持っているのならば、隠しとおすことは不可能です。光は衣服や袋を通して漏れるからです。返さなければ用心棒のレプティリアンに襲わせます。彼らが敗れれば、ワルプスルグは逃げ足早く立ち去ります。
 もし指輪を他の場所に置いてきてしまったなら、ワルプスルグはとりあえずこの者たちに見つからなかったのだから他の者に見つかる心配もないと自分を慰めます。その代わりに報酬を払うのを渋り、結局半分までしか出しません。
 指輪の正体を知らずに私物化した場合、これを売り捌こうとするならば邪教崇拝者の嫌疑を掛けられてひどい目にあいます。これが僧侶や司教であるならば、自分の教団から破門され、無理やりに転職する羽目になります。

<シナリオの経験値>

 これで冒険は終了です。
 倒したモンスターの経験値を足し合わせ、それを参加した冒険者すべてに与えられます。もしレプティリアン傭兵を倒した場合は、1人あたり200点、ワルプスルグを倒した場合は500点の経験値を得られます。彼らのデータに関しては、次のシナリオを参照してください。
 さらに冒険を達成したボーナスとして、500点の経験値を与えてください。ワルプスルグの正体がわかった時はさらに100点を与えます。

 


◇シナリオ2 『魔眼の少女』◇

 次なるシナリオは、街を舞台としたシティアドベンチャーです。迷宮の中ではない、自由度の高いものとなります。
 あまりの自由さは、ゲームマスターだけでなくプレイヤーも戸惑わせることになります。
 もしビギナーのプレイヤーが何をしたら良いのか迷うようであれば、ゲームマスターはどこに行ったらどのような行動が取れるのか、その選択肢を提示するようにしてください。

<始める前の準備>

 この冒険は1レベルから2レベルの冒険者を対象に作られています。ちょうど前のシナリオ『落ちた指輪』を終えた次にプレイするのにちょうど良いはずです。
 しかし少しばかり難易度は高くなっています。賢い行動を取らなければ、絶体絶命の危機に陥るかもしれません。もしプレイヤーがまだゲームになれていないなら、救援のための登場人物(NPC)を待機させておく必要があります。
 連続する通り魔事件の犯人を捕まえる、というのがこのシナリオの目的です。シナリオは日時と場所で描かれていきます。冒険者たちはその時期にその場所を訪れるならば、進展する事件についての全貌を理解することができます。
 パーティはばらばらに行動しても構いません。しかしあくまで意見を統一してから行動する、ということが基本になります。
 もし冒険者たちが重要な情報を聞き逃したとしても事件は無慈悲に進んでいきます。そのうような場合は、得られなかった情報を想像力で補うしかありません。
 このシナリオをプレイするための時間は二時間くらいでしょう。
プレイヤーの準備が整ったのならば、次のような状況を説明してください。

「君たちは今、フォートフォーグの街にいる。いつもの行き付けであるカース亭は改装工事のために休業しているが、主人は代わりに下町の一角で屋台を開いている。屋台は評判が良く、これまでの常連だけでなく夜回りの警備をしている衛兵たちも必ずここに寄って一服することにしている。
 その中でも若い衛兵隊長アレッゾは評判が良い。彼は寄る度に、その場にいた客すべてに酒を一杯ずつ奢ることを習慣にしているからだ。若く有望な衛兵であり、いずれ騎士任官を受ける程であるのに、流れ者と対等に語り合う男です。
 そんな彼が珍しくむっつりと黙りこくっている。そばに居る兵士の話だと、最近めっきり治安が悪くなり、通り魔殺人が横行しているのだという。残忍に切り刻まれ、心臓を抉り出された死体が三日に一度はゴミ捨て場で見つかり、まだ犯人の手掛かりも掴んでいないという。アレッゾはそれを苦にしているのだ……」

