■尾道旅行記

 4.後編(ロープウェイ山麓駅〜海岸通り)

御袖天満宮・浄土寺(夕陽の道)〜海岸通りの最終コース。14時45分開始で、18時30分までかかった。いやぁもう疲れたですよ。

ロープウェイ山麓駅から浄土寺までのコースは、もう足が痛くて本当にダウンしそうだったがふんばった。急斜面の町に住む人の苦労が身にしみて分かった。今日は、ロープウェイ以外全部歩きだからさわやかウォーキングになってしまったか。いやあれより過酷。坂ばっかだもん。平坦の道なんか一切なし(ウソです^^:)。鳳来寺山に登った時、以来の苦しさ。

14時45分に出発。慈観寺の前を通り、タバコ屋から小さな路地へ入る。目指すはタイル小路。映画「時をかける少女」で和子が下駄履きで走ってたタイルを敷き詰めた小路。でも、なかなか見つからない。ガイドブック通り来てるのに。何度もそこら辺をうろうろしていると気づく。舗道にタイル小路を示す案内が彫られているが、ガムテープで隠してある。うっすら見えるその矢印の方向へ向かうと、

「観光騒音のため、タイル小路を廃止します。」
「タイル小路は廃止しました。」

とある。なんと、廃止されてしまったのだ。正確には小路はあるけど、観光客が書き残したタイルが撤去されてしまって、普通の小路になったということ。タイル小路は民家の中にあるので、観光客がやかましく、住人からの苦情で廃止されたようだ。それにしても映画の公開から20年経ってなぜ今頃?残念だが引き返すしかない。引き返すとそれを慰めるかのように、尾道名物ネコがまた登場。おいどこへ行く。

タイル小路廃止
尾道ネコ
「タイル小路は廃止」 ネコちゃんどこへ行く?

引き返して御袖天満宮へ向かう。結構観光客が多く、シルバー観光ガイドというおじさんが拡声器を片手に観光ガイドをしていた。御袖天満宮は映画「転校生」で一夫と一美が抱き合ったまま、石段から転げ落ち男女が入れ替わってしまったことでも有名。男女が入れ替わるドラマも結構あったな。"あかねちゃんOVER DRIVE"もさりげなくそんなシーンが最終巻にある。(ごめん。分からないよね〜)ここの階段も結構辛い。いや普段なら問題ないだろうが、もう足が棒になっている自分ではホントに忍び足のごとくゆっくりしか登れない。

天満宮参道
転校生ロケ地 御袖天満宮
御袖天満宮への参道 一夫達が転落した階段
有名な階段
 
ここから落ちる勇気・・・  

御袖天満宮を出て西国寺へ向かう。れんが坂というレンガが敷き詰められた坂を下ってゆく。ここでもネコが登場。肥満気味のネコで全然逃げる気配もない。れんが坂の終点を左折すると西国寺へ行ける。真言宗、西国寺。大きな草鞋(わらじ)が迎えてくれる。ここに草鞋を奉納すると足の病気が治るらしい。この門の中には仁王像が入っているけど、草鞋が邪魔していて正面からは良く見えないかも。西国寺境内から石段を下に見る図は美しい。ガイドブックでもしばしば使われている。

れんが坂
真言宗 西国寺
れんが坂 真言宗 西国寺 山門
わらじ
山門〜階段
奉納されたわらじ 境内側から下を望む

西国寺を出てコースをしばらく歩くと、広島県立尾道東高校、尾道市立久保小学校がある。二つの学校は隣接しており、入り口から左手が高校、右手が小学校となるようだ。休日なので基本的には誰もいないが、尾道駅近くの土堂小学校と違い校門は開いていて自由にグランドへ入れる。

久保小の裏山には西郷寺がある。この西郷寺は鳴き天井で有名。本堂の扉には拝観は16時までと書いてあり、まだ入れるのかなと思ったが、人気も全然ないし、勝手に入っていいのか不安だったので諦めた。

尾道東高校名板
久保小学校
県立尾道東高校 久保小学校
西郷寺
 
西郷寺(鳴き天井)  

西郷寺を出てやや南へ下っていくと、尾道市立図書館があり、右手にJR山陽本線が並行してくる。海もさらに近くなる。そして道は広い石畳となり、夕陽の道と呼ばれる夕陽と尾道大橋がきれいに望めるポイントに出る。ちょうど日が傾いてきたので、完璧に撮影できた。この左手が真言宗・浄土寺である。浄土寺というくらいだから、浄土宗かなと思ったが真言宗らしい。映画「ふたり」ではピアノの発表会が行われた場所だ。

多宝塔と呼ばれる塔は国宝で他のお堂なども重要文化財に指定された由緒あるお寺。ここで鳩に餌を与えることもできる。予定より早く16時に到着。古寺巡りはこれで予定コース全終了。すべての寺は回れなかった。寺が多すぎるね。ここで30分の休憩で足を整える。

夕陽の道
ガード下
夕陽の道&尾道大橋   すごいガード下だよね
浄土寺
真言宗・浄土寺 多宝塔

足も幾分楽になったところで山陽線のガードをくぐり、国道2号線、JR線沿いに土堂町の方へ戻る。海岸通りへ回って行くのも手だったが、最後に一つ重要な目的が残っていたので。

