ＷＩＺＡＲＤＲＹ　ＲＰＧ

-　ＯｕｔＬａｗｓ　Ｅｄｉｔｉｏｎ　-

■ルールセクション■

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◇アイテム◇

　冒険をするには色々な物品が必要となるでしょう。モンスターと戦うための武器や防具が必要となります。地下迷宮の探索には明かりやロープなどがいるでしょう。また、食料品や水は必須です。旅の途中で夜を過ごすのであれば、キャンプの道具があれば便利でしょう。
　ここでは、そういったアイテム類を紹介します。

１．武器

１−１．接近戦用武器　＜Ｍｅｌｅｅ　Ｗｅｐｏｎ＞

　モンスターと直接、剣を交えるパーティの前衛に立つキャラクターが使用するのが、この接近戦用の武器です。職業によっては装備できない武器もあるので注意してください。また、両手持ちの武器を装備した場合は楯が使用できなくなります。
　対応する技能によって、６種類に分類されます。

□１．短物　＜Ｗａｎｄ　＆　Ｄａｇｇｅｒ＞

◆ダガー

　いわゆるナイフの類です。戦闘以外にも、物を切ったり、穴を掘ったりと様々な使い方ができます。

◆スティック

　片手で扱える木製の短杖。主にフェアリィたちが護身用に使っています。

□２．剣　＜Ｓｗｏｒｄ＞

◆ソード

　ショートソード、ロングソード、トゥーハンデットソードの３種類があります。ショートソードは、短めの刀身を持った剣で、逆手に持つこともできます。ロングソードは、長い刀身を持つ騎兵用の剣で、斬る、払う、突くなどの様々な剣技に対応します。トゥーハンデットソードは、文字通り両手で扱う長大な刀身を持つ歩兵用の剣です。当然、両手がふさがってしまうので楯は装備できません。
　また、ロングソードの亜種として、レイピアと呼ばれる剣もあります。軽く細身の刀身の長剣で、主に刺突に適しています。軽快で扱いやすく、盗賊なども装備できます。

◆カタナ

　東方から伝わった湾曲した刀身の片刃の長剣です。侍や忍者など東方起源の職業のみが扱えます。刀身の長いものを打刀、刀身が短く逆腕でも扱えるものを脇差と呼びます。また、忍者が主に使用する打刀は、反りが浅く、鍔が大き目の独特の形をしており、忍者刀と呼びます。

□３．戦斧　＜Ａｘｅ＞

◆アックス

　木を切り倒すための道具である斧とだいたいの形状は一緒ですが、より一点に打撃を集中できるように三日月の形をした斧頭をしています。剣と違い切れ味よりも、打撃力を重視する戦士たちに使用されています。片手で扱う小振りの手斧であるハンドアックス、騎兵用の片手で取りまわせる戦斧をウォーアックス、両手で使用する重戦斧をバトルアックスと呼びます。

◆ウォーハンマー

　金槌をより武器的に手を加えたものです。硬い甲冑に対して打撃を与えるために、鎚頭を尖らせているものもあります。

□４．棍棒　＜Ｍａｃｅ　＆　Ｆｌａｉｌ＞

◆スタッフ

　ただの長い木製の杖に過ぎません。魔法の力を封じこめたものも存在します。

◆メイス

　棍棒の先を金属で補強した武器です。戒律で刃物の所持を禁じられている聖職者の武器として有名ですが、相当な殺傷力を秘めています。

◆フレイル

　打撃部分と柄の部分を鎖で繋いだ連結棍棒。振りまわすと遠心力によって打撃力を増すことができる仕掛けになっています。鎖の長さによって間合いが調整できます。

◆ウィップ

　革で作られた紐状の武器。長さがだいたい２ｍほどあり、遠くの目標にも攻撃できます。

□５．長柄　＜Ｐｏｌｅａｒｍｓ＞

◆クォータースタッフ　（分類：「長柄」）

　六尺棒。樫の木など硬い木材で作られた長い棒杖。主に武僧たちによって使用されます。

◆スピアー　（分類：「長柄」）

　槍です。安価に制作でき、間合いをもって攻撃できるために各国の軍隊でもよく使用されています。片手持ちの短い槍のスピアーや、両手持ちの長槍のパイク、穂先が槍と斧を組み合わせた形をした鉾槍のハルバード、騎兵用の重い槍であるランスなど種類があります。

