8月13日(水)その@
チェルビアニア→マクニーャガ(Macugnaga)1327m移動
チェルビニア→(バス)→シャテイヨン(Chataillin)→(バス)→ミラノ・ポルタガルバルディ駅→(メトロ)→ミラノ中央駅
→(列車)→ドモドッソラ駅(Domodossola)
→(バス)→マクニーャガ・スタッファ(Macugnaga Staffa)→(バス)→チェッポモリー
マクニャーガ・チェッポモリー(Ceppo Morelli)750m・Hotel
Nuovo Mondo D'oro泊
チェルビアニア→マクニーャガ移動の話
この日は、チェルビニアからマクニャーガへの移動日。
チェルビニア〜マクニャーガも直線距離にすれば、そう遠くはないのだけれど、山越えして移動する手段はないので、移動は容易ではない。
特に今回は、大変だった。列車やバス便の関係もあって、いったんチェルビニアからからミラノに行き、そこから、列車とバスを乗り継いで行かなければならなかった。
そして、いろいろあって大変な一日だった。
まず、チェルビニアからバスで、チェルビニアのあるトゥールナンシェ谷の入り口の町シャテイヨン(Chataillin)まで行く。
ここで、ミラノ行き直通高速バスでミラノまで行く。ミラノ行き直通高速バスは、高速道路に乗る。バスは、途中の停留所で乗客の乗降のために、いちいちいったんインターを出て高速を下りる。見えていた山が見えなくなり、次第に平野部を走りようになり、山間部を走っているときは涼しかったのが(チェルビニアを出たときは早朝7:20で寒いくらい)、だんだんと暑くなり車内にクーラーが入った。
今年のヨーロッパは猛暑で、ミラノも連日30°を越え、35〜6°、40°と言う日もあったらしい。
ヨーロッパ各地で暑さによって亡くなる人が出たり、山火事が起きたりしたニュースが連日報道されていた。
(反対に日本は天候不順で、雨ばかり、気温も低い日が続いていたらしい。)
ミラノ行きバスは、平野部から、町に入ってきた。
時間的にもミラノ到着は近いなと思っていた。
ここまでは、順調だった。
「ミラノ行き」ということで、私たちは、当然「ミラノ中央駅」に行くのだろうと信じて疑わなかった。
「ミラノ中央駅」ならば、最初に到着して1泊だけ宿泊し、ここから列車でクールマイユールへと移動したので様子が分かる。
それに、この日は、さらにマクニャーガへ移動するため「ミラノ中央駅」から列車に乗らなければならない。私たちの予定では、バス到着が10:30、乗車予定の列車は11:00発。ちょうどいい時間だった
けれど、ミラノで到着したところは、「ミラノ中央駅」では、なかった。
駅らしいところに到着したが、「ミラノ中央駅」ではない。最初に到着する場所で、このあと、「ミラノ中央駅」に行くのかな、と思っていたが、乗客全員が下りるので、運転手さんに聞いてみると、終点だと言う。
ミラノには違いないが、ここは、いったいどこなのだろう?
ミラノには、中央駅の他にいくつか大きなターミナル駅がある。
とにかく、大きな駅なので駅らしい建物の方に行ってみた。
本当に、恥ずかしくておかしな話だが、駅の切符売り場の人に、
「ここは、どこの駅ですか?私たちはいま、どこにいるのですか?」と聞いた。駅名がよく聞き取れなかったのと、聞き取れたにしても、その駅が、ミラノのどこなのか、中央駅との位置関係はどうなのか、が知りたくて、日本語のガイドブックのミラノの地図を出して、指し示してもらった。
駅員さんは、日本語の地図に驚いていたが、駅名などはイタリア語でも書いてあるので、地図での場所を教えてくれた。
その駅は、
ミラノ・ポルタガルバルディ駅(Stz. Porta Garibaldi F.S)。
中央駅から、少し西にある。
現在地は分かった。
さて、ここから、予定の列車に乗るため中央駅に行かなくてはならない。
どう行けばいいのか?
駅の人に聞くとメトロ(地下鉄)で行けと言う。
では、さて、メトロはどこで、乗り方は?
メトロの入り口を確かめ、切符を買った。
切符の買い方も分からず、人に聞くと切符は、駅の日本のキオスクのような売店で買うのだと教えてくれた。
乗り場を確認してホームにおり、メトロを待つ。反対方向行きに乗ってしまっては大変なので、
ホームで待っている人に、
「中央駅へは、このホームでいいのですか?」と聞いてしまった。
ポルタガルバルディから中央駅までは、メトロで2駅。
ミラノ市内全線均一料金で一回いユーロ。あとで、分かったのだけれど、メトロの切符はもちろんメトロの自動販売機や駅員さんのいる窓口でも買える。でも、この時は焦っていた。
焦っていたのは、思わぬところに到着したからだけではなくて、
中央駅からの列車の時間が迫っていたからだ。
バスが、ポルタガルバルディ駅に着いたときには、到着予定時間を遅れていた。
現在位置を確かめて、メトロに乗るまでに時間をかけてしまったので、時間の余裕がなくなってきていた。
駆け込み乗車でも何とか11:00発の列車に乗れるかなと思っていた。
が、中央駅の切符売り場に着いて、
ガガガ〜ン
切符売り場に長蛇の列。
それでもイタリアの列車は、遅れることがあるので、まだ、間に合うかもしれない。列車出発表示板ももう出発時間の過ぎている列車もまだ出発していないようで列車は遅れているようだ。前の時間の列車の出発が遅れているということは、11:00発の列車も遅れるに違いない。
でも、切符を買うのに時間がかかった。
あげくに、片道のみの切符を2人分買うつもりで自分ではそう言ったつもりなのに、
窓口の人は、往復切符を2人分に聞こえたらしく、
往復切符を買うことになってしまった。
日本ならば、切符を発行し直してもらえるかもしれないのに…。
「いったん、発行した切符は発行し直せません!」
みたいなことを、はっきり、きっぱりと言われてしまった!