<第一日 夜>

場所 : カース亭屋台

 アレッゾはセリアンスロープの男性で、善の戒律の6レベルの戦士です。もうすぐ君主に転職するだろうと言われています。語り交わしている兵士と冒険者を目にすると、アレッゾは不機嫌そうに立ち上がり、兵士たちに出発を命じます。
 アレッゾに話しかけると帰ってくる返事には元気がありません。「聞いてのとおりだよ。もう八人もやられたし、そのうち五人は同じ犯人らしい。この街じゃ殺しは珍しくないけど、目的のわからない殺しは少ない。まるで魔物の仕業だね」と応える彼は、実際にモンスターが街に侵入して狩りを行っているのではないかと疑っています。
 カース亭の屋台に来ている客は、解決のためになる情報は何も持っていません。

場所 : 夜警

 夜警に付いて行くならばアレッゾとは別隊になります。しかし、今夜こそ成果が上がり、合流した後のアレッゾは興奮した口調で、犯行現場から逃げていく小柄な女性を見たといいます。しかし、それを捕らえることはできなかったようです。

<第二日 昼>

場所 : 市場

 市場を歩いている冒険者は、人混みの中に二人のレプティリアン傭兵を連れた魔法使いワルプスルグを見かけます(前シナリオ参照)。もしこの男を知らなくても、その緊張した足取りは注目を引くのに充分です。彼はすっぽりとフード付きマントを被った小柄な女性を連れています。様子を見守っていると、この女性がつまずいて転び、そのマントの下の姿があらわになります。
 褐色の伸びやかな手足は南方系のものです。「地誌学」技能判定に成功した場合、まぎれもなく彼女は東方辺境の女人族アマズールの者であることが判ります。魔法使いは慌てて、叱り付けながら助け起こし、すぐにマントで彼女の姿を隠します。アマズールの少女はまる夢遊病者のようにぼうっとしながらそれに従います。それ以上の尾行は不可能です。

※アマズール族とは?

 独特な宗教文化をもつ女性のみの民族、それがアマズール族です。その出で立ちは必要最低限の衣服のみの軽装ですが、軽妙な槍術を操る侮れない戦士たちです。アマズール族は、南方暗黒大陸にあると云われる伝説の女族国の民という説もあります。

場所 : 衛兵詰所

 官警の本部です。アレッゾとは、昼はこの場所で会えます。彼は昨夜の出来事を語り、強力な忍者か、女性型モンスターの仕業であろうとの絞込みを進めていると語ります。彼はここで正式に協力を要請します。捕らえた時の報酬は一人300GPです。

場所 : カース亭屋台

 冒険者が訪れると、主人がフェアリィの少女に食事をさせているところです。疲れきり、傷ついたフェアリィを見付けて保護したとのことです。フェアリィはおずおずと礼を言うと、自分の名はプサリーニ、人を探しに来たのだと語ります。【敬虔】*4判定に成功すれば、打ち解けることができます。しかし、彼女は自分のことをそれ以上語ろうとはしません。体調が回復すると、店の主人にもう一度礼を言ってどこかへと去っていきます。

場所 : 衛兵詰所

 再び訪れると、ちょうどアレッゾに来客があるところです。訪れていたのは二人の司祭で、いずれも別々の教派です(善と悪の戒律)。彼らは自分の教会の聖水盆が壊されたのをそれぞれ相手の教派の仕業だとアレッゾに訴えています。彼は頭を抱えながら、また後で来てくれと冒険者を帰します。

場所 : 教会

 教会の聖水盆は直る目途がついていません。宗教的に聖水がなくて困る、というよりは僧侶たちはメンツを潰されたという点ばかりに怒っています。犯人は不明です。

<第二日 夜>

場所 : 夜警

 アレッゾは冒険者一行をひとつのチームとして夜警するように依頼します。そしてこの夜警の最中に、まさに凶行の現場に出くわします。
 下手な歌をがなりながら歩いているドワーフの酔っ払いの背後から、黒い影が襲いかかります。その正体は以前に街で見たアマズールの少女です。彼女は襲撃を邪魔されると、一行に襲いかかってきます! 防具を着けていないために防御は弱いのですが、かなり切れ味の良い短刀を持っています。

■パスターク

・不確定名称 : 蛮族の女  (Native Woman)

レベル 特殊能力
AC なし
HP 30
敏捷 16 備考
生命力 14 人間属、戦乙女系
命中補正 +30%
攻撃回数 解説
ダメージ 1D4+4  アマズール族の若き戦士。邪教の信徒ワルプスルグの呪術によって、心身を操られ本来の能力を発揮できていない。本来の得物は槍だが、与えられた短刀で襲いかかってくる。
攻撃範囲
移動力
魔法 ――
魔法威力 ――
抵抗値 12
士気 100
経験点 300
対ディスペル率 ――

