京都旅行記2004(前編)
今年の8月末、京都に1週間滞在した。私の研究分野の学会が主催する夏期講座に参加するためだ。
全部で6日間の講座。授業は1コマ100分とハードなものの、講師がすべて、学術書を何冊も出すくらいの著名な方々。
2万円を出して参加する価値のあるものと判断して、思い切って参加することにしたのだ。
といってもここでその講義録を書いてもしょうがないだろうから、ここではいつも通り私の京都旅行記をつらつらと書き連ねようと思う。
初日。
17:05千歳発の飛行機に乗る。伊丹空港行きである。
北海道は比較的晴れていたものの、関西方面は天気が悪く、雨雲のおかげで飛行機がゆれることが心配だった。
実際はさほどゆれずに済んで、ほっとしている。
それにしても伊丹空港に着陸するのは2度目だが、毎度ながらこの空港は街のど真ん中にあることを実感する。
窓から外を見て、ずいぶんビルが近くに見えて不安に思ってはいけない。
なぜなら、そういうところに伊丹空港があるからだ。
ともかく無事伊丹着。飛行機を降りる。モワッとした空気を感じる。夜だというのに蒸し暑い。日中が思いやられる・・・
京都に着いて、チェックインを済ませ、軽い夜食を買い、明日からの長い長い講義に備え、早めに寝る予定である。
これは京都行きのバスの中で書いている。隣の席には誰もいないから、パソコン使っても人目を気にしないで済む。
小さいパソコンを買うと、こういう使い方もあるもんだ。
2日目。
目覚めは良い。朝ごはんを食べて、ホテルを出る。
夏期講座の会場は京都駅の北側出口の西側にある。歩いて5分ほどで着く。
(今回は本当に良い場所なのだ。前回のこの講座は、どこか山奥の旅館に缶詰にされたらしい)
会場の方向に多くの学生風の人が歩いている。この波に乗れば着くだろう。
・・・と思ったら、流れに乗った先にあるビルの入り口に、体温計で有名なオ○ロンのロゴが見えた。
疑いつつも入り口に近づくと、女性社員と思しき人に、IDカードを提示しろと言われる。
この時点で、ようやくビルを間違えたことに気づく。
恥ずかしい思いをしながら道を引き返すと、通り過ぎたビルの入り口に会場名の看板が(目立たないけど)あった・・・
さて、いよいよ講座が始まるわけだが、ここでは省略。
とりあえず、とても面白い、100分がさほど長く感じない、とだけ書いておこう。
朝9時から始まって午後6時近くに終わる。終わった後はホテルに向かう・・・と言いたいのだが。
ホテルは地下鉄京都駅から北へ、五条駅をはさんで四条(しじょう)駅というところで降り、13番出口から歩いて5分。
ホテルのHPの地図によると、「当ホテルまで5分」と書かれた看板が見えるらしい。方向的には東に向かう。
とくりゃ、当然その看板を探すのが筋であろう。
ところが、その看板が見つからない。ていうかそれ以前に13番出口が見つからない。
その上、歩いた末に見えたのが五条駅。お気づきだろうか。京都駅から北に向かって五条駅、四条駅である。
つまり私は東ではなく南に向かって歩いていたのだ。
もちろん歩いている時なんて知ったこっちゃない(気づいた時点で方向転換するわい)。
とりあえず南に歩いていることだけはわかったので、北に東に向かったが、地図を見てもどこを歩いているかわからない。
その上外は雨。小学校低学年以下ならとっくに泣き出しているだろう状況に私はいたのである。
しょうがないから、別のホテルの守衛さんに場所を聞く。言われたとおりに歩いてようやくホテルに着いた。
ちなみに、今回の講座に北海道から参加したのは、私一人だと思っていたが、
会場で、北海道で働いている知り合いに偶然出会う。お互い顔見知りがいてホッとしていた。
3日目。
朝の目覚めは良い。ホテルのバイキングで、京のおばんざい(京都のおそうざい)があるらしいので食べることにする。
はっきり言って、おばんざいと言われなければ何のありがたみも感じない惣菜だったが(煮豆、きんぴらごぼうなど)
それはそれ。京都に来たことに意義があるのだ。
さて授業。まだ100分が長く感じない。
この日はホテルでナイトセッション(大学院生による研究発表)が夜7時半からあるので、それまでにホテルに帰らないといけない。
ということで、授業が終わったのが5時40分過ぎ。
時間があると考えた私は京都駅から四条駅まで歩いて行った。京都の街並みを見れて良かったのだが、
札幌駅からすすきの駅まで(歩いて20分かからない北海道以外の方ごめんなさい)歩く気分で、京都駅から四条駅まで歩いてはいけない。
実測時間、何と30分(!)。しかもそこから夕食の店まで歩いてさらに15分歩いてしまった。
かなりあせり、急いで夕ご飯(お好み焼き)を食べ、ホテルまで若干走った。ローソンが見えたら左折すればホテルだ、と地図で確認していた。
ところが、そのローソンが見つからない。気がついたら、京都駅に向かう大通りに出てしまった。
仕方なく地図を見て(管理人注:私は観光中なるべく地図を見ながら歩かないようにしている)、何とか5分前にホテルに着いた。
4日目。
朝、パッと起きられない自分に気づき、今回の滞在の長さを感じる。
講義に出て、終わった後、今日は河原町(かわらまち)にある湯豆腐の店に向かうことにした。
鴨川も久々に見た。夜の鴨川は景色が良い。次は日中に来てみたい。
さて、目当ての店は鴨川の手前の先斗町(ぽんとちょう)という通りにある。
しかし、歩けど歩けど目当ての店が見つからない(今回このパターン多すぎ)。
通りの真ん中付近だったのだが、ついに突き当たりに出てしまう(ありえない)。
仕方がないから戻る。地図を見直す。南に向かって右手にあるらしい。
しかしそれでも見つからない。ついに通りの出口に戻ってしまった(またかい)。
でも私はくじけない。2往復目に入る。今度は目印となる店を定めた。
しかし歩いている途中で目印の店の名前を忘れる(意味なし)。真ん中を越えたな、と思った所でもやっぱり見つからない。
ついに私は人に道を尋ねた。昔ながらのタバコやのおばあちゃんだ(これも京都ならでは?)。
「出口に向かって5,6軒目がそうだよ」と言われ、律儀に数えて歩いたら、やっと見つかった。ずいぶん目立たない看板だった。
そしてようやく湯豆腐にありついた。安いホテルを予約した分、食事でちょっとお金をかけようと決めていた私は、
湯豆腐懐石を頼む。お値段3,000円(税別)なり。しかしこれは正解だ。
修学旅行以来の京都の湯豆腐は美味い。田楽も湯葉の刺身も豆乳のアイスもおぼろ豆腐も美味い。
あと、ここで生まれて初めてたくあんを食べてみた。豆腐ばかりだと塩気が足りず、漬物はちょうどいい。まぁ1,2切れで十分だ。
長くなったので、5日目からは後編に移すことにする。
(2004年9月1日)