嫌い、嫌い、大嫌いっっ!!
約束したのは、ついこの間。
強引に約束取り付けた癖に、なんなのよ、あの態度はっ!!
『もう少しでメカが完成するから、家にいる』ですってっっ!!
私だってそうそう暇じゃないんですからね。
ゼフェルの一言であっさり動くと思ったら大間違い。
私だって仕事、忙しいんですからね。
もうとうぶん、会ってやらないから。
最初の出会いは最悪。
いきなり『俺は女は大嫌いだ!』は、ないでしょ?
はじめて来た場所に、はじめて会った守護聖様方。
ライバルと呼ばれる相手は、本当の貴族のお嬢様。
‥‥どう考えても自分がここにいるのがおかしいって思ってる女の子に。
いきなり、
『ちょろちょろすんなっ!』ですって?!
あ〜〜〜!! 今思い出しても腹が立つ。
自分の不幸、ふりかざしてんじゃないっつーの。
あの時からああいう人だったわっ。
会う度、ぶっきらぼうにされる挨拶。
どうみても乱暴な態度と言葉使い。
そのくせ、犬には弱くて、でも虚勢はって。
いっつも、偉そう。尊大。ねぎ坊主。
えっと‥‥ほかにいい悪口ないかしら?
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
‥‥でもね、知ってるの。
マルセル様やルヴァ様が何かを壊した時、その場は『莫迦でー』という態度とってても、その後誰もいなくなってから戻って直してあげてるでしょ?
『俺は守護聖になんかなりたくなかったんだよっ!』
いつも言ってた口癖。
守護聖らしくないって他の皆様に言われる度、いつも。
でもね。
光を弾く銀の髪。
燃えるような紅玉の瞳。
背は、ちょっと不自由。
いじっぱりのやせ我慢。
あなたは、それだけの存在。
私にとってそれ以上でも、それ以下でもない普通の男の子。
『守護聖』なんて肩書きはいらないの。
鋼の守護聖ってことに腹をたててるだけで、ほんとはその能力を使い切ってる数少ない人。
‥‥もしかすると、本当の優しさを知っている人かもしれない。
‥‥むっ!
しまった!
いつの間にかしんみりしちゃったわ。
う〜ん‥‥‥。
しょうがない。
やっぱり今日会いにいこう。仕事なんか二の次よ!
話したい事、一杯あるんだもの。
不機嫌な時は、ちょっと怖いけどね。
けど。
『大好きだから。』
この言葉を耳許でいってやる。
それが今回のふ・く・しゅ・う♪
きっと大打撃を受ける筈。
その筈。
ふふふっ‥‥、楽しみ♪
待ってなさいよ、今こそ思い知らせてあげる。
女の子の強さを!
‥‥‥でも、本当だからね。
『大好き、ゼフェル』
おしまい。
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