□６．拳闘　＜Ｐｕｇｉｌｉｓｍ＞

◆格闘用武器　（分類：「拳闘」）

　自分の手足を武器とする拳闘において、拳を保護したり、より強烈な打撃を与えるための補助となる武装があります。通常の武器と異なり、これらの武器を装備することによって、素手（手や足）での基本ダメージに効果が加算されます。
　なお、忍者と修道僧の素手での基本ダメージは手が１Ｄ６、足は１Ｄ１０となります（手はそれぞれ主、補武装扱い。足は両手武装扱いとなります）。それ以外の職業の素手での基本ダメージは手が１Ｄ３、足は１Ｄ６となります。
　拳に着用するセスタスのような護拳は、左右の手にそれぞれ装備します。これらの武器は小手の上からも装備できます。また、足での攻撃の威力を高めるフットスパイクのような装具は、通常の靴（ブーツ）の上から着用するため、防具としての靴の上から装備できます。

◇接近戦用武器リスト◇

名称　：　アイテムの名前です。
分類　：　その武器を扱うための『技能』の分類です。
種別　：　その武器を扱える持ち手の種別です。「主」なら利き手のみ、「補」なら利き手、逆手で、「両」なら両手持ちとなります。
射程　：　その武器の効果範囲。「短」は隣接のみ、「中」なら２マスまで、「長」は３マスまで、「投」は５マスまで、「射」は３０マスまで攻撃できます。
ダメージ　：　その武器の１回の攻撃命中で与えられる基本ダメージです。
職業　：　その武器を装備できる職業の略名です。
Ｆ装備　：　フェアリィが装備できる装備。
価格　：　すべての単位はＧＰ（ドラクマ金貨）です。
重量　：　その武器の重さです。

１−２．射撃武器　＜Ｍｉｓｓｉｌｅ　Ｗｅｐｏｎ＞

　パーティの後衛から遠くの敵に対して攻撃するには、飛び道具が必要となります。投擲武器以外は、矢弾の補充に逆腕を使用するので、楯の装備はできなくなります。
　対応する技能によって、４種類に分類されます。

□１．投擲　＜Ｔｈｒｏｗｉｎｇ＞

◆投擲武器

　手裏剣や投げナイフなど、手で投げて使用する武器です。ダークは鍔のない投げナイフで、鉄針は棒手裏剣とも呼ばれる手裏剣の一種、羅漢銭は主に修道僧が用いる銅銭を模した投擲武器です。

□２．弓　＜Ｂｏｗｓ＞

◆ボウ

　木製の弓に羊の腸や馬の尾毛製の弦を張ったもの。専用の矢であるアローとセットで使用します。

◆クロスボウ

　矢をセットする台に対して弓が横に配置されているため、十字に見えることから十字弓とも呼ばれます。専用の矢であるクォレルとセットで使用します。

□３．投石具　＜Ｓｌｉｎｇ＞

◆スリング

　石つぶてを投げるための投石紐。平たい円盤状に成型した専用の弾も販売されていますが、川原で探せば手ごろな石が見つかるでしょう。

□４．火器　＜Ｆｉｒｅａｒｍｓ＞

◆ピストル

　先込め式の単発の火縄銃で、銃口から炸薬と弾丸を装填し、引き金に連動した発火装置で炸薬に着火して弾丸を射出する射撃武器です。専用の弾薬であるショット＆パウダーをセットで使用します。

◇射撃武器リスト◇

名称　：　アイテムの名前です。
分類　：　その武器を扱うための『技能』の分類です。
種別　：　その武器を扱える持ち手の種別です。「主」なら利き手のみ、「補」なら利き手、逆手で、「両」なら両手持ちとなります。
射程　：　その武器の効果範囲。「短」は隣接のみ、「中」なら２マスまで、「長」は３マスまで、「投」は５マスまで、「射」は３０マスまで攻撃できます。
ダメージ　：　その武器の１回の攻撃命中で与えられる基本ダメージです。
職業　：　その武器を装備できる職業の略名です。
Ｆ装備　：　フェアリィが装備できる装備。
価格　：　すべての単位はＧＰ（ドラクマ金貨）です。
重量　：　その武器の重さです。