 彼女のHPが5以下になった時、あるいは倒された時に、フェアリィのプサリーニが慌てて飛びこんできます。彼女は「パスタークを殺さないで!」と哀願し、アマズールの少女の頭に持っていた聖水を振り掛けます。
 聖水を掛けられたパスタークは正気を取り戻し、自分が邪教の妖術に操られ暗殺のための傀儡として鍛えられつつあること、操っているのは“雄羊の寺院”のワルプスルグという男であることを伝えます。フェアリィのプサリーニは彼女の友であり、アマズールの地から追ってきたのです。
 辺境の火山に住む女系氏族アマズールは、昔の誇りある時代と違って、現在はすっかり奇怪な魔神を崇める蛮族へと身を落としてしまっています。そしてまさに雄羊の寺院こそが、アマズール族に偽りの神を与えて、近づく異種族を皆殺しにするように命じているのです。戦士であったパスタークはそんな部族の現状に疑念を感じ、アマズール族を解放しようとしましたが、あえなく捕らえられ、奇怪な妖術の実験台にされました。彼女の身体には魔力を帯びた刺青が彫り付けられています。そしてより技を磨き、より無慈悲になるようにワルプスルグに預けられたのです。
 自首しようとするパスタークにフェアリィのプサリーニは、「一日に一度、聖水を掛ければ正気を維持し続けることができるし、いつか呪いを解くことができるはず」と泣いて訴えます。

場所 : 夜警

 パスタークをアレッゾに差し出すか否かが、大きな決断となります。相談していると、冒険者の元にアレッゾの部隊が合流してきます。彼は同行しているパスタークのことを尋ねますが、どう応えるかは自由です。
 パスタークの正体が明かされたのならば、すぐに逮捕されて牢に収容されます。アレッゾは事情を聞いてもなお、彼女を死罪とするでしょう。彼が同情心を持っていないというわけではありませんが、法は法なのです。

<第三日 昼>

場所 : カース亭屋

 アレッゾや兵士たちがここを訪れますから、ここにパスタークをかくまうのは困難です。この事件のことを主人に相談した場合、呪いから身を守るには教会の結界の中が良いだろうと答えます。また、アマズール族は本来、災厄の王なる昔の英雄に連れてこられた部族であり、彼が手にしたと言われる魔筆……コズミックフォージさえあれば、この呪いを解くことも容易だろうと口にします。

場所 : 教会

 主人が言うほどに、教会は信用のできる場所ではありません。聖水が失われたために(もちろんワルプスルグの仕業)、それを購入することはできません。もしも、パスタークを連れてきたのであれば、教会は異教徒を保護しないと、押し返されるだけです。

場所 : 衛兵詰所3

 もしアレッゾがパスタークの事を知らなければ、彼は見当はずれの捜査に忙しくしています。

場所 : 市場

 必死で聖水を探していると、ワルプスルグがそれを見付け、声を掛けてきます。彼はパスタークが帰らないことから、誰かに捕らえられたのではないかと疑いをすでに抱いています。彼の支配下にある彼女が、自ら逃げ出すことは考えられないためです。
 この場でワルプスルグを捕らえることは不可能です。訴えるだけの材料が揃っていないためです。だいいち、パスタークを官憲に渡すハメに陥ります。

<第三日 夜>

場所 : パスタークの居る場所

 聖水が入手できないまま、一日が過ぎてしまいます。プサリーニにももう手持ちがありません。パスタークは自分を殺すか、縛って無力化して欲しいと願います。
 残念ながら、パスタークをどこにかくまっていても、どこに逃げても、ワルプスルグにはその位置が判っています。彼はパスタークを取り戻しに来ます。
 まず襲撃には召喚したデーモンインプを使い、パスタークにも命令を下します。もし彼女が無力化されていないのであれば、この襲撃に敵として加わります。

・敵 : デーモンインプ*1、パスターク*1

■デーモンインプ  (Demon Imp)

