写真解説(左から右そして下段の左へ)
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(写真1)
(第一ステージ)中央ピラミッドからスタート。次にまったく同じ大きさのコーナーピラミッドを4つ作る。階段式入口ピラミッドが北側の位置になる。中央ピラミッドとコーナーピラミッドは対角線上で交わり、後々水平基準点として重要な役割を持つ。
(写真2)(写真3)
中央ピラミッドと入口ピラミッドをつなぎ王妃の間を作る。この時、下降通廊と上昇通廊、水平通廊が出来る。次に東西側面を結合。
側面においては広くて平らな場所が残り、両側同時に作業ができ、効率的。
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(写真4)
南北側面も積み上げたところ。ピラミッドの各段の高さはすべて同じということではなく、この時点で正確に水平面(高さ)をチェックすればよい。4つのコーナーピラミッドの高さが基準点になる。また石積みの特徴として、外側はとても精密であるけれど、内部に行くほど、それほど正確でなくても調整できる。
(写真5)
西側から王妃の間、上昇通廊を眺める。王妃の間から南に向かってシャフトが作られる。中央(赤色部分)持ち出し構造を持つ大回廊造作中。
(写真6)
ピラミッドの入口は北面地上17mに設けられているが、中心線から約7.3m東(左)に偏っている。これは内部構造の位置に関係する。王の間を中心とすると王の間の入口は東(左)側下方にあるので(王の間は左右10.42mの間口がある)それに繋がる通廊も東(左)に偏ることになり、ピラミッドの入口も東(左)にずれることになる。
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(写真7)(写真8)(写真9)
(第二ステージ)再び4つのコーナーピラミッドから始まる。これも水平基準点になる。側面を結合し、外側から内側に向かって石を積み上げていく。大回廊、王の間がここに収まり、王の間からは南北に向けて2本のシャフトが作られていく。大きな空間だが中へ中へと塞ぐように石を積み上げる。
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(写真10)(写真11)(写真12)
(第三ステージ)最終工程。同様に4つのコーナーピラミッドで始まり、側面を結合。ここにも空間を作ることが可能である。小さなピラミッドの集合体のように見える。
大ピラミッドの構造に関する質疑応答

(問1)大多数のピラミッドは崩壊したのに、なぜ大ピラミッドは生き残ったのか?
(答)大ピラミッド全体が大地震にも耐えられる特殊構造と積み上げられた石の重み(重力)を拡散する構造になっ ている。通常、垂直にかかる力はピラミッドの外側に向けて横滑りの作用を生じ、ピラミッドの自壊に繋がると考えられている。

(問2)王妃の間周辺から吹き出てきた砂はピラミッドの耐震構造(柔構造)に必要と言われているが?
(答)吹き出てきた砂だけで、即結論を導くには少し無理がありそう。
ピラミッド全体に対する砂の含有量が不明です。王妃の間周辺だけか、あるいはピラミッド全体にまんべんなく存在しているのか?調査してみないと。
 むしろ、ピラミッド全体がフラクタル体構造になっており、各パーツをブロック別にΛΛ型(逆さW字型)とV型(V字型)を組み合わせることによって免震構造と内向き作用の二つの働きを同時に持たせているのではないかと考えたい。
砂はその補助的な働きはあるかもしれませんが、結論を導くには建築工学的実験で確認が条件と思われる。その為には、ある程度の大きさの模型を作る事が必要でしょう。

(問3)フラクタル体構造とは?
(答)部分的構造が全体的構造と相似形になっている数学上の構造のことであり、図形ではシェルピンスキー・マンダラやコッホ曲線(雪片曲線)などがある。


(問4)なぜ上昇通廊には技術的相違(精巧さと粗さ)が見られるか?
(答)上昇通廊の建造手順は二段階に分かれ、(第一ステージ、第二ステージ)時間の経過と共に、技術者の変動と技術力の均一性に変化が起きたと思われる。

(問5)石棺、石栓、落とし戸などは、どの段階で造作されたのか?
(問6)なぜ松明の明かりは使われなかったのか?(内部にはススの痕跡がない)
(答)内部構造はどのようにして造られていったか?としてまとめてお答えします。
建造手順でお判りの通り、全て青空の下、野外での作業で出来上がっている。石栓で塞がれている部分も、予め、はめ込むことが出来る。だから作業員が中に閉じ込められることはなかったし、特段、脱出口を作ることも必要なかった。また、密封された所での作業がないので、空気の取り入れ口も必要ない。

(問7)王の間、王妃の間から外に伸びている4本のシャフトの目的は?
(答)通常、換気口とかスターシャフトと呼ばれているが、空気を取り入れず、天文学的意味がないとすると、(或いは、あるかも知りませんが)建築に必要な目的と考えられる。ピラミッドの外側側面までシャフトを伸ばせば南北に同じ高さになる。同一の高さは水平基準点となり石を積み上げていく上で、重要な目印として必要である。と同時に精密な傾斜角度を確認する上でも必要だった。

(問8)重力拡散の間は上からの重力に対して本当に拡散の役目があるのか?
(答)ピラミッド全体の容積から比較すると大変小さな部分であり、その構造だけでは単純に石を積み上げたとしたら内部崩壊するだろう。ピラミッド全体が重力拡散の構造(フラクタル体構造)になっていると考えたほうが理解しやすい。

(問9)なぜ王妃の間から砂が吹き出てきたのか?
(答)天井のある構造は大変複雑であり、外側から見てもかなり入り組んでいる。この外壁と積み上げられた石との隙間を完全に密封される為に使用されたと思う。同じく、王の間の周辺からも砂が出てくる可能性がある。

(問10)未知の空間「部屋」は存在するのか?
(答)黄金分割の設計では上部にかなり広い空間を作ることが出来る。その場合、シャフト2本が南北に伸びることになる。外側まで突き出ているとすれば、そこがチェックポイントになり、反応がでれば「部屋」は存在すると確信できる。