２．防具

　防具は身体に付ける部位によって、鎧、楯、兜、小手、靴、外套と６つに分類されます。キャラクターのＡＣは、基本ＡＣからこれら装備した防具のＡＣを加えたものになります。

２−１．鎧　＜Ａｒｍｏｒ＞

◆ローブ

　長衣と呼ばれる丈の長い厚手の布製の装束（クロージング）で、多少の防御能力を持ちます。布製なため加工がしやすく、様々な意匠や色彩のものがあります。

◆レザーアーマー

　皮革製の胴鎧です。金属製の鎧に比べて軽く、静穏性に優れるため盗賊などに愛用されます。

◆チェインメイル

　金属製の細かな鎖を編んで作られた胴鎧。金属製の鎧にしては軽く、動きやすい鎧です。

◆ブレストプレート

　胸部を一枚の金属プレートで防護する胴鎧。かなりの防御力を持ちます。

◆ラメラアーマー

　金属製の小札を、色染めした糸で留め合わせた胴鎧。主に侍が着用する東方の鎧です。かなりの防御力を持ちます。

◆プレートメイル

　上半身から腿にかけて隈なく金属プレートで覆い、間接部には鎖鎧を配した完全鎧。高い防御力を誇りますが、相当な重量になります。

２ー２．楯　＜Ｓｈｉｅｌｄ＞

◆シールド

　逆腕に装備して、敵の攻撃から身を守るための防具です。グリップを手にもつ小型の楯（バックラー）と、ベルトで腕に止めてグリップを握る大型の楯（ヒーターシールド）があります。

２−３．兜　＜Ｈｅｌｍｅｔ＞

◆ヘルム＆ハット

　頭に装備する防具全般を指しますが、布製の帽子（ハット）と革製や金属製の兜（ヘルム）があります。帽子は後衛の職業でも装備できますが、鉄兜になると前衛の職業でしか装備できなくなります。
　また、額冠状の防具（ダイアディム）も兜の一種となります。

２−４．小手　＜Ｇａｕｎｔｌｅｔｓ＞

◆グラブ＆ガントレット

　手から腕にかけてを保護する防具です。革や布製の手袋（グラブ）と金属プレートで覆った小手（ガントレット）があります。小手のほとんどは金属製の重いものなので、主に前衛職の防具となります。

２−５．靴　＜Ｂｏｏｔｓ＞

◆ブーツ＆ソラレット

　靴など足を保護する防具です。革や布製の靴（ブーツ）と金属プレートで覆った鉄靴（ソラレット）があります。鉄靴のほとんどは金属製の重いものなので、主に前衛職の防具となります。

２−６．外套　＜Ｃｌｏａｋ＞

◆クローク

　鎧の上から羽織る外套です。強い陽射しや風雨から身を守ると共に、若干の防御効果も持ちます。　

◇防具リスト◇

名称　：　アイテムの名前です。
分類　：　その防具の分類（不確定名称）です。
ＡＣ　：　その防具を装備した際のＡＣ補正です。
職業　：　その武器を装備できる職業の略名です。
Ｆ装備　：　フェアリィが装備できる装備。
価格　：　すべての単位はＧＰ（ドラクマ金貨）です。
重量　：　その防具の重さです。

３．その他のアイテム

　戦っているばかりが冒険ではありません。キャラクターたちにも日々の生活があります。そうした生活でのアイテムを紹介します。

◆衣類と日常品◆

◆食事と生活◆

◆騎獣◆

◆騎獣の維持費（食費）◆

４．マジックアイテム

　『ＷＩＺ　ＯＥ』の世界には不思議な力を持つアイテムが数多く存在します。この項ではそれらの代表的なアイテムの解説と、オリジナルのマジックアイテムのルールを紹介します。

