これはGURUMOEのチェリィ様より頂いた大切な宝物です。


オスカー家の晩さん会〜1〜



今夜も炎の守護聖邸では楽しそうな笑い声と共に晩餐が進められていました。
誰もかれもが楽しそうに微笑み、温かな雰囲気がダイニングルームに広がってお りました。
ですが・・・・・ただ一人、苦虫を噛み潰した顔をしてその光景を見詰めている ものがおりました。
言わずと知れた当邸の主人オスカー様です。

それは、何故かって?

それは、それは。愛する妻と娘に公然と纏わりつく虫達を黙ってみていることし か出来ないからです。
一応これでもお客ですから・・・・・・・・・。

「アン・ディアナ。良く噛んで食べないと、美人になれないよ☆」
こくんと赤金色の髪を揺らし、返事を返すアン・ディアナ。そんな幼女に
「可愛いね〜。ホント。私が食べちゃいくらいだよ〜」
と、女性と見まごう程の美貌を眩く光らせながらオリヴィエさまはにっこり笑い かけました。
『ふっ。良く噛もうと噛むまいと、俺の娘は美人になるに決まってる!』
オスカー様はぎりぎりと歯を噛み締めながら極楽鳥を睨み付けていました。

「アンジェ。貴方は何をさせてもお上手ですねぇ。
久し振りにこんなに美味しい家庭料理を頂きました。」
衣の裾で感涙したとばかりに涙をぬぐうリュミエール様。そんなリュミエール様 に、
「嬉しいですぅ。わたしの料理で宜しければ、また、何時でお作りします」
アンジェはにっこりと笑いかけました。
『何がっ!!久し振りだっ!!!昨日も一昨日もその前もっ!!
連日家族団欒を邪魔してやがるくせにっ!!けっっ!!!
俺のお嬢ちゃんの優しさに付け込みやがってっ!』
瞬間、オスカー様が握り締めたワイングラスにひびが入りました。

「ね〜。アン・ディアナ。家の薔薇、今が満開なんだ〜。明日お出でよっ!」
「家の犬が子供を産んだんだけど、明日見に来ないかい?アン・ディアナ」
「けっ!!家に来るよなっ!アン・ディアナ。ちびロボ改良型見せてやるぜ!」
その言葉ににこにこと笑いながら、
「う〜ん。明日はお休みだから〜。皆で遊ぼう?!
マルセル様の所でお花見て〜ランディ様の所でわんちゃんの赤ちゃん見て、ゼフ ェル様の所であそぼー!! 皆でね〜!!!」
無邪気に言葉を返すアン・ディアナ。その言葉にしぶしぶ頷くお子様ランチ。
『くそっ!!娘の気を引きやがってっ!!!お子様はやっぱり侮れないぜっ!!
子供は子供ながらに自分の好きなものを知ってやがるからなっ!!
ふふふふふ。覚えてろよお子様ランチっ!!直ぐにオトナの苦渋を舐めさせてや るぜっ!!
このオスカーがたっぷりと・・・・・・・・・・な。』

他にも色々、色々、アンジェとアン・ディアナにちょっかいを掛ける客達。
それら全てにオスカー様は怒りのサクリアを爆発させつつ、時間を過ごしており ました。
が、そんなオスカー様に気が付いたアンジェは、
「オスカー様?今日のお食事、お口にあいませんでした?」
と。愛する妻が悲しそうな問い掛けに、オスカー様の意識は妻だけに向けられた のでした。
「いや。お嬢ちゃんの料理が素晴らしすぎて勿体無くって手を付けられなかった だけだ」
毎日毎日おんなじ様な事しか言えんのかっ!!と、ぶつぶつと呟く客達。ですが 、
「まあ。オスカー様ったら。
オスカー様がそんな事をおっしゃると、わたし、もお・・・・・・・・・。
オスカー様の為にお料理できないじゃないですかぁ!」
等と可愛く膨れてみせながら、
「もお。それじゃ、オスカー様が勿体無いっておっしゃるなら、わたしが食べさ せちゃいます!!」
そう言って、アンジェはオスカー様のフォークを奪い取り、顔を赤く染めながら 、
「はい。あ〜ん」
と・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。(笑)
そんな夫婦のいちゃいちゃに、
「あ〜〜〜〜〜〜〜!!アン・ディアナもするーーーーーーーーー!!
は〜いパパ。パパ。あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んっ!」

そして・・・・・・・・・・。

「だめ〜!!アン。パパはママのなのっ!!
パパに『あ〜ん』しても良いのはママだけなのっ!」
「違うも〜ん。パパはアン・ディアナのパパなのっ!だからしても良いんだもん 。
ママはママのパパに『あ〜ん』すればいいでしょ!」
と、オスカー様争奪戦が始まってしまいました。

妻と娘の可愛らしい戦いに瞳を細め、二人を止めようともせずに、鼻の下を伸ば して見つめているオスカー様。
そんな幸せ一杯のオスカー様へ、客達が憎々しげな、忌々しそうな視線が向けら れました。
その視線に気が付いたオスカー様は、今迄のお返しとばかりに、得意げに、誇ら しげに、にやりとした笑いを浮かべたのでした。

更に敵意を煽ったオスカー様でした。
明日もまた天使母娘の争奪戦に拍車が掛かる事請け合いでした。
でも・・・そんな苦労も天使母娘の笑顔が一つ向けられれば、苦労じゃなくなり ますよね。

頑張ってね。オスカー様。

おわり。




おまけ♪

「夜、母様を苛めてる父様なんて嫌いだーーーーー!!
母様は僕が守るっ!!!ね。母さま。今日から僕と一緒に寝よう!!」
等と呟くJr.の言葉に、ぽかんとした顔をしているアンジェリーク。
「ち、違うぞ!!Jr.!!
父様は母様を苛めてなんかいないっ!!」
「んじゃ!なんで母様『もお、いやっ!やめて!!ヴィクトール様』なんてお部 屋で叫んでるんだよー!!
僕、昨日の夜、トイレに行く時に聞いちゃったんだからなっ!!」
そんな息子の言葉に顔を赤らめて俯いてしまったアンジェリークを抱き寄せつつ、
「ほら。父様と母様は仲良しだろう!!
苛めてるんだったら、母様は黙って父様に抱っこされてる訳ないだろうがっ!!」
そんなヴィクトール様に鋭い突っ込みを続けるJr。夫婦は赤くなったり青くな ったりと弁明に忙しそうでした。

Jr君を納得させないと夜ベットでアンジェリークのナイトのこぶ付になっちゃ うぞ!
がんばれ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!ヴィクトール様。

おしまい



どうです! 素晴らしいでしょう!
 この前の『ある夕方』を送ったらこんな素敵な返信が返ってきたんです。チェリィ様、もったいのうございますぅ〜♪
チェリィ様の書く金アンとオスカー様はほんとにラブラブで、見てるだけでしゃ〜わせ(。)になりますこれに比べるとわたしの金アンは少々気が強そうです。



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