最後の目的というのは、ぱられる4巻(講談社・少年マガジンコミックス)でクライマックス、星野と猫田がキスをするシーン。あの石階段は尾道のどこなのか、そしてあの二人が同棲していた洋館らしき建物はどこなのか探さねばならない。全くもって見当がつかないので、目視で疑わしい場所を探す手法を取る。あの石階段は観光客が通るような場所ではなく、地元民しか知らないような道なので、本当に探せる自信はなかった。もう17時だし、日暮れまで時間がないので1時間で探さなければならない。

国道2号から千光寺山を注視し、坂道をチェックして行く。だんだんと暗くなってきたので更に作業は困難になったが、JR山陽本線の土堂踏切まで来て、私は声を上げた。

「あっ!あれじゃないかなぁ。あれっぽいなぁ。」

西土堂町の斜面にひっそりある階段を発見。にしてもあそこまでまた上らなければならない。最後の力をふりしぼって、向かう。土堂小学校の校門前の道を左にすすみ民家の中を進む。

狭くて傾斜がきつくて、たまらん。大体の方向はあってるだろうなと思って上ってゆくが、なかなかたどり着けない。なんか尾道城へ向かっているような不安を覚えながら下を見渡せる場所に到達。そこにはサティ。やっぱちがう!道を間違えた。ここまで上ってそりゃないよ。もう一度、麓へ戻り、石段がある位置を確認。もう一度そこを目指して向かう。しかし同じ道に出てしまい堂々巡り。日が暮れてしまう。もう30分経った。地元のおじさんが私が慌てている様子を不審そうに思い、声をかけてくれた。

おじさん: 「お兄さん、どこへ行きたいんや。」
自  分: 「あの、ふもとの芙美子像から見える石柵のある、石階段に行きたいんですが、なかなかたどり着かないんです。」(汗びっしょり!)
おじさん: 「千光寺へ続く道じゃないのね?」
自  分: 「じゃないんですよ。左から右に向かって伸びる石階段で、柵が石柱と石柱でこうやって鉄の棒でつながれた感じの道なんです。うまく説明できないんですけど、とにかく、ふもとからは見えるんですけど。 どうやってもそこへ行けないんです。」
おじさん: 「それはよめさんの道じゃないんか。(よめさんというのは意味不明)それならここの道から下れば出れるよ。」

とまぁ、案内に従って、"道"というか民家の生活道路みたいな狭い所を指先で案内された。おじさんにお礼を言い、早速、進む。「こんな道、旅行客じゃ分からないよなぁ。」と思いながら突き進むと、ありました!

石階段の道。まず、これが「ぱられる4巻170〜180ページまでの猫田と星野がキスをした石階段なのかを立証せねば。構図を確かめて場所に立ってみる。

「まさしく、ここだぁ!!!!」

発見だ。この荒れた石階段がソノ場所なのだ。右前方の家は描かれていないが、それ以外は全く同じ。ここですよ。ただこの石階段かなり荒れていて歩き難い。足元を注視しがら歩かないと必ずコケる。右下のぱられるチェックをクリックしてね。

>>> ぱられるチェック 第4巻 170-180頁 <<<
>>> ぱられるチェック 多数登場 <<<

もう18時になってしまい、いよいよ日が沈む。福山を19時36分発の新幹線で名古屋へ帰らねばらないので、遅くとも尾道駅18時58分発の普通電車に乗る必要がある。その前に海岸通りへ出て、尾道水道と渡船だけでも見ておこう。海岸通りには渡船場が複数あり私が見たのは福本渡船らしい。これに乗れば数分で向島へ渡ることができ、地元の人は橋のごとく、頻繁に使っている。

尾道駅裏口
海岸通りから尾道水道
尾道駅裏口 海岸通りから尾道水道
渡船
桟橋
向島へは渡船で数分  渡船の桟橋

渡船場の近くで、夕暮れの海辺にたたずむ少女を発見。なんか絵になるような気がしたので、写真に収めました。いいのか。もえたん。(←04年1月追記・笑)

尾道水道と少女
海辺に佇む女の子
黄昏の尾道駅
情緒豊かな広場
夕暮れのJR尾道駅 日が暮れた駅前広場

■編集後記

今回は日帰りのため強行スケジュールであった。当初は1泊2日の予定も考えたが疲労のことと、2日目も天気が良いとは限らないので1日で目的をなるべく達成することとした。

今回持参したSONYのDSC-P5で撮影した、枚数の総数は469枚。メモリースティックは128M、64M、8Mの3枚をフルに使い、バッテリも予備を含め全て使い切った。このホームページで紹介できる写真はその1/4くらいなのが残念。今度来るときはビデオカメラを持参したい。実際観光客の多くはデジカメかハンディカム(DVカメラ)を持参していた。今回ハンディーカムを見合わせたのは坂道をあれで撮影するのは辛いと思ったため。次回は教訓を生かし是非動画での撮影に挑戦したい。

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