まあ、帰りも同じ経路でミラノに戻ってくるので、往復切符を買ったとしても無駄にすることはなく、帰りに使えばいいのだけど。
無駄にしてしまう切符だったら、簡単には引き下がらないで、発行し直してもらえるまでもっと強く言っていたかもしれなかったな!?
11:00発の列車には、結局乗ることが出来なかった!
次の列車は、1時間半後の12:30発。
待ち時間はたいしたことないのだけれど、駅の中が暑い!
ガイドブックを見ると、切符を購入した人だけ入ることが出来る、冷房完備の待合室があるらしい。
そこなら、涼しいし、治安の面でも安心だ。駅は、いろいろな人が出入りするから、スリなどの心配がある。
それに、私たちには、思い大きなスーツケースがあるので、動きが悪い。
いろいろと、気が動転しているし暑くて注意力もとぎれがちだ。
その、待合室を探してみたが、見つからなかった。見つけられなかったのか?なくなってしまったのか?
暑い、駅の中をウロウロして列車の時間を待つことになった。
12:30発の列車の発車ホームがようやく表示板に表示されて、ホームに向かったが、端の方のとても遠いところ。
行ってみると、列車は、オール2階建てだが、冷房はなし。
11:00発の列車は、IC(主要都市間を結ぶ急行列車)だけれど、12:30発の列車IR(ローカル列車)だからなのか?
列車は、混んでいて、大きなスーツケースを置く場所にも困ったけれど、座席の一部をふさいで置いてしまった。
ちょうどお昼時だったので、列車の中でお昼を食べるつもりでいた。
冷たい飲み物は、発射のぎりぎりに買った方がいいと思い、いったん座席を決めてから買いに行ったが、ホームが遠かったので、買いに行って戻ってくるのに大汗をかいてしまった。
止まっている列車は暑い!
やっと、発車したが、窓を全開にしても、入ってくるのは熱風で暑い!
それに、列車の走る音が、ガタンゴトンうるさい。
最近の日本の列車は窓を開けて走ることなどないので、暑くてうるさくて大変だった。
例の、往復買ってしまった切符にももう一つおまけが付いてしまった。
(実は、おまけはあとでもうひとつ増え、二つになったのだが。この時はまだひとつ。)
往復切符の二人分計4枚のうち、行きの分はどれで、帰りの分はどれか、よく見比べたつもりだった。
そして、4枚の切符には違いはない。
と、判断してどれでもいいから、行きに2枚使えばいいのだと思い、今度こそ、文句を言われないように、罰金を取られないように、列車に乗る前にホームの自動検札機で、しっかりと刻印をした。
が、
例のように、列車内で車掌が切符の検札に来て、私たちの切符を見ると、また、なにやら言う。なにやら言われるはずはないのに…。
私たちは、4枚の切符はすべて同じだ。と思ったのだが、実は、往路用2枚と復路用2枚の切符があったのだった。
よく見ると、往路用2枚はミラノ→ドモドッソラと書いてあり、復路用2枚はドモドッソラ→ミラノと書いてあった。
1枚は、往路用ミラノ→ドモドッソラの切符に刻印したのだが、1枚は復路用ドモドッソラ→ミラノの切符に刻印してしまっていたのだった。
車掌さんは、そう言うことを言っていたわけだったのだ。
でも、この件に関しては、そう言われただけで、罰金などを取られることはなかった。
当初の予定より1時間半遅れの14;10ドモドッソラ着。
ここから、マクニャーガまでは、また、アンザスカの谷(Valle
Anzasca)をバスでさかのぼる。
またしても、マクニャーガは、アンザスカの谷の最奥、アルプスの山々の峠を隔ててスイスとの国境稜線近くにある。
今回のバスの起点としたドモドッソラは、ミラノから列車で1時間半ほどだけれど、ドモドッソラは、スイスのブリークからは、わずか29分ほどの近さなのだ。
マクニャーガに向けてドモドッソラから、アンザスカの谷をさかのぼっていくバスは所要時間約1時間15分。
アンザスカの谷の入り口の標高はわずか248mだけれど谷を26qさかのぼる間に徐々に高度が上がり、マクニャーガの中心スタッファ(Staffa)の標高は1327m。
バスは、渓谷沿いの崖をへつるように付けられている道をさかのぼっていく。
場所によっては、道から河原まで100mかそれ以上もあるような感じがした。(実際はどれくらいなのかよく分からないが)道幅も狭く、車一台が通のがやっとで、対向車とのすれ違いが出来ないところもたくさんあった。私たちの乗った大型のバスは、カーブの度に派手なクラクションを長〜く、長〜く鳴らしながら進んでいった。
乗客は、初めは何人かいたが、途中の集落で降りてしまい、終点まで乗っていたのは、私たち二人と、あと中年の御夫婦の4人だけだった。
いろいろあった、チェルビニアからマクニャーガまでの移動もやっとマクニャーガ到着。
チェルビニアを出たのが7:20、マクニャーガ着15:45、8時間以上かかってしまったのだ。
やれやれ!
マクニャーガは、アルペンリゾートの村。
スイス側とは全く印象の異なるモンテローザの東壁を間近に眺められるところだ。
(またしても、名峰の裏見!?)
が、この日は、これで終わらなかった。