・不確定名称 : 悪魔  (Demonic Figure)

レベル 特殊能力
AC 魔法無効化30%
HP 5D6+30
敏捷 1D6+8 備考
生命力 12 魔神属
命中補正 +35%
攻撃回数 解説
ダメージ 1D6  下級の魔神。より上位の魔神や、邪悪な魔術師に使役される使い魔である。低レベルながら魔術を行使する。
攻撃範囲
移動力
魔法 S2
魔法威力 +3
抵抗値 13
士気 70
経験点 150
対ディスペル率 ――

■パスターク  (Pasterk)

・不確定名称 : 蛮族の女  (Native Woman)

レベル 特殊能力
AC なし
HP 30
敏捷 16 備考
生命力 14 人間属、戦乙女系
命中補正 +30%
攻撃回数 解説
ダメージ 1D4+4  アマズール族の若き戦士。邪教の信徒ワルプスルグの呪術によって、心身を操られ本来の能力を発揮できていない。本来の得物は槍だが、与えられた短刀で襲いかかってくる。
 
攻撃範囲
移動力
魔法 ――
魔法威力 ――
抵抗値 12
士気 100
経験点 300
対ディスペル率 ――

 パスタークは毎ターンの先頭に【知性】*3判定を行い、成功すれば自分の攻撃衝動を押さえることができます。この時、彼女は冒険者の味方として敵を攻撃します。しかし、己の呪縛との格闘は彼女に非常な苦痛をもたらします。
 使い魔のデーモンインプが撃退されると、ワルプスルグは自ら攻撃に出ます。

・敵 : ワルプスルグ*1、レプティリアン傭兵*2

■ワルプスルグ  (Walpusrg)

・不確定名称 : 法衣姿の人影  (Man in Robes)

レベル 10 特殊能力
AC なし
HP 80
敏捷 12 備考
生命力 13 人間属、妖術師系
命中補正 +55%
攻撃回数 解説
ダメージ 1D4+6  邪教“雄羊の寺院”に属す妖術師。魔道手術によって自我を失わせたパスタークを操り、無慈悲な暗殺者として育成していた。

※ 周囲に騒ぎが悟られないように範囲型攻撃魔法は使用を避けます。カティノなどの魔法で冒険者を無力化しようとします。

攻撃範囲
移動力
魔法 S5W5
魔法威力 +8
抵抗値 18
士気 100
経験点 500
対ディスペル率 ――

■レプティリアン傭兵  (Reptilian Mercenary)

・不確定名称 : 武装した人影  (Man in Armor)

レベル 特殊能力
AC なし
HP 40
敏捷 12 備考
生命力 14 人間属、戦士系
命中補正 +30%
攻撃回数 解説
ダメージ 1D8+4  ワルプスルグに雇われた用心棒。十分な報酬を支払われているため、雇い主の命に従って勇敢に戦う。
攻撃範囲
移動力
魔法 ――
魔法威力 ――
抵抗値
士気 100
経験点 200
対ディスペル率 ――

 もし冒険者たちが劣勢になった場合、アレッゾが駆けつけて助勢します。そのような場合は、ワルプスルグは全てを諦めて逃走します。
 ワルプスルグが現場に残した荷物の中からは一瓶の聖水と、ストニング・スクロール(魔術2レベル、ボラツが使用できます)が見つかります。パスタークは、このスクロールを自分に使ってくれるように頼みます。こうして封印されたまま、彼女は解決方法が見つかるまで年もとらずに平穏に過ごすことができるのです。
 パスタークが石化したのであれば、アレッゾも彼女の罪を裁こうとはしません。石化している時は、その罪でさえ停止するというのが法に記載されているからです。
 フェアリィのプサリーニは涙を流しながら、禁断の魔筆……その力を持ってして彼女の呪いを解きたいと誓います。

<シナリオの経験値>

 これで冒険は終了です。倒した敵の経験値を足し合わせて、各冒険者に与えられます。
 他の経験値として、ワルプスルグは500点、レプティリアン傭兵は1人あたり200点、パスタークは300点として計算します。
 さらに物語を達成したボーナスで500点、パスタークが最後まで命を落とさずに済んだ場合はさらに300点が与えられます。