４−１．魔法の武器と防具　＜Ｍａｇｉｃ　Ｗｅｐｏｎ＆Ａｒｍｏｒ＞

　強い力を持った武器や、高い防御力を持つ鎧は戦士たちの憧れの的でしょう。これら伝説の武器や防具を手に入れるためにシナリオが新しく作れる程です。
　ここでは、もっともポピュラーな魔法の武器と防具の性能を紹介します。

　魔法の武器の最低攻撃回数とは、その武器を装備したキャラクターがその回数だけ攻撃する技能レベルに達していなくても、最低それだけの回数は攻撃できるという意味です。キャラクターがそれ以上の攻撃回数をもつ技能レベルにあれば、そちらの方を優先します（攻撃回数が加わるわけではないことに注意）。ダメージ補正は攻撃が成功するたびに足される補正値です。体力や技能レベルによるダメージ補正と同様に扱ってください。
　魔法の防具については、プラスの数が大きくなるほど防御効果が高くなります（つまりＡＣが下がる）。楯の場合はシールドブロックの防御補正も高くなります。
　価格については、その元となっている武器や防具の基本価格に対して適用されます。つまり、ロングソード＋２であれば、普通のロングソードは６５ＧＰで商店で扱われているため、６５ＧＰ＊５０＝３２５０ＧＰで取引されます。

◆魔法の武器◆

◆魔法の鎧◆

◆魔法の楯◆

４−２．伝説のアイテム　＜Ｌｅｇｅｎｄａｒｙ　Ｉｔｅｍｓ＞

　めったに見つかることがないですが、更に強力な性能を備えたアイテムも存在します。ここではその中のごくごく一部を紹介します。

◆シーブスダガー　（ダガー）

　盗賊と忍者しか装備できない短剣。込められた魔力を解放することによって、盗賊は忍者に転職できます。それまで得た経験値はそのままで、特性値やＨＰ、技能も変化しません。経験値に応じたレベルの忍者となります。ただし、力を解放したダガーは壊れてしまいます。

◆苦無　（ダガー）

　忍者しか装備することのできない特殊なナイフ。最低攻撃回数１回、命中補正＋２０％、ダメージ２Ｄ６＋１０、さらに「斬り術」補正＋５％の強力な武器です。また、武器に込められた魔力を解放すると最大ＨＰが１Ｄ６点上昇しますが、苦無は壊れてしまいます。

◆ワースレイヤー　（ロングソード）

　獣人属に対抗するために鍛えられた銀製の長剣。獣人属の魔物に対しての攻撃はパワーヒット扱い（ダメージ二倍）となります。それ以外の対象には、ロングソード＋１相当の性能となります。

◆ドラゴンスレイヤー　（ロングソード）

　竜属に対抗するために鍛えられた魔剣。竜属の魔物に対しての攻撃はパワーヒット扱い（ダメージ二倍）となります。それ以外の対象には、ロングソード＋１相当の性能となります。

◆ブレードカシナート　（ロングソード）

　名匠カシナートの手によって鍛えられた長剣。現在もなおカシナートの名を継ぐ刀工によって打ち続けられています。最低攻撃回数４回、命中補正＋２０％、ダメージ１Ｄ６＋１０のロングソードです。

◆村正　（カタナ）

　遥かな東方から渡ってきた圧倒的な威力を秘めた最強の武器。その力に魅せられ幾人もの侍が道を外したともいわれる妖刀です。最低攻撃回数１回、命中補正＋２０％、ダメージ３Ｄ２０の刀です。

◆コールドチェインメイル　（チェインメイル）

　ひんやりと冷たい冷気をまとった青い金属で作られたチェインメイル。炎の魔法やブレス攻撃の威力を半減させることができます（ダメージは端数切捨て）。防具としての性能はチェインメイル＋３に相当します。

◆ガーブ・オブ・ロード　（ローブ）

　君主の聖衣。神の祝福を受けた君主専用の甲冑です。いかなる武器を使っても獣人属、不死属、魔神属の魔物に対する攻撃はパワーヒット扱い（ダメージ二倍）となります。また「斬り術」と同じ致死攻撃（１０％）の効果を得ます。さらにすべての状態異常への抵抗補正＋１０％、すべての魔法に対して無効化率２０％、戦闘時には毎ラウンドＨＰ回復＋１といった凄まじいまでの性能を誇ります。また、秘められた力を解放するとパーティ全員のＨＰを全快することができますが、ガーブ・オブ・ロードは破損してしまいます。防具としての性能はローブ＋９に相当します。

４−３．魔法の薬品　＜Ｐｏｔｉｏｎ＞

　僧侶の回復魔法と同じ効果を持った魔法の薬です。口に入れるだけで効果を発揮します。
　大きな商店や教会などで販売されています。

◆魔法の薬品◆

４−４．魔法の巻物　＜Ｓｃｒｏｌｌ＞

　魔法を習得していない者でも、一度だけ魔法が使えるように呪文の封じ込められた巻物です。魔法の巻物は魔法文字で記されており、封じられた呪文を解放するには「書術」技能を習得している必要があります。
　魔法の巻物に込められた呪文を使用する場合、習得している「書術」技能レベル以下の呪文は自由に使用することができます。もし、習得している「書術」技能レベルを上回る魔法レベルの呪文を使用する場合、「書術」技能を目標値にして判定をします。その場合、使用する巻物の魔法レベルと自身の「書術」技能レベルの差１レベルごとに−５％の補正を受けます。

例）「書術」技能３レベルの者が魔法５レベルの呪文が封じられた魔法の巻物を使用する場合

　魔法レベル：５　−　「書術」技能レベル：３　＝　レベル差：２　＊　補正：−５％　＝　判定の補正：−１０％

　成功した場合、呪文が発動して、巻物は燃え尽きます。失敗した場合、呪文は発動せず、巻物もまた破損することはありません。
　魔法の巻物は一般的にはあまり取引されていません。大きな街の学院などで、門下生に対してわずかに販売している場合があります。

◆魔法の巻物◆

４−５．魔法の書物

　魔法の書物には、呪文を習得することができる魔道書と技能を習得することができる技能書があります。

□１．魔道書　＜Ｓｐｅｌｌ　Ｂｏｏｋ＞

　魔道書はある呪文について記された魔法の書物です。魔法の巻物と同じく封じられた呪文を使用することができます。また、魔法の巻物よりも多くの情報が詳細に記されているために、魔道書を熟読することによって、記されている呪文を習得することができます。魔道書は魔法文字で記されており、封じられた魔力を解放するには「書術」技能を習得する必要があります。
　呪文を使用する場合、習得している「書術」技能レベル以下の呪文は自由に使用することができます。もし、習得している「書術」技能レベルを上回る魔法レベルの呪文を使用する場合、「書術」技能を目標値にして判定をします。その場合、使用する魔道書の魔法レベルと自身の「書術」技能レベルの差１レベルごとに−５％の補正を受けます。

例）「書術」技能３レベルの者が魔法５レベルの呪文が封じられた魔道書を使用する場合

　魔法レベル：５　−　「書術」技能レベル：３　＝　レベル差：２　＊　補正：−５％　＝　判定の補正：−１０％

　記された呪文を習得するには、「書術」技能を目標値にして判定を行います。ただし、その呪文のレベル以上の魔法技能を習得している必要があります。成功した場合、呪文を習得することができ、魔道書は燃え尽きます。失敗した場合、呪文を習得することはできませんが、魔道書もまた破損することはありません。
　魔道書は一般的にはあまり取引されていません。魔法使いがその師匠から譲られる場合が多いでしょう。

◇呪文習得難度表◇

◆魔道書◆

□２．技能書　＜Ｓｋｉｌｌ　Ｂｏｏｋ＞

　技能書はある技能について記された魔法の書物です。技能書を熟読することによって、記されている技能を習得することができます。技能書は魔法文字で記されており、封じられた魔力を解放するには「書術」技能を習得する必要があります。
　記された技能を習得するには、「書術」技能を目標値にして判定を行います。成功すると技能を１レベルで習得することができ、技能書は燃え尽きます。すでに技能を習得している場合は、ひとつ技能レベルが上昇します。ただし、キャラクターレベルの成長制限を超えることはできません。失敗すると技能を習得することはできませんが、技能書もまた破損することはありません。
　技能書は一般的にはあまり取引されていません。

◇技能習得難度表◇

◆技能書◆

４−６．魔法の楽器　＜Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔ＞

　吟遊詩人の演奏によって魔法の効果を発揮する楽器です。これら魔法の楽器を使用するときは、魔法を使うときとは異なりＭＰを消費することはありません。
　魔法の楽器を奏でるには、吟遊詩人であり、なおかつ「音楽」技能を習得している必要があります。吟遊詩人が楽器に封じられた呪文を使用する場合、習得している「音楽」技能レベル以下の呪文は自由に使用することができます。もし、習得している「音楽」技能レベルを上回る魔法レベルの呪文を使用する場合、「音楽」技能を目標値にして判定をします。その場合、使用する楽器の魔法レベルと自身の「音楽」技能レベルの差１レベルごとに−５％の補正を受けます。成功した場合、呪文が発動します。

例）「音楽」技能３レベルの吟遊詩人が魔法５レベルの呪文が封じられた楽器を使用する場合

　魔法レベル：５　−　「音楽」技能レベル：３　＝　レベル差：２　＊　補正：−５％　＝　判定の補正：−１０％

　失敗した場合、呪文は発動せず、楽器もまた破損することはありません。
　魔法の楽器は一般的にはあまり取引されていません。主にエルフの楽器職人が製作していますが、販売用として作っている訳ではないので、どの楽器も入手は困難です。

※ライアー・オブ・リターンの「ディスペル」能力は、僧侶などのそれと同等の能力です。この楽器を使用してのディスペル判定には、通常とは異なり「音楽」技能を用います。つまり、ディスペル判定の目標値は、（【敬虔】＊３）＋（「音楽」技能レベル＊５）％となります。

４−７．魔法の食品　＜Ｈｅｌｐ　Ｆｏｏｄ＞

　特殊な方法で育成された食材やそれを調理した食品を食べることによって、状態異常に対する耐性をもったり、体力（ＨＰ）や魔力（ＭＰ）を回復させることができます。
　口にしてから現実時間の１時間ほど効果が持続します。最大で二種類まで食品の効果を重ねることができますが、同じ食品をふたつ食べてもその効果は二重に重なることはありません。
　また食品は、現実時間１時間に１度しか食べることはできません。もし、食品の効果時間内に他の食品を食べても効果を発揮しません（すでに二種類の食品を食べた上で、その効果時間中にもうひとつ食品を食べても、その食品の効果は無効となります）。
　魔法の食品は、人里離れたフェアリィの里やエルフの王国などで細々と伝えられている口伝によるもので、一般にこうした食品を手に入れることは困難です。

４−８．ガジェット　＜Ｇａｄｇｅｔ＞

　ガジェットとは、小型の魔法機器の総称です。ガジェットを操作すると、何らかの機械的な機構によって、特定の呪文と同等の効果を起こすことができます。
　ガジェットに込められた呪文を使用する場合、習得している「機械学」技能レベル以下の呪文は自由に使用することができます。もし、習得している「機械学」技能レベルを上回る魔法レベルの呪文を使用する場合、「機械学」技能を目標値にして判定をします。その場合、使用するガジェットの魔法レベルと自身の「機械学」技能レベルの差１レベルごとに−５％の補正を受けます。

例）「機械」技能３レベルの者が魔法５レベルの呪文が封じられたガジェットを使用する場合

　魔法レベル：５　−　「機械学」技能レベル：３　＝　レベル差：２　＊　補正：−５％　＝　判定の補正：−１０％

　成功した場合、ガジェットに封じられた呪文が発動します。失敗した場合、呪文は発動せず、ガジェットもまた破損することはありません。

５．荷重による制限　　（選択ルール）

　キャラクターが装備したり、所持できる物品には限界があります。また、重い荷物を背負ったままでの行動には、制限を余儀なくされるでしょう。
　ＷＩＺに登場するアイテムには、すべて「重量」のデータが用意されています。これは、そのアイテムの実際の重さばかりではなく、どれだけかさ張るかどうかという評価も含まれています。
　キャラクターには「限界荷重」が定められています。そして、現在持っているアイテムの合計重量を常に数えておいてください。その現在の所持重量が、限界荷重とどのようなバランスにあるかで、さまざまなペナルティが生じます。

　荷重値の算出の際に、係数を掛ける前に【体力】に「剛力」技能の補正を足すことができます。

例）【体力】１５、「剛力」技能３レベルのキャラクターの場合

　荷重レベル０　：　（【体力】：１５　＋　「剛力」技能補正：３）　＊５　＝　荷重値：９０

　荷重レベル５を超えた荷物を持っている場合、基本的に移動以外の行動は取れません。その移動ですら、よろよろと進むのが精一杯となるでしょう。その場合、ＡＣは常に１５となり、魔法や攻撃などの戦闘行動は取れません。
　このルールを適用した場合、戦闘に必要な装備以外は、背負い袋などに格納しておき、戦闘開始と同時に地面に落とし、ムダな荷重を負わずに戦闘するなどの工夫が必要となるでしょう。

６．鑑定と呪い

６−１．「工芸学」技能による鑑定

　「工芸学」技能を習得しているキャラクターは発見したアイテムを鑑定することができます。ＧＭは、発見されたアイテムの外見をプレイヤーに知らせます。鑑定者はそれを数分かけて調べることによって、そのアイテムの正式名称と効果の概要を知ることができます。鑑定者は「工芸学」技能を目標値として判定を行い、成功した場合はそのアイテムは鑑定されます。失敗した場合は、そのアイテムは未鑑定状態のままとなります。鑑定の際に、出目が目標値より２０以上大きい、もしくは９６以上（自動的失敗）だった場合、もしそのアイテムが呪われたアイテムであったなら、鑑定者は呪われてしまいます。
　なお、特定のアイテムを同じキャラクターが何度も鑑定することはできません。

◇アイテム鑑定難度表◇

６−２．アイテムの呪い

　「工芸学」による鑑定で鑑定者が大失敗するか、うかつにも未鑑定の呪いのアイテムを装備してしまった場合、そのアイテムに込められた呪いが発動します。呪いの具体的な効果で考えられるものとしては、命中率の低下、与えるダメージが半減する、魔法の使用の禁止、【敏捷】の低下などなど、各ＧＭが考えてください。
　アイテムに呪われた場合、その装備者はそのアイテムを手放せなくなります。物理的に手放せなくなるのか、精神的に手放さないのか、ＧＭの設定を聞いた上で、呪われたキャラクターのプレイヤーはそれを上手く演じてください。
　呪われたアイテムは、「錬金術」の７レベル呪文ジルフェによって一時的に呪いを中和して手放すことができます（未装備状態となります）。

７．アイテムの売買

　『ＷＩＺ　ＯＥ』の世界には、冒険者たちを主な商売相手とする商店が幾つかあります。その最も大きなものが『ボルタック商店』でしょう。大きな都市に行けば、必ずといってよいほどその支店があることでしょう。ボルタック商店では、基本となる通常のアイテムならすべて揃っており、定価で販売されています。時によってはマジックアイテムの在庫もあるかもしれません。
　キャラクターは地下迷宮などで手に入れた不要なアイテムを、ボルタック商店に売ることができます。ただし、商店の買値は売値の半額以下（だいたい定価の３分の１から５分の１程度）となります。未鑑定のアイテムであれば、通常のアイテムとして買い取られます。
　ボルタック商店でアイテムの鑑定を行ってもらう場合、１個につき１，０００ＧＰの手数料が取られます。ボルタックの鑑定士が失敗することはありません。しかし、この世には通常の方法では鑑定できないアイテムという物も存在します。
　ボルタック商店では、呪われたアイテムの解呪も引きうけています。呪いの強度によって、その手数料は変動しますが、相場としては５００〜５０，０００ＧＰ程度の料金（だいたい定価の半額）が掛かります。解呪されたアイテムは、呪いを一時的に中和して手放すことができます（未装備状態となります）。手放すことができるようになった呪われたアイテムは返還されます（破壊することはできません）。
　ごく稀に商店でも解呪できない強力な呪いのかかったアイテムも存在します。その場合は、呪いを解くための何らかの条件を捜す必要があります。

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